デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.260-261(DK210035k) ページ画像

明治30年6月28日(1897年)

是日栄一当会議所会頭トシテ、商事会社合併法ノ制定ヲ希望スル旨、大蔵大臣伯爵松方正義・農商務大臣伯爵大隈重信・逓信大臣子爵野村靖ニ建議ス。


■資料

第七回東京商業会議所事務報告 第三頁 明治三一年四月刊(DK210035k-0001)
第21巻 p.260-261 ページ画像

第七回東京商業会議所事務報告  第三頁 明治三一年四月刊
一商事会社合併法制定ノ義ニ付大蔵・農商務・逓信三大臣ヘ建議ノ件
 本件ハ博多商業会議所ヨリ第六回商業会議所聯合会ヘ提出シテ其可決ヲ経タルモノニ係リ、其要旨ハ、目下経済界ノ現況ニ徴スルニ商事会社合併法ヲ制定スルハ必要ナルニ付之ヲ政府ニ建議シ、且ツ帝国議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、仍テ之ヲ明治三十年六月十一日第六十四回ノ臨時会議ニ附シ、其決議ニ依リ役員会議ニ於テ文案ヲ起草ノ上、同月二十八日附ヲ以テ、左ノ如ク大蔵・農商務・逓信三大臣ヘ建議セリ
    商事会社合併法制定ノ義ニ付建議
 商事会社ノ合併ニ関シ、銀行合併法ヲ除クノ外ハ我国現今法律中特ニ規定セラレタル法文ナキヲ以テ、会社ノ合併セント欲スルモノハ
 - 第21巻 p.261 -ページ画像 
已ムヲ得ス商法ノ規定ニ依リ一旦解散ノ手続ヲ履行シテ、而ル後合併セザル可ラス、此ノ如キハ独リ其手続ノ煩ニ堪ヘサルノミナラス解散ノ一事ハ会社ノ名分上事業ノ進行上共ニ喜フヘカラサル所タリ故ヲ以テ眼前合併ノ利益ヲ認ムルモノモ躊躇シテ之ヲ決行セサルハ今日ノ実況ナリトス、是実ニ国家経済上ノ大患ト謂ハサル可ラス、本会議所此ニ憂フルアリ、昨明治二十九年九月十四日ヲ以テ会社合併ニ関スル法律ヲ制定セラレンコトヲ閣下ニ建議セリト雖トモ、未タ同法ノ制定ヲ見ルニ至ラス、然ルニ経済社会ノ現状ヲ査察スレハ同法ノ制定一日モ忽ニス可ラサルモノアリ、既ニ銀行ニ対シテ合併法ヲ設クル必要アリトシ、輿論之ヲ是認シ政府之ヲ制定セラレタル以上ハ、一般商事会社ニ対シテ亦合併法ヲ設クルノ必要アルハ論ヲ待タサル所ニ非スヤ、閣下願クハ本会議所ノ微衷ヲ採納セラレ速ニ商事会社合併法ヲ制定シテ一国経済機関ノ発達ヲ謀ラレンコトヲ
 右本会議所ノ決議ニ依リ建議仕候也
  明治三十年六月二十八日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    大蔵大臣  伯爵 松方正義殿
    農商務大臣 伯爵 大隈重信殿 (各通)
    逓信大臣  子爵 野村靖殿
   ○右建議ノ趣旨ハ大体ニ於テ実現セリ。即チ明治三十二年三月九日公布ノ商法ハ第七七条乃至八二条ニ於テ合名会社ノ合併ニ関スル諸規定ヲ設ケ、ソノ多クヲ合資会社・株式会社ノ合併ニモ準用スルコトトセリ(第一〇五条第二二五条)
   ○本巻明治二十九年九月十四日、同三十年五月七日ノ両条参照。