デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.266-272(DK210038k) ページ画像

明治30年10月13日(1897年)

是日栄一当会議所会頭トシテ、近ク設定セラレントスル東京市特別税中ノ会社税ハ背理ノ税ニシテ商工業ノ発展ヲ阻害スルモノナル所以ヲ、東京市参事会東京府知事子爵岡部長職ニ開申ス。


■資料

東京商業会議所月報 第六二号・第二三頁 明治三〇年一〇月 【○同月 ○九月二十七…】(DK210038k-0001)
第21巻 p.266 ページ画像

東京商業会議所月報  第六二号・第二三頁 明治三〇年一〇月
○同月 ○九月二十七日午前九時、本会議所ニ於テ役員会議ヲ開キ、特別市税ノ件ヲ審議シ、午前十一時閉会ス


東京商業会議所月報 第六三号・一一頁 明治三〇年一一月 【○同月 ○十月八日午…】(DK210038k-0002)
第21巻 p.266 ページ画像

東京商業会議所月報  第六三号・一一頁 明治三〇年一一月
○同月 ○十月八日午後三時、本会議所ニ於テ役員会議ヲ開キ、特別市税ノ件 ○中略 ヲ審議シ、午後五時閉会ス


東京商業会議所月報 第六三号・第一〇―一一頁 明治三〇年一一月 【○明治三十年十月八日、本会議所…】(DK210038k-0003)
第21巻 p.266-267 ページ画像

東京商業会議所月報  第六三号・第一〇―一一頁 明治三〇年一一月
 - 第21巻 p.267 -ページ画像 
○明治三十年十月八日、本会議所ニ於テ第六十六回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
 河村隆実君 ○外二十六名氏名略
午後五時十分開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後八時閉会ス
○中略
 一 特別市税ノ義ニ付建議ノ件 (会員提出)
本件ハ会員中野武営・佐久間貞一・末延道成・加東徳三・益田克徳六君ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、東京市会ノ問題トナレル特別市税賦課設定規則中商事会社ニ課税セントスル件ハ不可ナルニ付、役員会議ニ附託シ一ノ意見書ヲ起草シテ市参事会ヘ提出スヘシト云フニ在リ、審議ノ末之ヲ可決ス


東京商業会議所月報 第六三号・第一一頁 明治三〇年一一月 【○同月 ○十月十二日…】(DK210038k-0004)
第21巻 p.267 ページ画像

東京商業会議所月報  第六三号・第一一頁 明治三〇年一一月
○同月 ○十月十二日午前十時、本会議所ニ於テ役員会議ヲ開キ、特別市税ノ件 ○中略 等提出方ニ付審議シ、午後一時閉会ス


東京商業会議所月報 第六三号・第一一頁 明治三〇年一一月 【同月同日 ○十月十三日特…】(DK210038k-0005)
第21巻 p.267 ページ画像

東京商業会議所月報  第六三号・第一一頁 明治三〇年一一月
○同月同日 ○十月十三日特別市税中会社税ノ義ニ関シ東京市参事会ヘ意見書ヲ提出ス(意見書ノ全文ハ参照ノ部第二号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第六三号・第一五―一七頁 明治三〇年一一月 【○参照第二号 明治三十年十月…】(DK210038k-0006)
第21巻 p.267-268 ページ画像

東京商業会議所月報  第六三号・第一五―一七頁 明治三〇年一一月
○参照第二号
 明治三十年十月十三日特別市税ノ義ニ付東京市参事会ヘ提出セシ意見書ノ全文ハ左ノ如シ
    会社税設定ヲ不可トスル義ニ付開申
今般設定セラレントスル本市特別税中、会社税ハ啻ニ背理ノ税法ナルノミナラス、実施ノ結果ハ本市商工業ノ進運ヲ阻害スルニ至ルヘシト信スルニ依リ、本会議所ノ決議ヲ以テ別紙意見書提出仕候也
  明治三十年十月十三日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
  東京市参事会東京府知事
      子爵 岡部長職殿
(別紙)
    東京市特別税賦課規則設定ノ件中会社税ヲ不可トスルノ意見
東京市ノ市費補充ノ目的ヲ以テ市参事会ヨリ市会ヘ提出セラレタル特別税賦課規則設定案中、会社税ハ啻ニ背理ノ税法タルノミナラス、実施ノ結果ハ本市商工業ノ進運ヲ阻害スルノ恐レアリ、故ニ本会議所ハ左ニ所見ヲ直攄シテ大ニ再考ヲ乞ハントス
特別税賦課規則設定案第二条ニ依レハ、会社税ハ市内ニ営業場ヲ有スル商工業ノ会社ニ対シ利益金ノ割合ニ応シテ課税セントスルモノナリ抑モ商工業ナルモノハ一個人ニ於テ之ヲ営ムト、会社組織ヲ以テ之ヲ営ムト、其間毫モ撰フ所アルヘキ理ナシ、然ルニ一個人ニシテ商工業
 - 第21巻 p.268 -ページ画像 
ヲ営ムモノハ課税ヲ免レ、会社組織ヲ以テ営業スルモノヽミ特別税ヲ負担セサルヲ得スト云フハ、豈背理ノ甚シキニ非スヤ、凡ソ課税ハ国税タリ、府県税タリ、将タ市税・町村税タルヲ問ハス、総テ公平ヲ保ツヲ以テ帰旨トセサルヘカラサルニ、一国ノ首府タル本市ニ於テ是ノ如キ背理ニシテ且ツ不公平ナル課税ヲ見ントスルニ至テハ、実ニ其意外ナルニ驚カサルヲ得サルナリ、人或ハ云フ、個人ニ課セスシテ会社ニノミ課スルノ不公平ナルハ誰レカ之ヲ知ラサラン、知テ之ヲ為スモノハ、会社ニ課税スルハ之ヲ個人ニ課税スルニ比スレハ其徴収手続簡易ニシテ、而カモ得ル所ノ税額巨大ナレハナリト、果シテ是ノ如クンハ之ヲ特別税ト称センヨリハ、寧ロ一種ノ寄附金ヲ会社ニ強フモノト謂フヲ適切ナリトス、課税ノ本旨ニ違フコト豈之ヨリ甚シキアランヤ且夫レ単ニ会社ヲ本市内ニ置クノ故ヲ以テ一様ニ其利益金ニ課税セントスルハ、此レ亦不当タルヲ免レス、例ヘハ海運会社ノ如キ、鉄道会社ノ如キ、保険会社ノ如キ、会社ハ本市内ニ在リトスルモ、其営業区域ニ至テハ之ヲ大ニシテハ海外ニ及ヒ、之ヲ小ニスルモ内国ノ大部ニ及フニ非スヤ、啻ニ此等ノ諸会社ノミナラス直接ニ本市ト関係ヲ有セサル営業会社其数何ソ限ラン、然ルニ単ニ会社ヲ本市内ニ置クノ故ヲ以テ此等隔遠ナル営業区域ニ於テ収メ得タル総利益金ニ特別市税ヲ課セラルヽトセハ会社タル者豈安ンシテ其ノ賦課ヲ負担スルヲ得ンヤ
国家ノ進歩スルニ従ヒテ諸般ノ事業ハ大ニ其規模ヲ拡張スルノ必要アリ、個人的ノ事業一変シテ会社組織即チ法人的事業トナルハ自然ノ理数ナリトス、現時商工業ノ会社ノ組織セラルヽモノ日ヲ逐テ多キヲ加フルハ正ニ此進運ニ応スルモノニシテ、商工業ノ発達ヲ謀ラント欲セハ益々此等法人的事業ノ振作ヲ講セサルヘカラス、然ルニ此時ニ当テ却テ会社ノ発達ヲ阻害スル税法ヲ設ケントスルハ、大勢ニ反スル不当ノ挙措ト謂ハサルヘカラサルナリ
今回将ニ設定セラレントスル会社税ノ背理ニシテ且不当ナルコト以上陳フル所ノ如シ、若シ誤テ之ヲ実施セラルヽカ如キコトアラハ、本市ニ於ケル会社営業ハ動モスレハ個人営業ノ為メニ圧セラルヽニ至ルヘク、而シテ其業態ノ直接本市ニ関係ヲ有セサル会社ノ如キハ胥ヒテ本社ヲ市外便宜ノ地ニ移転スルニ至ルヘキナリ、此ニ至レハ徴税ノ目的ハ忽牴牾シ、本市ノ繁盛ハ其幾分ヲ減殺セラルヘキヤ論ナシ
故ニ今回設定セラレントスル会社税ナルモノハ、之ヲ大体ヨリ云フモ之ヲ結果ヨリ論スルモ、到底挙行スヘカラサルモノト信スルナリ、聞クカ如クンハ、特別市税ノ設定ヲ要スル主因ハ道路改善ノ為メニ必要トスル経費ヲ得ントスルニ在リト、市内道路ノ改善ヲ謀ルハ方今ノ急務タリ、之カ為メニ巨額ノ市費ヲ要スヘキハ本会議所固ヨリ之ヲ認メサルニ非ス、然レトモ此等必需ノ経費ハ其財源ヲ得ルノ途多々アルヘシ、之カ為メニ会社税ノ如キ背理不当ノモノヲ設定セラレントスルハ本会議所ノ断シテ取ラサル所ナリ
   ○本巻明治三十年十一月二十五日ノ条参照。



〔参考〕東京経済雑誌 第三六巻第八九六号・第七七一―七七三頁 明治三〇年一〇月二日 ○東京市の特別税案(DK210038k-0007)
第21巻 p.268-271 ページ画像

東京経済雑誌  第三六巻第八九六号・第七七一―七七三頁 明治三〇年一〇月二日
 - 第21巻 p.269 -ページ画像 
    ○東京市の特別税案
東京市の歳出は物価騰貴其の他の為に膨脹し、目下既に二十万余円の不足を生じたる由にて、過般来市参事会にては、其税源の発見に関し種々調査中なりしが、去月廿四日を以て特別税賦課規則案を市会に提出せり、其の全文左の如し
 第一条 本市に左の特別税を賦課す
   一会社税 一電気税 一瓦斯税 一荷積馬車税 一牛車税 一荷積大車税 一乗合馬車税一自用馬車税 一貸馬車税 一鉄道馬車税 一市場税
 第二条 会社税は毎年左の方法に拠り市内に営業場を有する商工業の会社に賦課す
   一資本金に対し利益金三割以上あるものは其利益金額千分の二十五以上千分の三十以下
   一同上二割以上あるものは其利益金額千分の二十以上千分の二十五以下
   一同上一割以上あるものは其利益金額千分の十五以上千分の二十以下
   一同上一割未満のものは其利益金額千分の十以上千分の十五以下
  本条の利益金額は、新に営業を開始するものは其見込額に拠り、継続営業を為すものは前年の利益金額に拠り賦課す
 第三条 電気税は発電用機械一馬力に付金一円五十銭を毎年電気営業者に賦課す
 第四条 瓦斯税は供給すべき瓦斯百立方尺に付金三厘を毎年瓦斯営業者に賦課す
 第五条 荷積馬車・牛車・荷積大車・乗合馬車・自用馬車・貸馬車税は左の税率に拠り毎年所有者に賦課す
   一荷積馬車    一輛に付    金五円
   一牛車      一輛に付    金五円
   一荷積大車    一輛に付    金三円
   一乗合馬車
     二匹立    一輛に付    金三十円
     一匹立    一輛に付    金二十円
   一自用馬車
     二匹立    一輛に付    金二十五円
     一匹立    一輛に付    金十五円
   一貸馬車
     二匹立    一輛に付    金二十五円
     一匹立    一輛に付    金十五円
 第六条 鉄道馬車税は軌道一間に付金五十銭を毎年営業者に賦課す
 第七条 市場税は前年中に於ける市場取引金高千分の一を毎年市場営業者に賦課す
 第八条 第二条の範囲内に於て毎年度賦課すへき額は市会の議決に拠り之を定む
 - 第21巻 p.270 -ページ画像 
 第九条 商工業の会社を設立するものは其資本金額及利益見込金額を営業開始後五日以内に所轄区長に届出べし
  営業継続を為すものは毎年三月三十一日限り前年の資本金額及利益金額を所轄区長に届出べし
 第十条 電気営業を開始するものは、其機械馬力の数、瓦斯営業を開始するものは其一ケ年供給すへき瓦斯量を、所轄区長に届出べし
   但馬力数及供給量の増減変更も亦同し
 第十一条 荷積馬車・牛車・荷積大車・乗合馬車・自用馬車・貸馬車を新調するもの及他市町村より転するもの又は無税車の有税車となりたるものは五日以内に所轄区長に届出べし
   但廃車及車体の変更他市町村に輸出等の場合も亦同し
 第十二条 鉄道馬車営業を開始するものは其営業開始後五日以内に往復すへき軌道を営業場所轄の区長に届出べし
   但軌道の増減変更も亦同じ
 第十三条 市場を開始するものは開場後五日以内に一ケ年取引すべき見込高を所轄区長に届出べし
  継続営業を為すものは毎年三月三十一日限り前年の取引高を所轄区長に届出べし
 第十四条 特別税の賦課を受けたる営業者及物件所有者にして営業権及所有権の移転其他の異動あるときは所轄区長に届出べし
本案に依りて収入すべき金額は大略左の如しと云ふ

図表を画像で表示--

  税目       課税物件         同上数量           税率         本年度徴収額      全年度徴収額                                 円                    円            円           利益金額一割未満のもの   二、〇三〇、六五八        千分の十   八、四六一・〇七五   二〇、三〇六・五八〇           同上一割以上のもの    一〇、二八四、三七五       千分の十五  六四、二七七・三四三  一五四、二六五・六二五 会社税       同上二割以上のもの       一三〇、一三五       千分の二十   一、〇八四・四五八    二、六〇二・七〇〇           同上三割以上のもの       六四二、八二五       千分の廿五   六、六九六・〇九三   一六、〇七〇・六二五           小計           一三、〇八七、九二一        ――    八〇、五一八・九六九  一九三、二四五・五三〇 電気税       馬力               二千七百馬力  一馬力に付一円五十銭   一、六八七・五〇〇    四、〇五〇・〇〇〇 瓦斯税       供給量            九千十五万立方尺    百立方尺に付三厘   一、一二六・八七五    二、七〇四・五〇〇 荷積馬車及牛車税  車輛                千二十四輛          五円   二、一三三・三三三    五、一二〇・〇〇〇 荷積大車税     車輛               六百七十一輛          三円     八三八・七五〇    二、〇一三・〇〇〇 乗合馬車税     二匹立                 三十輛         三十円     三七五・〇〇〇      九〇〇・〇〇〇           一匹立                 二十輛         二十円     一六六・六六六      四〇〇・〇〇〇 自用馬車及貸馬車税 二匹立                百二十輛        二十五円   一、二五〇・〇〇〇    三、〇〇〇・〇〇〇           一匹立               二百二十輛         十五円   一、三七五・〇〇〇    三、三〇〇・〇〇〇 鉄道馬車税     軌道          延長一万二千七百六十間         五十銭   二、六五八・三三三    六、三八〇・〇〇〇 市場税       取引高                六百万円        千分の一   二、五〇〇・〇〇〇    六、〇〇〇・〇〇〇 合計        ――                 ――          ――    九四、六三〇・四二六  二二七、一一三・〇三〇 




抑々市は其の財産より生ずる収入、及使用料・手数料、並に科料・過怠金其他法律勅令に依り市に属する収入を以て、市の必要なる支出に充て、猶不足あるときは市税及夫役・現品を賦課徴収することを得るものにして、其市税の目は分ちて二と為す、一に曰く国税・府県税の附加税、二に曰く直接又は間接の特別税是なり、而して附加税は直接の国税又は府県税に附加し、均一の税率を以て市の全部より徴収する
 - 第21巻 p.271 -ページ画像 
を常例とし、特別税は附加税の外別に市限り税目を起して課税することを要するときに賦課徴収するものとす、地租七分の一、其他直接国税百分の五十を超過する附加税を賦課する時、間接国税に附加税を賦課する時、市特別税並に使用料・手数料を新設し増額し又は変更するときは、内務・大蔵両大臣の許可を受るを要し、均一の税率に拠らずして国税・府県税に附加税を賦課するとき、数個人又は市内の一区に費用を賦課するとき、市制第百一条の準率(夫役及現品は直接市税を準率と為し、且之を金額に算出して賦課すべし)に拠らずして夫役及現品を賦課するときは、府県参事会の許可を受くるを要する外、何等の制限あるなし、故に市か其の収入を得る方法は多種にして、頗る自由なりと雖も、其の租税は成るべく種類の少なきを可とすべし、何となれば多種の市税を起すに随ひて市内の産業は妨害せられざるべからさればなり、今東京市の将に起さんとする会社税以下の十一税は所謂直接の特別税にして、国税の営業税に類し、其の賦課法は営業税に優ること遠しと雖も、余輩は尚市会の之を否決せんことを希望せざるべからず、蓋し這般の租税は国税として全国一般に徴収するは可なりと雖も、特に東京市内にのみ之を賦課し、以て其の商工業をして特別の負担を致さしむるは東京市の為に甚た有害なればなり



〔参考〕東京経済雑誌 第三六巻第九〇一号・第一〇六四頁 明治三〇年一一月六月 ○東京市特別税案の修正(DK210038k-0008)
第21巻 p.271-272 ページ画像

東京経済雑誌  第三六巻第九〇一号・第一〇六四頁 明治三〇年一一月六月
   ○東京市特別税案の修正
東京市参事会より市会に提出したる東京市特別税案は、審査の為め調査委員に附托することとなりしが、調査委員会に於ては前後三回の審議を経て大略左の如く議決したり
 会社税 削除
 歩一税(新設) 土地建物の売買譲与の際其価格に対して賦課するものにして、其税率未定なり
 銀行税(新設) 資本金に対し利益金五分以上一割以下のものへは千分の十を課し、利益金一割以上二割以下のものへは千分の十五を課し、利益金二割以上のものへは千分の二十を課す
 取引所税(新設) 資本金に対して利益金五分以上一割以下に対して千分の十五を課し、利益金一割以上二割以下に対して千分の二十を課し、利益金二割以上三割以下に対して千分の三十を課し、利益金三割以上は一割を益す毎に千分の五を加ふ
 船税(新設) 日本形船・帆走船・汽船の噸数を標準として課税す但其税率は未定なり
 軌道税(新設) 市内に敷設したる軌道の延長を標準として課税す但其税率は未定なり
 自用人力車税(新設) 一輛に付き二人乗は四円、一人乗は二円を課税す
 自用自転車税(新設) 一輛に付き三円を課す
 荷積馬車税(原案) 一輛に付き六円を課す
 荷積牛車税(原案) 一輛に付き五円を課す
 自用馬車税(原案) 二疋立一輛に付き三十円、一疋立一輛に付き
 - 第21巻 p.272 -ページ画像 
二十円を課す
 貸馬車税(原案) 二疋立一輛に付き三十円、一疋立一輛に付き二十円を課す
 電気税(原案) 発電機械一馬力を標準として課税す、但其税率は未定なり
 瓦斯税(原案) 瓦斯供給量百立方尺に付き五円宛《(厘カ)》を瓦斯営業者に課す
 鉄道馬車税(原案) 軌道一間を標準として課税す、但税率は未定なり
 市場税(原案) 前年度の取引高の千分の一を課税す
即ち調査委員会に於ては原案中会社税を削除し、新に歩一税・銀行税取引所税・船税・軌道税・自用人力車税・自転車税を設け、原案中貸馬車税・電気税・瓦斯税・鉄道馬車税・市場税を修正の上存せんとするものにして、前記修正案中未定の箇所は去る四日に開くべかりし第四回会議に於て決すべしと云へり
東京市会の将に起さんとする市特別税中、鉄道馬車税は宜しく重課して以て其利益を市に分取して可なるべし、然れども概して之を云へば特別税の如きは成るべく之を起さゞらんことを希望せざるべからず、即ち地租其の他の直接国税に附加税を課し、尚足らざれば制限超過を政府に請願し、政府之を許可せざるに及び、又間接国税及び直接府県税に附加税を課し尚足らざるに及びて、特別税を起さんことを希望せざるべからず、然るに東京市税は未だ地租其の他の直接国税に対し制限まで課せず、随ひて未だ制限超過を政府に請願せしことなく、間接の国税に対し附加税を課したるを聞かざるなり、故に余輩は玆に再び特別税反対論を草して公明なる東京市会の熟考を煩はさんとするなり