デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治30年11月5日（1897年）

是日ヨリ八日迄、第六回定期会ノ議決ニ基キ全国商業会議所七部委員会、東京商業会議所ニ於テ開催サレ営業税法改正ノ儀審議セラレシガ、更ニ臨時会ヲ東京ニ開設シテ討議スルニ決ス。栄一委員長トシテ之ニ与ル。

明治三十年五月開設
第六回商業会議所定期聯合会報告　　第九〇頁　刊
○第三号協議案
営業税法改正ノ目的ヲ達スルタメ、若干ノ会議所ニ托シテ各般ノ手続ヲ協議実行セシムル事
理由　営業税法改正ノ目的ヲ達スルタメ、各商業会議所ニ於テモ各自十分熱心ニ尽力スヘキハ勿論ナレトモ、結果ノ速ニ挙ランコトヲ欲セハ、本会ノ如クスルヲ以テ最モ必要ナリト認メタレハナリ
　　　　　　　　大坂委員
　　　　　　　　　提出者　土居通夫　亀岡徳太郎

明治三十年五月開設
第六回商業会議所定期聯合会報告　　第九七―九九頁　刊
○第三号協議案　営業税法改正ノ目的ヲ達スルタメ、若干ノ会議所ニ托シテ各般ノ手続ヲ協議実行セシムルコト
本案ハ協議会ニ於テ原案ニ可決シ、尚ホ左ノ実行方案ヲ可決セリ
営業税法改正ノ件ニ付申合
一各商業会議所ヲ左ノ七部ニ分チ、各部ニ委員ヲ置ク事
　　　九州部
　　　　熊本商業会議所　　長崎商業会議所　　鹿児島商業会議所
　　　　博多商業会議所　　佐賀商業会議所　　赤間関商業会議所
　　　中国部
　　　　広島商業会議所　　尾道商業会議所　　岡山商業会議所
　　　　松江商業会議所
　　　畿内部
　　　　大阪商業会議所　　京都商業会議所　　堺商業会議所
　　　　神戸商業会議所　　伏見商業会議所　　大津商業会議所
　　　　阿波商業会議所　　高知商業会議所
　　　東海部
　　　　名古屋商業会議所　四日市商業会議所　大垣商業会議所
　　　　知多商業会議所　　浜松商業会議所　　岐阜商業会議所
　　　　津商業会議所　　　静岡商業会議所　　岡崎商業会議所
　　　　桑名商業会議所　　豊橋商業会議所
　　　関東部
　　　　東京商業会議所　　八王子商業会議所　横浜商業会議所
　　　　栃木商業会議所　　宇都宮商業会議所　太田商業会議所
　　　　水戸商業会議所　　高崎商業会議所　　上田商業会議所
　　　東北部
　　　　函館商業会議所　　仙台商業会議所　　青森商業会議所
　　　　山形商業会議所　　小樽商業会議所
　　　北陸部
　　　　金沢商業会議所　　福井商業会議所　　富山商業会議所
　　　　高岡商業会議所　　新潟商業会議所
一各部ノ委員ハ左ノ七会議所ニ托スル事
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　　　九州部　　熊本商業会議所　　中国部　　広島商業会議所　　畿内部　　大坂商業会議所
　　　東海部　　名古屋商業会議所　関東部　　東京商業会議所　　北陸部　　金沢商業会議所
　　　東北部　　函館商業会議所
一委員中ニ幹事ヲ置クモノトシ、之ヲ東京商業会議所ニ托スル事
一委員ハ相当ノ方法ヲ以テ営業税法改正ニ関スル其部内各商業会議所ノ意見ヲ徴シ、且ツ必要ノ材料ヲ蒐集シ、明治三十年七月十五日迄ニ幹事ニ報告スル事
一幹事ハ右ノ報告ヲ得タル後、其要領ヲ印刷シテ各委員ニ廻附シ、且ツ便宜期日ヲ定メテ委員会ヲ召集スル事
一各商業会議所ハ随意委員会ニ参席スルコトヲ得ル事
一委員ハ必要ト認ムル場合ニ於テハ臨時聯合会ヲ召集シ、且ツ適宜ノ運動ヲ為ス事
一各部会ニ関スル費用ハ各部内商業会議所ニ於テ適宜ニ支弁スル事

東京商業会議所月報　　第六三号・第一〇頁　明治三〇年一一月
○明治三十年十月八日、本会議所ニ於テ第六十六回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
　河村隆実君　○外二十六名氏名略
午後五時十分開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後八時閉会ス
○中略
　一　全国七部委員会参会委員選挙ノ件　（会員提出）
本件ハ会員中野武営君ノ発議ニ係リ、其要旨ハ、営業税法審議ノ為メ全国商業会議所七部委員会ヲ東京ニ開設スルニ就テハ、本会議所ノ参会委員二名ヲ選挙スルコトトシ、其一名ハ会頭渋沢栄一君ヲ煩ハシ他ノ一名ハ議長指名ト為シタシト云フニ在リ、審議ノ末全会一致ヲ以テ之ヲ可決シ、議長ハ他ノ一名ニ中野武営君ヲ指名ス、其結果左ノ如シ
　　　　　　　　　　　　　　　　七部委員会参会委員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中野武営君

東京商業会議所月報　　第六三号・第一一頁　明治三〇年一一月
○同月　○十月九日、営業税法審議ノ為メ開設スル全国七部委員会ノ義ニ関シ、熊本外五商業会議所ヘ通知書ヲ発送ス（通知書ノ全文ハ参照ノ部第四号ニ掲載ス）

東京商業会議所月報第六三号・第一九頁　明治三〇年一一月
○参照第四号
　明治三十年十月九日、七部委員会開設ノ義ニ付、熊本外五商業会議所ヘ発送セシ通知書ノ全文ハ左ノ如シ
拝啓陳ハ本年五月広島ニ於テ開設シタル第六回商業会議所聯合会ノ協
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議ニ基キ、営業税法審議ノ為メ、東京ニ於テ全国七部委員会議ヲ開設可致ニ付、其開会期日其他左記ノ通リ決定致候
　一委員会議ハ来十一月五日午前九時東京市京橋区木挽町十丁目十一番地東京商業会議所ニ於テ開設スル事
　一来会員ノ氏名ハ可成速ニ東京商業会議所ニ通知セラレ度事
　一来会員到着ノ上ハ直チニ其宿所及氏名ヲ東京商業会議所ヘ報知セラレ度事
　一来会員ノ人員、有志会員等ノ事ニ就テハ別ニ打合ヲ経タルコトナシト雖トモ、是ハ総テ商業会議所聯合会ノ例ニ依リ差支ナシト存候事
右及御通知候也
　　明治三十年十月九日
　　　　　　　　　　　　東京商業会議所　会頭　渋沢栄一
　　　　熊本商業会議所
　　　　広島商業会議所
　　　　大阪商業会議所
　　　　　　　　　　　　　宛（各通）
　　　　名古屋商業会議所
　　　　金沢商業会議所
　　　　函館商業会議所

東京商業会議所月報　　第六四号・第一頁　明治三〇年一二月
○同月　○一一月一日午後四時、本会議所ニ於テ役員会議ヲ開キ、全国商業会議所七部委員会開設ノ件ニ就キ審議シ、午後六時閉会ス

東京商業会議所月報　　第六四号・第一―二頁　明治三〇年一二月
○明治三十年十一月二十四日、本会議所ニ於テ第六十七回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
　河村隆実君　○外二十九名氏名略
午後五時二十分開議、会頭渋沢栄一君病気ノ為メ欠席ニ付副会頭中野武営君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後七時二十分閉会ス
○中略
　一七部委員会参会委員報告ノ件　（委員提出）
本件ハ全会一致ヲ以テ之ヲ承認ス

東京商業会議所月報　　第六四号・第八―九頁　明治三〇年一二月
　左ニ記スルハ営業税法審議ノ為メ本会議所内ニ開設シタル全国商業会議所七部委員会ノ顛末ナリ
　　全国商業会議所七部委員会報告
　　　　○委員会開設地ニ於ケル準備
本会ハ明治三十年五月、広島ニ於テ開設シタル第六回商業会議所聯合会ノ協議ニ基キ、営業税法審議ノ為メ東京ニ於テ開会スルニ決シ、東京商業会議所ハ幹事ノ任ニ当レリ
幹事ハ明治三十年十月九日、委員タル各部商業会議所ヘ左ノ通知書ヲ発セリ
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　　○通知書ハ前掲ニツキ略ス。
　　　○委員会参席員
委員会ヘ参席シタル諸君ノ氏名並ニ席次左ノ如シ
　　　　　七部委員
　一番　　　　名古屋商業会議所　会頭　　　奥田正香君
　二番　　　　同　　　　　　　　副会頭　　鈴木摠兵衛君
　三番　　　　函館商業会議所　　会頭　　　平出喜三郎君
　四番　　　　熊本商業会議所　　副会頭　　堀部直臣君
　五番　　　　大阪商業会議所　　会頭　　　土居通夫君
　六番　　　　同　　　　　　　　副会頭　　亀岡徳太郎君
　七番　　　　広島商業会議所　　会頭　　　桐原恒三郎君
　八番　　　　金沢商業会議所　　副会頭　　山田清三君
　九番　　　　同　　　　　　　　常議員　　水登勇太郎君
　十番　　　　東京商業会議所　　会頭　　　渋沢栄一君
　十一番　　　同　　　　　　　　副会頭　　中野武営君
　　　　　有志参席員
　有志一番　　静岡商業会議所　　会頭　　　北村五郎兵衛君
　有志二番　　知多商業会議所　　会頭　　　天野伊左衛門君
　有志三番　　仙台商業会議所　　特別会員　木村一是君
　有志四番　　阿波商業会議所　　会頭　　　根本民治君
　有志五番　　東京商業会議所　　副会頭　　大江卓君
　有志六番　　同　　　　　　　　常議委員　佐久間貞一君
　有志七番　　同　　　　　　　　同　　　　益田克徳君
　有志八番　　同　　　　　　　　同　　　　中沢彦吉君
　有志九番　　同　　　　　　　　同　　　　加東徳三君
　有志十番　　同　　　　　　　　同　　　　池田謙三君
　有志十一番　同　　　　　　　　同　　　　末延道成君
　有志十二番　同　　　　　　　　同　　　　加藤正義君
　有志十三番　同　　　　　　　　会員　　　井上角五郎君
　有志十四番　同　　　　　　　　同　　　　朝吹英二君
　有志十五番　同　　　　　　　　同　　　　吉田幸作君
　有志十六番　青森商業会議所　　特別会員　工藤卓爾君
　有志十七番　京都商業会議所　　常議委員　大沢善助君
　有志十八番　山形商業会議所　　会員　　　長谷川吉五郎君
　　　　　事務員
　　　　　　　函館商業会議所　　書記長　　内山例之助君
　　　　　　　熊本商業会議所　　書記長　　曾我太郎君
　　　　　　　大阪商業会議所　　書記長　　浜田健次郎君
　　　　　　　広島商業会議所　　書記長　　鹿野悠君
　　　　　　　金沢商業会議所　　書記長　　高田磊介君
　　　　　　　静岡商業会議所　　書記長　　森田勇次郎君
　　　　　　　知多商業会議所　　書記長　　鬼頭孫三郎君
　　　　　　　堺商業会議所　　　書記長　　小谷力造君
　　　　　　　横浜商業会議所　　書記長　　飯田旗郎君
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　　　　○委員長ノ選挙
委員会整理ノ為メ渋沢栄一君ヲ委員長ニ、中野武営君ヲ其代理者ニ推選ス
　　　　○委員会ノ開閉
委員会ハ明治三十年十一月五日ヲ以テ開会シ、同月八日ヲ以テ閉会シタリ
　　　　○委員会ノ議案
委員会ノ議案ハ別冊ノ如シ（別冊ハ長文ニ付之ヲ略ス）
　　　　○委員会ノ結果
委員会ニ於テ審議ノ結果、各商業会議所ノ営業税法ニ対スル意見案中ニハ同税法全廃ノ意見アリ、又同シク修正意見中ニモ修正ノ方法大ニ相違セル向キアリ、委員会ニ於テ取捨ヲ決スルハ穏当ヲ欠クノ嫌アルヲ以テ、申合規定第七項ニ依リ、臨時商業会議所聯合会ヲ東京ニ開設スルニ決セリ
　　　○本巻明治二十九年十一月十九日、同三十年十二月四日ノ両条、並ニ本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」明治二十九年四月二十五日、同年十一月六日、同年十二月十七日、同三十年五月七日、同年十月八日、同年十二月二十七日ノ各条参照。
　　　○営業税法ハ全廃ハ勿論、明治四十三年迄ハ実質的改正サヘ行ハレザリキ。（明治財政史第六巻・明治大正財政史第七巻）