デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

1章 社会事業
1節 養育院其他
1款 東京市養育院
■綱文

第24巻 p.105-108(DK240008k) ページ画像

明治16年1月(1883年)

是月、当院府下行路病人ノ収容ヲ始ム。栄一、院長トシテ之ニ与ル。


■資料

諸達上申綴(DK240008k-0001)
第24巻 p.105-107 ページ画像

諸達上申綴               (東京市養育院所蔵)
第壱号                     養育院
途上病者之儀、当分其院ノ一部分ヲ以テ右置場ト相定メ、各警察署ヨリ直ニ送付ノ筈ニ候条、左之通可相心得事
 - 第24巻 p.106 -ページ画像 
一、病者ニ関スル諸費、其薬餌料等特ニ壱人ニ限リ要シタル費用ハ其者ノ負担トシ、其他ノ費用ハ毎月延人員ヲ以テ算出シ、翌月五日限リ最初警察官ニ於テ病者ヲ認メタル地ノ区役所・戸長役場ヘ対シ請求スヘシ
一、病者死亡シタル時ハ右区役所・戸長役場ニ通報シ立会ヲ需メ、然ル上埋葬シ其費用ハ前条ニ拠ル可シ
一、病者ニ関スル備品ノ儀ハ在来ノ分ヲ仮用スヘシ、若シ仮用ノ為メ損傷等ヲ生シ修理ヲ要スル場合、及ヒ病者ノ為メ特ニ要スル備品ハ当庁ヘ伺出ノ上購求又ハ修理ヲ加フヘシ
右相達候事
  明治十六年一月四日
              東京府知事 芳川顕正

本年御庁第壱号御達シヲ以、当分本院ノ一部分ヲ以、途上病者ノ置場ト御定相成候ニ付テハ、兼テ御届申上置候通リ、該病者追々各所ヨリ送付相成候処、去月廿九日御聴可ノ上荏原郡北品川戸長役場ヨリ別紙相添候唖女送附致来候ニ付、本院医員ヲ以診察為致候処、敢テ病者タル体ニモ無之、其後同人ノ挙動等ニ篤ト注意仕見候ニ、現今ニテハ其様聊モ健強体ノモノニ相異候体無之ニ付、何分病者トハ難認者ニ有之且同人ハ監獄署ヨリ被引渡候者ニテ、最前御達相成候途上病者トハ全ク其質ヲ異ニセシモノト奉存候得共、以来如斯者ヲモ途上病者ノ名ヲ以テ同様取扱可申儀ニ御座候哉、此段奉伺候也
  明治十六年二月三日
               養育院長 渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿
第弐千五百七十三号
書面伺之趣、行路病者ニシテ重症・危篤之者ニ限リ引受候義ト可相心得事
 但北品川宿戸長ヨリ送付シタル唖女之儀ハ、追テ何分之指示候迄其儘差置可申事
  明治十六年二月十六日
              東京府知事 芳川顕正

    途上病者入院費途之義ニ付伺
途上病者之義、当分本院ノ一部分ヲ以右置場ト相定、各警察署ヨリ直ニ送付相成度旨今般第一号ヲ以テ御達シ之趣敬承申候、右御達書中明判仕兼候廉々左ニ具申仕候
      廉書
一、第一項、病者ニ関スル諸費、其薬餌料等特ニ一人ニ限リ要シタル費用ハ其者ノ負担トシテ有之、次ニ其他ノ費用云々ト有之候得共、諸費、薬餌料等ノ外ニ他ニ費用等ハ無之筈ト奉存候ニ付、特ニ一人限リ要シタル費用トハ、其病者ノ病性ニヨリ通常外ニ治療ヲ要スルカ為ニ必要ナル滋養品・薬品及器具等ノ費用ハ其病者ノ負担トシ、其他ノ費用トハ通常病者ニ要スル薬餌料及一般ノ費用ト申儀ニ御座
 - 第24巻 p.107 -ページ画像 
候哉
一病者ニ要スル費用ハ、各地ノ区役所又ハ戸長役場ヘ対シ請求可致候得共、其者ノ負担ト可相成費用有之候節ハ、何レニ対シ請求可致候哉
一、病者ノ費用ハ、別紙調書ノ金額ヲ以テ病者一日ノ費用ト相定メ、其在院ノ日数ニヨリ費用金額ヲ計算シ、毎月五日限リ各区役所又ハ戸長役場ヘ請求致シ可然哉
一、右病者中全快ノ者ハ、其区役所又ハ戸長役場ヘ直ニ照会ノ上出院為致、其段御府ヘモ御届申上候テ可然候哉
右之件々奉伺候間、至急御指揮被下度候也
  明治十六年二月
                 養育院長 渋沢栄一
    東京府知事 芳川顕正殿
第四千二百六十四号
書面伺之趣、左之通可相心得事
第一項 特ニ壱人ニ限リ要シタル費用トハ、薬餌料ヲ始メ其者ニ限リ別段要シタル費用ヲ云フ、其他ノ費用トハ、右特ニ要シタル費用ノ外ヲ総称シタルモノトス
第二項・第三項 総テ区役所・戸長役場ヘ請求スヘシ
第四項 病者全癒シタルトキハ、直チニ送付方取計事
  明治十六年三月廿六日
               東京府知事 芳川顕正

第七百四十号
                        養育院
其院ニ護送スル行路病者、本年一月以降入院ニ係ル費用ハ定額金ノ内ヲ以テ支弁シ、其不足ヲ生スル費目ハ別紙仕訳書之通流用支弁スヘキ儀ト心得ヘシ
病者一日ノ入院料ハ、金拾弐銭弐厘割ヲ以テ翌月五日以内仕訳書ヲ製シ、区役所及戸長役場ニ請求シ、受領之分ハ一ケ月毎ニ取纏メ翌月五日已内当庁ニ納入スベシ
  但本年一月已降入院料受領之分ハ、此際悉皆納付スヘシ
右相達候事
  明治十六年六月三十日
               東京府知事 芳川顕正



〔参考〕回議録 常置委員会議事 明治十五年 調査掛(DK240008k-0002)
第24巻 p.107-108 ページ画像

回議録 常置委員会議事  明治十五年 調査掛      (東京府文庫所蔵)
聯第十三号《(朱書)》
常置委員決議会ヘ下付相成候養育院家屋使用案之義、原案ニ可決相成候条、此段上申仕候也
  明治十五年十二月廿六日
         東京府常置委員会議長 沼間守一
    東京府知事 芳川顕正殿
急施聯第拾弐号
 - 第24巻 p.108 -ページ画像 
    養育院家屋使用案
本年九月三十日第五十号公布ヲ以テ、行旅病人取扱規則兼復籍逓送規則等総テ被廃止候ニ付、更ニ内務卿ノ命ニ依リ途上天災又ハ病気ニ罹リ一時警察官ニ於テ保護ヲ加ヘタル者ノ内、其重症・危篤之者ニ限リ区戸長ニ於テ救護方取扱候事ニ相成、爾来警察署ヨリ続々引渡ヲ受ケタル処、差向置場所無之ニ付下等ノ旅店ニ托シ置候雖トモ、尋常ノモノト異リ身体不得自由者而已ニシテ、普通ノ賄料ニテハ引受ノ義謝絶スルニ付其置場所ニ差支候間、該患者ヲシテ養育院ノ一部分ヲ仮用シ差置、取扱方之義ハ該院ノ役員ニ兼シメ、備品等モ之ヲ仮用シ、入場病者ニ係ル一切ノ費用ハ別途支払フモノトス