公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.6
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明治22年3月11日(1889年)
是年二月十一日憲法発布セラル。栄一、川田小一郎・森岡昌純・西村虎四郎・小野義真等ト相謀リテ、是日ソノ祝賀夜会ヲ鹿鳴館ニ開催ス。栄一発起人ヲ代表シテ祝辞ヲ述ブ。
中外商業新報 第二〇六一号 明治二二年二月一一日 府下縉商紳士の祝宴(DK280100k-0001)
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中外商業新報 第二〇六一号 明治二二年二月一一日
府下縉商紳士の祝宴
予て報道せし府下縉商紳士が本日の憲法発布を祝する為めに催ほす夜会のことに付き、昨日午後三時より発起人の会合あり、衆議の上、来る廿三・四日頃、朝野の紳士並に京浜の外国商人等をも招待することに決し、諸事斡旋の委員には渋沢栄一・益田孝・梅浦精一・松尾儀助横山孫一郎・真中忠直・伊集院兼常の諸氏、外に郵船会社・鉄道会社三菱社より各一人が撰ばれたり、依て右委員諸氏が明十二日午前十一時商工会へ会して、諸事の折合を為す筈なりと云ふ
中外商業新報 第二〇六六号 明治二二年二月一六日 府下商工家の奉祝夜会(DK280100k-0002)
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中外商業新報 第二〇六六号 明治二二年二月一六日
府下商工家の奉祝夜会
予て計画の噂ありし府下商工家奉祝夜会の世話役諸氏は一昨夜会同して、時日・場所・装飾方・招待すべき人名等に付協議する所ありしが尚明後十八日発起人一同木挽町の同会に集合し、衆議の上其手順を定むる由にて、世話役の説にては、同夜会の場所は鹿鳴館、時日は来三月四日の見込なりといふ
中外商業新報 第二〇七六号 明治二二年二月二八日 夜会準備委員会(DK280100k-0003)
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中外商業新報 第二〇七六号 明治二二年二月二八日
夜会準備委員会
憲法発布祝賀の夜会準備委員渋沢栄一・西村虎四郎・森岡昌純・小野義真・河田小一郎の五氏は、本日午後五時より木挽町の商工会に相会し、夜会の日限及準備方に付協議するといふ
中外商業新報 第二〇八二号 明治二二年三月七日 東京紳商の夜会(DK280100k-0004)
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中外商業新報 第二〇八二号 明治二二年三月七日
東京紳商の夜会
兼て記したる如く、東京府下の紳商諸氏は今般憲法発布の大典を挙行せられたるを祝する為め、来る十一日午後九時より鹿鳴館に於て夜会を催ふす由にて、右準備委員西村虎四郎・小野義真・川田小一郎・渋沢栄一・森岡昌純の五氏より、夫々の向へ案内状を発したり、当夜は立食の前に内閣大臣・官内大臣乃ち枢密・元老院の正副議長等を招きて晩餐を催し、又立食の席には皇族方を始め内外朝野の紳士一千余名を招待の筈なりと、但し主人は都て四十四名にして、即ち今村清之助
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伊集院兼常・長谷川芳之助・原亮三郎・西村虎四郎・丹羽雄九郎・富田恒一・小野義真・大倉喜八郎・小野金六・渡辺治右衛門・川田小一郎・川崎八右衛門・川村伝衛・金沢三右衛門・吉川泰二郎・横山孫一郎・谷元道之・種田誠一・田中平八・高田小次郎・中村道太・梅浦精一・安田善次郎・山中隣之助・矢島作郎・益田孝・益田克徳・松尾儀助・二橋元長・古河市兵衛・子安峻・朝吹英二・阿部泰蔵・浅野惣一郎・佐々木荘助・喜谷市郎右衛門・三井高喜・渋沢栄一・渋沢喜作・肥田照作・森岡昌純・森村市太郎・森時之助の諸氏なり
東京日日新聞 第五二〇九号 明治二二年三月一三日 ○鹿鳴館の夜会(DK280100k-0005)
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東京日日新聞 第五二〇九号 明治二二年三月一三日
○鹿鳴館の夜会 東京の紳商四十余名会主となりて、一千名に近き内外朝野の紳士を招きたる憲法祝の夜会ハ、一昨日午後九時より鹿鳴館に於て開きたり、此の夜会に目新しく見えたるハ其装飾にてありき、いつも夜会の常として緑葉を以て主とせる西洋流の装飾を為せること其通観なるが、当夜ハ紅花を主とし、緑葉を賓とせる日本流の装飾を用ひたり、中にも玄関より室内へ入る正面に作りたる松竹梅の大花車の装飾の如きハ、如何にも見事に出来たりき、其外処々の活花の如きも、都て日本流に活けたるハ、会主の心を用ひし所なるべし、来賓の中皇族にハ小松宮殿下、大臣にハ黒田・松方・大山・榎本の諸君を見受たり、其他文武の勅奏任官、在野の紳士等、館内に溢るゝ許の大勢にて、流石に朝野に知人多き紳商諸氏が、四十余名といへる大勢にて催ほせる夜会なれバ、いつもの夜会に見受ざる顔も多かりき、是等の人々が各処を往来して、四面八面の談話など為して打興ずる中に、例の舞踏も始まりたり、但し今日を晴と着飾りて舞踏の手並(否足並)を示さるゝ婦人達ハ、いつもよりハ少なかりし様に見えたり、兎角する中に食堂を開きて立食の饗応ある、是も当時の紳商と呼ばるゝ人々の設け程ありて、如何にも丁寧なる御馳走なりき、此の夜会の中に目に付きたるハ、当夜ハ燕尾服着用といへる案内にてありたるに、一の西洋人ハフロツクコートを着し、同く通常服を着したる夫人を携へて来りたるもありたり、是等ハ西洋人に似合しからぬ振舞とや申すべき又た食堂に於て誰方の令嬢にやありけん、扇を荷子に掛置ながら食事を為し居られしが、頓て食事を終りて出でらるゝ時、扇を忘れて行れたるもありたり、或ハこれを評して、西洋の婦人ハ夜会に扇を携ふるを礼とすれバ、日本の貴婦人もこれに傚ハるれども、扇ハ暑中の外にハ使ハざるものなれバ、忘れて立去られたるも理ハりなり、といひしハ適評なるべし、其外当夜の主人ハ、大勢にてありたれバ、或は左もなき人に挨拶を為し、却て主人に逢て済し切て居たるもありたるハ、可笑しかりしが中に一興なりき、斯て歓を尽したる後、全く散会となりたるハ、昨日の午前一時過る頃なりし、唯だ残念なりしハ、当夜ハ生憎雨天にてありたれバ、折角の煙火も雨中に翻翻として十分の光彩を放たず、案内を受し来賓も、雨に畏れてか来られざるもありしといへり
夜会録事 憲法発布祝賀夜会委員編 明治二二年四月刊(DK280100k-0006)
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夜会録事 憲法発布祝賀夜会委員編 明治二二年四月刊
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(表紙)
夜会録事
明治二十二年二月十一日憲法発布ノ大典ヲ挙行セラレタルニ付、右奉祝ノ為メ府下ノ商人四十四名申合セ、翌三月十一日ヲ卜シ、鹿鳴館ニ祝宴ヲ開キ、内閣諸大臣・枢密院及元老院ノ正副議長・内大臣宮内大臣・警視総監及東京府知事ヲ招待シ、且ツ夜会ヲ開キ、親王方ヲ始メ親任官朝野内外ノ貴紳千余名ヲ招待シタリ、今玆に夜会ノ概況及其他ノ事項ヲ輯録シテ、他日ノ参考ニ供スル事左ノ如シ
○夜会ノ概況
明治二十二年三月十一日曇天、夜ニ入リ雨、当日午後四時先ヅ亭主方一同鹿鳴館ヘ参集ス、午後五時三十分晩餐ノ招客追々来場セラレタルニ付、午後六時亭主方一同来賓ヲ誘引シテ祝宴ヲ開ク、宴酣ニシテ渋沢栄一ハ亭主方一同ニ代リテ祝詞ヲ呈シ、伯爵黒田清隆君答辞ヲ述ベラレ、午後七時三十分晩餐ヲ終ル、午後八時夜会ノ招客追々来場セラル、其方々ハ小松宮・北白川宮両殿下ヲ始メ、親任官・各省高等官・各国公使、其他内外ノ紳士淑女ニテ、其数無慮千人ナリ、午後九時三十分舞踏室ニ於テ舞踏ヲ催ス事十数番、午後十一時ニ至リ食堂ヲ開キ来賓ニ立食ヲ供ス、食後又更ニ数番ノ舞踏ヲ催シ、主客各歓ヲ尽シ、一同退散シタルハ翌十二日午前二時ナリ
○亭主方ノ人名
亭主方ノ人名ハ左ノ如シ
今村清之助
伊集院兼常
長谷川芳之助
原亮三郎
西村虎四郎
丹羽雄九郎
富田恒一
小野義真
大倉喜八郎
小野金六
渡辺治右衛門
川田小一郎
川崎八右衛門
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川村伝衛
金沢三右衛門
吉川泰二郎
横山孫一郎
谷元道之
種田誠一
田中平八
高田小二郎
中村道太
梅浦精一
安田善次郎
山中隣之助
矢島作郎
益田孝
益田克徳
松尾儀助
二橋元長
古河市兵衛
子安峻
朝吹英二
阿部泰蔵
浅野惣一郎
佐々木荘助
喜谷市郎右衛門
三井高喜
渋沢栄一
渋沢喜作
肥田昭作
森岡昌純
森村市太郎
森時之助
右ノ中今村清之助・伊集院兼常・小野義真・益田孝・子安峻・阿部泰蔵ノ六人ハ旅行、長谷川芳之助・中村道太・安田善次郎・古河市兵衛佐々木荘助・三井高喜・森岡昌純・森村市太郎ノ八人ハ病気ニテ当日欠席ス
○招客ノ人名
晩餐ノ招客ハ左ノ如シ
内大臣 公爵 三条実美
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
枢密院議長 伯爵 伊藤博文
外務大臣 伯爵 大隈重信
海軍大臣 伯爵 西郷従道
農商務大臣 伯爵 井上馨
司法大臣 伯爵 山田顕義
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大蔵大臣兼内務大臣 伯爵 松方正義
陸軍大臣兼臨時文部大臣 伯爵 大山巌
逓信大臣 子爵 榎本武揚
宮内大臣 子爵 土方久元
元老院議長 伯爵 大木喬任
枢密院副議長 伯爵 寺島宗則
元老院副議長 伯爵 柳原前光
警視総監 折田平内
東京府知事 男爵 高崎五六
但シ内務大臣伯爵山県有朋君ハ海外旅行中ニ付案内状ヲ発セズ
右ノ中枢密院議長伯爵伊藤博文・農商務大臣伯爵井上馨ノ二君ハ旅行内大臣公爵三条実美・外務大臣伯爵大隈重信・元老院議長伯爵大木喬任・同副議長伯爵柳原前光ノ四君ハ病気ニテ欠席セラル
夜会ノ招客ハ左ノ如シ
皇族 四
華族 一二
内閣 三〇
枢密院 二一
宮内省 三〇
外務省 一四
内務省 一五
大蔵省 二〇
陸軍省 一九
海軍省 二〇
司法省 二四
文部省 二四
農商務省 三〇
逓信省 一四
元老院 三五
博覧会事務局 七
警視庁 三三
北海道庁 四
東京府及郡区役所 三八
各府県知事 一四
舞楽会員 三九
各府県会議長 三四
東京府会議員 七一
東京商工会員 六四
各新聞記者 一九
東京在野紳士 二三三
横須賀海軍部内 六
神奈川県 三
横浜税関 二
横浜郵便電信局 一
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横浜在野紳士 三四
外国人 二八〇
合計………一、一九四
○案内状
晩餐ノ案内状ハ左ノ如シ
以上ノ二種ハ台紙ニ印刷ス竪曲尺六寸巾同四寸二分
同皇族ヘノ案内状ハ左ノ如シ
是ハ大奉書半切紙ニ手記ス
前陳ノ案内状ニハ総テ亭主方ノ人名書ヲ封入ス、又横浜ニ送附スル案内状ニハ、別ニ新橋発別仕立汽車ノ切符ヲ封入ス
○装飾並ニ其他ノ手配
一玄関ノ見通シ階段ノ下ニハ花車ノ飾ヲ置ク
車ハ天鵞絨張リニテ金糸ノ摸様ヲ附シ、之ニ朱塗リノ欄干ヲ取附ケ、其上ニ箔押シノ大花籠ヲ載セ、松竹梅ノ生花ヲ活ケ、紅白縮緬ヲ糾合シタル紐ヲ附シ、其周囲ニ紅白檀陀羅縮緬ノ幕ヲ張リ、且ツ金屏風ヲ立廻ハシ、床ニハ西京砂ヲ敷ク
一二階ノ廊下ニハ紅白檀陀羅縮緬ノ幕ヲ張リ下ゲ、舞踏室ニ接スル壁ノ表面ニハ竹簾ヲ懸ケ、五ケ所ニ釣花籠ヲ懸ケ、上ニハ紅白檀陀羅縮緬ノ幕ヲ張リ、下ニハ櫃ヲ設ケテ、同シ裁レヲ以テ之ヲ蔽ヒ、数ケ所ニ舞踏番組並ニ団扇ヲ載セ置キ、舞踏者ノ使用ニ供ス、蓋シ釣花籠ハ青竹ヲ以テ編ミ、中ニ硝子器ヲ置キ、之ニ水ヲ注入シテ金魚数十尾ヲ放シ、其中ヘ更ニ水草ノ模様ヲ蒔絵シタル花筒ヲ置キ、此花筒ノ中ニハ彼岸桜・黄梅・雪柳・長春・黄金水仙・椿・緋桃其他数種ノ花卉ヲ満挿ス
一舞踏室ニハ天井ノ周囲ニ紅白檀陀羅縮緬ノ幕ヲ張リ下ゲ、三ケ所ヲ絞リテ薫玉三個ヲ懸ク
一玄関ノ車寄三ケ所、舞踏室ノ入口四ケ所、同鏡縁四ケ所及奏楽所ノ見隠シ三ケ所ヘ各緑葉飾ヲ附シ、且ツ舞踏室ノ天井中央ノ場所ヘ檜葉飾数条ヲ懸ク
一階段ノ手摺及各所ノ「ランプ」八十ケ所(大「ランプ」三十五ケ所腕「ランプ」四十五ケ所)ヘ総テ蔓ヲ纏附ス
一食堂ニハ各入口及窓毎ニ国旗ヲ交叉ス
一大生花三瓶・中生花四十四瓶・砂鉢生花一個及金屏風数双ヲ各所ニ配置ス
一大盆栽二十四鉢・中盆栽十九鉢、及大小取交ゼ三十鉢ヲ、階上・階下数ケ所ニ併列ス
一京橋区新肴町第三電灯局ヨリ鹿鳴館迄更ニ電線ヲ架設シ、館内四十ケ所ヘ「インカン」電灯ヲ点ス、即チ左ノ如シ
一玄関ノ見通シ階段ノ下花籠ノ傍ニ白色丸形ノ笠《セード》ヲ釣下ゲ一百燭光ノ電灯ヲ点ス
一前陳階段手摺柱五ケ所ヘ「パイプ」ヲ取附ケ、之ニ艶消シ唐草摸様ノ笠《セード》ヲ懸ケ、各十六燭光ノ電灯ヲ点ス
一階上廊下ノ正面釣花籠ノ前四ケ所ニ腕「ランプ」ヲ取附ケ、朝顔形(縁紅色)ノ笠《セード》ヲ懸ケ、各十六燭光ノ電灯ヲ点ス
一舞踏室ノ天井三十ケ所ヘ白色花形ノ笠《セード》ヲ緑葉中ヨリ釣下ゲ、各十六燭光ノ電灯ヲ点ス
一館外各所ニ尺二ノ球灯五百張、尺ノ球灯四百張ヲ点ス
一日比谷練兵場ノ東南隅ニ来賓車馬ノ置場、及煙火打上ケ場ヲ設ク、但シ皇族・親任官・各国公使ノ車馬置場ハ、鹿鳴館構内ニ之ヲ設ク
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一晩餐ノ奏楽所ハ玄関入口ノ東廊下ニ之ヲ設ケ、夜会ノ奏楽所ハ玄関入口ノ二階ニ之ヲ設ク
○料理
晩餐ノ料理ハ左ノ如シ
一 冷物 片剥蠣
一 羹物 鳥牛乳洋麦合製
一 羹物 牛小鳥極製
一 魚肉 黄穡魚葡萄酒煮
一 獣肉 牛脊肉洋菌製
一 魚肉 鰕洋品合製揚
一 鳥肉 鶉冷製寄物
一 製酒 氷酒
一 獣鳥肉 羊股肉七面鳥蒸焼洋菜添
一 蔬菜 野天門冬洋菜花製
一 製菓 蒸菓
一 製菓 氷菓
酒類
セリー酒 仏国製
白葡萄酒 シヤトラ、イケン印
赤葡萄配 シヤトラ、フヒート印
赤葡萄酒 シヤンバルタン印
シヤンパン酒 イロワー印
ウヱルモツト酒 (是ハ食前ニ用ユ)
キウリソー酒 (是ハ食後ニ用ユ)
ブランデー酒 (前同断)
レモネードソーロワタサイフン (前同断)
夜会ノ料理ハ左ノ如シ
一 魚肉 鯛蒸焼冷製飾リ
一 魚肉 鱸蒸焼冷製飾リ
一 魚肉 蠣煮重焼形入
一 獣肉 牛脊肉冷製重飾リ牛肉蒸焼野菜添
一 鳥肉 鶏肉冷製寄飾リ同蒸焼洋菜添
一 鳥肉 雁肝製冷寄物飾リ
一 鳥肉 小鴨肉詰冷製
一 鳥肉 鴫重焼製入
一 鳥肉 暹羅鶏蒸焼肉詰
一 鳥肉 雉子家鴨肉詰冷製
一 獣肉 洋塩豚冷製飾リセリ添
一 獣肉 牛舌肉塩製
一 獣肉 犢股肉蒸焼
一 獣肉 羊股肉蒸焼
一 鳥肉 七面鳥洋菌詰蒸焼
一 蔬菜 都風野菜合製
一 蔬菜 洋林檎製野菜
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カビヤール 洋魚子製
一
サンドウイツチ 肉挟麺麭製
一 製菓 林檎製蒸焼菓
一 製菓 牛乳製冷菓
一 製菓 菓実入冷菓
一 製菓 鶏卵製冷菓
一 製菓 匂入三種氷菓
一 羹汁 鳥牛極製
酒類
サンパン酒 イロワー印
サンパン酒 モエート印
赤葡萄酒 シヤトラ、フヒート印
カラレツトポンチ酒
以上四種ハ二階ノ食堂ニ備フ
サンパン酒 モエート印
カラレツトポンチ酒
以上二種ハ階下ノ食堂三ケ所ニ備フ
ストツクビール酒
キリンビール酒
カラレツトポンチ
レモネードソーロワタ
以上四種ハ二階ノ酒場ニ備フ
○奏楽並ニ煙火
一海軍々楽練習所ヨリ軍楽員二十五名ヲ傭聘シ、晩餐及夜会ノ際数回奏楽セシム
一当日余興トシテ煙火四十八発・光曜火十三本ヲ打上グ
一六インチ 雷 二発
一同 黄煙柳 三発
一同 日本娘 一発
一同 洋婦人 一発
一同 黄竜 三発
一同 鷲 一発
一同 白雨 四発
一二インチ 打上ゲ 三発
以上十八発ハ午後五時三十分ヨリ打上グ
一四インチ 引火 二発
一同 黄星 二発
一六インチ 白露赤月ノ後緑星輪 一発
一同 輪真菊 一発
一四インチ 白星 五発
一六インチ 紫星乱出 一発
一四インチ 洋火交リ星 五発
一同 菊 三発
一六インチ 引火瓔珞 一発
一四インチ 千輪菊 五発
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一六インチ 黄露白月ノ後紅星 一発
一四インチ 引火 三発
以上三十発ハ午後九時ヨリ打上グ
一黄赤緑光曜火 三本
一合図 光曜火 十本
以上十三本ハ最終ニ打上グ
○委員並ニ掛員
一亭主方ノ中、森岡昌純・渋沢栄一・川田小一郎・小野義真及西村虎四郎ノ五氏ニ全権委員ノ任ヲ托シ、一切ノ要務ヲ処弁セシメ、且ツ案内状ニハ総テ委員ノ名義ヲ連記セシム
一亭主方ノ中松尾儀助及矢島作郎ノ二氏ニ装飾委員ノ任ヲ托シ、梅浦精一及横山孫一郎ノ二氏ニ料理委員ノ任ヲ托シ、又鹿鳴館長吉田要作及東京商工会書記萩原源太郎ノ二氏ニ前陳両委員ノ補助ヲ托ス
一夜会ニ付諸向ノ通信及会計其他ノ事務ハ東京商工会書記萩原源太郎同三木実・同補助南須原巻五郎ノ三氏ニ托シテ之ヲ取扱ハシム
一舞楽会員鍋島直大・長崎省吾・穂積陳重ノ三氏ニ、当日舞踏ノ義ニ付斡旋方ヲ依頼ス
一当日諸掛員ヲ設ル事左ノ如シ
館内外事務担当掛
鹿鳴館員 広瀬忠堅
同 森本鎮義
来賓服装掛夫人方ノ案内ヲ兼ヌ
鹿鳴館員 広瀬忠堅
同 森本鎮義
同 金田言
徳田多助
帽子外套掛
鹿鳴館員 村山滝三
同 市浦貫一
第一国立銀行社員 蒲義質
同 村井義寛
同 荻野可孝
同 一瀬文次郎
同 小林藤太郎
同 米川貞三郎
三井銀行社員 稲垣次郎七
同 加藤清右衛門
同 本田照次
食堂掛
鹿鳴館員 吉田彦次郎
精養軒 松井常松
同 北村宇平
車寄取締
鹿鳴館員 加藤知敬
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球灯掛
鹿鳴館員 森本鎮義
東京倶楽部員 本間定吉
外ニ
鳶人足十二人
車馬取締
高木香吉
外ニ
御者二人
馬丁三人
呼次十人(第一国立銀行小使五人三井銀行小使五人)
湯呑所掛
鹿鳴館小使三人
一当日麹町警察署ヨリ巡査二十五人ヲ傭聘シ、之ヲ館外各所ニ置キテ車馬ノ来往其他ノ取締ニ従事セシム、又東京倶楽部小使十四人ヲ傭入レ、館内外ノ雑役ヲ取ラシム
○経費
金弐千九百九拾弐円 夜会経費合計
内
金千円 料理代
内
金弐百円 晩餐料理五十人前 一人ニ付四円ツヽ
金八百円 夜会料理四百人前 一人ニ付弐円ツヽ
金参百五拾九円四拾七銭五厘 酒代
内
金七拾四円八拾五銭 晩餐ノ酒代
金弐百八拾四円六拾弐銭五厘 夜会ノ酒代
金弐拾七円九拾五銭 煙草代
内
金九円 マニラ葉巻煙草五百本
金八円 小ハヾナ同 四函
金参円六拾銭 紙巻煙草 八函
金七円参拾五銭 同 二十一函
金四百七拾弐円五拾参銭八厘 装飾費
内
金百拾九円五拾九銭八厘 縮緬損料
金百九拾八円四拾四銭 花車釣籠花薫玉飾一切ノ費用
金拾円 団扇百本
金四拾七円 生花四十八瓶
緑葉飾十三ケ所
金四拾五円参拾五銭
蔓飾八十一ケ所
金五拾弐円拾五銭 盆栽大小七十三鉢借料
金百拾弐円四拾弐銭 電気灯
内
金百円 電気灯四十ケ所ヘ点灯費
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金拾弐円四拾弐銭 同倶楽部ニテ使用ノ分
金弐拾六円拾銭〇九厘 瓦斯代
金六拾五円八拾銭 球灯並ニ陟汾C代
内
金拾六円五拾銭 提灯二百張新調代
金参拾四円 鹿鳴館ヨリ借用ノ分七百個雨濡ニ付張替代
金拾五円参拾銭 陟汾C代
金百七拾九円参拾壱銭参厘 印刷代並ニ用紙代
内
金六拾七円〇〇五厘 案内状人名書其他数種ノ印刷代
金弐拾円〇七拾銭〇八厘 状袋及各種用紙類
金五拾九円五拾銭 舞踏番組三百五十枚代
金拾五円 献立書六十枚代
金弐円拾銭 金縁席順札七十枚代
金拾五円 夜会録事百部印刷代
金拾七円 郵便税
金六拾円 別仕立汽車代
金九拾八円拾銭 煙火代
金五拾円 奏楽料
金参拾八円四拾四銭 人力車雇賃並ニ配達賃
金百拾四円参拾六銭 集会費並ニ弁当代
金百六拾五円五拾銭 諸手当並ニ謝儀
金弐百〇四円九拾九銭五厘 雑費
内
金弐拾五円 デコレーシヨン五十個新調代
金参拾七円四拾八銭 香水牛乳其他小買物十二口代
金八円四拾五銭 薪炭代
金拾参円五拾銭 給仕五人女給仕四人雇賃
金四拾七円七拾壱銭 楽隊屯所其他臨時建設費
金拾九円拾九銭 鹿島館食器類破損弁償代
金五円参拾参銭 同内外壁損所塗繕ヒ代
金六円弐拾五銭 巡査二十五人雇料
金弐円五拾五銭 倶楽部玉突代
金参拾壱円七拾八銭五厘 慰労小集費
金七円七拾五銭 雑費五口代
以上
〔参考〕夜会開設ニ付緊要書類(DK280100k-0007)
第28巻 p.567-592 ページ画像
夜会開設ニ付緊要書類 (東京商工会議所所蔵)
夜会発起人相談会
明治二十二年二月十日午後三時東京商工会議場ニ於テ之ヲ開ク
当日案内書(紙末ニ綴附ス)ニ応シ来会セラレタル人々ハ左ノ如シ
谷元道之 中村道太 渋沢栄一
真中忠直 大倉喜八郎 丹羽雄九郎
松尾儀助 阿部泰蔵 梅浦精一
- 第28巻 p.568 -ページ画像
山中隣之助 益田克徳 益田孝
川田小一郎 矢島作郎 横山孫一郎
西村虎四郎
左ノ人々ニハ差支アリテ欠席ス
森岡昌純 小野義真 富田鉄之助
川崎八右衛門 安田善次郎 岩崎弥之助
三井高貴 池田章政 川村伝衛
池田茂政
当日一同相談ノ上ニテ左ノ件々ヲ議決ス
一此夜会ハ全ク有志商人ノ資格ヲ以テ各自催主トナル事
一出席ノ人々ヨリ左ノ人々ニ懇話シ、催主タラン事ヲ促カス事
森時之助 渡辺治右衛門 富田恒一
原亮三郎 田中平八 種田誠一
高田小二郎
右渋沢・山中両人引受
渋沢喜作 古河市兵衛 浅野惣一郎
三野村利助 北岡文平
右渋沢引受
田口卯吉
右山中引受
森村市太郎 子安峻
右松尾引受
伊集院兼常
右横山引受
吉川泰二郎 内田耕作 其他
右益田克徳引受
肥田照作 其他数名並ニ岩崎弥之助
右川田引受
一当日欠席ノ人々ノ中、諾否ノ未ダ分ラザル向ヘハ、出席ノ人々ヨリ懇話シ同意ヲ求ムル事
森岡昌純 池田茂八
右益田克徳引受
川崎八右衛門 安田善次郎 川村伝衛
右山中引受
池田章政
右渋沢引受
三井高貴
右益田孝引受
一当日飾附其他ノ事ヲ斡旋スル為メ左ノ人々ヲ世話役ト定ムル事
渋沢栄一 益田孝 梅浦精一
横山孫一郎 松尾儀助 真中忠直
伊集院兼常 郵船会社ニテ一人 鉄道会社ニテ一人
川田ノ手ニテ一人
一右等ノ世話役ハ来十二日午前十時重テ玆に会同シ、諸事ヲ打合ハ
- 第28巻 p.569 -ページ画像
ス事
右終リテ一同退散ス、時ニ午後六時ナリ
(活版)
来十一日憲法発布ノ大典ヲ挙行セラルヽニ就テハ、今後我ガ商業モ之ガ為メ追々隆盛ノ運ニ至ルベキニ付、其祝意ヲ表スル為メ、此際府下商業者ニ於テ発起人トナリ不日夜会ヲ相催シ、朝野諸貴紳並ニ京浜ニ住スル外国商人等ヲ招待致度、右ニ付諸事御相談相願度候間、来九日午後三時木挽町東京商工会ヘ御来車被下度、此段御案内申上候也
廿二年二月七日
矢島作郎
松尾儀助
丹羽雄九郎
山中隣之助
阿部泰蔵
益田克徳
梅浦精一
大倉喜八郎
益田孝
渋沢栄一
殿
昨日御相談致候夜会開設ノ義ニ付、猶明後十二日世話役ノ人々会同シテ諸事協議致度候間、当日午前十時東京商工会ヘ御出席被下度、此段御案内申上候也
二十二年二月十日
渋沢栄一
殿
夜会委員会
明治二十二年二月十二日午前十時東京商工会議場ニ於テ開ク
当日出席シタル者ハ 益田孝 梅浦精一 松尾儀助 伊集院兼常ニシテ、横山孫一郎 渋沢栄一 郵船会社委員 鉄道会社委員ハ臨時差支アリテ欠席ス、又二橋元長来訪アリテ、三菱方ニテハ発起人タル事ヲ承諾シ難キ旨ヲ申出テラレタリ
当日出席ノ諸氏ハ来賓ノ人名書ヲ調査シ、又飾附其他ノ趣向ニ就キ打合セラレタルガ、何分本日ハ欠席者多キニ付、猶来十二日午後四時重《(四カ)》テ玆に委員会ヲ開キ相談スル事ニ決シ午後二時半一同退散セラレ夕リ
本日夜会ノ義ニ付御相談申上候筈ノ処、御不参ノ御方多ク不得已退散仕候、然ルニ右ハ既ニ時日切迫、此際御相談不相纏候テハ甚ダ差支候ニ付、来ル十四日午後四時ヨリ重テ世話役ノ会同相催シ候間、当日ハ是非御臨席被下候様仕度、此段更ニ御案内申上候也
二十二年二月十二日
渋沢栄一
- 第28巻 p.570 -ページ画像
渋沢栄一殿 益田孝殿 梅浦精一殿
横山孫一郎殿 松尾儀助殿 真中忠直殿
伊集院兼常殿 吉川泰二郎殿 小野義真殿
夜会相談会決議要録
第二回(二十二年二月十四日午後五時)
此日出席シタル委員ハ渋沢栄一・伊集院兼常・横山孫一郎・吉川泰二郎・松尾儀助・梅浦精一・益田孝ニシテ、午後五時ヨリ協議ヲ開キ、左ノ件々ヲ議定ス
一夜会ノ招客人名ヲ調査スル事
一夜会発起人ヲ定ムル事
一右発起人会ヲ来二十三日ニ開ク事
一右発起人会ニ於テ経費ノ予算、夜会ノ準備等ヲ議スル為メ其原案ヲ調製スル事
右終リテ午後十時一同退散セリ、此日外務省ヨリ関口雄・吉田要作・広瀬某ヲ招請シテ諸事準備ノ事ニ就キ打合ヲ為シタリ
(活版)
謹啓、兼テ御相談申上候夜会開設ノ義ニ付、其後招待スベキ人名、開会ノ日時・場所、会場ノ粧飾、経費ノ予算等ヲ取調候処、漸ク見込相立候ニ付、来ル十八日更ニ木挽町東京商工会ニ於テ発起人一同ノ会同ヲ催シ、篤ト協議ノ上右等ノ件々決定致度候間、当日午後四時同所ヘ御来会被下度、此段御案内申上候也
明治二十二年二月十六日
渋沢栄一
殿
尚々本文ノ件々御一同ノ決議ヲ経ザル間ハ、実地準備ニ着手スルヲ得ス甚ダ差支候ニ付、当日ハ何卒御繰合セ是非御出席被下度希望仕候、又招待スベキ人名ハ概略取調置候得共、猶貴兄特別ノ御交際上ヨリ御招待相成候方可然御見込ノ人有之候ハヽ、可成差加候様致度、就テハ御見込ノ人名住所共御取調ノ上、当日御出席ノ節御持参被下度、此旨添テ得貴意候也
夜会発起人会議決録
第三回(二十二年二月十八日開会)
此日出席員ハ渋沢栄一・大倉喜八郎・真中忠直・丹羽雄九郎・阿部泰蔵・山中隣之助・矢島作郎・横山孫一郎・森村市太郎・川崎東作(川崎八右衛門代理)・近藤軌四郎(森時之助代理)・渡辺治右衛門・田中平八・高田小二郎・肥田昭作・安田善次郎・原亮三郎ノ十七名、午後五時開会、前会ノ議決ニ基キ調査シタル亭主方人名・招客人名・案内状・経費予算ノ事等ヲ協議シ、格別ノ異論モナク退散シタリ、時ニ午後八時ナリキ
(活版)
謹啓、陳ハ予テ御相談申上候夜会ノ義ニ付、去ル十八日発起人集会ノ上別記ノ通リ協議致候間、猶御意見ノ次第モ有之候ハヽ、何卒至急御
- 第28巻 p.571 -ページ画像
申聞被下度候、尤招待スベキ人名其他等ハ精細謄写上入御覧度存候得共、何分手間取レ候ニ付、概略ニ相止メ候間、若シ委細ノ義御承知被成度義有之候ハヽ、何卒東京商工会書記萩原源太郎ヘ御尋被下度候、先ハ此段御相談旁得貴意候也
廿二年二月廿日 渋沢栄一
殿
○去十八日ノ集会ニテ協議シタル要項
一亭主方ノ人員ハ同意者四十二人アリ、同意不同意未定ノ者数人アリ此未定ノ人ハ早速諾否ヲ問合セ、加除ヲ決スル事
一招客ノ人員ハ概略左ノ通リ
人
皇族及華族 一五
在朝諸貴紳 二六八
東京府吏員 附各郡区長 三五
各警察署長 二五
舞楽会員 四五
東京商工会員 五六
東京在野紳士 一三二
横浜在野紳士 三〇
東京府会議員 七〇
東京新聞記者 一九
外国人 二〇〇
合計……………………………………八九五
右ノ招客夫婦同伴スルモノト見ル時ハ、総人員千七百九十人トナル訳ナリ、但シ前記ノ人名ハ猶世話役ニ於テ吟味ヲ遂ゲ、其撰定ハ同掛リニ委托スル事
一開会ノ場所ハ鹿鳴館ト定メ、其日時ハ来三月四日午後九時ト定ムル事
一案内状ハ左ノ雛形ノ通リ
- 第28巻 p.572 -ページ画像
但シ右総代ハ、世話役ノ中渋沢栄一君ニ委托スル事
一経費予算ハ左ノ通リ
金弐千五百円 経費合計
内
金七百円 料理七百人前
是ハ招客総人員凡千八百人、其中六掛ノ来客ト見ル時ハ千〇八十人トナル、而シテ之ニ対シ七百人前ノ料理ヲ用意スル見積リ
金三百円 酒
是ハシヤンパン・赤葡萄酒及麦酒其他ポンチ等ノ見積リ
金五百円 装飾費
是ハ玄関間内共装飾総体ノ見積リ
金六拾円 電気灯費
是ハ庭前及間内ニテ相当ノ位地ヲ見計ラヒ取付クル見込
金百円 球灯
是ハ球灯凡千個ノ新調代並ニ陟汾C代ノ見積リ
金弐拾五円 案内状印刷代
是ハ案内状千通ノ紙代・印刷代・封皮代ノ見積リ
金弐拾円 煙草代
是ハ巻煙草・紙巻煙草代ノ見積リ
金百円 臨時汽車代
是ハ横浜ノ招客凡百人ト見テ、一人ニ付一円ノ見積リ
金百円 煙火
是ハ時刻ヲ見計ラヒ、前記ノ金高ヲ目途トシテ打上グル見込
金三拾円 奏楽費
是ハ海軍楽隊一組ヲ雇入ルヽ見積リ
金三百八拾円 諸雑費
是ハ謝儀・手当・人足雇賃・人力車代・弁当料其他ノ見積リ
金百八拾五円 予備費
是ハ臨時予備ニ充ツル見積リ
以上
但シ此予算ハ当初合計金弐千弐百円ト見積リタル処、去ル十八日ノ集会ニテ更ニ煙火ヲ催ス事ニ決シ、此費用百円ヲ要シ、且ツ装飾費モ当初三百円ト見積リ置キタレトモ、猶其後再調シタルニ不足ヲ生ズルノ恐アルニ付、更ニ弐百円ヲ増シタリ、是合計ニ於テ三百円ノ増加ヲ呈シタル所以ナリ
来三月四日憲法発布ノ大典ヲ祝スル為メ、府下ノ商人数十名催主トナリ、鹿鳴館ニ於テ夜会ヲ開キ、皇族・大臣・各国公使ヲ始メ、朝野ノ諸貴紳千余名ヲ招待仕度ニ付、当日該館拝借ノ義御許容被下度、此段奉願上候也
明治廿二年二月廿日 総代
渋沢栄一
外務書記官
関口雄殿
- 第28巻 p.573 -ページ画像
雑第三五号《(太字ハ朱書)》 (印)(二橋)
二月廿日附ヲ以テ、憲法発布ノ大典ヲ祝スル為メ府下商人数十名来ル三月四日皇族・大臣・各国公使ヲ始メ朝野ノ諸紳千余名招待、夜会被相催候ニ付、同日鹿鳴館借用相成度旨御申出之趣致承知候、右ハ差支無之候条同館ヘ相達置候、此段及回答候也
明治二十二年二月廿日
外務書記官 関口雄 外務書記官関口雄印
総代 渋沢栄一殿
来ル三月四日府下ノ商人数十名催主トナリ、鹿鳴館ニ於テ夜会ヲ開キ皇族・大臣・朝野ノ諸貴紳ヲ招待仕候筈ニテ、横浜ヨリモ内外ノ紳士数百名ヲ招待仕候見込ニ付、同月五日午前一時新橋ヨリ横浜迄臨時汽車御差立被下度、依テ上等切符五百枚至急御下附被下候様仕度、此段奉願上候也
明治二十二年二月廿二日 総代
渋沢栄一
鉄道局
運輸課
御中
尚々本文ノ切符ハ、何卒木挽町十丁目東京商工会ノ方ヘ御遣シ被下度、此旨添テ奉願上候也
鉄運第一七弐号
来三月五日午前一時新橋ヨリ横浜迄臨時列車差立方御請求之趣了承、右準備可致候、就而者切符五百枚及御回付候間、御落手有之度候、此段申進候也
廿二年二月廿三日 鉄道局
新橋運輸課鉄道局新橋運輸課之印
東京商工会
渋沢栄一殿
追而乗車切符御領収之上ハ、受取証御差廻相成度候也
扣
謹啓仕候、陳ハ夜会開設ノ義ニ付、其日取其他ノ事項御通知申上置候処、玆に緊要ナル新案相生シ、猶篤ト御相談相願度義有之、依テ明廿五日午後一時東京商工会迄、是非御操合御来会被下度、此段御案内申上候也
明治廿二年二月廿四日 渋沢栄一
(別紙)
大倉喜八郎 川田小一郎
金沢三右衛門 吉川泰二郎
種田誠一 中村道太
山中隣之助 益田克徳
子安峻 浅の惣一郎
- 第28巻 p.574 -ページ画像
三井高喜 渋沢栄一
今村清之助 西村虎四郎
小野義真 渡辺治右衛門
川村伝衛 谷元道之
高田小二郎 安田善次郎
益田孝 古河市兵衛
阿部泰蔵 喜谷市郎右衛門
伊集院兼常 丹羽雄九郎
原亮三郎 富田恒一
小の金六 川崎八右衛門
横山孫一郎 田中平八
梅浦精一 矢島作郎
松尾儀助 朝吹英二
佐々木荘助 渋沢喜作
肥田昭作 森岡昌純
森村市太郎 森時之助
夜会発起人会決議要録
二十二年二月二十五日午後二時開
当日出席員ハ下ノ如シ、渋沢栄一・金沢三右衛門・大倉喜八郎・矢島作郎・山中隣之助・喜谷市郎右衛門・渡辺治右衛門・谷元道之・小野義真・森時之助・原亮三郎・川崎東作(川崎八右衛門代)・高田小二郎・富田恒一・横山孫一郎・益田孝・益田克徳・浅野惣一郎・真中忠直(佐々木荘助代)・小野金六、当日此出席員ガ評決シタル要件、左ノ如シ
一夜会開設ノ当日更ニ内閣各大臣ヲ招請シテ晩餐会ヲ開キ、発起人一同之ニ参列スル事
一衆議ニ依リ発起人中ヨリ左ノ五名ヲ委員ニ撰定シタル事
川田小一郎
西村虎四郎
森岡昌純
小野義真
渋沢栄一
一夜会及晩餐費ハ合計三千円ヲ以テ定額トスル事
一開会ノ場所ハ鹿鳴館トシ、其日時及装飾其他ノ準備ハ委員ノ協議ニ任スル事
以上
(活版)
拝啓、陳ハ兼テ御相談申上候夜会開設ノ義、昨二十五日ノ集会ニ於テ種々御評議ノ末、別紙廉書ノ通リ決定仕候ニ付、右御承引被下度、此段得御意候也
廿二年二月廿六日 渋沢栄一
殿
廉書
- 第28巻 p.575 -ページ画像
一是迄ノ計画ニテハ単ニ夜会ノミヲ開クベキ見込ノ処、右ニテハ少シク不相当ニ付、夜会ニ先ダチ晩餐ヲ開キ、内閣諸大臣ヲ招待シ、亭主方一同之ニ列席スル事
一経費ノ予算ハ右晩餐ノ費用ニ凡四百円程ヲ要スル見込ニ付、曩ニ御通知セシ夜会ノ費用ヲ合セ総体ニテ金三千円迄ヲ目的トシ、之ニ超過セザル高ヲ以テ諸事ヲ取賄フベキ事
一亭主方一同ヲ代表シテ諸事ヲ処理スル為メニ、左ノ五氏ニ委員ヲ托スル事
森岡昌純
川田小一郎
小野義真
西村虎四郎
渋沢栄一
但シ右諸氏ノ中差支アリテ応諾ナキ時ハ、右諸氏ニ於テ他員ノ中ヨリ指名シテ之ヲ補フ事
一案内状ニハ委員連名シ、発起人一同ノ姓名ハ更ニ別紙ニ記載スル事
一開会ノ時日ハ委員ニ於テ内閣諸大臣ノ模様伺定ノ上取極メ、更ニ御通知可致事
但シ凡三月十一日ト相定メ可申見込ノ事
一案内状ノ文案、会場装飾ノ手配、料理ノ注文、其他亭主方御受持ノ役割等ハ委員会ニ於テ相定メ、追テ御通知可致事
右ノ通衆議決定致候事
廿二年二月廿五日
拝啓、然者兼而御相談申上候夜会開設之義、昨廿五日之集会ニ於テ別紙廉書之通決定致シ、賢台委員之壱人ニ御当撰相成候間、何卒御承諾被下度、依テ別紙相添此段御通知申上候也
二十二年二月廿六日
渋沢栄一
委員宛 (各通)
拝啓、然者夜会開設之義ニ付諸般之手続御打合之為、来ル廿八日委員会相開申度候間、午後五時ヨリ東京商工会ヘ御来臨被下度、此段拝願仕候也
明治廿二年二月廿六日
渋沢栄一
委員宛 (各通)
夜会委員会決議要録
二十二年二月廿八日午後五時開
当日渋沢栄一 西村虎四郎 横山孫一郎代人村尾智実出席ス、当日装飾等ノ件ヲ議スル筈ナリシガ、委員ノ中森岡・川田欠席シ、且ツ伊集院・松尾ノ両人モ欠席シタルヲ以テ要領ヲ議スルヲ得ズ、午後八時退散ス
- 第28巻 p.576 -ページ画像
来ル四日鹿鳴館ニ於テ夜会相開候ニ付、同日該館拝借之義御許容相願置候処、右夜会之義ハ都合ニ依リ来ル十一日ニ延引仕候間、同日該館拝借之義更ニ御許容被下度、此段奉願上候也
明治二十二年三月二日 総代
渋沢栄一
外務書記官
関口雄殿
来ル四日鹿鳴館ニ於テ夜会相開候ニ付、翌五日午前一時臨時汽車御差立被下度旨願置候処、右夜会ノ義ハ都合ニ依リ来ル十一日ニ延引仕候間、翌十二日午前一時新橋ヨリ横浜迄臨時汽車御差立被下度、依テ更ニ上等切符五百枚至急御下付被下候様仕度、此段奉願上候也
明治二十二年三月二日 総代
渋沢栄一
鉄道局
新橋運輸課
御中
尚々過日御下付被下候上等切符五百枚ハ、其儘返上仕候間、御入手被下度候也
委員タル人ヘ通知案
謹啓、陳ハ夜会ノ義ニ付其後内閣総理大臣ノ御都合相伺候処、来十一日ニハ御差支無之趣ニ付、愈同日ヲ以テ開日ト相決シ、本日委員ノ名ヲ以テ亭主方一同ヘ別紙ノ通リ通知致候間、左様御承知被下度候
扠右ノ如ク愈開日相決シ候ニ就テハ、此際更ニ委員会ヲ開キ装飾及料理ノ注文等実地着手ノ義ニ付御相談相願度候間、何卒明四日午後六時東京商工会ヘ御来車被下度、此段別紙写相添得貴意候也
二十二年三月三日 渋沢栄一
亭主方一同ヘ通知案
謹啓、陳者夜会ノ義ニ付其後内閣総理大臣ノ御都合相伺候処、来ル十一日ニハ御差支無之趣ニ付、愈同日ヲ以テ開日ト相決シ夫々案内状差立候筈ニ御坐候間、左様御承知被下度候
会場ノ粧飾、料理等ノ義ハ、兼テ御打合申上置候通リ委員ニ於テ夫々取計可申候得共、猶開日ニ先タチ亭主方一同集会シ、当日ノ接待方等御打合申度、追テ期日相定メ御通知申上候ハヾ御来会相成候様致度、此義モ為念併テ御通知申上置候也
二十二年三月三日
委員五名連署
招待人一同宛
夜会委員決議要録
二十二年三月四日午後五時開
- 第28巻 p.577 -ページ画像
当日出席シタルハ渋沢栄一 西村虎四郎 松尾儀助 横山孫一郎代村尾智実ノ四名ニシテ、森岡昌純 小野義真 伊集院ノ三名ハ欠席ス、当日衆議ノ上決議シタル件々左ノ如シ
一伊集院兼常ハ旅行ニ付、装飾ノ事ハ改メテ松尾儀助及矢島作郎ノ両氏ニ托スル事
一料理ノ事ハ梅浦精一及横山孫一郎ノ両氏ニ托スル事
一晩餐ニ招待スベキ各大臣ヘハ、委員手分ケシテ招状ヲ持参シ、猶口上ヲ以テ通意スル事
一舞楽会員中鍋島直大 高木兼寛 穂積陳重 長崎省吾 高峰譲吉ニ当日亭主ノ補助員タル事ヲ依頼スル事
一来八日午後四時亭主方一同鹿鳴館ニ会合シ、諸事ヲ打合ハスル事
一明五日松尾 矢島 萩原ノ三人鹿鳴館ヘ出張シ、吉田要作 広瀬忠堅ヘ相談スル事
右ノ通リ決議シテ、午後八時退散ス
謹啓、陳ハ兼テ御通知申上候通リ、来十一日夜会相催シ候ニ就テハ、当日来賓ノ接待方其他各自受持ノ役割等予メ御打合申上度ニ付、何卒来八日午後四時鹿鳴館ヘ御来会被下度、此段御案内申上候也
二十二年三月六日
委員連名
亭主方一同 各通
謹啓、陳ハ来十一日夜会相催シ候ニ就テハ、此際亭主方一同集会シ当日来賓ノ接待方等打合候方可然ト存候ニ付、本日委員ノ名ヲ以テ別紙ノ通リ一同ヘ案内致候間、此段御通知申上候也
二十二年三月六日
渋沢栄一
委員 各通
益御清安奉賀候、然ハ来十一日鹿鳴館ニ於テ貴君始四十余名之有志者夜会御催之趣ニ候処、十日頃より十五・六日迄ハ耶蘇信徒、就中旧教信者ニ於テハ、該宗教上謹慎之意ヲ表シ候由ニテ、他之席・舞踏会等ヘハ被招相越候儀ハ差控居候哉ニ承リ込候、就テハ未タ西洋人御招状御差立無之候儀ニ候ハヽ御見合相成候テハ如何ト存付候儘、此段一寸得貴意候也
三月五日
子青木周蔵
渋沢栄一殿
謹啓仕候、陳ハ来十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相開候筈ニ御座候処、十日頃ヨリ十五・六日頃迄ハ耶蘇信徒ノ人々謹慎候趣ニ付、外国人ヘノ案内状ハ見合候方可然旨、御注意被下難有奉存候、然ルニ外国人ヘノ案内状ハ既ニ夫々発附ノ後ニシテ、今更引戻シ候訳ニモ致兼候ニ付、不得已其儘ニ致置候、先ハ此段謹謝旁如此御座候 早々頓首
- 第28巻 p.578 -ページ画像
三月六日
渋沢栄一
子爵 青木周蔵殿
軍楽隊借用願
一軍楽員 二十五名
来十一日於鹿鳴館夜会相催シ候ニ付テハ、午後五時ヨリ前書ノ通リ貴所軍楽隊借用御奏楽相願度候間、御允許相成度此段願出候也
明治二十二年三月六日
渋沢栄一代
萩原源太郎(印)
木挽町十丁目十三番地東京商工会構内
海軍々楽練習所
御中
(右願書ハ両通差出ス)
夜会装飾料理委員会議要録
二十二年三月六日午後五時開
当日出席シタルハ矢島作郎・横山孫一郎及若井兼三郎、外ニ鹿鳴館ヨリ吉田要作・広瀬忠堅ノ五名ニシテ、松尾儀助及梅浦精一ハ欠席ス、当日装飾料理等ノ事ヲ協議シテ左ノ通リ決ス
一舞踏室ノ四方ヘ紅白縮緬ノ幕ヲカケ、数ケ所ニクス玉ヲ附スル事
一同天井ヘ緑葉ヲ以テ飾附ヲ為ス事
一廊下ニモ幕ヲ附スル事
一入口ニハ御所車ノ飾ヲ置キ、其周囲ニ幕ヲ附スル事
一廊下ニ硝子ヲ青竹籠ニテ包ミ金魚ヲ入レ、之ニ花ヲ挿ミ壁側ニツルス事
一舞踏室ノ壁側ニ釣花活ケヲツルス事
一其他所々ニ相当ノ飾ヲ施ス事
右ノ通リ決議シテ退散ス
謹啓仕候、陳ハ来十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相催シ候ニ付、貴大学御雇外国人ヘモ夫々招状相呈シ度存候処、別封十七通ハ何分住地不分明ニ付、甚ダ御手数恐悚ニ御座候得共、何卒配附方宜シク御配神被下度、此段厚ク御依頼申上候也
二十二年三月八日
夜会委員
西村虎四郎
小野義真
川田小一郎
渋沢栄一
森岡昌純
帝国大学総長 渡辺洪基殿
- 第28巻 p.579 -ページ画像
来十一日鹿鳴館ニ於テ夜会御催ニ付、右招状外国教師ヘ配付方御申越承了、夫々配付取計申候、尤アツペール及ストールス両人ハ既ニ解傭帰国致候者ニ付、右招状ハ返進致候也
二十二年三月八日 帝国大学書記官
夜会委員
御中
追而本文招状医科大学教師ベルツ及法科大学教師ヲーギユスト・ルビリヨー両人分相漏居候様被存候、心付之儘申進候、将又、法科大学教師ストールス代員トシテ米国ヨリ招傭ノ「アレキサンドル・タイソン」ナル者明日来着之筈ニ候間、此段申添候
(活版)
(活版)
謹啓、陳ハ来十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相開候ニ就テハ、何卒当日貴部ニテ御新築相成候部分及玉突場ヲ除ク外総テ借用相願度、此段御照会申上候也
明治二十二年三月八日
夜会委員
西村虎四郎
小野義真
- 第28巻 p.581 -ページ画像
川田小一郎
渋沢栄一
森岡昌純
右代人萩原源太郎
東京倶楽部
御中
拝読仕候、陳者来る十一日鹿鳴館ニ於テ夜会御催し被成候に就て者、当部新築に係る部屋及び玉突場を除き総て御貸渡可申旨御照会相成承知仕候、当日御使用の部屋悉く御明渡可申候也
明治廿二年三月九日 鹿鳴館内
東京倶楽部東京倶楽部印
夜会委員
御中
謹啓、陳ハ昨日ノ集会ニテ来十一日ニハ亭主方一同ノ者ハ同日午後四時迄鹿鳴館ヘ参集ノ事ニ相決シ候間、右刻限ニハ無遅々同館ヘ御出張被下度、猶委細ノ手続ハ其節更ニ御打合可致候、此段不取敢御通知申上候也
三月九日 委員
謹啓、陳ハ明十一日ハ午後四時迄無遅々鹿鳴館ヘ御集被下度、猶委細ノ手続ハ其節御打合可致候、尤当日晩餐ノ席割ノ都合モ有之候間、若シ万一差支アリテ御出席無之時ハ至急鹿鳴館迄御申越被下度、此段併セテ御通知申上候也
三月十日 委員
今般私共商人申合セ来十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相催シ候ニ付、同日午後五時ヨリ翌十二日午前二時迄同館内外取締ノ為メ巡査二十五名御派出ノ義御許容被成下度、此段奉願上候也
夜会委員
森岡昌純
渋沢栄一
川田小一郎
小野義真
西村虎四郎
右代理
京橋区木挽町十丁目十三番地東京商工会
明治二十二年三月九日 南須原巻五郎
麹町警察署
御中
京橋区木挽町十丁目十三番地
東京商工会
- 第28巻 p.582 -ページ画像
南須原巻五郎
麹第六十号《(太字ハ朱書)》
巡査派出願之趣聞届
明治廿二年三月九日 三等警視 加藤清明三等警視加藤清明印
明十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相催シ候ニ付、別紙ノ通リ第一師団監督部ヘ出願仕度候間、何卒至急御添書被成下度、此段奉願上候也
明治二十二年三月十日 夜会委員渋沢栄一
外一同総代
南須原巻五郎
東京府知事 男爵 高崎五六殿
(別紙)
来ル十一日鹿鳴館ニ於テ夜会相催シ候ニ付、左ノ件々御許容被成下度候也
一同日午後五時三十分ヨリ十一時迄ノ間、日比谷練兵場ニ於テ煙火ヲ打上ゲ度候事
一同日午後四時ヨリ右練兵場ノ東南隅ヲ車馬ノ置場ニ拝借仕度候事
但シ当日雨天ナラバ該所ニ天幕若クハ板等ニテ相当ノ雨覆ヲ設ケ度候事
以上
明治二十二年三月九日 夜会委員渋沢栄一
外一同総代
南須原巻五郎
第一師団監督部
御中
(注意) 本件ハ以来東京府知事ヘ出願スベキ旨第一師団監督部ヨリ口達セラル
第一八九五号
渋沢栄一代理
南須原巻五郎
本月十一日日比谷練兵場内借用之義其筋ニ於テ許可相成候条、此旨相心得ベシ
明治廿二年三月十一日
東京府知事 男爵 高崎五六東京府知事高崎五六
本日鹿鳴館ニ於テ夜会相催シ候ニ付、午後五時三十分ヨリ十一時迄ノ間日比谷練兵場ノ中央往来ニ妨ゲナキ場所ニ於テ煙火四十七本打上度候間、何卒至急御許可被成下度、此段奉願上候也
明治二十二年三月十一日 夜会委員渋沢栄一
外一同総代
南須原巻五郎
警視総監 折田平内殿
- 第28巻 p.583 -ページ画像
第二号
夜会委員渋沢栄一
外一同総代
南須原巻五郎
印煙火打上願之趣聞届
明治廿二年三月十一日
警視総監 折田平内警視総監折田平内印
本月二日付ヲ以テ来ル四日鹿鳴館ニ於テ夜会御開可相成之処、御都合ニ依リ来ル十一日ニ延引之儀御申出之趣与承知候、右ハ同日繰合御貸渡可申、其旨同館ヘ相達置候、此段回答申進候也
三月四日 外務書記官 関口雄
総代
渋沢栄一殿
集会記事
二十二年三月八日午後四時鹿鳴館ニテ開ク
当日左ノ人々出席シ、来十一日夜会ノ準備ニ就キ諸事打合セ、午後六時退散ス
原亮三郎 西村虎四郎 丹羽雄九郎
富田恒一 小野金六 渡辺治右衛門
川田小一郎 川崎八右衛門 代東作 金沢三右衛門
横山孫一郎 谷元道之 高田小二郎
梅浦精一 山中隣之助 矢島作郎
益田克徳 松尾儀助 二橋元長
喜谷市郎右衛門 渋沢栄一 森時之助 代近藤
三月十一日晩餐並夜会手続書
一 本日晩餐ノ来賓ハ午後五時三十分ノ按内ニ付、午後四時前ニ各室ノストーフヲ焚始メ、其他ノ用意ヲ為ス事
但舞踏室ノストーフハ焚ニ及ハス
一 午後五時三十分頃ヨリ瓦斯並提灯ヲ点火ノ事
一 晩餐ノ来賓車寄江着車ノ節ハ、掛員ヨリ直ニ招待員江通知シ、招待員ノ中委員丈ハ階下迄出迎ヒ、其他ノ招待員ハ階上廊下ニ於テ迎接シ、夫々待客室江按内ノ事
一 晩餐来賓ノ馬車ハ、構内西南隅江置カシムベシ
一 警備巡査並馭者ハ構内供溜ヲ以テ休息所ニ充ル事
一 夜会来賓ノ馬車ハ 皇族・親任官並各国公使ノ分ハ構内西南ノ隅江置カシメ、其他ハ西門ヨリ日比谷練兵場ノ東南ノ隅江置カシメ其馭者・車夫ハ同所仮供待所江休息セシムル事
一 海軍楽隊ハ食堂外廊下ヲ以テ晩餐ノ奏楽所ニ充ル事
一 晩餐来賓食堂江臨ミタルトキ二階第一号室ノ机ヲ散却スル事
一 晩餐終リタルトキ賓客ヲ二階十六号室ヘ按内シ、煙草並蜥門複ヲ供スル事
一 晩餐ヲ開ク前凡五時三十分ニ委員ノ差図ニ依リテ花火ヲ打揚ル事
- 第28巻 p.584 -ページ画像
一 晩餐終リ、蜥門複・煙草済次第、委員ハ階下ニ於テ夜会ノ来賓ノ挨拶ヲ受ル事
但皇族・大臣・親任官・各国公使ノ向ハ階上四号室ヘ按内シ、同所ヲ以テ休息所ニ充ル事
一 皇族御息所車寄被為成候ハヽ、車寄取締ハ直ニ服装掛並待賓掛ヘ通スル事
一 待賓掛ハ 皇族ノ御成ヲ見認次第直ニ委員並別当ニ通スベシ、委員ハ車寄迄奉迎シ、直ニ御先導申、各別当ヘ御息所ノ御誘引ヲ依頼スベシ
一 晩餐終リ楽隊ヲ直ニ表楼上ノ奏楽所ヘ外階子ヨリ繰入レ、舞踏奏楽ノ用意ヲ為サシムベシ
一 夜会来賓ノ内ニ、招待状ヲ失念シ持参セサル向アル時ハ、掛員ノ内ニ面識無之分ハ名刺ヲ請求シ、招待人帳簿ニ照シ合セノ上按内スベシ、若帳簿ニ記載無之分ハ入館ヲ堅ク可断事
一 服装掛ハ来賓燕尾服、軍人正服、夫人ハ洋服及白襟紋附ニ限リ入館ヲ許ス事、其他ハ(フロツクコート或羽織袴ニ)入館ヲ可断事
一 午後九時迄ニ階上廊下ヘ水曹達リモネート並ボンチヲ備、来賓ヘ供スル用意ヲナス事
一 午後十一時頃ニ至リ舞踏ノ都合ニヨリ委員ノ差図ヲ受テ、夜会ノ食堂ヲ開ク事
但シ十一時前食堂開カザル前ニ来賓退散スル向ヘハ、階下五・六号室ニ備アル食堂ヘ窃ニ誘引シ、立食ヲ供スベシ
一 二階五・六号室ノ食堂ハ 皇族・大臣・親任官・各国公使・各夫人方ヘ供スル故ニ、其他ノ来客ハ階下大食堂並同五・六号室ノ食堂ヘ誘引シ、彼是混淆セサル様注意スル事
一 皇族還御ノ節ハ御成ノ通リ可相心得事
一 表門・右門番所ヲ取締警部ノ休息所ニ充テ、左門番所ヲ巡査休息所ニ充ル事
一 来賓全ク散スレバ、巡査ヘ退館ヲ告ル事
掛員心得書
一 掛員午後三時鹿鳴館ヘ集合ノ事
一 掛員ハ他ノ来賓ノ見認メ易キ為メニ、其上衣ニ記章ヲ附スル事
一 掛員ハ総テ燕尾服着用ノ事
一 掛員ハ来賓ヲ総テ丁嚀ニ取扱ヒ、失敬ノ挙動アルベカラサル事
一 掛員ノ内服装掛並待賓掛ハ内玄関ニ立礼シ、夫人方ハ化粧室ヘ按内シ、男子方ハ外套預所ヘ按内スベシ、而シテ階上ヘ按内スベシ
但掛員ハ可成階下廊下ニ数多立留マラサル様ニ致スベシ
一 楽隊休息所ヘハ湯茶・火鉢、並弁当二度、ビール各弐本ツヽ給シ隊長ヘハ洋食ノ弁当・赤葡萄酒ヲ給スル事
一 警部巡査休息所ヘハ火鉢並湯茶及弁当ヲ給スル事
一 鳶人足ヲシテ舞踏室ノ天井ニ就キ瓦斯灯嘴ヲ時々巡邏シ、且構内ノ火ノ元ヲ巡警セシムヘキ事
一 掛員ハ来賓悉ク退散スレバ館内並構内ノ巡視ヲ終テ後、揚祝杯而退散スル事
- 第28巻 p.585 -ページ画像
明治二十二年三月十一日鹿鳴館ニ於テ晩餐ノ節主客着席ノ順序
上 食堂卓 田中平八 朝吹英二 小野金六 原亮三郎 種田誠一 川村伝衛 西村虎四郎 柳原前光(抹消) ○大山巌 ○黒田清隆 渋沢栄一 ○山田顕義 ○土方久元 ○折田平内 吉川泰二郎 二橋元長 梅浦精一 丹羽雄九郎 森時之助 金沢三右衛門 浅野惣一郎 山中隣之助 松尾儀助 矢島作郎 益田克徳 渋沢喜作 大倉喜八郎 ○高崎五六 ○榎本武揚 ○西郷従道 川田小一郎 ○松方正義 ○寺島宗則 谷元道之 肥田昭作 富田恒一 渡辺治右衛門 高田小二郎 川崎八右衛門 喜谷市郎右衛門 横山孫一郎
煙火目録
昼ノ部
一六インチ 雷 弐発 代金三円四拾銭
一同 黄煙柳 三発 代金五円七拾銭
一同 日本娘 壱発 代金弐円也
一同 洋婦人 壱発 代金弐円也
一同 黄竜 三発 代金五円七十銭
一同 鷲 壱発 代金弐円也
一同 白雨 四発 代金七円六拾銭
小計 拾五発小〆廿八円四拾銭
一二インチ 連発 三個 代金六円也
夜ノ部
一四インチ 引火 弐発 代金壱円九十銭
一同 黄星 弐発 代金壱円九十銭
一六インチ 白露赤月后緑星輪 壱発 代金弐円五十銭
一同 輪真菊 壱発 代金弐円五十銭
一四インチ 白星 五発 代金四円廿五銭
一六インチ 紫星乱玉 壱発 代金弐円五十銭
一四インチ 洋火交リ星 五発 代金拾弐円五十銭
一同 菊 三発 代金弐円五十五銭
一六インチ 引火瓔珞 壱発 代金弐円五十銭
一四インチ 千輪菊 五発 代金四円七十五銭
一六インチ 黄露白月后紅星 壱発 代金弐円五十銭
一四インチ 引火 三発 代金弐円八十五銭
小計 三拾発小〆金四拾三円弐拾銭
一黄赤緑光曜火 三本 代金四円五十銭
一合図 光曜火 拾本 代金七円也
合計金八拾三円十銭
横浜より其外諸入費金拾五円也 但運搬費共
又計金九拾八円拾銭
右之通御座候也
三月九日 京橋区南伝馬町壱丁目八番地
- 第28巻 p.586 -ページ画像
平山煙火事務所代
市川善兵衛(印)
夜会委員 御中
廻章 栄一
謹啓、陳ハ去十一日夜会ノ経費調査書、別紙甲号ノ通リ装飾委員及料理委員ヨリ廻附有之候ニ付篤ト閲覧候処、右ハ至極相当ノ様ニ被存候ニ付、別段御異議モ無之候ハヽ、此際先ヅ一同ヘ別紙乙号ノ通リ照会シテ各金六拾八円ツヽヲ取立、追テ決算ノ上委細ハ夜会録事ニ登載シテ更ニ一同ニ報告シ、右ニテ終局ヲ告ゲ度ト奉存候、依テ別紙相添此段御相談申上候也
二十三年三月二十五日 渋沢栄一
築地備前橋側 森岡昌純殿(印)三月廿七日拝見即日小野氏ヘ回達ス
牛込新小川町二丁目 川田小一郎殿(印)三月廿七日拝見即日森岡氏ヘ廻ス
木挽町日本鉄道会社 小野義真殿印
駿河町三井銀行 西村虎四郎殿(印)
尚々此廻章御廻覧相済候ハヽ、何卒木挽町東京商工会書記萩原源太郎方ヘ御戻シ被下度候也
甲号
謹啓、陳ハ去十一日夜会ノ経費篤ト遂精査候処別紙計算書ノ通リ合計金弐千九百九拾弐円ニ有之、尤右ノ中諸手当及完結ニ至ル迄諸払ノ二項ハ未決算ニ係リ候得共、終結ヲ待チ候テハ遅引可仕ニ付、此際先ヅ四十四名ヨリ各金六拾八円ツヽヲ徴収シ、即チ其合計金弐千九百九拾弐円ヲ以テ悉皆ノ費用相賄フモノトシ、追テ終結ノ上ハ更ニ決算書ヲ調製シ一同ヘ報告致候方可然ト存候、且ツ諸手当ノ義ハ別紙計算書ニ見積リ候通リニテ御異存無之候ハヾ、早速贈与方取計可申候、先ハ此段御報告申上候也
料理委員
二十二年三月 梅浦精一(印)
横山孫一郎印
装飾委員
矢島作郎(印)
松尾儀助(印)
委員
森岡昌純殿
渋沢栄一殿
川田小一郎殿
小野義真殿
西村虎四郎殿(印)
(別紙)
計算書
金弐千九百九拾弐円 夜会経費合計
内
金千円 料理代
- 第28巻 p.587 -ページ画像
内
金弐百円 晩餐料理五十人前 一人ニ付四円ヅヽ
金八百円 夜会料理四百人前 一人ニ付弐円ヅヽ
金参百五拾九円四拾七銭五厘 酒代
内
金七拾四円八拾五銭 晩餐ノ酒代
金弐百八拾四円六拾弐銭五厘 夜会ノ酒代
金弐拾七円九拾五銭 煙草代
内
金九円 マニラ葉巻煙草 五百本
金八円 小ハヾナ同 四函
金参円六拾銭 紙巻煙草 八函
金七円参拾五銭 同 二十一函
金四百七拾弐円五拾参銭八厘 装飾費
内
金百拾九円五拾九銭八厘 縮緬損料
金百九拾八円四拾四銭 御所車釣花籠薫玉飾一切ノ費用
金拾円 団扇 百本
金四拾七円 生花 四十八瓶
緑葉飾十三ケ所
金四拾五円参拾五銭
蔓飾八十一ケ所
金五拾弐円拾五銭 盆栽大小七十三鉢損料
金百拾弐円四拾弐銭 電気灯
内
金百円 電気灯四十ケ所ヘ点灯費
金拾弐円四拾弐銭 同倶楽部ニテ使用ノ分
金弐拾六円拾銭〇九厘 瓦斯代
金六拾五円八拾銭 球灯並ニ陟汾C代
内
金拾六円五拾銭 提灯二百張新調代
金参拾四円 鹿嗚館ヨリ借用ノ分七百個雨濡ニ付張替代
金拾五円参拾銭 陟汾C代
金百六拾参円参拾四銭五厘 印刷代並ニ用紙代
内
金六拾七円〇〇五厘 案内状人名書其他数種ノ印刷代
金拾九円七拾四銭 状袋及用紙代
金五拾九円五拾銭 舞踏番組三百五十枚代
金拾五円 献立書六十枚代
金弐円拾銭 金ブチ席順札七十枚代
金拾七円 郵便税
金六拾円 別仕立汽車代
金九拾八円拾銭 煙火代
金五拾円 奏楽料
金参拾六円七拾弐銭 人力車雇賃並ニ配達賃
金百〇参円九拾六銭 集会費並ニ弁当代
- 第28巻 p.588 -ページ画像
金百七拾参円弐拾壱銭 雑費
内
金弐拾五円 デコレーシヨン五十個新調代
金参拾七円四拾八銭 香水牛乳其他小買物合卅二口代
金八円四拾五銭 薪炭代
金拾参円五拾銭 給仕五人女給仕四人雇賃
金四拾七円七拾壱銭 楽隊屯所其他臨時建設費
金拾九円拾九銭 鹿鳴館食器類破損弁償代
金五円参拾参銭 同内外壁損所塗繕費代
金六円弐拾五銭 巡査二十五人雇料
金弐円五拾五銭 倶楽部玉突代
金七円七拾五銭 雑費五口
金百拾円〇五拾銭 諸手当
内
外務省用度課長
金拾円 ヽ関口雄ヘ
但シ是ハ品物ヲ贈リ委員ノ礼状ヲ添フ
鹿鳴館長
金拾五円 吉田要作ヘ
鹿鳴館員
金拾円 広瀬忠堅ヘ
同
金八円 森本鎮義ヘ
同
金参円 金田言ヘ
金拾八円(一人ニ付弐円ヅヽ) ヽ第一国立銀行及三井銀行手伝九人ヘ
三井物産会社
金弐円 ヽ駒井佳三郎ヘ
以上六口ハ菓子料トシテ現金ヲ贈リ委員ノ礼状ヲ添フ
金弐円 ヽ若井兼三郎ヘ
三井物産会社
金弐円 ヽ岩下清周ヘ
同横浜支店
金弐円 ヽ加藤清樹ヘ
以上三口ハ菓子折ヲ贈リ委員ノ礼状ヲ添フ
金参円 ヽ徳田多助ヘ
金四円 鹿鳴館給仕長ヘ
金九円(一人ニ付三円ヅヽ) 同給仕三人ヘ
金四円五拾銭(一人ニ付一円五十銭ヅヽ) 同小使三人ヘ
外務省雇車馬取締
金弐円 高木香吉ヘ
同
金弐円(一人ニ付一円ヅヽ) 御者二人ヘ
同
金壱円五拾銭(一人ニ付五十銭ヅヽ) 馬丁三人ヘ
倶楽部員
金五拾銭 本間定吉ヘ
同
金七円(一人ニ付五十銭ヅヽ) 小使十四人ヘ
金五円(一人ニ付五十銭ヅヽ) 第一国立銀行及三井銀行小使十人ヘ
金百拾四円八拾七銭参厘 完結ニ至ル迄諸払
但シ此金高ノ中ヨリ発起以来事務ヲ取扱ヒタル東京商工会書記以下ヘノ報酬、及追テ編纂シテ亭主方一同ヘ配附スベキ夜会録事ノ印刷代・逓送費等必要ノ費用ヲ引去リ、其残余ノ金高ヲ限度トシテ追テ小集ヲ催シ、特別ニ尽力シタル人々ヲ慰労スル見込ナリ
乙号
- 第28巻 p.589 -ページ画像
謹啓、陳ハ去十一日夜会ノ経費取調候処、合計金弐千九百九拾弐円ニシテ、之ヲ亭主方四十四人ニ割合候時ハ一人ニ付金六拾八円ト相成候就テハ何卒右金高ハ可成小切手ヲ以テ第一国立銀行ヘ御払込被下度、尤委細ノ計算ハ追テ夜会録事ニ登載シ、印刷ノ上更ニ御報告可仕候得共、先ハ此段不取敢得貴意候也
二十二年三月二十八日 委員五人連名
亭主方一同 各通
(活版)
謹啓、陳ハ去ル十一日夜会ノ経費取調候処、合計金弐千九百九拾弐円ニシテ、之ヲ亭主方四十四人ニ割合候時ハ一人ニ付金六拾八円ト相成候、就テハ何卒右金高ハ可成小切手ヲ以テ第一国立銀行ヘ御払込被下度、尤委細ノ計算ハ追テ夜会録事ニ登載シ、印刷ノ上更ニ御報告可仕候得共、先ハ此段不取敢得貴意候也
委員
明治廿二年三月廿八日 西村虎四郎
小野義真
川田小一郎
渋沢栄一
森岡昌純
殿
謹啓仕候、時下益御清栄奉拝賀候、陳ハ去十一日夜会相開候ニ就テハ貴館員其他ノ方々ニ於テ種々御厚配被下難有奉存候、就テハ甚ダ軽微之至ニ御座候得共、聊カ謝意ヲ表スル為メ別紙ノ通リ御挨拶致度ニ付何卒夫々交附方宜御取計被下度、此段御依頼申上候也
二十二年三月廿八日 委員連名
鹿鳴館長
吉田要作殿
別紙
一金拾円 広瀬忠堅君
一同八円 森本鎮義君
一同参円 金田言君
一同四円 吉田彦次郎君
一同九円(但シ参円ツヽ) 市浦村山加藤三君
一同四円五拾銭(但シ壱円五拾銭ツヽ) 鹿鳴館小使三人
一同弐円 高木香吉君
一同弐円(但シ壱円ヅヽ) 馭者二人
一同壱円五拾銭(但シ五拾銭ヅヽ) 馬丁三人
一同五拾銭 本間定吉君
一同七円 倶楽部小使十四人
以上
栄一
礼状案(用紙奉書半切紙)
- 第28巻 p.590 -ページ画像
謹啓仕候、時下益御清栄奉拝賀候、陳ハ去十一日夜会相開候ニ就テハ種々御厚配被下難有奉存候、依テ一同ニ代リ御礼申上候 早々頓首
二十二年三月 委員五人連名
何某殿
尚々甚ダ軽少ノ至ニ御座候得共聊カ謝意ヲ表スル為メ何品一個菓子一折菓子料金何円進呈仕候間幸ニ御受納被下度候也
栄一
謹啓、陳ハ来四月二日委員会ヲ開キ、兼テ御相談申上候夜会録事其他経費決算ノ事ニ就キ、猶御相談致度ニ付当日午後四時東京商工会ヘ御来会被下度、此段御案内申上候也
二十二年三月三十日 渋沢栄一
委員五人
料理委員二人 各通
装飾委員二人
委員会
明治二十二年四月二日午後五時半開
当日出席シタル者ハ渋沢栄一 西村虎四郎 横山孫一郎 梅浦精一ニシテ、矢島作郎ハ旅行、川田小一郎 小野義真 松尾儀助ハ病気ニテ欠席ス
当日衆議ノ上左ノ件々ヲ決ス
一未決算ニ係ル金百十四円八十七銭参厘ノ中、夜会録事印刷代ニ金拾五円、東京商工会事務員及小使ニ金五拾五円(萩原ニ弐拾五円三木ニ拾五円、南須原ニ拾円、牧野ニ参円、野田ニ弐円)当日ノ集会費ニ凡拾円ヲ引去リ、残金ヲ以テ来九日精養軒ニ於テ尉労ノ小宴ヲ開キ、舞楽会員長崎省吾・穂積陳重・外務省関口雄・吉田要作・東京商工会書記三人ヲ招待スル事
右終リテ午後七時退散ス
委員ヘ通知案 栄一
謹啓、去二日ノ委員会ニ於テ、兼テ及御通知置候未決算ニ係ル金百拾四円八拾七銭参厘ノ内、夜会録事印刷代ニ拾五円、商工会事務員其他ヘノ手当ニ五拾五円、及当日ノ集会費ニ凡拾円ヲ引去リ、其残金ヲ限度トシ来九日精養軒ニ於テ慰労ノ小宴ヲ開キ、外務省関口雄・鹿鳴館吉田要作・舞踏会員長田省吾《(長崎省吾)》、及穂積陳重ノ諸氏、及商工会書記ノ人人ヲ招待候事ニ相決候間、当日午後五時精養軒ヘ御来会被下度、此段御通知申上候也
二十二年四月五日 渋沢栄一
委員 各通
慰労ニ付招状案 栄一
謹啓、時下益御清栄奉拝賀候、陳ハ去月十一日夜会相開候ニ就テハ種種御厚配被下難有奉存候、就テハ来九日何之風情モ無之候得共、委女
- 第28巻 p.591 -ページ画像
町精養軒《(采)》ニ於テ粗餐進呈仕度候間、当日午後五時同所ヘ御賁臨被下度此段御案内申上候 敬具
二十二年四月五日 委員連名
何某殿
慰労会記事
明治二十二年四月九日午後五時ヨリ、兼テ夜会ニ於テ尽力シタル人々ノ為メ、采女町精養軒ニ於テ慰労会ヲ開ク、当日出席ノ人々ハ左ノ如シ
○亭主方
委員 渋沢栄一
料理委員 横山孫一郎
同 梅浦精一
(委員川田小一郎・小野義真・森岡昌純・西村虎四郎及装飾委員松尾儀助ハ病気、又同装飾委員矢島作郎ハ旅行ニ付欠席ス)
○来賓
外務省用度課長 関口雄
鹿鳴館長 吉田要作
東京商工会書記 萩原源太郎
同 三木実
同 南須原巻五郎
(舞踏会員長崎省吾及穂積陳重ノ両氏ハ差支アリテ欠席セラル)
午後六時ヨリ晩餐ヲ始メ、食後猶談話数刻ニシテ、同八時一同散会ス
四月九日 晩餐
献立
羮汁 ポタアジユ、ジユリヱン 牛製野菜入
魚肉 チンパルト、ポワソン 魚肉管麺製
獣肉 フヒレード、ブーフアラリタリヱンヌ 牛背肉伊太利風
獣肉 コトレツトド、ムトンヲイーピナー 羊腹肉製
鳥肉 カネトンド、ヲーライユー 鶏洋菜製
蔬菜 プチポワーァラフランセーズ 洋豆牛乳製
鳥肉 カナーロツチイ サラド 家鴨蒸焼洋菜
製菓 プリン 蒸菓
雑菓
ウヱリモート酒
セリイ酒
赤葡萄酒
サンハイン酒
右料理洋酒共御壱人前金弐円ツヽ
栄一
謹啓陳ハ夜会録事ノ義、別冊ノ通リ取調候ニ付、別紙亭主方一同ヘノ
- 第28巻 p.592 -ページ画像
通知案相添供御廻覧候間、自然御心附ノ廉モ有之候ハヾ御加筆相成度此段御相談旁以廻章得貴意候也
二十二年四月 渋沢栄一
駿河町三井銀行 西村虎四郎殿(印)「拝見渋沢殿ヘ還送ス」
木挽町日本鉄道会社 小野義真殿印「拝見森岡殿江相廻ス」
牛込新小川町二丁目 川田小一郎殿(印)「四月八日西村氏江相廻ス」
築地備前橋側 森岡昌純殿(印)「拝四月八日午後一時川田小一郎氏相回ス」
○別冊ナシ、別紙通知案ハ略ス。
(活版)
謹啓、陳ハ兼テ及御通知置候夜会録事ノ義印刷出来候ニ付、一部御送附申上候、尤経費決算表ノ義ハ委細右録事ニ登載致置候間、右ニテ御承知相成度候、先ハ此段別冊相添得貴意候也
夜会委員
明治廿二年四月二十日 西村虎四郎
小野義真
川田小一郎
渋沢栄一
森岡昌純
殿
〔参考〕夜会招客人名書 明治二十二年三月十一日(DK280100k-0008)
第28巻 p.592-615 ページ画像
夜会招客人名書 明治二十二年三月十一日
(東京商工会議所所蔵)
部類別
招客姓名簿
皇族 四人
華族 十二人
内閣 三十人
枢密院 二十一人
宮内省 三十人
外務省 十四人
内務省 十五人
大蔵省 二十人
陸軍省 十九人
海軍省 二十人
司法省 二十四人
文部省 二十四人
農商務省 三十人
逓信省 十四人
元老院 三十五人
博覧会事務局 七人
警視庁 三十三人
北海道庁 四人
東京府及郡区役所 三十八人
各府県知事 十四人
- 第28巻 p.593 -ページ画像
舞楽会員 三十九人
各府県会議長 三十四人
東京府会議員 七十一人
東京商工会員 六十七人
各新聞記者 十九人
在野紳士 二百三十三人
横須賀海軍内 六人
神奈川県 三人
横浜税関 二人
横浜郵便電信局 一人
同在野紳士 三十四人
計九百十四人
皇族
有栖川宮
北白川宮
小松宮
伏見宮
計四人
華族
高輪南町二十七番地 公爵 毛利元徳
荏原郡下大崎村百三十四番地 同 島津忠義
南豊島郡千駄ケ谷村五百六十二番地 同 徳川家達
北豊島郡高田村二百十九番地 侯爵 細川護久
本郷向ケ岡弥生町三番地 同 浅野長勲
第十五国立銀行 同 池田章政
本所横網町一丁目廿九番地 同 徳川義礼
高輪南町十八番地 伯爵 後藤象二郎
小石川関口町百六十二番地 同 松平慶永
木挽町一丁目十一番地 同 伊達宗城
海上保険会社 同 池田茂政
久松定弘
計十二人
内閣
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
外務大臣 同 大隈重信
海軍大臣 同 西郷従道
農商務大臣 同 井上馨
司法大臣 同 山田顕義
大蔵大臣兼内務大臣 同 松方正義
陸軍大臣兼文部大臣 同 大山巌
逓信大臣 子爵 榎本武揚
内閣書記官長 小牧昌業
内閣総理大臣秘書官 牧野伸顕
- 第28巻 p.594 -ページ画像
内閣総理大臣秘書官 渡辺廉吉
内閣書記官 巌谷修
同 谷森真男
法制参事官 長森敬斐
同 蒲生仙
官報局次長 高橋健三
統計局長 石橋重朝
会計撿査院長 子爵 渡辺昇
同撿査官 安川繁成
鉄道局長官 子爵 井上勝
同事務官 図師民嘉
同同 西内文孚
同同 阿部浩
同同 内藤彦介
同同 楊井清八
同同 村井正利
同一等技師 松本荘一郎
同二等技師 原口要
同四等技師 平岡煕
同五等技師 豊田堅吉
計三十人
枢密院
議長 伯爵 伊藤博文
副議長 同 寺島宗則
顧問官 同 川村純義
同 子爵 福岡孝弟
同 伯爵 佐々木高行
同 同 副島種臣
同 子爵 佐野常民
同 伯爵 東久世通禧
同 子爵 品川弥二郎
同 伯爵 勝安芳
同 河野敏鎌
同 子爵 吉田清成
同 元田永孚
同 子爵 鳥尾小弥太
同 同 野村靖
書記官長 井上毅
書記官 伊東巳代治
同 金子堅太郎
同 牧朴真
同 花房直三郎
同 津田道太郎
計二十一人
- 第28巻 p.595 -ページ画像
宮内省
大臣 子爵 土方久元
次官 伯爵 吉井友実
宮内大臣秘書官 長崎省吾
内大臣 公爵 三条実美
宮中顧問官 西村茂樹
内大臣秘書官 石橋政方
同 田中栄秀
外事課長 三宮義胤
侍従長 侯爵 徳大寺実則
侍従 片岡利和
式部長官 侯爵 鍋島直大
同次官 男爵 高崎正風
皇太后宮大夫 子爵 杉孫七郎
皇后宮大夫 子爵 香川敬三
内蔵助 飯田巽
皇宮警察署長 川幡清貞
博物館長 山高信離
内匠頭 堤正誼
同助 麻見義修
同三等技師 白川勝文
同四等技師 片山東熊
同同 中溝則武
御料局長官 肥田浜五郎
侍医局長官 池田謙斎
侍医 伊東方成
同 岩佐純
爵位局長官 公爵 岩倉具定
帝室会計審査局長官 花房義質
有栖川宮別当 子爵 山尾庸三
学習院長 同 三浦梧楼
計三十人
外務省
次官 子爵 青木周蔵
秘書官 加藤高明
同 鮫島武之助
同 姉小路公義
書記官 本間清雄
同 関口雄
通商局長 浅田徳則
同次長 川上謹一
同勤務 東条一郎
取調局長 鳩山和夫
往復課長 二橋謙
- 第28巻 p.596 -ページ画像
属 三輪甫一
同 清田長秋
同 水野誠一
計十四人
内務省
次官 芳川顕正
秘書官 久保田貫一
同 小松原英太郎
県治局長 末松謙澄
警保局長 清浦奎吾
土木局長 西村捨三
衛生局長 長与専斎
地理局長 桜井勉
社寺局長 国重正文
会計局長 大谷靖
臨時建築局事務官 児玉少介
同 大野利新
同 末松房泰
戸籍課長 黒田綱彦
警官練習所長 檜垣直枝
計十五人
大蔵省
次官 渡辺国武
秘書官 平山成信
同 谷謹一郎
書記官 鈴木利亨
参事官 成川尚義
主税局長 中村元雄
同次長 斯波有造
関税局長 中野健明
主計局次長 深江順暢
主計官 坂谷芳郎《(阪谷芳郎)》
出納局長 松尾臣善
国債局長 田尻稲次郎
金庫局長 小林好愛
銀行局長 大野直輔
同次長 上床煕載
預金局次長 関口忠篤
記録局長 浦春暉
会計局長 山本豊躬
印刷局事務長 得能通昌
宍戸昌
計二十人
陸軍省
- 第28巻 p.597 -ページ画像
次官 桂太郎
秘書官 福家安定
同 村木雅美
砲兵局長 井上教通
工兵局長 矢吹秀一
会計局長 川崎祐名
同次長 野田豁通
千住製絨所長 小池正文
軍吏学舎長 川口武定
医務局長 橋本綱常
同次長 石黒忠悳
憲兵本部長 三間正弘
屯田兵本部第一課長 荒城重雄
砲兵本廠提理 黒田久孝
臨時砲台建築部事務官 有阪成章
陸軍参謀本部長 男爵 小沢武雄
同陸地測量部三角科長 田阪虎之助
第一師団長 子爵 三好重信
麻布大隊区司令官 風間繁成
計十九人
海軍省
次官 子爵 樺山資紀
秘書官 本宿宅命
艦政局長 伊藤雋吉
同次長 柴山矢八
同造船課長 佐双左仲
同機関課長 山県少太郎
同同課僚 宮原二郎
同艤装課長 田代郁彦
同建築課長 原田啓
会計局長 林清康
同次長 長谷川貞雄
同用度課長 下条正雄
呉鎮守府建築委員 男爵 真木長義
佐世保鎮守府建築委員 同 赤松則良
海軍兵学校長 有地品之允
海軍医学校長 高木兼寛
同教授 実吉安純
海軍兵器製造所長 田中綱常
参謀本部長 子爵 仁礼景範
同編纂課長 瓜生外吉
計二十人
司法省
次官 箕作麟祥
- 第28巻 p.598 -ページ画像
秘書官 栗塚省吾
同 菊池武夫
民事局長 小松済治
刑事局長 河津祐之
大審院長 尾崎忠治
同撿事長 名村泰蔵
同撿事 磯部四郎
東京控訴院長 西成度
同評定官 北畠治房
同撿事長 高木秀臣
大阪控訴院長 犬塚盛巍
長崎控訴院長 林誠一
函館控訴院長 春木義彰
宮城控訴院長 関義臣
広島控訴院長 石井忠恭
東京始審裁判所長 堀真五郎
同撿事 渥美友成
京橋区治安裁判所長 帆足清萃
芝区治安裁判所長 菅原竜吉
麹町区治安裁判所長 福岡豊和
下谷区治安裁判所長 加藤恒
本所区治安裁判所長 飯田定
京都始審裁判所長 富永冬樹
計二十四人
文部省
次官 辻新次
秘書官 中川元
専門学務局長 浜尾新
同次長 杉浦重剛
普通学務局次長 久保春景
編輯局長 伊沢修二
会計局長 久保田譲
帝国大学総長 渡辺洪基
同書記官 永井久一郎
法科大学教授 穂積陳重
医科大学長 三宅秀
同教頭 大沢謙二
工科大学教授 志田林三郎
文科大学長 外山正一
理科大学長 菊池大麓
同教頭 矢田部良吉
高等師範学校長 山川浩
同教頭 高嶺秀夫
高等商業学校長 矢野次郎
- 第28巻 p.599 -ページ画像
同教頭 成瀬隆蔵
同幹事 森島修太郎
東京職工学校長 正木退蔵
高等女学校教頭 能勢栄
東京学士会院会長 加藤弘之
計二十四人
農商務省
次官 岩村通俊
秘書官 斎藤修一郎
同 広岡逸人
同 宮崎政吉
参事官 奥田義人
同 鬼頭悌二郎
同 寺田弘
書記官 古沢滋
同 貴島磯麿
四等技師 中村貞吉
農務局長 宮島信吉
商務局次長 南貞助
工務局長 前田正名
同次長 大山綱昌
水産局長 鈴木大亮
同次長 原退蔵
同三等技師 関沢明清
山林局長 田辺輝実
同次長 種田邁
地質局長 和田維四郎
同次長 原田豊吉
鉱山局長 伊藤弥次郎
同次長 田代苗臣
同三等技師 巌谷立太郎
専売特許局長 高橋是清
同次長 首藤諒
会計局長 杉山栄蔵
同次長 波多野行執
東京農林学校長 前田献吉
同教授 中村弥六
計三十人
逓信省
次官 前島密
秘書官 栗野慎一郎
同 若宮正音
書記官 山本謙介
内信局長 因藤成光
- 第28巻 p.600 -ページ画像
外信局長 中野宗宏
為替貯金局次長 吉田省三
管船局長 塚原周造
同次長 中村孟
東京司撿所長 蛯子末次郎
同司撿官 横井時庸
会計局長 山内提雲
東京商船学校長 中村六三郎
東京逓信管理局長 山田雪助
計十四人
元老院
議長 伯爵 大木喬任
副議長 同 柳原前光
議官 津田出
同 細川潤次郎
同 楠本正隆
同 林友幸
同 神田孝平
同 井田譲
同 男爵 渡辺清
同 侯爵 蜂須賀茂韶
同 男爵 長岡護美
同 宮本小一
同 岩村定高
同 楫取素彦
同 清岡公張
同 小畑美稲
同 子爵 田中光顕
同 三浦安
同 大鳥圭介
同 渡辺驥
同 子爵 大迫貞清
同 柳楢悦
同 尾崎三良
同 田中芳男
同 田辺太一
同 岡内重俊
同 阪本政均
同 平岡通義
同 安藤則命
同 子爵 由利公正
同 村田保
同 中村正直
同 石井忠亮
- 第28巻 p.601 -ページ画像
同 千家尊福
同 重野安繹
計三十五人
第三回内国勧業博覧会事務局
審査官長 九鬼隆一
事務官 阪田春雄
審査官 山本五郎
同 岡毅
同 山田要吉
同 松原新之助
同 岡倉覚三
計七人
警視庁 附各警察署長
総監 折田平内
第一局長 前田利充
同次長 山下房親
第三局長 村上楯朝
会計局長 石原近義
警察本署長 柴山景綱
消防本署長 沢井近知
京橋警察署長 川上親義
阪本町警察署長 小川博明
久松町警察署長 和田勇
和泉橋警察署長 丹羽五郎
愛宕町警察署長 樋脇盛苗
麻布警察署長 福岡義弁
高輪警察署長 東郷実政
品川警察署長 藤崎清秋
麹町警察署長 加藤清明
赤阪警察署長 鈴木清聡
四谷警察署長 大庭知栄
牛込警察署長 島崎友連
新宿警察署長 八木信行
小川町警察署長 近藤篤
小石川警察署長 水野寅二郎
本郷警察署長 入江惟一郎
板橋警察署長 井上穆
猿屋町警察署長 山本正幹
田町警察署長 倉内末盛
下谷警察署長 三村実
千住警察署長 円来豁
富岡門前警察署長 安立彦七
八名川町警察署長 富沢憭
元町警察署長 宮内盛高
- 第28巻 p.602 -ページ画像
吾妻橋警察署長 増山一雄
水上警察署長 椎原国太
計三十三人
北海道庁
長官 永山武四郎
理事官 湯地定基
同 堀基
逓信課長 西田守信
計四人
東京府 附郡区長
知事 男爵 高崎五六
書記官 銀林綱男
同 渡辺孝
収税長 田中正道
兵事課長 市川時叙
会計課長 沢辺祐順
衛生課長 武昌吉
学務課長 元田直
外務課長 鴨地宣之
議事課長 竹村尚義
農商課長 丸田正盛
文書課長 佐藤志郎
庶務課長 与倉東雄
土木課長 大胡純
賦税課長 友岡正臣
撿税課長 安藤貞郎
徴収課長 長野宗臣
徴税費課長 松波孚強
麹町区長 子爵 大河内正質
神田区長 沢簡徳
日本橋区長 伊藤正信
京橋区長 林厚徳
芝区長 久住秀策
麻布区長 太田卓之
牛込区長 三淵隆衡
本郷区長 北沢正誠
下谷区長 岡本益道
小石川区長 田中直達
四谷区長 貴島宰輔
浅草区長 町田今亮
本所区長 太田実
深川区長 子爵 堀田正養
赤阪区長 穂積敬重
荏原郡長 林交周
- 第28巻 p.603 -ページ画像
東多摩南豊島郡長 益田包義
北豊島郡長 原田有徳
南足立郡長 蔵田信
南葛飾郡長 藤井一虎
計三十八人
各府県知事
長崎県知事 日下義雄
茨城県知事 安田定則
静岡県知事 関口隆吉
福島県知事 山田信道
山形県知事 柴原和
富山県知事 藤島正健
鳥取県知事 武井守正
高知県知事 時任為基
福岡県知事 安場保和
佐賀県知事 石井邦猷
鹿児島県知事 渡辺千秋
山梨県知事 中島錫胤
福井県知事 安達利綱
千葉県知事 石田英吉
計十四人
舞楽会員
文部省 桜井錠二
同 野口保興
同 飯島魁
同 三輪桓一郎
同 桜井房記
海軍省 加賀美光賢
同 佐々木文蔚
同 佐々木広勝
同 鈴木重道
同 河村豊洲
宮内省 松平忠礼
同 松平定教
同 大村純雄
同 丹羽竜之助
同 桜井能監
同 万里小路正秀
同 田中健三郎
同 多久乾一郎
同 蜂須賀万亀次郎
同 山岡直記
陸軍省 茨木惟昭
同 村井長寛
- 第28巻 p.604 -ページ画像
陸軍省 玉置勝卓
外務省 吉田要作
同 沢元麿
八十島安太郎
諌早千吉郎
高峰譲吉
長松篤誉退
伊藤博文令嬢 伊藤生子
松方正義令嬢 松方千代子
三島弥太郎令嬢 三島園子
麹町区一番町五十四番地 長松末子
駿河台鈴木町十六番地 東三条公恭
三条実美令嬢 三条智恵子
麹町区上二番町二十五番地 鷹司順子
神田区今川小路二丁目十一番地 片岡君子
津田出令嬢 津田品子
香川敬三令嬢 香川志保子
計三十九人
各府県会議長
京都府会議長 田中源太郎
大阪府会議長 大三輪長兵衛
兵庫県会議長 石田貫之助
長崎県会議長 志波三九郎
新潟県会議長 鈴木昌司
群馬県会議長 湯浅治郎
茨城県会議長 妹尾万寿吉
栃木県会議長 田中正造
奈良県会議長 今村勤三
三重県会議長 北川矩一
静岡県会議長 丸尾文六
山梨県会議長 八巻九万
滋賀県会議長 中小路与平治
岐阜県会議長 浅見与一右衛門
長野県会議長 島津忠貞
宮城県会議長 増田繁幸
岩手県会議長 上田農夫
青森県会議長 寺井純司
山形県会議長 佐藤里治
石川県会議長 遠藤秀景
富山県会議長 島田孝之
福井県会議長 杉田定一
島根県会議長 佐々田懋
鳥取県会議長 木下荘平
岡山県会議長 井手毛三
- 第28巻 p.605 -ページ画像
広島県会議長 脇栄太郎
山口県会議長 吉富簡一
和歌山県会議長 児玉仲児
香川県会議長 松本貫四郎
高知県会議長 小野道一
愛媛県会議長 小林信近
福岡県会議長 岡田孤鹿
佐賀県会議長 野田常貞
熊本県会議長 嘉悦信之
計三十四人
東京府会議員
青木庄太郎
高橋与惣兵衛
浅香克孝
田島安太郎
藤田茂吉
牛込金蔵
神田良邦
箕浦勝人
橋爪惟信
青地四郎左衛門
渡辺又兵衛
吉田幸作
小松崎茂助
大岡育造
宮本頼三
垣見八郎右衛門
鳥山貞利
山崎喜兵衛
菅谷政勝
名倉甚右衛門
林忠蔵
山口謙
浦田治平
稲田政吉
平林九兵衛
一色健郎
浅野彦兵衛
須藤時一郎
久松義典
杉浦重郎
綕村宗伯
山田忠兵衛
渡辺温
- 第28巻 p.606 -ページ画像
犬養毅
木寺安敦
沼間守一
牧山源兵衛
相沢喜兵衛
青地幾次郎
青木匡
佐藤正興
渡辺雅之助
芳野世経
角田真平
高木正年
志摩万次郎
小島官吾
伴直之助
杉本嘉兵衛
橋本省吾
梅川忠兵衛
松田秀雄
太田次郎
松尾清次郎
武藤直中
田口卯吉
豊田周作
田中築䦜
高梨哲四郎
笠井庄兵衛
福地源一郎
桐原捨三
仁杉英
中島行孝
青木金七
安藤徳忠
風間信吉
鈴木信仁
川村治兵衛
書記 林部金三郎
同 中野光亨
計七十一人
東京商工会員
高木要蔵
前川忠七
中村三郎兵衛
雨宮綾太郎
- 第28巻 p.607 -ページ画像
尾沢豊太郎
三枝与三郎
辻粂吉
藤田藤一郎
小川為次郎
新居常七
伊藤幹一
佐野勘兵衛
森田宇兵衛
山崎塊一
平尾賛平
岩谷松平
千葉松兵衛
神鳥半兵衛
野本伝七
石由之助
和田荘十郎
苗村又右衛門
森島松兵衛
高崎友七
関山源三郎
田中佐次兵衛
若松源八
石井安之助
隅山尚徳
池上福之助
赤井善蔵
浅井幸右衛門
赤阪亀次郎
生島一徳
浜口熊岳
脇田久次郎
牧原仁兵衛
大塚艮城
榎本小兵衛
山口豊助
酒井泰
松木平吉
村田作兵衛
長井利兵衛
小泉泰五郎
山本嘉兵衛
南川福蔵
田中半兵衛
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長谷部喜右衛門
岩出惣兵衛
高島勘六
刺賀超介
西村甚右衛門
堀越角次郎
陽其二
大藪儀三
天矢正剛
諸葛小弥太
木村荘平
高田慎蔵
橋本辰三郎
萩原源太郎
三木実
南須原巻五郎
計六十四人
各新聞記者
東京日々新聞 関直彦
郵便報知新聞 加藤政之助
時事新報 渡辺治
朝野新聞 吉田熹六
毎日新聞 肥塚竜
東京新報 朝比奈知泉
東京公論 滝本誠一
中外商業新報 木村清四郎
日本新聞 陸実
読売新聞 高田早苗
改進新聞 枝元長辰
江戸絵入朝野新聞 前田健次郎
絵入自由新聞 宏虎童
東京朝日新聞 村山竜平
東京絵入新聞 浅野乾
国会準備新報 藤田一郎
やまと新聞 条野伝平
時事通信社 福島宜三
みやこ新聞 前島和橋
計十九人
在野紳士
浜町三丁目一番地 池田栄亮
日本銀行 与倉守人
馬車鉄道会社 岩橋静彦
万町第百銀行 池田謙三
印東玄得
- 第28巻 p.609 -ページ画像
深川猿江町 色川誠一
三井銀行 今井友五郎
駿河台 岩崎弥之助
湯島三組町六十七番地 石崎政造
築地三丁目十一番地 林徳左衛門
日本鉄道会社 林賢徳
大伝馬町 長谷川次郎兵衛
製薬会社 新田誠丸
築地一丁目 西村勝三
新大阪町 外村卯兵衛
八丁堀仲町 鳥海清左衛門
伊勢町 中条瀬兵衛
太田原則孝
五郎兵衛町 千葉勝五郎
東湊町一丁目十番地 大村五左衛門
堀江町一丁目 岡本善七
王子村十五番地 大川平三郎
通一丁目 大村和吉郎
深川亀住町 小沢清左衛門
同堀川町 奥三郎兵衛
日本鉄道会社 太田黒惟信
日報社 岡本武雄
西河岸町 岡山兼吉
呉服町 太田信義
東京公論社 末広重恭
三十間堀 岡田任一
大伝馬町 小沢清左衛門
通一丁目 大倉孫兵衛
深川八名川町 小原勝五郎
青物町十八番地 渡辺大次郎
霊岸島四日市町 鹿島清兵衛
同 山路勘助
同銀町 鹿島利右衛門
堀留町 前川太郎兵衛
小網町一丁目 柿沼谷蔵
深川木場島田町 鹿島清左衛門
第十五国立銀行 柏村信
貿易協会 河瀬秀治
築地一丁目 笠野吉次郎
川崎銀行 川崎東作
下谷車阪町 吉田丹左衛門
呉服町 吉村甚兵衛
深川西元町 米倉一平
築地 横山貞秀
- 第28巻 p.610 -ページ画像
浅草向柳原町 高松凌雲
大伝馬町一丁目 田中次郎左衛門
駿河台 田村利七
王子村十五番地 谷敬三
麻布本村町 津田仙
深川材木町 中村清蔵
金吹町 中井新右門
長谷川町 村越庄右衛門
日本土木会社 牛場卓三
日本郵船会社 内田耕作
三井物産会社 馬越恭平
小網町 野中万輔
朝野新聞社 乙部鼎
久次米商会 中村五平
深川西元町 串田孫三郎
第三国立銀行 安田善四郎
同 安田忠兵衛
霊岸島浜町 広岡助五郎
安田銀行 安田善助
赤阪新町 矢野文雄
銀行集会所 山中譲三
日本橋区本町 松本市左衛門
同区十軒店 松沢孫八
第十五国立銀行 間島冬道
日本橋区檜物町 増島六一郎
霊岸島第三十国立銀行 深川亮蔵
電灯会社 藤岡市助
瀬戸物町 高津伊兵衛
芝三田 福沢諭吉
同 小幡篤次郎
本町三丁目 後藤長左衛門
伊勢町 半田治兵衛
株式取引所 小林猶右衛門
小舟町 平沼八太郎
浅草新旅籠町廿二番地 小島信民
深川佐賀町 久住五左衛門
堀留 小林吟次郎
南茅場町 小西利右衛門
日本郵船会社 近藤廉平
浜町三丁目一番地 小室信夫
内外用達会社 手島鍈次郎
瀬戸物町古河市兵衛方 浅野幸兵衛
南茅場町 安藤正胤
築地二丁目 雨宮綾太郎
- 第28巻 p.611 -ページ画像
日本郵船会社 浅田正文
南茅場町第十三国立銀行 芦田順三郎
浜崎町瓦斯会社 笹瀬元明
伊勢町第二十国立銀行 佐々木慎思郎
日本鉄道会社 榊原浩逸
内国通運会社 真中忠直
日本橋区田所町 薩摩治兵衛
深川佐賀町米市場 佐々木和亮
浅草代地 佐羽吉右衛門
第一国立銀行 佐々木勇之助
同 西園寺公成
日本銀行 北岡文平
浜町 菊地長四郎
三井物産会社 木村正幹
両毛鉄道会社 木村半兵衛
東京米商会所 宮部久
三井銀行 三井八郎右衛門
同 三井八郎次郎
同 三井源之助
同 三井源右衛門
同 三井三郎助
同 三井養之助
同 三井武之助
駿河町 三越得右衛門
三橋甚四郎
日本銀行 三野村利助
通塩町日本運輸会社 簑田長僖
築地小田原町製鉄会社 品川忠道
赤阪霊南坂 正田章二郎
大伝馬町 下村正右衛門
堀江町 清水市郎兵衛
新橋鉄道局構内 平岡煕一
石川島造船所 平野富二
青物町 能村豊吉
青物町平田銀行 平田次七
本町一丁目 小野里喜右衛門
小舟町 籾山半三郎
第三十九国立銀行 稲葉秀作
横山町 天野源七
新材木町 杉村甚兵衛
小網町二丁目 鈴木茂兵衛
南茅場町 鈴木周四郎
本町一丁目 大橋佐平
本町金港堂 三宅米吉
- 第28巻 p.612 -ページ画像
兜町 須藤吉右衛門
第三国立銀行 松下一郎右衛門
蠣殻町一丁目第五国立銀行 有村国彦
本舟町第四十五国立銀行 小林年成
兜町 平松甚四郎
京橋区西紺屋町二番地 村田一郎
秀英舎 佐久間貞一
箱崎帝国水産会社 河野主一郎
内国通運会社 佐久間精一
同 多胡三郎兵衛
同 小尾輔明
北品川百九十一番地 藤村紫朗
本銀町三丁目東京器械製造会社 松木直已
神田末広町一番地 小林近一
外村両平
京橋区出雲町 杉田幸五郎
海上保険会社 藤本文策
同 水原久雄
同 武田正規
日本郵船会社 加藤正義
同 岩永省一
日本銀行 富田鉄之助
日本橋区新右衛門町 川村伝蔵
銀坐二丁目六番地 林謙吉郎
明治生命保険会社 物集女清久
浜町一丁目 安藤三男
本船町 今津源右衛門
三井銀行 石川良平
元数奇屋町細井長助方 三島億次郎
阪本町渋沢商店 上原豊吉
本町四丁目 村田七右衛門
起立工商会社 山崎楽
日本郵船会社 佐々木男也
同 園田実徳
東京倶楽部書記 佐野廉蔵
日本鉄道会社 白杉政愛
同 陸原惟孝
大倉組商会 高島小金治
三井物産会社 岩下清周
小石川新諏訪町 島本猛馬太
京橋区南鍋町二丁目 若井兼三郎
東京米商会所 永井松右衛門
西川虎之助
伊藤長二郎
- 第28巻 p.613 -ページ画像
米田治兵衛
堀田瑞松
中村祐庸
品川硝子製造所 柏村庸
新潟物産会社 鈴木長蔵
玉井治賢
郷純造
小林伝作
桜井郁次郎
浦島堅吉
大谷木備一郎
中島又五郎
沢田俊三
林和一
元田肇
岡本貞烋
磯野幸右衛門
三村日終
猿渡常安
樫村清徳
萩友五郎
豊川良平
水谷六郎
山田昌邦
近藤玄齢
本居豊穎
谷村小作
高柳陶造
柴崎宜弘
大谷光尊
島地黙雷
赤松連城
大谷光瑩
渥美契縁
南条文雄
常盤井尭煕
稲垣諢哩_
松本順
神鞭知常
黒田太久馬
谷口直貞
本野盛亨
吉島辰寧
伊藤祐之
- 第28巻 p.614 -ページ画像
江副靖臣
丹羽藤吉郎
久米邦武
鹿島則文
小林義雄
佐藤進
曲木高配
福山武
村井保固
村尾智寛
計二百三十三人
横須賀海軍部内
横須賀鎮守府司令長官 子爵 中牟田倉之助
同参謀長 黒岡帯刀
同造船部長 遠武秀行
同機械科長 渡辺忻三
同水雷修理工場監務 児玉利賢
相州永浦水雷部司令 角田秀松
計六人
横浜在朝紳士
神奈川県知事 沖守固
同書記官 田沼健
同 三橋信方
横浜税関長 有島武
同副長 渡辺至
同電信郵便局長 高橋良教
計六人
横浜在野紳士
神奈川台 高島嘉右衛門
第三国立銀行支店 松本万助
本町一丁目 箕田長次郎
第三十五国立銀行支店 井上好雄
本町四丁目 増田嘉兵衛
第百国立銀行支店 本城清彦
本町三丁目同伸会社 高木三郎
本町二丁目 椎野正兵衛
同四丁目 若尾幾造
元浜町 渡辺福三郎
弁天通三丁目 原善三郎
同一丁目 小野光景
尾上町四丁目 戸塚千太郎
同二丁目 茂木惣兵衛
正金銀行 木村利右衛門
北仲通リ一丁目 朝田又七
- 第28巻 p.615 -ページ画像
同二丁目 大西吉松
町会所 来栖壮兵衛
南仲通リ二丁目 西村喜三郎
弁天通リ三丁目 大浜忠三郎
正金銀行 桜井恒次郎
本町四丁目 大谷嘉兵衛
同 岡野利兵衛
同二丁目 中条順之助
第一国立銀行支店 本山七郎兵衛
野毛町 清水満之助
正金銀行 原六郎
第二国立銀行 樋口登久次郎
本町二丁目 平沼専蔵
三井銀行支店 斎藤銀蔵
弁天通リ一丁目 左右田金作
日本郵船会社支店 吉武誠一郎
同 奥村恒彦
正金銀行 池田浩平
計三十四人
○原本ハ次ニ『いろは別招客姓名簿』アルモ略ス。
〔参考〕明治二十二年三月十一日夜会ニ於テ招待シタル外国人名前書(DK280100k-0009)
第28巻 p.615-622 ページ画像
明治二十二年三月十一日夜会ニ於テ招待シタル外国人名前書
(東京商工会議所所蔵)
Diplomatic Corps.
Mr. Henri de Siebold. Aust-Hangrie
〃 & Mrs. Li Shu Chang. China
〃 & 〃 Chin Min Yuen. 〃
〃 & 〃 Tsien Teh Pei. 〃
〃 Kin ka Chin. Corea
〃 Hon Woo Kwan. 〃
〃 Leon van de Polder. Denmark
〃 Luis del Castillo y Frigueros. Spain
〃 Pedro de Carrere y Lembeye. 〃
〃 Emilio Diaz Moren. 〃
〃 Richard Bennt Hubbard. U.S.
〃 & Mrs. F.S. Mansfield. 〃
〃 Edwin Dun. 〃
Dr. & Mrs. Whitney. 〃
Mr. & 〃 M.A. Sienkiewicz. France
〃 E. Bougouin. 〃
〃 & Mrs. J. Dautrem. 〃
Dr. A. Micre. 〃
Mr. P. Le. poer Trench. G.B.
〃 T.B.C. Thornhill. 〃
- 第28巻 p.616 -ページ画像
Mr J.H. Gubbins G.B.
〃 & Mrs. K.A.L. Shaw. 〃
〃 L.W. Kuchler. 〃
〃 & Mrs. R.W. Irwin. Hawai
〃 & 〃 L. Polder. Holland
Dr. W. Heyden. 〃
Mr. C.R. De Martino. Italy
〃 L. Casati. 〃
〃 & Mrs. Miss. J. Lourciro. Portugal
〃 E.J. Pereira. 〃
〃 Mrs. Miss. Schevich Russia
〃 W. Boukhovetsky. 〃
〃 G. de Wenndrich. 〃
Mr. T. Vassilieff. Russia
〃 Le. R. Anatole. 〃
〃 & Mrs. Neyt 此二名ハ横浜ノ部 Belgium
〃 P. de Groote ニ記入ス○抹消 〃
〃 Le B.C. Von Darnberg. German
〃 F. Zander. 〃
〃 Holleben. 〃
39
Consular Bodies.
Mr. H.G. Von Kreitner. Aust Hongrie
〃 Lo Chia Thieh. China
〃 Leong Dean Hiun. 〃
〃 E.de Bavier. Denmark
〃 & Mrs. A. Lequcux. France
〃 G. Goudarean. 〃
〃 Bernard Bedout(2nd Secretary Legation) ○抹消
Dr. & Mrs. Schmidt German
Mr. G. Von Schelling. 〃
〃 & Mrs. Troup. 〃
〃 A.M. Chalmers. G.B.
〃 E.A. Griffiths. 〃
〃 E. de la Penne. Itary
〃 & Mrs. Rohde. Pelue
〃 & 〃 A. de Kolemine. Russia
〃 D.L.T. Acevedo. Spain
Mr. A. dumchin 〃
〃 C. Haenni. Switzer.
〃 & Mrs. C.R. Great House & Mother. U.S.
〃 & 〃 G.H. Scidmore, & Mother. 〃
19
以上十九名ハ横浜ノ部ニ記入ス
- 第28巻 p.617 -ページ画像
Mr. & Mrs. G. Boissonade de Foutarabic.
〃 H. Roesler.
〃 C. Rudolph. Cabinet
〃 P. Jaudon.
〃 A. S. Aldrich.
Railway
〃 F.H. Trevithich.
〃 J. Conder.
Constuction
〃 Hennrick Mantz.
〃 H.W. Denison.
〃 F. Sazazin. Foreign Affairs
〃 Marquis Nembrini.
Dr. E. Baely.
〃 & Mrs. & Miss. E. Wheeler. Health
〃 & Mrs. S. Eldridge.
Mr. Major Wildenbruch.
Army
〃 〃 Blankenberg.
Mr. & Mrs. & Miss. M. Bertin.
〃 & Miss. Captain Inglis.
Navy
〃 & Mrs. Reu. H. Lloyd.
〃 Capt. James.
Mr. & Mrs. Montague Kerkwood.
Justice
Mr. パテノートル
〃 & Mrs. P. Mayet.
〃 Win H. Stone.
〃 & Mrs. W.B. Mason. Post & Teleg.
〃 マクナブ
〃 スクワイア
Mr. & Mrs. bon Mohl. Imperial H.
〃 & 〃 Knott.
〃 B.H. Chamberlain.
〃 G. Appert.
〃 K. Rathgen.
Dr.ベルツ
Mr.オーガストルビリヨー
Mr.アレキサンドルタイソン
〃 C.B. Storrs.
〃 H. Weipert.
〃 U. Eggert.
〃 J. Milne. Educ. Dep.
〃 C. Dickinson.
〃 W. Kinninmond Burton.
〃 E. Hausknecht.
〃 L. Busse.
〃 L. Biess.
〃 P.X. Mugabure.
〃 & Mrs. E. Divere.
- 第28巻 p.618 -ページ画像
Mr. & Mrs. Dixon.
〃 Major General H.S. Palmer.
〃 & Mrs. J. de Rijki. Home Dep.
〃 A.T.L.R. Mulder.
〃 Caplain H.F.W. Hohn. Police Dep.
〃 A. Marschall.
Commercial
〃 A.J. Hare.
〃 G.V. Wagner. Tokyo Technica
〃 & Mrs. E.F. Fenellosa Fine Art S.
Miss. I.G. Prince.
Tokyo Higher Female.
〃 M.G. Prince.
Mr. & Mrs. Sauvlet.
Music S.
〃 & Mrs. R. Dittrich.
Miss ピゴツト
(古河市兵衛紹介)
Mr. 井一 ホローム
Dr. Max. Fesca.
〃 O. Kellner.
Mr. J.L. Janson.
A.C. Dep.
〃 C.C. Georgeson.
Dr. E. Grassman.
〃 H. Mayers.
Rt. Rev. Bishop Williams. Chief of Protestant.
G.G. Mgr. P.M. Osouf. Chief of Catholic.
Rt. Rev. Bishop Nicolai. Chief of Russian Church
Mr. A.R. Brown.
Mr. A. Macmillan.
日本郵船会社
Mr. T.H. James.
Mr. ハウ
Dr. & Mrs. Mc. Donald. 築地
Col. Olcott. 精養軒
Mr. S.D. Strait.
Higher Normal S.
〃 & Mrs. J.N. Seymon.
〃 & 〃 F.W. Strange.
〃 & 〃 W.D. Cox.
〃 & 〃 F. Pitzier 1st. Higher Middle S.
〃 J.B. Arrivet
〃 Rudolf Lehman.
〃 ニユービギン 瓦斯会社
肥料会社
Mr. Bernard Bedout (2nd, secretary of French Legation)
Mr. シー ヱム ダツフ(東京倶楽部書記)
Mr. & Miss グラバ
Mr. シヱヱル ヤンソン
Mr. ローレ 舞楽会員
- 第28巻 p.619 -ページ画像
Mr. イルグ ネール
Mr. & Mrs. フランシス テーロル ピコツト
91
Yokohama
Mr. & Mrs. W.B. Walter. 1
〃 & 〃 & Miss. E. Morriss. 2
〃 & 〃 A.H. Dare. 2
〃 J.G Walsh. 2
〃 J.L. Halphene. 2
〃 A.O. Gay. 2
〃 & Mrs. D.S. Brearley. 3
〃 K.D. Kobison. 3
〃 & Mrs. B.C. Howard. 4
〃 E. Whittall. 4
〃 & Mrs. & Miss. R. Johnstone. 6
〃 & 〃 & 〃 J. Dodds. 7
〃 H. Geslien. 8
〃 & Mrs. E. Blanc. 9
〃 & 〃 Mendelson. 10
〃 A. Keir.
〃 A.B. Walford.
〃 H.A. Herbert. 11
〃 J. Ralston.
〃 O. Keil. 12
〃 & Mrs. & Miss. J. Ricket. 15
〃 & 〃 J.O. Averill. 22
〃 A. Schultz. 24
〃 S. Sondheim.
〃 G. Goudareau 24
〃 & Mrs. Lequeux. Consul of France.
〃 B. Gillet.
〃 M. Kaufmann. 25
〃 J. Ph. von Hemert.
〃 R.S. Furlonge. 27
〃 C.B. Bernard.
〃 & Mrs. G.K. Dinsdal. 28
〃 Jas. K. Morse.
〃 & Mrs. J.H. Brooke.
Mr. & Mrs. C.J. Strome.
〃 & 〃 Allen.
〃 & 〃 G.E. Rice. 28
〃 J.F. Pinn.
〃 & Mrs. J.F. Lowder.
〃 E. Wismer. 29
- 第28巻 p.620 -ページ画像
Mr. & Mrs. R.N. St. John. 31
〃 H.C. Litchfield. 32
〃 & Mrs. H. Steele.
〃 A.J. Easton.
〃 W.R. Bennet.
〃 J.T. Boag.
〃 A.H. Groom. 35
〃 & Mrs. E. Wex. 36
〃 T.H. Tripler. 39
〃 H.M. Roberts. 43
〃 & Mrs. E.B. Watson. 46
〃 & 〃 C. Ziegler. 47
Mr.Merian 47
〃 & 〃 J.P. Molison, & Miss Daff. 48
〃 & 〃 T. Thomas. 49
〃 W.H. Taylor. 50
〃 & Mrs. C. Illies 54
F.N. Bogel.
Tokyo.
R.G. Robert
ホルム 支配人
〃 S. Verleysen.
〃 F. Townley. 59
〃 E. Abbott. 67
〃 S. Cocking. 55
〃 & Mrs. Michell. 68
〃 & 〃 Se Rohde. 70
〃 H. Bachr.
〃 E.J. Pereira.
〃 & Mrs. E.F. Kilby.
〃 & 〃 A.Brent.
〃 J.R. Anglin.
〃 C.F. Brinkley. 72
〃 & Mrs. W. Gordon 74
〃 & Mrs. Miss. W.G. Bayne. 75
〃 A. Barnard.
〃 W. J.S. Shand.
〃 & Mrs. C.D. Halliburton. 78
〃 Larrieu.
〃 A.J. Macpherson.
〃 Wim. Hoggan.
〃 Von Schilling. 81
Dr. Schmido.
Mr. J.T. Griffin. 89
〃 T.F. Mc. Grath.
〃 A. Dumelin. 90
〃 C. Haenni.
- 第28巻 p.621 -ページ画像
〃 & Mrs. James Walter.
〃 A.F. Negre. 83
〃 F. Biagioni. 91
〃 H. Grauert. 92
〃 & Mrs. F. Abbeg. 95
〃 & 〃 Irwine & Miss. Leach. 101
〃 G. Whitfield. 117
H.E. & Madame G. Neyt. ○抹消 118
Mr. P. de Groote.
Consul Lo Chia Thich. 135
Mr. Leong Dean Hiun.
〃 & Mrs. F.S James. 143
〃 & 〃 J.A. Fraser. 143
〃 & 〃 & Miss. R.M. Varnum.
〃 R. Reiff. 153
〃 Ch. Jubin. 157
〃 P. Dourille ○抹消 164
〃 & Mrs. J.C. Hepburn. 167
〃 & 〃 & Miss S. Elduidge.
〃 F. Vivanti. 168
〃 & Mrs. A.C. Read.
Mr. & Mrs. Rolemine. 171
〃 & 〃 Troup. 172
〃 G. Jamicson.
Pro. Consul A.M. Chalmers. 172
E.A. Griffiths Esq.
J. Favre. Brandt Esq. 175
Mr. & Mrs. F. Grimwald. 176
F. Schoene Esq. 177
A. Mottu Esq.
Mr. & Mrs. N.F. Smith. 178
E. Grosser Esq. 180
Mr. & Mrs. F. Grosser.
N.P. Kingdon Esq. 193
R.S. Schwabe Esq.
Mr. & Mrs. Otto Reimers 198
M. Raspe Esq. 199
Mr. & Mrs. & Miss Lindsley & Miss Payne. 200
N. Ronceret Esq. 202
Consul General Bavier. 209
J.H. Jewett Esq.
E. Hunt Esq. 211
C. Weinberger Esq. 214
Mr. & Mrs. Seidmore. 234
- 第28巻 p.622 -ページ画像
Consul General, Mrs & Mother Greathouse. 234
F. Walkinshaw Esq. 236
Mr. & Mrs. S.D. Hepbru
J. Johnstone Esq.
A. Patterson Esq. 横浜日本郵船会社
Mr. & Mrs. G.N. Walker.
〃 & 〃 W. Barrie.
山之手
Consul & Madame H.G. Von Kreitner.
Don Luis Tarres Accvedo Esq.
Dr. Wheeler.
E. de la Penne Esq.
Dr. Harris.
Mr. H.E. & Madame G. Neyt.
E.J. Pereira.
Mr. & Mrs. & Miss. W.G.Bayne.
P. Dourille.
139(○抹消)
三口〆......258(○抹消)
Mr.Henry Barlow. 215 Bluff.
Mr. & Mrs. Cote-Hartlaud 211
R.M Stirling (Bisset). 78
アーデンカンプルトン 95
ローゲンフレヤ 57
Mr. & Mrs. John Lindsley(フレザー商会) 200
150
合計 二百八十人
内
東京百三十人
横浜百五十人
〔参考〕夜会ニ付雑往復書 抄写(DK280100k-0010)
第28巻 p.622-624 ページ画像
夜会ニ付雑往復書 抄写 (東京商工会議所所蔵)
明治二十二年二月廿六日 萩原源太郎宛 縦五寸八分 横二尺二寸九分
明治二十二年二月廿一日 林賢徳宛 縦五寸八分 横二尺一寸三分
明治二十二年三月九日 萩原宛 縦五寸九分 横一尺八寸
明治二十二年三月十日 萩原宛 縦五寸九分 横三尺〇九分
明治二十二年三月十一日 萩原宛 縦五寸八分 横一尺五寸
明治二十二年三月一四日 萩原源太郎宛 縦五寸八分 横一尺六寸二分
以上
拝啓然者昨日御示之書状案修正之上別紙差上候間右ニて早々御通知御取計可被下候、尤も委員ヘ之通知状中小野氏ヘハ別ニ差出候ニハ不及候ニ付、只廿八日委員会開会之事のミ御申遣可被下候、且又同日ハ伊
- 第28巻 p.623 -ページ画像
集院・横山・松尾之三氏ヘも御通知被下、同様集会候様御取計可被下候、右申上候 匆々
二月廿六日 渋沢栄一
萩原源太郎様
尚々廿八日ハ小生農商務大臣より出頭之事通達有之、午後二時同省ヘ罷出候筈ニ付、用事之都合ニより自然少々時刻延引いたし候も難測候得共、外一同来会いたし候ハヽ先装飾其外之手続打合置候様御取扱被下度候、尤も遅刻候とも小生も必ス出席可仕候、為念此段申上置候也
拝啓然者兼而御聞知も被下候府下有志之人々ニて盛典奉祝之為、夜会開設之事ハ先日来小野君ニも申上候得共、未タ聢と御同意之御確答無之、就而先日来追々相談相整諸般之手続も稍出来いたし候ニ付、近日案内状もさし出候様仕度仕度《(衍)》、就而ハ小野君と賢台とハ可相成ハ御加名相成候様仕度ニ付、委細之事情萩原ニ打合申上候間、自然小野君御病気引ニて御出勤無之候ハヽ、賢台より御紹介被下御加名之諾否御聞合御回示被下度候、此段書中拝願仕候 拝具
二月廿一日
渋沢栄一
林賢徳様
青木外務次官より夜会之案内壱人請求有之、且田沼神奈川県書記官よりも同様申来候間、夫々案内状御差出可被下候
別紙ハ案内状之回答と存候、御一覧可被下候
小生も別紙之三人心附申候、早々案内状御遣し可被下候
伊勢神廟之宮司鹿島則文と申人ハ、吉川次官(宮内)之宅ニて聞合候ハヽ相分り可申是又案内仕度候、右件々早々御取計可被下候 匆々
三月九日
栄一
萩原様
再度之尊書今夕夜ニ入り拝見いたし候ニ付、御答延引仕候
一同ヘハ通知状ハ既ニ御発し被下候事と存候、明日ハ小生四時前より必ス罷出可申候得共、食事と花火及楽隊又ハ巡査等之手配夫々御取扱可被下候
銀行より手伝人員之事ハ明早朝蒲義質と申行員さし上御打合申上候、御入用丈ケ之人員同人ニ御注文可被下候、小使も同様御相談可被下候
貴賓食卓御列席之席割ハ四方正面ニいたし、各主人之右ニ総理大臣・枢密院議長其外上席之大臣方順次御着席相成候様いたし候方可然と存候、右ニてテーブル之席割御作り置可被下候
別紙案内状ハ何か間違候哉拙宅ヘ相廻候ニ付さし上候、今日ニても名宛人ヘ御届被下候様仕度候
別紙手続書も一覧返上仕候、右ニて異見無之ニ付吉田氏等ニ能々御打合可被下候
- 第28巻 p.624 -ページ画像
外ニ来状三通封入さし上候、右拝答旁如此御坐候 不一
三月十日夜
栄一
萩原様
伊藤議長御欠席と相成候ハ残念之次第ニ付小生より別紙書状を以て押而臨席之事請求いたし、尚従是一寸官舎ヘ罷越、品ニ寄高輪邸ヘ相廻り可申と存候、乍去別紙ハ夫に拘わらす至急御手許へ達し候様御差出可被下候、右拝答 匆々
三月十一日
栄一
萩原様
再度之御状拝見、夜会之計算書一覧尚詳細之義ハ横山氏より承知聊異見無之候、依而別紙委員へ之書状及亭主方一同へ之通達も早々御取計可被下候、且関口其外之挨拶も可然御取計可被下候
農務局より掛合之物品買上之義者御指命之如くニて適当と存候、是又匆々御回答可被下候
右拝答如此御坐候 不一
三月廿四日
渋沢栄一
萩原源太郎様