デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

3部 身辺

1章 家庭生活
4節 趣味
5款 演劇
■綱文

第29巻 p.246-250(DK290075k) ページ画像

明治41年2月1日(1908年)

是日栄一、明治座ニテ開催ノ駐独大使井上勝之助帰朝歓迎観劇会ニ出席シ、発起人ノ一人トシテ歓迎之辞ヲ述ベ、九代目市川団十郎ノ遺児翠扇・旭
 - 第29巻 p.247 -ページ画像 
梅二女優ノ出演ヲ演劇改良ノ一端トシテ言及ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四一年(DK290075k-0001)
第29巻 p.247 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四一年     (渋沢子爵家所蔵)
二日一日 晴 軽寒
○上略 午後三時浜町明治座ニ抵リ井上大使歓迎会ニ出席ス、会員総代トシテ大使ニ対シテ一場ノ謝詞ヲ演説ス、後余興ノ演劇数番アリ ○下略


竜門雑誌 第二三七号・第二九―三一頁 明治四一年二月 ○井上駐独大使歓迎会(DK290075k-0002)
第29巻 p.247 ページ画像

竜門雑誌  第二三七号・第二九―三一頁 明治四一年二月
○井上駐独大使歓迎会 井上駐独大使が本邦より視察又は留学の為め独国に渡航したる人々に対し、在勤中与へられたる便宜の尠少ならざるを多とし、岩崎小弥太・大隈常信・添田寿一・山口鋭之助・福原鐐二郎・沢柳政太郎・日比翁助・大倉喜八郎・高橋豊治・高木益太郎・馬越恭平・田所美治・岡田和一郎・安田善三郎諸氏九十名発起となり伊藤公・松方侯・牧野文部大臣・金子子等約五百名の賛成を得て、大使及大使夫人並令嬢を招待し、二月一日午後五時より明治座に於て歓迎観劇会を催ふされしが、青淵先生にも発起人の一人として之に加入せられ、当日歓迎の辞を述べられたり、当日は歓迎の辞に次で大使の謝辞あり、演劇は第一に「ヴエニスの商人」次に立食の饗あり、第二に「袈裟と盛遠」を演じ稀に見る盛会なりき、先生の述べられたる歓迎の辞左の如し。
○中略
 是等多数の我国人が独逸に赴くや、必ず先づ大使閣下を訪ひ、大使閣下の御懇篤なる待遇と、令夫人の御懇切なる御世話を受けました事は、実に容易ならぬ事で、斯る御高配を蒙りし我々が、玆に御歓迎の会を開催致すに就て、諸般の設備は実に不充分なるも、此劇場を以て此会場に充てましたのは、聊か思ふ所が御座います。
  即ち当座主の左団次は、是亦方面こそ異なれ、独逸に遊んで御懇篤なる御世話を受し一人でありまして、今回登場の翠扇・旭梅二女優の父故団十郎も、老侯爵には一方ならぬ御世話を受ました者で、此両女優が、登場致しますも演劇改良の一端と存じますれば此劇場を以て閣下歓迎の会場に選びし所以でありますから、諸般不設備の段は閣下並に令夫人の御諒恕を仰いで、単に我々一同の熱誠を御嘉納あらせられん事を切望致す所で御座います。




〔其他ノ資料〕渋沢栄一 日記 明治四一年(DK290075k-0003)
第29巻 p.247-248 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四一年     (渋沢子爵家所蔵)
七月二十三日 曇 暑
○上略 午後六時本郷座ニ抵リ、家人ト共ニ活動写真ヲ観ル、夜十時閉場馬車ニテ家人ト共ニ王子ニ帰宿ス
   ○中略。
九月十六日 曇夜雨 冷
○上略 午後六時本郷座ニ抵リ革新劇ヲ観ル、佐々木・西脇・尾高・篤二八十島・橋本等来会ス、夜十時半劇畢リテ、十一時過帰宿ス、此日郵
 - 第29巻 p.248 -ページ画像 
船会社重役会アリシモ、出席スルヲ得サルニヨリ、電話ニテ断リ遣ス
   ○中略。
十二月二十一日 曇 寒
○上略 六時半、有楽座ニ抵リ、横浜在留外国人ノ催フシタル歌劇ヲ観ル ○ブティーカフェー夜十二時王子ニ帰宿ス
   ○中略。
十二月二十五日 曇 寒
○上略 三時交詢社ニ抵リ、女優ノ新劇ヲ観ル ○下略



〔参考〕演劇関係文書(DK290075k-0004)
第29巻 p.248-250 ページ画像

演劇関係文書               (渋沢子爵家所蔵)
団十郎可負担分小松君之見込猶此中を可減
    消却額概案
*一金五千円             青地幾次郎
  内金弐千円 菊五郎負担
 一金千円              須永孝助
 一金弐千円             熊谷芳三郎
**
 一金千五百円            安達錂
 一金七百円             宇賀神実海
 一金六百円             杉山弘憲
 一金千五百円            森下忠兵衛
  但シ菊五郎・左団次ト参分スベキ額
 一金千円              中林佐太郎
   三百八十五(朱書)
 一金五百円             安藤方晴
  内半額程菊五郎負担
 外ニ
***一金四千四百円         田島
 一金千五百円            神野万吉
       (朱線抹消)
   差向見込不足
 *欄外朱書  [団十分三千円
**欄外朱書  [千七百五十円
***欄外朱書 [此口半金以内ノ見込

      証
 一金九千参百円           青地幾三郎殿
      守田・団十郎・菊五郎・芝翫・宗十郎
 一金千八百円            須永幸助殿
      守田・団十郎・菊五郎・左団次・宗十郎
 一金八千円             右同人
      守・団・菊・芝・左団・右衛門廻リ金証預ケル口
 一金五百円             右同人
      守田・左団次
 一金参千円             中山利愛殿
      守・菊・左・芝・家橘・源之助
 一金千円              中山要人殿
 - 第29巻 p.249 -ページ画像 
      守・芝
 一金八百円             曾根真道殿
      守・左
 一金壱百円             大久保端造殿
      守・左
 一金参百五拾円           岡野ヨシ殿
      守・左
 一金弐千円             熊谷芳三郎殿
      守・団
 一金千五百円            安達錂殿
      守・団
 一金参千円             神野万吉殿
      守・左
 一金千五百円            右同人
      守・団
 一金弐千円             宇賀神殿
      守・団・菊・左・芝
 一金千八百円            杉山弘憲殿
      守・団・菊・左・芝
 一金弐千五百円           松下忠兵衛殿
      守・団・宗・左・菊
 一金弐千五百円           田島市太郎殿
      守・団
 一金八百円             田島忠兵衛殿
      守・団
 一金六百円             右同人
      守・団
 一金六百五拾円           田島市太郎殿
      守・菊
 一金六千円             右同人
      守・芝・源之助
 一金弐千円             右同人
      守・芝
 一金弐千円             右同人
      守・家橘
                  伊集院様口入
 一金千五百円            久原庄三郎殿
      守・団・菊・芝廻リ金証預ケル口
 一金弐千円             中林佐太郎殿
      守・団・宗
 一金五百円             右同人
      守・家
 一金参百五拾円           長尾チラ殿
      守・菊
 一金四百円             安藤方晴殿
 - 第29巻 p.250 -ページ画像 
      守・左
 一金千円              右同人
      守・団・菊・芝
 一金参千五百円           小野金六殿
      守・左
 一金弐千五百円           説田彦助殿
      杉本・辻
 一金五百円             光来社
      守・菊
 一金参千円             池田徳兵衛殿
      団・左・芝廻リ金証預ケル口
  〆金六万八千九百五拾円也
   ○右ハ年次・関係等分明セザレドモ、姑クココニ収メテ参考トス。