公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第30巻 p.561-564（DK300071k） ページ画像
大正14年9月（1925年）
是ヨリ先、当協会ハ其会計係書記ノ涜職ニヨリ金六万五千円ノ損失ヲ招ク。栄一内金二万円ヲ負担ス。
（増田明六） 日誌 大正一四年（DK300071k-0001）
第30巻 p.561 ページ画像
（増田明六） 日誌 大正一四年 （増田正純氏所蔵）
十五日 ○六月 月
○上略
後四久保田静太郎・松井茂両博士・原泰二の三氏来訪、中央社会事業協会会計整理ニ干する件なり
渋沢家文書（DK300071k-0002）
第30巻 p.561 ページ画像
渋沢家文書 （渋沢子爵家所蔵）
覚
一金六万五千円 中央社会事業協会損失金
内
金弐万円 社界局負担《（会）》
会長
金弐万円 渋沢子爵負担 既立替金一六、七〇〇円
副会長 常務理事 会計部長
金壱万五千円 窪田静太郎 松井茂 飯田章 各五千円ヅヽ負担
理事
金四千七百円 山中勇負担
同
金千五百円 桑田熊蔵
同 同 同
金参千円 添田敬一郎 大久保利武 小橋一太各千円ヅヽ負担
監事
金五百円 塚本靖負担
金参百円 前理事田子一民三矢 ニ於テ負担
大正十四年九月八日
中央社会事業協会欠損益ニ関スル覚書 大正十四年九月十九日（DK300071k-0003）
第30巻 p.561-562 ページ画像
中央社会事業協会欠損益ニ関スル覚書 大正十四年九月十九日
（渋沢子爵家所蔵）
一欠損金調書（別紙）ハ原泰一氏ガ消費者名近藤恵和司ノ自白及帳簿書類等ニ依リ算出シタルモノヽ由ナルガ、現在計算ノ基礎トナルベキ証拠書類等一切煙滅致居ノ様子ナレバ、右ノ外調査スルノ途ナキモノヽ如ク察セラルナリ
一欠損金六四、九四六・八五ハ、別紙覚書ノ通分担弁償スルコトヽナレリ
- 第30巻 p.562 -ページ画像
一渋沢子爵ノ負担ハ金弐万円ト決定、子爵之ニ同意セラレ、如左之ヲ支払ヒタリ
金弐万円 欠損金分担額
内
金六千円 六月三十日立替分振当
金八千円 七月十六日 〃
金参千参百円 九月二十一日〃
金弐千七百円 大正 年 月〃
一欠損金ノ生シタル理由 大正十一年同協会ニ於テ書記トシテ近藤恵和司ナルモノヲ採用シ、同十二年四月之ヲ会計掛ニ任シ、爾来金銀出納ニ関スル処務ヲ、松井常務理事・飯田会計部長監督ノ下ニ取扱ハシメタルガ、同年末頃ヨリ不正ノ行為ヲ継続シ、投機・遊興等ニ私消シタル金額多額ニ及ヒタルヲ、本年六月始メテ発見シタルモノナリ
（原泰一） 書翰 増田明六宛 （大正一四年）九月一四日（DK300071k-0004）
第30巻 p.562 ページ画像
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（飯田章） 書翰 渋沢栄一宛 大正一四年九月（DK300071k-0005）
第30巻 p.563 ページ画像
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渋沢家文書（DK300071k-0006）
第30巻 p.563-564 ページ画像
渋沢家文書 （渋沢子爵家所蔵）
一、大正九年六月第五回全国社会事業大会ニ際シ、臨時雇トシテ（筆耕）採用、但本人ハ当時北海道ヨリ上京、金沢書記ガ自己ノ親戚ナリト称シテ杵淵主事ニ依頼セルナリ
一、大会終了後、本人ハ社会事業ニ趣味アル故、無給ニテ協会事業ニ従事シタシトノ切望アリタルヲ以テ、爾来月拾円宛筆耕料トシテ給シ、自来継続シテ庶務ヲ手伝ハシメタリ
一、採用当時ヨリ大正拾一年夏頃迄出勤時間ハ精確ナリキ
一、大正拾年ノ末頃ヨリ協会ノ許可ヲ得テ、月手当参拾円ヲ支給セリ
一、大正拾壱年六月ヨリ書記ニ採用シ、月手当六拾円ヲ支給セリ
一、大正拾参年ヨリ七拾円ヲ支給セリ
一、大正拾壱年初夏ノ頃ヨリ株ヲ為シ次テ石炭ノプローカーヲ為セリ当初ハ自己ノ貯金モ相当アリ、商売モ収支相償ヒ居ル様子ナリキ
一、大正拾弐年ノ大震火災ニ際シ、買置ノ石炭ヲ全部焼失シ巨額ノ損失ヲ招ケリ、以上株及石炭ノ損失ヲ塡補セン為メニ協会ノ金ヲ流用スルニ至レリ
一、流用ノ最初ト認ムヘキハ、大正拾参年弐月弐日改善部ノ定期預金期日満了ニツキ之ヲ社会局金庫ヨリ受取リ、同日附ヲ以テ金弐万円ヲ山中銀行一般会計ニ預入シ、五千円ヲ消費セルコトナリ
一、大正拾参年弐月廿日壱万七百八拾九円九銭ヲ山中銀行ヨリ払戻シテ、之ヲ同銀行改善新通帳ニ預入シ、改善部ニ対シテハ、壱万五千円也ヲ定期預金トナシ、之ヲ従前通リ社会局金局《（庫カ）》ニ保管シ置ケリトセリ
一、自来山中銀行庶務部通帳ヨリ、改善部ニ属スル壱万円ヲ漸次常務理事ノ捺印ヲ以テ払戻シ消費セリ
一、大正拾四年壱月七日安田銀行特別当座預金ヨリ川崎銀行小口当座預金ヘ振替トノ決裁ニヨリ金壱万円ヲ払戻シ（一月八日）之ヲ費消セリ
一、大正拾四年四月六日安田銀行特別当座預金ノ内ヨリ川崎銀行当座預金ヘ振替トノ決裁ニ依リ、四月八日安田銀行ヘ預入ノ定期預金壱万円ヲ払戻シ之ヲ費消セリ
一、大会前後ニ於テ会費・懇談会費・報告書予約代金等ノ収入約二千
- 第30巻 p.564 -ページ画像
円、振替貯金壱千参百円ヲ消費セリ
一、渋沢事務所ヨリ弐千七百円（返済期拾四年拾壱月廿日）山中銀行ヨリ参千五百円（返済期拾四年壱月拾日）協会ノ名ヲ以テ借入レ消費セリ
一、之ヲ要スルニ、消費ノ動機ハ震災前ニ於ケル株及石炭ノ欠損ヲ塡補センカ為ニ不正行為ヲ為スニ至リ、良心ノ苦シミヲ緩和センカ為メニ日夕酒色ニ耽リ、又ハ日常生活ニ贅沢ヲ為セリ