デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
2節 中央社会事業協会其他
10款 財団法人全日本方面事業聯盟
■綱文

第30巻 p.789-795(DK300095k) ページ画像

昭和6年5月(1931年)

是ヨリ先前年二月、中央社会事業協会ノ斡旋ニヨリ救護法実施期成同盟会結成セラレ、第五十八・第五十九ノ両議会ヲ通ジ救護法実施促進運動ヲナス。此間、栄一同法実施促進ノ為メニ尽力ス。是年四月救護法実施期日決定セラレ、且ツ全日本方面委員聯盟成立シ、是月栄一ソノ会長トナル。


■資料

渋沢栄一翁 白石喜太郎著 年譜略・第一一頁 昭和八年一二月刊(DK300095k-0001)
第30巻 p.789 ページ画像

渋沢栄一翁 白石喜太郎著  年譜略・第一一頁 昭和八年一二月刊
    年譜略
年号  年  月      事歴          年齢
昭和 六年 五月 全日本方面委員聯盟会会長トナル 九十二歳


青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二五頁 昭和六年一二月(DK300095k-0002)
第30巻 p.789 ページ画像

青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調  竜門社編
               竜門雑誌第五一九号・別刷第二五頁 昭和六年一二月
    昭和年代
 年  月
 六  五 ―全日本方面委員聯盟会々長―昭、六、一一。


財団法人中央社会事業協会三十年史 同協会編 第三一一頁 昭和一〇年一〇月刊(DK300095k-0003)
第30巻 p.789-790 ページ画像

財団法人中央社会事業協会三十年史 同協会編
                   第三一一頁 昭和一〇年一〇月刊
 ○第一部 第一八章 中央社会事業協会と新興団体
    二 全日本方面委員聯盟
 救護法の実施促進については、故渋沢会長を始め本協会幹部の努力の至大なるものがあつたことは今更いふ迄もない。昭和四年四月に救護法は民衆積年の希望に応じ、制定・公布されたのであるが、時局の切迫と窮民の困憊は、之が施行を促がして止まないのにも拘らず、容易にその実施を見るに至らず、全国の方面委員の殆ど総べては打つて一丸となり、救護法実施期成同盟会を結成して猛運動を続けた。当時故渋沢老会長が、弐拾名の代表者を挙げて半臂の力を貸すべく会長に悃願する為に飛鳥山頭の邸門を叩いて、辞気大いに決するものがあつた時、病を強めて一同に面会され「私も及ばず乍ら社会事業に尽してきたものであるから、よく諸君の真意が分りました。老躯よく何の足しになるか知れませんが、兎に角出来るだけは致します。これは私の義務でもあります」と熱誠こめて誓はれた時に、満座覚えず声を呑んだことは、僅か秒余の時間ではあるが、燦として我が社会事業史に光を輝かした一瞬であつた。斯くして、昭和七年一月より同法実施の勅令は発せられ、救護法実施期成同盟会が庶幾した目的は貫徹して、同盟会は解散と決定したが、社会の状勢は益々以て方面委員の力を俟つ処が大なるものあるを以て、改めて全国方面委員相互の聯絡統制を図
 - 第30巻 p.790 -ページ画像 
るの機関を設置する議が旧同盟会員中に擡頭して、昭和七年三月二十六日本聯盟の創立を見、渋沢故子爵を会長に煩して、終始其の指導を仰ぐことゝなつた。然して副会長としては大久保侯爵、並に我邦に於ける方面委員制度の創始者たる林市蔵氏が之に当られ、専ら全方面委員の精神的並に枝術的指導に任じてゐる。 ○下略
   ○右文中ニ当聯盟ノ創立日ヲ昭和七年三月二十六日トアルハ、発会式ノ日ヲ謂フモノナリ。


故渋沢子爵と本聯盟との関係 原泰一記(DK300095k-0004)
第30巻 p.790-791 ページ画像

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東京朝日新聞 第一六一五〇号 昭和六年四月一八日 全国方面委員聯合会成立す 会長には渋沢子(DK300095k-0005)
第30巻 p.791 ページ画像

東京朝日新聞  第一六一五〇号 昭和六年四月一八日
    全国方面委員聯合会成立す
      会長には渋沢子
救護法実施を控へ、全国方面委員聯合会を組織せんとする方面委員代表者大会が、十七日午前九時から日比谷市政会館で開かれた。出席者は東京・京都・大阪・神奈川・埼玉・千葉・愛知・山梨・石川等、三府六県の代表者六十五名、聯合会結成の協議に入り、会長には渋沢栄一子を、副会長には大久保利武侯と本邦における方面委員の生みの親である大阪市の林市蔵氏を推薦決定し、午後は一時から代表者一同打そろつて首相・内相・蔵相各官邸を訪ひ御礼を述べ、更に四班に分れて関係各方面を歴訪、お礼回りをした後、再び市政会館に集合、左の声明書を発表して夕刻閉会した ○中略
      声明書
 我等がちゆう心から要望した救護法は、いよいよ七年一月から実施される、邦家社会のため慶祝にたへない、同法実施の効果は今後の運用にある、これがため全方面委員は結束聯合し、政党政派を超越して方面委員制度の健全なる発達を計り、広大なる聖恩に報い奉り同胞の期待に副はむ事を誓ふ



〔参考〕東京朝日新聞 第一六四九二号 昭和七年三月二七日 全国方面委員発会式 けふ飛鳥山渋沢別邸で(DK300095k-0006)
第30巻 p.791 ページ画像

東京朝日新聞  第一六四九二号 昭和七年三月二七日
    全国方面委員発会式
      けふ飛鳥山渋沢別邸で
全日本方面委員聯盟は、昨年春救護法制定と同時に救護法実施期成同盟会を解散して、昨年四月十四日成立《(マヽ)》したものであるが、会長だつた渋沢栄一子爵の死去等によつて発会式がのびのびになつてゐたが、二十六日午前十時飛鳥山の渋沢別邸の庭園に全国方面委員代表三百二十名が集つて発会式を挙げた
 来賓としては清浦奎吾伯・関屋宮内次官・水野錬太郎・安達謙蔵・丸山鶴吉氏等が出席し、発会式は中央社会事業協会総務部長原泰一氏の司会で、副会長大久保利武侯の提議で一同起立して故渋沢子のために黙祷をさゝげ、次いで経過報告あり協議に入つた
まづ清浦伯を会長に推戴し、原泰一氏・内務省社会局保護課長藤野恵氏の両名を理事に選挙し、天機奉伺・出征軍人感謝状送付を決議、水野・安達氏等の祝辞あり、一同は打ちそろつて故渋沢子臨終の間に進み、故子爵霊前に参拝して今後の活動方針を報告した、副会長元大阪府知事林市蔵氏の閉会の辞があつて、午後一時五十分発会式を終了、一同午餐を共にして散会した



〔参考〕財団法人全日本方面委員聯盟要覧 昭和十四年度 第五―一三頁 刊(DK300095k-0007)
第30巻 p.791-795 ページ画像

財団法人全日本方面委員聯盟要覧 昭和十四年度  第五―一三頁 刊
                      (昭和十二年三月二十九日内務大臣許可
  財団法人全日本方面委員聯盟寄附行為    昭和十三年九月二十二日一部変更認可
                       昭和十四年四月十二日同)
 - 第30巻 p.792 -ページ画像 
      第一章 名称
第一条 本聯盟ハ財団法人全日本方面委員聯盟ト称ス
      第二章 事務所
第二条 本聯盟ハ事務所ヲ東京市麹町区霞ケ関参丁目参番地ノ四号ニ置ク
      第三章 目的及事業
第三条 本聯盟ハ全国方面委員ノ聯絡統制ヲ図リ方面委員精神ヲ高揚シ、且ツ其ノ制度ノ堅実ナル発達ヲ期スルヲ以テ目的トス
第四条 本聯盟ハ前条ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フ
  一、方面事業並庶民生活ニ関スル調査及研究
  二、庶民生活ノ安定、又ハ向上ニ必要ナル社会法規若クハ施設ノ促進
  三、方面事業ニ関シ特ニ功績顕著ナル者ノ表彰
  四、全国方面委員大会ノ開催
  五、方面事業ノ助成奨励
  六、方面事業ノ指導並ニ其ノ普及
  七、会報其ノ他印刷物ノ刊行
  八、其ノ他方面事業ノ発達ヲ期スル為メ必要ナル事項
      第四章 資産及会計
第五条 本聯盟ノ資産ハ左ニ掲クルモノヨリ成立ス
  一、全日本方面委員聯盟会長清浦奎吾ヨリ寄附ヲ受ケタル左ニ掲クル財産
   イ、昭和拾壱年拾弐月弐拾五日 皇太后陛下ヨリ全日本方面委員聯盟ニ下賜セラレタル御下賜金
   ロ、其ノ他別紙目録ニ掲クル財産
  二、昭和拾参年拾弐月弐拾参日 下賜セラレタル恩賜金
  三、本会ノ趣旨ニ賛助スル者ヨリノ寄附金
  四、政府其ノ他公共団体ヨリノ補助金又ハ奨励金
  五、会員ノ分担金
  六、其ノ他ノ収入
第六条 本聯盟ニ基本財産ヲ設ク
  基本財産ハ左ノモノヨリ成ル
  一、昭和拾壱年拾弐月弐拾五日 皇太后陛下ヨリ全日本方面委員聯盟ニ下賜セラレタル御下賜金
  二、昭和拾参年拾弐月弐拾参日 下賜セラレタル恩賜金
  三、基本財産トシテ指定寄附ヲ受ケタル金員
  四、評議員会ノ議決ニヨリテ基本財産ニ繰入レタル資産
第七条 基本財産ノ蓄積及管理方法ハ、評議員会ノ議決ヲ経テ之ヲ定ム
  基本財産ハ評議員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得ルニ非サレバ、之ヲ処分スルコトヲ得ス
第八条 本聯盟ノ資産中現金ハ郵便官署・確実ナル銀行ニ預入レ若クハ信託会社ニ信託シ、又ハ国債証券若クハ確実ナル有価証券ヲ買入レ保管スルモノトス、但シ評議員会ノ議決ヲ経テ不動産ヲ買入
 - 第30巻 p.793 -ページ画像 
レルコトヲ得
第九条 本聯盟ノ経費ハ資産及資産ヨリ生スル収入ヲ以テ之ヲ支弁ス
第十条 本聯盟ノ予算ハ毎年度代議員会ノ議決ヲ経テ之ヲ定メ、決算ハ其ノ認定ニ附スルモノトス
第十一条 本聯盟ノ会計年度ハ毎年四月一日ニ始リ翌年三月三十一日ニ終ル
      第五章 会員
第十二条 本聯盟ニ左ノ会員ヲ置ク
  一、名誉会員 学識名望アリ又ハ本聯盟ノ為メ特ニ功労アル者ニシテ、会長ノ推薦シタルモノ
  二、賛助会員 本聯盟ノ趣旨ニ賛助シ金品ヲ寄贈シタルモノニシテ、会長ノ推薦シタルモノ
  三、正会員 方面委員聯合会ニシテ、細則ニ定ムル分担金ヲ納付スルモノ
      第六章 役員
第十三条 本聯盟ニ左ノ役員ヲ置ク
  一、会長     壱名
  二、副会長    参名
  三、理事     若干名
  四、監事     弐名
  五、評議員    若干名
  六、代議員    若干名
第十四条 会長ハ評議員会ノ議決ニ依リ理事中ヨリ之ヲ推薦ス
  会長ハ本聯盟ヲ代表シ会務ヲ統轄ス
第十五条 副会長中壱名ハ厚生次官ノ職ニ在ル者ニ、他ノ弐名ハ理事中ヨリ会長之ヲ嘱託ス
  副会長ハ会長ヲ輔佐シ、会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
第十六条 理事ハ厚生次官ノ職ニ在ル者、及評議員ノ互選シタル者ニ付会長之ヲ嘱託ス
  理事中常務理事弐名ヲ置キ、会長之ヲ嘱託ス
  常務理事ハ会長ノ命ヲ承ケ常務ヲ掌理ス
第十七条 監事ハ評議員会ノ議決ニ依リ会長之ヲ嘱託ス、監事ハ本聯盟ノ会務ヲ監査ス
第十八条 評議員ハ左ニ掲クル者ニ付会長之ヲ嘱託ス
  一、正会員タル各方面委員聯合会ニ於テ推薦シタルモノ
  二、学識経験ヲ有スルモノ
  三、方面事業ニ関係アル職ニ在ルモノ
第十九条 代議員ハ左ニ掲クル者ニ付会長之ヲ嘱託ス
  一、正会員タル各方面委員聯合会ニ於テ細則ニ定ムル割合ヲ以テ委員中ヨリ推薦シタルモノ
  二、方面事業ニ関係アル職ニ在ルモノ
第二十条 役員(代議員ヲ除ク)ノ任期ハ四年トス、但シ官職ニ在ルノ故ヲ以テ役員タル者ノ任期ハ其ノ在職期間トス、代議員ニ在リテハソノ任期ハ次年度ニ於ケル代議員会開催ノ為メ会長ニ於テ新
 - 第30巻 p.794 -ページ画像 
ニ代議員ヲ嘱託スルニ至ル迄ノ期間トス、補欠ニ依リ就任シタル役員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
  役員ハ任期満了後ト雖モ、後任者ノ就任スルニ至ル迄ノ間仍其ノ職務ヲ行フモノトス
第二十一条 本聯盟ニ顧問ヲ置キ、会長之ヲ嘱託ス
第二十二条 本聯盟ニ地方委員若干名ヲ置キ、会長之ヲ嘱託ス
  地方委員ハ会長ノ委嘱ヲ承ケ地方ニ於ケル本聯盟ノ事務ニ関与ス
第二十三条 本聯盟ニ参事ヲ置キ、会長之ヲ嘱託ス
  参事ハ会長ノ委嘱ヲ承ケ本聯盟ノ事務ニ参与ス
第二十四条 本聯盟ニ主事及書記ヲ置キ会長之ヲ命免ス
  主事及書記ハ常務理事ノ命ヲ承ケ庶務会計ニ従事ス
      第七章 評議員会及代議員会
第二十五条 評議員会ハ左ノ事項ヲ議決ス
  一、代議員会ニ附議スヘキ事項
  二、代議員会ノ議決ヲ要スルモノニシテ、臨時急施ヲ要シ会長ニ於テ之ヲ招集スルノ暇ナシト認メタル事項
  三、代議員会ノ議決ヲ要スルモノニシテ其ノ委任ヲ受ケタル事項
  四、資産及基本財産ノ処分ニ関スル事項
  五、役員ノ選任ニ関スル事項
  六、規則ノ設定ニ関スル事項
  七、其ノ他重要ナル事項
第二十六条 代議員会ハ左ノ事項ヲ議決ス
  一、歳入歳出予算ニ関スル事項
  二、決算ノ認定及事業報告ニ関スル事項
  三、寄附行為ノ変更ニ関スル事項
  四、其ノ他会長ニ於テ必要ト認メ附議シタル事項
第二十七条 評議員会及代議員会ハ会長之ヲ招集ス
  会議ノ議長ハ会長之ニ当ル
  監事・評議員又ハ代議員三分ノ一以上ヨリ会議ノ目的タル事項ヲ示シテ請求ヲ為シタルトキハ、評議員会及代議員会ヲ開クモノトス
第二十八条 会議ハ評議員又ハ代議員三分ノ一以上ノ出席ニ依リ成立ス、但シ同一事項ニ付再回招集ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
  会議ニ出席セザル評議員又ハ代議員ハ、書面ヲ以テ表決ヲ為シ又ハ代理人ヲ出タスコトヲ得、会議ノ議事ハ過半数ヲ以テ之ヲ決シ可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十九条 会議ヲ招集スヘキ場合ニ於テ、会長ハ時宜ニ依リ書面ヲ以テ意見ヲ徴シ会議ニ代フルコトヲ得
      第八章 附則
第三十条 本寄附行為ノ施行ニ関シ必要ナル規則ハ、評議員会ノ議決ヲ経テ別ニ之ヲ定ム
第三十一条 本寄附行為ハ評議員及代議員各三分ノ二以上ノ同意ヲ得主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非サレハ之ヲ変更スルコトヲ得ズ
第三十二条 本聯盟ハ評議員及代議員各四分ノ三以上ノ同意ヲ得、主
 - 第30巻 p.795 -ページ画像 
務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ、之ヲ解散スルコトヲ得
  本聯盟ヲ解散スル場合ニ於テハ、資産ハ代議員会ノ議決ヲ経テ、同一又ハ類似ノ目的ヲ有スル事業ヲ行フモノニ之ヲ寄附スルモノトス
第三十三条 全日本方面委員聯盟ノ有スル一切ノ権利ハ、設立許可ノ日ヨリ本法人ニ於テ之ヲ継承ス
第三十四条 第十四条ニ依ル会長、及第十六条ニ依ル理事就任スル迄ノ間、左記ノ者ヲ以テ会長及理事トス
               会長 伯爵 清浦奎吾
                     広瀬久忠
                  侯爵 大久保利武
                     林市蔵
                     山崎巌
                     持永義夫
                     原泰一