デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.16

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
5節 災害救恤
5款 大震災善後会
■綱文

第31巻 p.346-387(DK310054k) ページ画像

大正12年9月12日(1923年)

是日栄一、東京商業会議所ニ於テ開催セラレタル当会経済部会・救済部会・常務委員会ニ出席シ議事ニ与ル。爾後屡々諸会合ニ出席シ、且種々会務ニ尽力ス。


■資料

白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0001)
第31巻 p.346 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年       (白石喜義氏所蔵)
九月十二日
午前十時、東京商業会議所ニ開会ノ大震災善後会ニ出席ス、白石随行経済・救済両部委員会開催、午飧ヲ同所ニテ済セ ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0002)
第31巻 p.346 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第二回経済部会
大正十二年九月十二日午前十時より当所に於て開会
 阪谷男爵議長席に着き開議
一、火災保険に関し現状を各務委員より報告あり
一、各務委員に於て保険会社支払の可能程度を調査し、更らに報告すること
一、日本銀行副総裁木村委員より、金融に関する報告あり
一、明日は復興資金の問題を議題とすることに決す


東京商業会議所報 第六巻一〇号・第三〇頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0003)
第31巻 p.346-347 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻一〇号・第三〇頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第二回救済部会
大正十二年九月十二日午前十時三十分より、当所に於て開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、内地の道府県知事並に各殖民地長官宛寄附金募集依頼電報を発すること
一、海外在留民より醵金勧誘の為め在外領事に対し依頼電報を発送すること
一、各地方長官・各殖民地長官・各市長・各商業会議所会頭宛醵金募集依頼状案を作成せり
一、道府県知事並に罹災府県知事を協議員又は委員に選任すること
一、寄附者氏名発表は新聞に掲載すること、但し地方は各地方新聞の裁量に委すること
 - 第31巻 p.347 -ページ画像 
一、罹災地の実状を視察すること
一、救済部に於ては救済上の見地よりせる火災保険問題をも研究し、当部に於ける意見を決定し、後之を救済部経済部聯合会に提出すること


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二五頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0004)
第31巻 p.347 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二五頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第一回常務委員会
大正十二年九月十二日午前十一時五十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    決議事項
一、震災地の市長・地方長官・商業会議所会頭を委員に嘱託すること


大震災善後会報告書 同会編 第三四―三九頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0005)
第31巻 p.347-348 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第三四―三九頁 大正一四年一二月刊
 ○第二章 寄附金ノ募集・処分及褒賞ノ申請
    第一節 募集方法
救済事業ノ遂行ニ際シ寄附金ノ募集ハ最先重要ノ手段ナリ、故ニ先ツ救済ノ資ニ充テムカ為メ、汎ク天下ノ同情者ニ愬ヘ急速寄附金ノ募集ヲ為スコトヲ必要トシ、本会成立ヲ告ケタル当日午前十一時ヨリ第一回救済部会ヲ開会シ、其方法等ニ付キ審議シ、又翌十二日ノ第二回救済部会ニ於テ一、二協議スルトコロアリ、斯クシテ寄附金募集方法等ニ関スル左記事項ノ決議ヲ得、次ニ常務委員会及委員総会ニ於テ之カ承認ヲ経タリ
 一、地方長官並地方団体・商業会議所等ニ依頼シテ、其配慮ニ依リ醵金ノ勧誘ヲ乞フコト
 二、募集金ノ一部ヲ支出シテ募集実費ニ充ツルコト
 三、新聞紙ニ募集広告ヲ為スコト
 四、個別的ニ勧誘状ヲ発送スルコト
 五、寄附ハ金銭ニ限ルコト
 六、寄附金額ハ一円以上トスルコト
 七、寄附金納入期限ハ、十二年十二月末日限トスルコト
 八、取扱銀行・振替口座等ハ、幹事ニ一任ノコト
 九、寄附金ノ分割納入ヲ認ムルコト
 一〇、寄附者氏名ノ発表ハ新聞紙ニ掲載スルコト
右決議ニ基キ直チニ之カ実行ニ著手シタリ、即チ九月十二日午前十時東京市内各新聞社及通信社ノ代表者ヲ招キ、徳川会長ハ本会ヲ組織シタルニ付、各新聞社及通信社ノ熱烈ナル賛助ヲ求ムル旨ノ挨拶ヲ為シ渋沢副会長ハ本会組織ニ関スル経過ヲ詳述シ、趣意書及規約ノ大綱ニ亘リ説明ヲ為シタルニ、之ニ対シ下村宏氏ハ新聞社及通信社ヲ代表シテ、本会ノ此挙ニ対シテハ、十分ノ応援ヲ与フルハ固ヨリ辞スル所ニ非ストノ旨ヲ述ヘタリ、依テ直チニ弘報堂・帝国通信社・日本電報通信社及自由通信社ノ手ヲ経テ、東京市内東京日日・東京朝日・報知・国民・読売・時事・中外商業・万・都・やまと・二六・東京毎夕・東京夕刊・東京毎日、地方ニ於テハ大阪朝日・大阪朝報・関西日報、其
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他若干ノ新聞ニ左ノ募集広告ヲ為シ、又寄附者芳名録ハ十数回ニ亘リ東京市内前記諸新聞ニ掲載シタリ
      大震災善後会
 関東地方ニ於ケル今回ノ災害ハ、実ニ前古未曾有ノ大惨事ニシテ、悽惨タル光景転タ袖手傍観ニ堪ヘサルモノアリ
 畏クモ 皇室ヨリハ、夙ニ御内帑金ヲ下賜セラレテ救恤ノ資ニ供セシメラル 聖旨ノ優渥ナル洵ニ感激措ク能ハサル所ナリ、是ヲ以テ同志相図リ、大震災善後会ヲ組織シ、汎ク天下ノ同情者ニ愬ヘ義金ヲ醵集シ、之ヲ焦眉ノ救済ニ資セントス、庶幾クハ大方ノ士本会ノ趣旨ニ賛シ、左記要項ニ依リ奮ツテ此ノ挙ヲ助成セラレンコトヲ
  大正十二年九月十二日
                会長 公爵 徳川家達
                副会長   粕谷義三
                同  子爵 渋沢栄一
                同     山科礼蔵
 一、寄附金ハ東京商業会議所内大震災善後会宛ノコト
 一、寄附金ハ金壱円以上ノコト
 一、寄附金ハ本年十二月末日迄ニ御払込ノコト
 一、寄附金ハ左記取扱銀行ニ御払込ノコト
              大震災善後会寄付金取扱銀行
            株式会社 日本勧業銀行本支店 ○他一九銀行店名略ス
又同日各地方長官・主ナル市長・殖民地長官・商業会議所会頭・朝鮮台湾ニ於ケル各知事、主ナル在外大使館・公使館・領事館等ニ左ノ電報ヲ発シ、寄附金募集方ヲ依頼シタリ
   ○電文略ス。
尋テ趣意書及規約・寄附金取扱銀行名・役員名簿、並ニ左ノ依頼状ヲ添ヘ、前記内外各方面ニ発送シタリ
 謹啓、関東地方ニ於ケル今回ノ災害ハ、実ニ前古未曾有ノ大惨事ニシテ、悽惨タル光景転タ袖手傍観ニ堪ヘサルモノ有之候
 畏クモ 皇室ヨリハ夙ニ巨額ノ御内帑金ヲ下賜セラレ、救恤ノ資ニ供セシメラレ候ハ、洵ニ感激措ク能ハサル次第ニ御座候、依テ玆ニ小生等同志相謀リ、大震災善後会ヲ組織シ、汎ク天下ノ同情者ニ愬ヘ義金ヲ醵集シ、之ヲ焦眉ノ救済ニ充ツル事ト致候、就テハ此際親シク拝芝精シク事情開陳ノ上格別ノ御援助可願上ノ処、何分ニモ匆忙ノ折柄ニテ、乍遺憾其意ニ任セス候条、不悪御諒恕ノ上、奮テ此挙ヲ御助成被下度、趣意書並規約書相添ヘ、此段以書中御依頼申上候 敬具
  大正十二年九月  日
              大震災善後会
                会長 公爵 徳川家達
                副会長   粕谷義三
                同  子爵 渋沢栄一
                同     山科礼蔵
○下略
 - 第31巻 p.349 -ページ画像 


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0006)
第31巻 p.349 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年      (白石喜義氏所蔵)
九月十三日
○上略 臨時震災救護事務局ニ、塚本氏ヲ訪問シ、大震災善後会ノ状況ヲ報告シ、東京市養育院ノ移転跡提供ノ事ヲ談シ、約三十分ニシテ辞去東京商業会議所ニ至ル、大震災善後会ニ列席シ ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0007)
第31巻 p.349 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第三回経済部会
大正十二年九月十三日午前十時より当所に於て開会
 阪谷男爵議長に着き開議
    決議事項
一、保険問題解決の為め小委員を挙げて慎重攻究すること
一、各務・大橋・小川・浜口、四君を小委員会に推薦すること
一、郵便電信を至急復旧すべく当局と交渉すること
一、復興資金問題は尚引続き研究すること


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三一頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0008)
第31巻 p.349 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三一頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第三回救済部会
大正十二年九月十三日午前十時五十分開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、罹災地市内八ケ所を本日視察すること
一、罹災民の真情を聴取し、其の方法は適当の箇所に投書函を設くること
一、今日の急務としては罹災民収容所速成の要あり、尚衣服の配給を急務とす
一、各地よりの物資は本船に充満し居るも、陸揚の設備なきを以て、臨時震災救護事務局に於て機宜の措置を講ぜられたきこと
一、寄附金は救済部に於て使用し、政府に託するが如きことは之を為さざること
 右の五項は救済部会の決議として会長に提出すること
一、自力復旧罹災者を援助すること
     方法
  イ、大工・職工等の上京の便をはかること、而して之等の者に対しては居住の便宜を与ふること
  ロ、焼土の整理
  ハ、材料供給に便を与ふること
一、救済部の根本方針を確定せんが為め委員総会の開会を求むること
一、死者収容所及鮮人の救済に関する件
 右は生存者救済の方法を講じたる後、之を研究すること

 - 第31巻 p.350 -ページ画像 

東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三七頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0009)
第31巻 p.350 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三七頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
  ○経済部小委員会
○第一回経済部小委員会
大正十二年九月十三日午前十一時十分より当所に於て開会
    決議事項
一、火災保険問題に関しては引続き研究すること


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0010)
第31巻 p.350 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年      (白石喜義氏所蔵)
九月十四日
午前十時飛鳥山邸ヲ出動、白石随行、臨時災害救護事務局ヲ訪問 ○中略 東京商業会議所ノ大震災善後会ニ列席ス、Rodman Wanamakerノ来電及返電ニ付、阪谷男爵ニ協議セラレ、明朝十時頃迄ニ英訳ヲ小畑氏ニ於テ作成スルコトヽシタリ ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第五二頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0011)
第31巻 p.350 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第五二頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第二回常務委員会
大正十二年九月十四日午前十時十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    会議経過大要
池田社会局長官より、今回の大震災の被害及之に対して当局が今日迄執りたる救護方法に関し、大要次の如き報告ありたり
当局は大震災の起るや否や、臨時震災救護事務局を設置し、罹災者及傷病者の救護に努め、直ちに震災地の警備を厳重に行へり、次に食糧建築材料・衣類、其の他の日常必需品・医薬及衛生材料の輸送、船車の徴発等、極力機宜の措置を採ることに努めたり
現今東京に集中せる食料品殊に米の如きは八十余万石を算せり、之等食料品其の他の物資を搭載せる船舶は芝浦に着き、之を海軍の手を以て陸揚したる後、陸軍の手に依りて運搬し、之を府及市の手によりて一般罹災民に分配することゝ為せり
各地方よりの救護班は続々来着しつゝあるが、目下横浜に於ける救護の点に関しては、東京に比し甚だ遺憾なる点多し、故に昨今之等救護班を横浜に輸送し其の救済に努めつゝあり
其の他バラツク建築材料の輸送、外国よりの救済見舞品、各地よりの寄贈品配給方法等に関し、詳細なる説明ありたり


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三一頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0012)
第31巻 p.350-351 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三一頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第四回救済部会
大正十二年九月十四日午前十一時より当所に於て開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、近接町村視察は事務員に托すること、但救済部員に明後十六日午
 - 第31巻 p.351 -ページ画像 
前十時商業会議所に参集し、横浜の災害視察を為すこと


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0013)
第31巻 p.351 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三五頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第四回経済部会
大正十二年九月十四日午前十一時より当所に於て開会
 阪谷男爵議長席に着き開議
    決議事項
一、山の手に残存せる方面の警戒、上水道・電灯及電話の復旧を至急遂行せられ度、若し電話の復旧困難ならば、非常報知の電話のみにても至急設けられ度きこと、又山の手水不足は火災地の漏水に因るとのことに付、右は至急漏水を止むるの手段を取られ度きこと
 右を当局に交渉すること
一、保険問題小委員会は未だ結了を見ざるにより、明日委員総会後迄報告延期のこと
一、復興資金問題に就ては、和田委員の意見発表あり、服部幹事之を成案とし明日の議題とすること
一、山科副会長より、通信機関に関し逓信当局との交渉報告あり、今後一週間以内には復興の見込なりとのことなり
一、小川委員より、横浜生糸輸出に関する件に就て経済部に於て攻究あり、度々横浜委員より申出の旨、渋沢副会長の伝言報告ありたり
一、山科副会長より保険金支払問題に就ては、東京商業会議所に向て頻繁各方面より陳情ある旨報告ありたり


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0014)
第31巻 p.351 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年      (白石喜義氏所蔵)
九月十五日
午前九時飛鳥山邸出動、臨時震災救護事務局ニ於テ、後藤内務大臣ニ面会ノ上、東京商業会議所ニ赴キ大震災善後会ニ出席セラル、Wanamakerニ対スル返電案及懇意ナル米国実業家連ニ対スル電報案出来、阪谷男爵ノ検閲ヲ得タル後、井上大蔵大臣ニ右等供覧ノ為メ、白石・小畑ニテ同大臣官邸ヲ訪問シタルニ、閣議ノ為メ首相官邸ニ赴カレタリトノコトニ付、同官邸ニ行キタルニ視察ノ為メ横浜ニ赴キタリトノコトニテ、其儘トシテ空シク帰ル
○中略
午後一時半大震災善後会委員総会開催、後藤内務大臣出席、救護事務局ノ経過並ニ現状ニ付説明シ、且現ニ募集セル二千六百万円ノ配布方ニ付委員ノ意見ヲ聞キ、終テ委員総会ヲ開キ午後三時半頃解散シ ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二二―二三頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0015)
第31巻 p.351-352 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二二―二三頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
  委員総会
○第一回委員総会
 大正十二年九月十五日午後一時三十分より当所に於て開会、徳川会長議長席に着き開議
 - 第31巻 p.352 -ページ画像 
    会議経過概要
徳川議長より当時迄の寄附金申込の件、並に新たに委員嘱託の件報告ありて承認
此の時後藤内務大臣の出席ありて、臨時震災救護事務局の事業経過及帝都復興等に関し詳細なる報告ありたり、次に後藤子爵より、今回の大震災に対する寄附金は成る可く寄附者の意思にも添ひ、又出来得る限り公平なる分配を行ひたく、仍て各自の意思を発表せられたき旨を述べられたるにより、渋沢子爵は直接金銭によらず現品を以て分配するを適当とする旨を述べられたり、又阪谷男爵は実際上災害に苦みつつある者に対しては、成る可く早く分配の道を講ぜられ度きことを希望し、其の他の委員も各自意見の交換を行へり
渋沢子爵は本会を代表して、震災救済と経済復興とを目的として、本会の組織せられたること、及今後臨時震災救護事務局とは連絡をとりて十分活動し度き希望を述べられたるに対し、後藤内務大臣は自ら毎日出席することは困難なれども、代理者を出席せしめても差支なく、今後は充分連絡をとりて国家の為め大に活動せんことを希望せり
渋沢子爵より、大震災善後会寄附金募集経過並に米国人ワナメーカー氏より米貨弐万五千弗の寄附ありたる旨報告ありたり
    決議事項
一、本会に於ける寄附金の使途に関する件
青木子爵より、救済部多数の意見により、本会寄附金の使途に関する根本方針を決定するに至れる経過の大要報告ありたり
本会に於ける寄附金の使途に関し、救済部は単に寄附金募集のことのみならず、実際の状況を調査の上、直接に救済するの必要ありと認むる事項にして、其の簡単なるものは当局と協議の上、本会の決議を以て実施するを得、而して大体に於ては既設の救済機関を利用するは勿論なりとす
次に阪谷男爵より、保険問題小委員会の経過、東京市に於ける郵便通信の復旧に関し当局と交渉の経過を述べられ、尚山の手に残存せる方面《(脱アルカ)》の警戒、上水道・電灯及電話の復興を至急遂行、其の他の件、暴徒蜂起の虞なしと雖も、火災予防の為め戒厳令を当分撤廃せざること等に関し、其の希望を述べられたり
一、当分の間戒厳令を存続するの件
戒厳令を当分撤廃せざることは之を可決し、会長より政府に交渉することゝなせり
終りに徳川議長より成る可く多数の寄附金を募集したき希望なるにより、各委員に於ても応分の寄附ありたき旨を述べられて散会せり


中外商業新報 第一三四七六号 大正一二年九月一七日 善後会の活動範囲(DK310054k-0016)
第31巻 p.352-353 ページ画像

中外商業新報  第一三四七六号 大正一二年九月一七日
    善後会の活動範囲
両院議員及実業家等を以て組織せられた大震災善後会委員総会は、十五日午後一時半から東京商業会議所内で開会、後藤内相の挨拶後、臨時救護事務局の施設概要を報告して、善後会の大に努力せられんことを要望したが、之に対し阪谷男・渋沢子・伊沢多喜男諸氏から種々の
 - 第31巻 p.353 -ページ画像 
質問や意見の開陳があり、青木氏から善後会は如何なる程度に救済を実行するか、其範囲を総会に於て決定して置きたいとの提議があり、結局
 本会救済部は寄附金を募集するのみならず、災害の状況調査の上直接手を下す必要ありと認むることは、政府や公共団体等の意見を徴し、委員総会の決議を経て実行すること
に意見一致を見、又現在罹災地の治安を維持して居る戒厳令を最早や撤廃してもよいと云ふ様な風評があるが、各種の施設が完備し警察力で充分治安を維持し得る程度になる迄撤廃は不可であると云ふことを会の決議として政府に申告することゝし、同三時散会


大震災善後会報告書 同会編 第五四―五八頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0017)
第31巻 p.353 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第五四―五八頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略 救済方法ニ関シテハ常ニ政府当局ト聯絡提携シテ其事ニ当リ、特ニ九月十五日第一回委員総会ニ於テハ、後藤臨時震災救護事務局副総裁臨席シテ、同事務局ノ主要事務タル食料ノ蒐集及配給、罹災者ノ治療・衛生及地方輸送、流言蜚語ニ対スル措置、其他帝都復興計画等ニ関スル意見ヲ開陳シ、且ツ本会ニ対スル政府ノ希望ヲ縷述セラレ、尋テ帝都復興ノ急速実施、政府ニ集積セル寄附金品ノ分配方法、公設市場ノ増設等ニ関スル委員ノ質疑ニ対シ応答シ、併セテ政府ノ希望ヲ披瀝セラレタリ ○中略
今救済事業ニ対スル会議事項及其措置ニ付キ左ニ概説スヘシ ○中略
 一二 戒厳令ハ治安ノ充分回復スル迄継続セラレムコトヲ、政府ニ具申スル件
  右ハ九月十五日委員総会ニ於テ決議シ、内閣ヘ具申シタリ
 一三 本会ニ於ケル寄附金ノ使途ニ関スル根本方針ノ件
  右ハ九月十五日委員総会ニ於テ左ノ決議ヲ為シ、之カ実行ヲ期シタリ
    決議 ○前掲ニ付キ略ス
○下略


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0018)
第31巻 p.353 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年      (白石喜義氏所蔵)
九月十六日
○上略 東京商業会議所ニ赴キ、経済部会ニ臨マレタル後帰邸セラレタリ


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三五―三六頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0019)
第31巻 p.353-354 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三五―三六頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第六回経済部会
大正十二年九月十六日午後二時より当所に於て開会
 阪谷男爵議長席に着き開議
    決議事項
一、暴利取締令の励行を求むる件
 本件は之を可決し、尚字句の修正に就ては部長及幹事に一任するこ
 - 第31巻 p.354 -ページ画像 

一、賃金に関する件
 修正可決し、尚字句の修正は部長及幹事に一任すること
一、矢野委員の提案
 最初二件は前二項決議中に包含せられ、後の二件は希望なるにより別に決議するの必要なきこと
一、復興資金に関する件
 本件に就きては種々の意見続出したるが、重要問題なるにより、和田(豊)委員及佐々木委員を保険問題の小委員に加へ、火災保険金支払問題と復興資金問題と併せて引続き之を研究すること
一、宮城前及丸の内附近の衛生状態は、甚だ不良にして、実に憂ふ可き危険状態に陥れるが故、至急之が改善方法を、当局に交渉すること
一、目下市内諸々の道路に電車工事、又は電話・電信・電灯等の工事の為め、掘返しの箇所あり、之が為め一般交通を妨害すること甚だ大なるにより、至急一時土砂を以て之を埋め、仮りに地均して交通の便を図られ度き旨当局と交渉すること
一、明日は午前十時に開会すること
一、鶴見商務局長及中松保険課長は、都合により予定時刻迄出席なかりしにより、明日十時よりの経済部会に出席を求め、火災保険金支払問題に関する意見を聴取すること
    附帯決議
一、電話応急架設の件
 政府の幹部と大震災善後会との連絡に便ならしめんが為め、至急電話の応急架設を当局に要望すること
    報告
一、服部幹事より本日救済部の横浜視察と共に同地を視察せる報告ありたり


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0020)
第31巻 p.354 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年     (白石喜義氏所蔵)
九月十七日
午前九時三十分飛鳥山邸出動、土屋鳳海氏邸ヲ訪問セラレ、東京商業会議所ニ至リ大震災善後会ニ出席ス、経済部ノ議決、救済部ノ寄付金ニ関スル建議等ニ付、種々協議ヲナシ、Losangelsノ藤井氏ヨリノ来電ニ付、救済部長青木子爵ト相談ノ上、毛布ノ上等ナラヌモノヲ成ルヘク多量ニ送付アリ度旨返電ス
午飧ノ後、午後二時頃迄徳川会長其他ト懇談ス ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三六頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0021)
第31巻 p.354-355 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三六頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第七回経済部会
大正十二年九月十七日午前十時より当所に於て開会
 阪谷男爵議長席に着き開議
    決議事項
 - 第31巻 p.355 -ページ画像 
一、阪谷部長より昨日の経済部に於ける決議事項に関する文案の報告ありて承認
 右決議文は之を総務部に提出すること
一、銀行同盟に関する件
 本件は市来・佐々木・串田三委員に附託して研究すること
一、鶴見商務局長及中松保険課長より火災保険の実況に関する詳細なる陳述ありたり
一、鶴見商務局長及中松保険課長の火災保険の実況に関する報告は、普通一般にも容易に了解し得る様平易簡明にし、公文書を以て部長宛に提出あり度きこと
   (本件は鶴見商務局長直ちに之を承諾せり)


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三一―三二頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0022)
第31巻 p.355 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三一―三二頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第六回救済部会
大正十二年九月十七日午前十一時より当所に於て開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、副会長中一名の出張を乞ひ、大阪・京都・神戸・名古屋の各商業会議所会頭及知事を訪問して、寄附金募集を依頼すること
一、横浜市へ木材・釘等の建築材料及器具を速に供給すべきことを、当局に交渉すること
一、主要道路復旧に関する件は当局の意見を聴取したる後、適当なる方法を採ること
一、横浜港内を速に整理し、東京方面に陸揚す可き物資をも横浜港内に於て荷役すること、及海陸の聯絡を速にすることを当局に交渉すること
一、東京・横浜間の道路復興を迅速にす可きことを、当局に交渉すること
一、畳表廉売の申込者あり、之は杉原委員より市に交渉し、公設市場に於て販売せしむること


大震災善後会報告 同会編 第四〇二―四〇八頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0023)
第31巻 p.355-358 ページ画像

大震災善後会報告 同会編  第四〇二―四〇八頁 大正一四年一二月刊
    第四章 経済復興事業
本会二大目的ノ一タル経済復興ニ関スル必要ナル施設ノ攻究ヲ為ス為メ、委員ノ提案ニ係ル研究事項ニ付キテハ、経済部会ニ於テ先ツ其方針及基礎ヲ決定シ、而シテ常務委員会・委員総会ノ外、救済部経済部聯合会・同小委員会及経済部小委員会ヲ開会シ、努メテ敏速慎重ニ攻究審議シタリ○中略
三 暴利取締ノ励行ヲ求ムル件
  右ハ九月十六日部会 ○経済部会ニ於テ決議シ、字句ノ整理ニ付キテハ部長及幹事ニ一任シタルカ、翌十七日該成案ハ左ノ如ク部会ノ承認ヲ得、農商務省当局ニ具申シタリ
    決議
 - 第31巻 p.356 -ページ画像 
   暴利取締令発布セラレタリト雖モ、尚一般物品ノ販売価格一定セサルノミナラス、暴利取締令ニ違反スルモノ不尠、右ハ一層徹底的ニ取締励行ノ必要ヲ認ムルト同時ニ、公設市場ノ増設拡張ニ依リ、物品配給ノ便ヲ増進スヘシ
四 一般賃金ノ標準ヲ定メ、其暴騰ヲ抑制スル件
  右ハ九月十六日部会ニ於テ決議シ、字句ノ整理ニ付キテハ部長及幹事ニ一任シタルカ、翌十七日該成案左ノ如ク部会ノ承認ヲ得、帝都復興院・臨時震災救護事務局及東京府市当局ニ具申シタリ
    決議
   震災後労働ノ種類ニヨリ俄然過不足ヲ生シ、熟練労働タルト不熟練労働タルトヲ問ハス、賃銀ニ一定ノ標準ヲ失シ、一方ニ於テハ義侠的精神ヲ以テ、普通ノ賃銀ニ甘ンスルモノアルト同時ニ、他方ニ於テハ法外ノ賃銀ヲ要求スルモノアルノミナラス、需要者ニ於テ奪合ヒノ結果、法外ノ賃銀ヲ支払ヒ、為メニ一般賃銀ノ標準ヲ混乱セシメ、独リ帝都復興事業ノ妨害トナルノミナラス、労働者モ亦一部ノ暴利者ノ為一般ノ需要ヲ減シ大ナル不利ヲ蒙ルヲ免レス、又従来労働請負人ノ間ニハ種々ノ弊害アリ、一般労働者ノ不利ヲ来スノミナラス、需要者モ亦共ニ不利ヲ蒙ルヲ免レス、今回ノ如キ場合ニハ特ニ注意ヲ要スルモノアリ、依テ左記事項ノ実行ヲ必要ト認ム
   (一)賃銀ハ震災前ノモノヲ標準トシテ相当ノ割増ヲ為シ一般ニ準拠セシムルコト
   (二)市役所ヲ初メ、諸官庁・大会社・大家ニ於テ、右一般ノ標準ニ依ラサル法外ナル賃銀ヲ払ハサルコトニ注意スルコト
   (三)労働請負人ノ悪弊ヲ矯正シ、労働者ヨリ徴収スル歩合金ニ一定ノ制限ヲ設ケ、不当ノ暴利ヲ貪ルコト勿ラシメ、請負人ト労働者トノ間ニ常ニ情義ヲ重ンシ、金銭ノ取引ヲ正確ナラシムルニ必要ナル取締リヲ為スコト
   (四)地方ヨリ必要ノ労働者ヲ来集セシムル為メ、鉄道及汽船ノ賃銭ヲ割引シ、低廉ナル宿泊所ノ便ヲ設クルコト
   (五)遊興場其他ヲ制限シ、無益ノ濫費ヲ為サシメサルノ注意ヲ与ヘ、貯蓄ノ便ヲ設クルコト
五 市内諸車賃銭取締ノ件
  右ハ九月十七日ノ部会ニ於テ決議シ、左ノ成案ヲ得タリ
    決議
   市内ノ自動車・人力車、其他車馬ノ賃銭ヲ適当ニ公定シ、之カ取締ヲ励行スヘシ
 六 宮城前及丸ノ内付近ノ衛生状態ニ関スル件
  右ハ九月十六日部会ニ於テ決議シ、字句ノ整理ヲ為シ、翌十七日部会ニ於テ左ノ成案ヲ承認、臨時震災救護事務局・東京市長及警視庁ニ具申シタリ
    決議
   宮城前ヨリ丸ノ内一帯ノ地域其他ニ於テ、被難民ノ大小便其他ノ不潔物ニテ著シク不衛生ノ状態ニアリ、万一伝染病発生スル
 - 第31巻 p.357 -ページ画像 
トキハ宮城ヲ初メ中央諸官庁・諸会社等ニ従事スル者等ノ為メ非常ノ危険ニシテ、帝都復興事業ノ活動ヲ阻止スルノ虞アリ、速ニ当局ニ於テ衛生隊ヲ組織シ清潔法ヲ実施スヘシ
七 東京市内道路仮修理ノ件
  右ハ九月十六日部会ニ於テ決議シ、字句ノ整理ヲ為シ、翌十七日部会ニ於テ左ノ成案ヲ承認、東京市当局ニ具申シタリ
    決議
   市中諸所道路上ニ電車工事又ハ電話・電信・電灯工事等ノ為掘返シノ箇所アリ、右ハ今日ノ場合交通ノ妨害トナルコト不尠ヲ以テ、急ニ人夫ヲ派出シ一時土砂ヲ以テ之ヲ埋メ、仮リニ地均ヲ為シテ交通ノ便ヲ計ルヘシ、但シ人通リ少ナキ場所ハ此限リニ在ラス、尤モ今回震災ニヨリ将来工事設計ノ変更ヲ要スルモノハ、総テ一時仮リ埋メスヘシ
八 海陸連絡運輸ニ関スル件
  右ハ九月十七日部会ニ於テ決議シ、左ノ成案ヲ得、帝都復興院・臨時震災救護事務局ニ具申シタリ
    決議
   横浜港ノ防波堤及桟橋・埠頭ノ破壊ニヨリ、海陸連絡運輸ノ断絶セルコトハ経済上非常ノ不便ナリ、依テ左記実行ヲ必要トス
   (一)横浜港防波堤及桟橋・埠頭ヲ、一部分ニテモ使用ニ堪フル程度ニ復旧スル為メ、何程ノ時日ト費用トヲ要スルヤヲ至急調査シ、速ニ着手スルコト
   (二)鶴見ニ於ケル埋立地ヲ利用シ、鉄道ヲ仮リニ敷設シテ之ヲ東海道線ニ連絡シ、海陸連絡輸送ヲ速ニ開始スルノ途ナキヤヲ調査スルコト
   (三)芝浦ヨリ隅田川口ニ至ル澪筋ヲ浚渫シ、三千噸乃至五千噸ノ船舶ヲ出入セシムルニハ、何程ノ時日ト費用トヲ要スルヤヲ調査スルコト
  右ハ最モ駿速ナル応急ノ程度ヲ目的トス
九 復興建築ニ関スル件
  右ハ九月十七日部会ニ於テ決議シ、左ノ成案ヲ得、帝都復興院・臨時震災救護事務局及東京市当局ニ具申シタリ
    決議
   (一)家屋建築上標準家屋ノ設計ヲ作リ、建築毎ニ一々設計図ヲ作ルノ時日不便ヲ除クコト
   (二)建築材料ノ基準ヲ定メ、材料製作上ノ経済ヲ計ルコト
   (三)電車ノ軌道ヲ利用シ、若クハ軽便鉄道ヲ一時路面ニ敷設スルノ制限ヲ寛ニシ、極力建築材料運搬ノ費用時間ヲ省キ、労働能率ヲ増進スルコト、其他建築上ニ関シ総テノ便宜ヲ計ルコト
   (四)東京・横浜、其他震災地ニ輸送スル建築材料ノ、汽車・汽船運賃ノ割引ヲ為スコト
一〇 復興事業ニ関スル件
  右ハ九月十七日部会ノ決議ヲ得、左ノ成案ヲ得テ、帝都復興院・
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臨時震災救護事務局ニ具申シタリ
    決議
   (一)国庫及地方ヲ問ハス鉄道敷設、道路・河川工事、其他土木事業ハ一時出来ル限リ中止シ、財力ト技術者ト労働者トヲ震災地ノ復旧工事ニ集中スルノ方針ヲ取ルコト
   (二)鍬・鋤・「シヨベル」・鶴角ノ如キ簡易ナル土工器具不足ニ付、駿速ニ其供給ノ途ヲ講シ、被難民・失職者・遊民ニ職ヲ授クルコト
   (三)多量ノ焼土往来ニ山積スルトキハ交通及商業ノ妨害トナルニ付、組織的ニ搬出方法ヲ設ケ、海面埋立其他低地地上ケニ利用スルコト
   (四)築港並中央市区・工場地域ノ大略ノ設計ヲ定メ、其綱領ヲ速ニ公示シ、各人ヲシテ略々依ル所ヲ知ラシムルコト
○下略


白石喜太郎手記 大正一二年(DK310054k-0024)
第31巻 p.358 ページ画像

白石喜太郎手記  大正一二年      (白石喜義氏所蔵)
九月十八日
午前十一時頃東京商業会議所大震災善後会ニ出席セラル、東京、並ニ地方ノ寄附金募集ノ方法其他ニ付、徳川会長其他ト協議シ、且大震災善後会ヘノ寄付金ハ、臨時震災救護事務局ヘノ寄付金ト同様ノ取扱ヲ得度義ニ付、賞勲局総裁ヘ河井書記官長ヨリ引合、内閣ノ内意モ捜リ其通ノ取扱有之旨ノ返答ヲ得タル由ノ復命アリ ○下略


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三二頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0025)
第31巻 p.358-359 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三二頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第七回救済部会
九月十八日午前十時三十分より当所に於て開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、道路の修築・整理、交通の整理に関する件
 本件は道路局長に至急其の実行方を要求すること
一、都市計画に関する件
 本件は災害前の現状を基礎とし速に確定すること
一、借地人・借家人・地主間の権利関係に関する件
 本件は迅速に之を決定すること
一、火災保険問題に関する件
 本件は引続き研究すること
 尚右三件は、明日の常務委員会に提出して其の意見を聴取し、其結果により之等の件に就き委員総会開会の請求をなすこと
一、米国にて募集したる義捐金の一部を以て荷物自動車、及建築材料を購入せられたき旨を、外務当局に交渉すること
一、罹災者にして医療・医薬に関し不如意の者少からず、殊に生活状態の激変、多数集合類の関係より、公衆衛生上憂ふ可き点多し、依て政府は速に寄附金の一部を支出し欠陥を充足せられむことを望む
 - 第31巻 p.359 -ページ画像 
件は、池田局長に交渉すること


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0026)
第31巻 p.359 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
九月十九日 水 午前十時 大震災善後会常務委員会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二五―二七頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0027)
第31巻 p.359 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二五―二七頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第三回常務委員会
大正十二年九月十九日午前十時十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    救済部報告
青木救済部長より次の諸件に関し、救済部に於て審議せる経過の報告ありたり
 イ、寄附金募集の方法
 ロ、市内の配給状態及横浜市の視察をなしたる件
 ハ、罹災者遺骨取扱の件
 ニ、災害に際し犠牲的行為をなしたるものに対する表彰の件
 ホ、横浜市視察の結果当局に注意を促したる件
 ヘ、米・仏・伊国よりの救護申込に対し、当局の意嚮を確めたる件
 ト、米国の寄附に対し、当局に我が希望を申出でたる件
 チ、道路整理に関し当局に注意を促したる件
 リ、共同便所糞尿汲取の件
 ヌ、医薬・医師・公衆衛生の件に付、当局に注意を促したる件
 ル、都市計画の方針を速定、地主・借地借家人間の権利関係を速定する件
  保険金支払の件は最も急務中の急務なるを以て、本会に於て速に決定を希望する件
    経済部報告
阪谷経済部長より、火災保険問題及商工業復興資金問題に関しては、当部に於て最も力を尽し、小委員を設け連日研究を重ね、火災保険問題に就ては農商務当局の来所を乞ひ、其の意見を聴取し、其の統計的数字をも調査し、又商工業復興資金中「モラトリアム」を如何にすべきやをも熱心に考案せる旨報告ありたり
次に経済部報告中(一)暴利取締令(二)労資問題以下に関し詳細なる報告ありて、横浜港の防波堤及桟橋埠頭破壊し海陸連絡運輸の断絶せることは、最も重大なる問題なることを述べられたり
○中略
    決議事項
一、阪谷経済部長の提議により、地主・借地人及借家人の問題は、救済部に於て立案することゝし、都市計画に関する問題は経済部に於て研究中なるを以て、該部に於て立案することゝせり
二、必要の場合には聯合部会を開くことは適当の措置なるを以て、両部長と相談の上随時之を開会すること
終りに徳川会長より、常務委員に嘱托せられたる氏名の報告ありたり
 - 第31巻 p.360 -ページ画像 


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0028)
第31巻 p.360 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
九月二十日 木 午前十時半 大震災善後会へ御出向(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二九頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0029)
第31巻 p.360 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二九頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
    ○聯合会
○第一回救済部及経済部聯合会
大正十二年九月二十日午前十時十分より当所に於て開会
 林伯爵議長に推薦せられ、議長席に着き開議
    報告
一、火災保険金の件、二、商工業復興資金の件、三、被害家屋再築費の件、四、都市計画に関する件
 以上の四件に関し、昨日経済部に於て立案せる趣旨及其の経過に付き阪谷経済部長より詳細なる報告ありたり
    決議事項
一、火災保険金其の他の重要問題に就ては、救済部に於ても十分研究を致し度き希望ありたるを以て、同部に於ても至急攻究すること
一、明二十一日午後一時より両部の聯合会を開会し、火災保険金の件以下引続き攻究すること
一、尚借地借家問題・都市計画問題をも明日の議題とすること
    附記
一、本日午前十一時安宅大阪商業会議所副会頭・中山同所議員及戸田京都商業会議所議員来所せられ、財界安定・火災保険及民心緊張に関する決議文提出ありたり


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三二頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0030)
第31巻 p.360 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三二頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第九回救済部会
九月二十日正午より当所に於て開会
 青木救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、来月十九日開催せらる可き焼死者法会に関する件は部長一任すること
一、青木救済部長辞任の件は同部長に留任を乞ひ、已むを得ざるときは黒田子爵代理すること


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0031)
第31巻 p.360 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
九月廿三日 日 午前十時  大震災善後会救済部経済部聯合会(商業会議所)
   ○中略。
九月廿六日 水 午前十一時 大震災善後会常務委員会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三四頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0032)
第31巻 p.360-361 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三四頁 大正一二年一一月五日刊
 - 第31巻 p.361 -ページ画像 
 ○大震災善後会記事
○第十五回救済部会
九月二十六日午前十時二十分より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、労働者住宅及共同宿泊所設置の件
 本件は之を撤回するに決す
一、孤児院・育児院・養老院設立に関する件
一、托児所設置の件
一、職業補導所設置に関する件
 右の件は更に立案して、次回に提出すること


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二七―二九頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0033)
第31巻 p.361-362 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二七―二九頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第四回常務委員会
大正十二年九月二十六日午前十時三十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
河井幹事より、本月二十五日迄の本会に於ける寄附金総額の報告ありたり
    決議事項
一、本会寄附金融通の件(経済部提出)
 本件は経済部の提案に係るものなるにより、阪谷経済部長より詳細なる説明ありたる後、黒田救済部長よりも寄附金融通に関連せる同部の諸提案の行掛りに就き詳細なる説明ありたり、尚河井幹事よりも、本月十五日の委員総会に於て決議せる寄附金の使途に関する報告ありたり
 本案は之を留保し、救済部に於て立案することゝせり
一、大震災地域に於ける借家人の権利義務に関する件(救済部提出)
 黒田救済部長より、本案に関し説明ありたり
 本件は本常務委員会に於て之を可決し、其の希望を達する様総務部に於て然る可く取扱ふことゝせり
 尚本件は委員総会に提出せざることゝせり
一、公設質屋設置の件(救済部提出)
 黒田救済部長より、本案に関し説明ありたるが、原案通り之を可決し、委員総会に提出することゝせり
一、罹災者へ差当り寄附金の内金壱百万円支出の件(救済部提出)
 本件は河井幹事より、罹災地方割当額の大体の標準は之を御下賜金の分配標準に拠ることは最も適当と認む可きも、此の標準は未だ決定を見ざる趣なり、然るに今内務省の割当標準案に依れば、東京府七割・神奈川県二割五分、其の他の府県五分なりとの報告ありたり而して委員の大多数は之に賛成せり
 本件は之を可決し、委員総会に提出することとせり
一、大工・左官、其の他熟練労働者の輸送の便を図るの件
 - 第31巻 p.362 -ページ画像 
                        (経済部提出)
 阪谷経済部長より、経済部に於ける立案の大要説明ありたり
本件は原案通り可決せり、但委員総会に提出せざることゝせり
一、衣類・トタン・ナマコ・木材、其の他の必需品の不足を速に補足する方法に関する件                          (経済部提出)
 阪谷経済部長より、経済部に於ける立案の大要説明ありたり
 本件は之を可決し、字句の修正に就ては総務部に一任せることゝせり
 但し委員総会には提出せざることゝせり
一、小学校の復旧と住宅の設備及避難民取扱とに関する件
                        (経済部提出)
 阪谷経済部長及大橋委員より、本案に対する説明ありたり
 本件は阪本委員の修正案を可決し、委員総会に之を提出することゝせり
 終に阪谷経済部長より、目下経済部に於て会社の決算に関し商法の除外例を求むるの件に関し研究中なるを以て、各委員に於て意見ある場合には文書を以て経済部長宛に提出ありたき旨述べられたり
一、来る二十八日午後一時三十分委員総会開会のこと


大震災善後会報告書 同会編 第六一―六四頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0034)
第31巻 p.362-363 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第六一―六四頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略
 三一 大震災地域ニ於ケル借家人ノ権利義務ニ関スル件
  右ハ九月二十五日部会 ○救済部会ニ於テ決議シ、更ニ同月二十六日常務委員会ニ付議シ、左ノ決議ヲ得、司法省当局ニ具申シタリ
    決議
   災害地域ニ於ケル借家人・借地人・地主間ノ紛争ヲ自然ノ成行ニ委スルコトハ、社会政策上其当ヲ得ス、政府ハ速カニ之ニ対シ適当ノ措置ニ出テラレムコトヲ望ム
 三二 公設質屋設置ノ件
  右ハ九月二十五日部会ノ決議ヲ経、更ニ同月二十六日常務委員会及同月二十八日委員総会ニ付議シ、左ノ決議ヲ得、臨時震災救護事務局・東京府及東京市当局ニ具申シタリ
    決議
   小額金融機関ハ災害前ニ比シ一層ノ必要ヲ感スルニ至レリ、仍テ速ニ適当ノ場所ニ公営質屋ヲ設置セラレムコトヲ望ム(第三章救済事業参照)
 三三 罹災地ヘ差当リ寄附金ノ内金壱百万円支出ノ件
  右ハ九月二十五日部会ニ於テ決議シ、更ニ同月二十六日常務委員会及同月二十八日委員総会ニ付議シテ、左ノ決議ヲ得タリ
    決議
   罹災地ヘ差当リ寄附金ノ内金壱百万円ヲ支出スルコト、但地方割当額及支出ノ緩急ハ総務部ニ一任スルコト
 - 第31巻 p.363 -ページ画像 
  総務部ニ於テハ、直チニ内務省ノ割当標準案(大体被害人口・戸数ニ依ル)ヲ基礎トシ、左ノ如ク配分シタリ、而シテ此分配金使用ノ方法ニ付テハ、東京府市・神奈川県・横浜市ニ対シテハ当該地方団体ノ当局者ニ於テ之ヲ立案シテ、本会ノ同意ヲ得ヘキモノトシ、千葉・埼玉・静岡ノ各県ニ対シテハ、罹災者救済ノ範囲ニ於テ使用スヘキモノトシ、其ノ方法ハ之ヲ知事ニ一任シタリ、又事業施行後ハ、其ノ経過及成績ニ付詳細ナル報告ヲ徴スルコトトセリ


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 配分先   金額        内訳及使途 一東京市  六〇〇、〇〇〇円  イ  牛乳無料配給所十ケ所新設及維持費六ケ月分       八二、〇〇〇円                 ロ  託児所三ケ所新設費                  二〇、〇〇〇                 ハ  産院・乳児院各二ケ所新設並維持費六ケ月分       七九、〇〇〇                 ニ  公衆食堂十ケ所新設費(公爵細川護立氏希望ニ基ク)  一五〇、〇〇〇                 ホ  共同炊飯場一ケ所新設費                 四、〇〇〇                 ヘ  公設市場五ケ所新設費                一五〇、〇〇〇                 ト  屎尿汲取費                     一〇〇、〇〇〇                 チ  寄贈衣服消毒費                    一五、〇〇〇 二東京府  五〇、〇〇〇    イ  臨時職業紹介所五ケ所設備及経常費           二〇、〇〇〇                 ロ  労働合宿所十棟ノ設備及経常費             三〇、〇〇〇 三横浜市  一五〇、〇〇〇   イ  産院一ケ所建設及一ケ年分経常費            七〇、〇〇〇                 ロ  職業補導所一ケ所建設及一ケ年分経常費         四五、〇〇〇                 ハ  託児所二ケ所新設費                  二〇、〇〇〇                 ニ  公設市場一ケ所新設費                 一〇、〇〇〇                 ホ  公設浴場一ケ所新設費                  五、〇〇〇 四神奈川県 一〇〇、〇〇〇   イ  職業補導所一ケ所設備費及一ケ年分経常費        三一、六〇八                 ロ  臨時職業紹介所六ケ所設備及一ケ年分経常費       二二、三六七                 ハ  託児所五ケ所設備及一ケ年分経常費           四五、一二五                 ニ  復興「ポスター」五千枚製作                 九〇〇 五千葉県  六〇、〇〇〇    イ  農村部落共同使用動力農具設備費            三〇、〇〇〇                 ロ  水産物販売斡旋費                   二〇、〇〇〇                 ハ  職工紹介費                      一〇、〇〇〇 六埼玉県  二五、〇〇〇       罹災者ニ対シ、死亡・負傷、全潰・半潰ニ差等ヲ付シテ現金ヲ分配ス 七静岡県  一五、〇〇〇       震災地副業奨励事業費 計  一、〇〇〇、〇〇〇 




○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0035)
第31巻 p.363 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
九月廿八日 金 午前十時  大震災善後会救済部会(商業会議所)
        午後一時半 大震災善後会委員総会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第三四頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0036)
第31巻 p.363-364 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第三四頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第十六回救済部会
九月二十八日午前十時より当所に於て開会
 - 第31巻 p.364 -ページ画像 
 黒田救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、罹災民救助の方針を窮民救助の方針に改むる件
 本件は案を具して委員総会に提出する様、総務部に依頼すること
一、職業紹介事業資金融通の件
 本件は之を撤回すること
一、労働者住宅及共同宿泊所設置の件
一、托児所設置の件
一、職業補導所設置の件
 右三件は原案を修正可決せり
一、友阪金太郎氏より、災害の実況を活動写真に撮影し地方に於て映写の件
 本件は之を否決せり
一、道路整理隊編成に関する件
 本件は之を撤回すること
一、バラツク建設地附近に於ける共同炊事場等設置に対し相当補助をなすの件、右は外六件の提案者添田寿一君をして更に立案して提出せしむるに決す
一、組立家屋材料輸入税免除の件
 本件は之を可決せり
一、消防組合組織の件
 本件は宿題として引続き之を研究すること


東京商業会議所報 第六巻第一〇号・第二四―二五頁 大正一二年一一月五日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0037)
第31巻 p.364-365 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一〇号・第二四―二五頁 大正一二年一一月五日刊
 ○大震災善後会記事
○第三回委員総会
大正十二年九月二十八日午後一時十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、会計監督に関する件
 山科副会長及大橋・佐々木両委員を会計監督に嘱託する旨報告ありて承認
一、昨日迄の寄附金総額報告
一、被害家屋再築費及火災保険の件、保険官営の件
 商工業復興費の件、都市計画に関する件
 大震災地域に於ける借家人の権利義務に関する件
 孰練職工入市の件、其の他に関し当局と交渉の経過報告ありたり
    決議事項
第一 公設質屋設置の件(救済部提出)
 本件は黒田救済部長より説明ありて、原案通之を可決せり
第二 罹災地へ差当り寄附金の内金壱百万円支出の件(救済部提出)
 本件は黒田救済部長より説明ありて、原案通之を可決せり
第三 小学校の復旧と住宅の設備及避難民取扱とに関する件
                        (経済部提出)
 - 第31巻 p.365 -ページ画像 
 本件は阪谷経済部長より説明ありて、原案通之を可決せり
終りに本郷常務委員、小田原地方に於ける被害及救済の実況視察の報告ありたり(河井幹事朗読)
右の決議左の如し
    決議
  公設質屋設置の件
小額金融機関は災害前に比し一層の必要を感ずるに至れり、仍て速に適当の場所に府営質屋を設置せられむことを望む
    決議
  震災地へ差当り寄附金の内金壱百万円支出の件
罹災地へ差当り寄附金の内金壱百万円を支出すること
但其地方割当額及支出の緩急は総務部に一任すること
    決議
  小学校の復旧と住宅の設備及避難民取扱とに関する件
市区に於て小学校の復旧を急ぎ、教場用バラツク建設に要する材料・人夫を集むる為め、一般罹災者の住居の建築に要する材料・人夫の集め方に困難せるが如し、教育固より一日を忽にすべからずと雖も、住居の安定は焦眉の急なりとす、現存の小学校内に収容の避難民を開校の為め立退きを命ずるものあるとのことなれども、事情諒察するものなしとせず、依て当局に於て之等の事情を斟酌し、両者の間に緩急宜しきを制せられんことを望む


大震災善後会書類 【拝啓、然ハ小生等発起にて大震災善後会を組織致…】(DK310054k-0038)
第31巻 p.365-366 ページ画像

大震災善後会書類            (渋沢子爵家所蔵)
拝啓、然ハ小生等発起にて大震災善後会を組織致、大方之御賛同相願居候義ハ已ニ御承知之事と存候処、被害ある向に於ても大ニ同情を表せられ、続々御寄付御申込被下候次第ニ御座候、就て時節柄御迷惑とハ存候へとも、貴台ニ於ても奮て御寄附被成下度、平素の御懇意に任せ小生より御願申上候、右ハ参上親しく御依頼可申上候処、多忙之為め其意を不得、乍失礼書中得貴意候次第に御座候 敬具
 尚御寄付申込之主なるもの別紙に記し置候間、御参考迄御一覧被下度候
  九月二十八日              渋沢栄一
      小野英二郎殿
      菊池長四郎殿
      木村清四郎殿
      美濃部俊吉殿
       神田鐳蔵殿  各通
       福原有信殿
    清水組清水釘吉殿
       緒明圭造殿
      堀越角次郎殿
(別紙)
    大震災善後会寄附金申込人芳名簿
                      大正十二年九月調
 - 第31巻 p.366 -ページ画像 
金五拾万円
 男爵古河虎之助
金弐拾万五千弐百六拾九円九拾弐銭
 旧東京風水害救済会寄附金残金保管者
金拾万円
 服部金太郎
金七万円
 公爵徳川家達
金五万円宛
 子爵 渋沢栄一     藤田政輔  男爵 森村開作
    原六郎
金参万円宛
    和田豊治     大橋新太郎    馬越恭平
    各務鎌吉     団琢磨      村井吉兵衛
    藤山雷太     牧野元次郎
金弐万円宛
 日本郵船会社々長
    伊東米治郎 伯爵 松平直亮
金壱万五千円宛
    有賀長文     福井菊三郎    藤原銀次郎
金壱万円宛
 串田万蔵   武田秀雄           池田成彬  亀島広吉
 木村久寿弥太 藤瀬政次郎          安川雄之助 武村貞一郎
 菊本直次郎  南条金雄           小林正直  平田篤次郎
 今井利喜三郎 田中文蔵           牧田環   岩田謙三郎
 七海兵吉   藤岡浄吉           山科礼蔵  藤田謙一
 小田柿捨次郎 佐々木勇之助         結城豊太郎 成瀬正恭
 磯村豊太郎  内藤久寛           早川松之助 中山太一
 伯爵徳川達孝 石井徹《日本郵船会社副社長》 村井貞之助 若尾璋八
 白石元治郎  日本郵船会社社員一同     米山梅吉
 神戸挙一
              以上
 外ニ
米貨金弐万五千弗 米国人ロツドマン・ワナメーカー


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0039)
第31巻 p.366 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月一日 月 午前十時  大震災善後会救済部経済部会(商業会議所)
       午後一時半 大震災善後会常務委員会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二三頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0040)
第31巻 p.366-367 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二三頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
    ○経済部会
○第十一回経済部会
大正十二年十月一日より当所に於て開会
 阪谷経済部長議席に着き開議
 - 第31巻 p.367 -ページ画像 
    報告
一、救済部より提出ありたる職業紹介事業・糞尿汲取に対し寄附金を融通する件は、同部に於て撤回せる旨報告ありたり
    決議事項
一、現行商法中の適用除外例を設くる件
 本件は串田委員より(一)決算評価の場合(二)株主名簿消失の場合(三)株主に対する通告期間(四)民法失踪の規定等に関して、此際何等かの方法を講ずるを要する旨説明ありたり
 次に大橋委員より、本件に関しては目下工業倶楽部に於て七名の委員を挙げて研究しつゝある旨の報告ありたり
 尚本件は大橋・串田両委員に於て、材料を蒐集し立案の上、部長の下に提出することゝせり
一、生活革新を断行の件
 本件は部長の提出に係るものにして、大体の趣旨を阪谷部長より説明せる後、各委員会は其の趣旨に賛成し、常務委員会に提出することゝせり


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二一―二二頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0041)
第31巻 p.367 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二一―二二頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
    ○救済部会
○第十七回救済部会
大正十二年十月一日午前十時三十分より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席につき開議
一、木材配給方援助希望の件
 黒田部長より黒岡帯刀氏を紹介し、同氏は鎌倉方面の罹災実状を語り、木材配給につき本会の援助を希望せり
    決議事項
一、芝浦・墨田駅・療養所等の実地視察の件
 右は明二日午後一時より雨天ならざる限り視察すること
一、バラツクに関する件
 右は字句を修正して可決
一、人心善導に関する件
 右は之を可決し、字句の修正は部長に一任すること
一、対人信用貸出の件
 右は字句を修正して可決、総務部に提出すること
一、教育に関し文部当局を招き罹災後の措置に付所見を聴取すること


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第一九―二〇頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0042)
第31巻 p.367-368 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第一九―二〇頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
    ○常務委員会
○第五回常務委員会
大正十二年十月一日午後一時四十分より当所に於て開会
 粕谷副会長議長席に着き開議
    決議事項
 - 第31巻 p.368 -ページ画像 
  救済部提出案
第一、労働者住宅及共同宿泊所設置の件
第二、託児所設置の件
第三、職業補導所設置の件
第四、組立家屋材料輸入税免除の件
第五、罹災救助の方針を窮民救助に改むるの件
 右五件は原案通之を可決せり、尚此中の委員総会に提出す可きものと提出せざるものとの取捨は、総務部に一任することゝせり
一、生活革新を断行の件
 本件は阪谷経済部長より、提案の経過及其の趣旨の大要に関し説明ありたり
 本件は三土常務委員の修正案と共に、救済部に於て研究することゝなせり
    決議
第一 労働者住宅及共同宿泊所設置の件
第二 託児所設置の件
第三 職業補導所設置の件
 以上三案は労働者及失業者の救済、労働能率の増進の為め必要なる施設なるを以て、公共団体若くは公益団体をして此際速かに実施せしむることを望む
第四 組立家屋材料輸入税免除の件
 今次の震災復旧の為め、建築用木材・金属、其他の材料の輸入税は大部分免除せられたるに拘はらず、単り「木製品」中組立家屋に要する諸材料品の輸入税は、依然従価四割の高率を存置せるは、住宅復旧難を救済する所以にあらざるべし、故に之が関税を撤廃せられんことを望む
第五 罹災救助の方針を窮民救助に改むるの件
 政府は速かに一般罹災者救助の方針を改め、真に救助を必要とする窮民の救済に努められむことを望む


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0043)
第31巻 p.368 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月三日 水 午後一時半 大震災善後会救済部会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二二頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0044)
第31巻 p.368-369 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二二頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第十八回救済部会
大正十二年十月三日午後一時より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席に就き開議
一、文部省宗教局長武部欽一氏臨席し、教育等に関する罹災後の措置に付大体の説明ありたる後、各委員の質問に応答せり
    決議事項
一、来る五日午後一時より救済部会を開くこと
一、同五日午後二時より常務委員会を開くこと
一、生活革新を断行の件
 - 第31巻 p.369 -ページ画像 
 右は大体審議を遂げたるが、尚明後五日の救済部会に於て引続攻究すること
一、寄附者中東京市に寄附の条件を付したるものに関する件
 右は寄附者の意思を尊重して取扱ふこと
一、物品寄贈の申込に関する件
 右は総務部に一任すること
一、各官庁に対し官吏の寄附を勧誘する件
 右は之を可決せり


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0045)
第31巻 p.369 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月五日 金 午後二時 大震災善後会常務委員会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二〇頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0046)
第31巻 p.369 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二〇頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第六回常務委員会
大正十二年十月五日午後二時十分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、常務委員更迭に関する件
一、本月四日迄の寄附金累計に関する件
 右二件に関し報告ありて承認
    決議事項
一、生活革新を断行の件
 黒田救済部長より、阪谷経済部長の提出案を修正して提出せる経過の説明ありたる後、阪谷経済部長より最初の原案に就き詳細なる説明をなし、修正案に対する意見の発表ありたり、本件は前項を原案通り可決せり、但し次項の「参考」 ○略スは之を添へざることゝせり、終りに来る八九両日、湘南及房総方面の災害視察の件に付河井幹事より説明ありたり
    決議
  生活革新断行の件
今回の震火災に付、畏多くも皇室に於かせられては、罹災民の難苦を軫念あらせられ、率先質素節約の範を垂れさせ給へり、吾等臣民たる者は、儀礼・贈答・饗応等は勿論、衣食住の全般に亘り生活上奢侈の弊を避け、勤倹質実の気風を作興し、以て今次の大災厄に対する復興の実を挙ぐるに努めんことを期す


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0047)
第31巻 p.369 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月十一日 木 午前十時 大震災善後会経済部会(東京商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二三―二四頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0048)
第31巻 p.369-370 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二三―二四頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第十二回経済部会
大正十二年十月十一日午前十時より当所に於て開会
 - 第31巻 p.370 -ページ画像 
 阪谷経済部長議長席に着き開議
    報告
各務委員より送附せる一九〇六年四月二十八日の桑港大震災に於て火災保険金支払報告の訳文及西原亀三氏より送附せる国難匡救の一路に付、阪谷経済部長より報告ありたり
    決議事項
一、焼土の搬出を迅速にする件(大橋委員提出)
 本件は大橋委員より撤回せられたり
一、電話至急開設の件
 本件は幹事に於て当局者に就て取調報告の上研究することゝせり
一、現行商法中其の適用除外例を設くる件
 本件は大橋及串田両委員より提出ありたるが、之等を幹事に於て取纏め引続き研究することゝせり
一、備災基金に関する件(添田救済部委員提出)
 本件は将来に属する問題なるを以て、此の際当部に於ては之を審議せざることゝせり
一、俸給・給料四分の一を減ずるの件
 渋沢子爵の紹介により、手塚猛昌氏より、此の際官民協力して俸給給料の四分の一を減じ、以て一般に節約緊縮の実行を期するは、最も急務なる旨意見の発表あり
 本件は次回に於て攻究することゝせり
一、復興院其の他正式の機関追々運行開始せられたるにより、本会は漸次に撤退し、緊急の問題起れる場合には、適宜会合することゝせり、但し寄附金の募集には極力努むることゝせり


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0049)
第31巻 p.370 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月十二日 金 午後正一時 大震災善後会救済部会(北里博士来約)(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二二頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0050)
第31巻 p.370-371 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二二頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第二十回救済部会
大正十二年十月十二日午後一時三十分より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席につき開議
  罹災小児保護に関する件
一、黒田部長より北里・宮島両医学博士を紹介し、両博士より罹災小児保護につき所見と希望とを述べられたり
    報告
一、中村幹事より、明後十四日埼玉県下視察につき、多数者の参加を希望する旨報告ありたり
    決議事項
一、来る十九日午後一時被服廠跡に於ける追悼会に、大震災善後会として採る可き処置に関する件
 右は総務部に一任すること
 - 第31巻 p.371 -ページ画像 
一、罹災地へ寄附金の内金壱百万円を支出する件
 右は原案通之を可決す
一、災害防止の件
一、国民教育方針革新の件
 右の二件は参考として総務部に提出すること


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0051)
第31巻 p.371 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月十九日 金 午前十時  大震災善後会救済部経済部会(商業会議所)
        午前十一時 同常務委員会


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二四頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0052)
第31巻 p.371 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二四頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第十三回経済部会
大正十二年十月十九日午前十時二十分より当所に於て開会
 阪谷経済部長議長席に着き開議
    決議事項
一、火災保険問題に関する件
 火災保険問題の解決の非常に遷延することは商工業復興上妨害少からず、且新規の保険依頼にも不便を及ぼすを以て、此際政府は一大英断を以て、急速に本問題の解決を為す様注意すること
一、現行商法中其の適用除外例を設くる件
 本件は原案を修正可決し、直ちに本日の常務委員会に提出すること
一、電話至急開設の件
 本件に関しては河井幹事より当局と交渉の経過に就き詳細なる説明ありたるも、電話の復旧非常に遅延するときは商工業復活上非常の不便あるを以て、一時私設を許可する等何等か便宜の方法なきや、更に攻究すること


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二二―二三頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0053)
第31巻 p.371 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二二―二三頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第二十一回救済部会
大正十二年十月十九日午前十時三十分より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、失業者救済に関する件
 右は原案を可決し常務委員会に提出すること
一、罹災小児保護に関する件
 右は字句を修正し之を総務部へ提出すること
一、罹災婦人救護会費用補助の件
 右は市へ其の補助を乞ふ様総務部に交渉すること


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二〇―二一頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0054)
第31巻 p.371-373 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二〇―二一頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
 - 第31巻 p.372 -ページ画像 
○第七回常務委員会
大正十二年十月十九日午前十一時二十五分より当所に於て開会
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、十月八日及九日湘南及房総方面災害地視察の件
一、十月十四日埼玉県罹災地視察の件
 右二件に関し報告ありて承認
一、決議の処置に関する件
 生活革新を断行の件に関する決議は、之を生活改善同盟会其の他各関係方面に送り、罹災救助の方針を窮民救助に改むる件に関する決議は、臨時震災救護事務局に提出せるが、同局に於ては政府も此の決議の趣旨の如く、罹災民と窮民とを区別し漸次主として後者の救済に努めつゝある旨報告ありたり
一、十月十八日迄の寄附金総額の報告ありたり
一、本日午後一時より執行せらるゝ被服廠跡の追悼会には、会長及副会長臨席せらるゝも、尚有志委員は臨場せられ度き旨報告ありたり
    決議事項
一、罹災地へ寄附金の内金壱百万円支出の件(救済部提出)
 本件は黒田救済部長より詳細なる説明ありて原案通り之を可決せり
一、失業者救済に関する件(救済部提出)
 本件に関し黒田救済部長より案の大要に付説明ありたる後、立案者添田敬一郎君より提案理由に関し詳細なる説明ありたり
 本件は原案通り之を可決せり
一、現行商法中其の適用除外例を設くる件(経済部提出)
 本件は阪谷経済部長より同部に於て立案審議せる経過に就き詳細なる説明ありたり
 本件は原案通之を可決せり
 終りに渋沢子爵より、寄附金及火災保険問題に関する経過に就き詳細なる報告ありたり
 現行商法中其の適用除外例を設くる件
今回の大震に因り災害を蒙りたる会社は、現行商法の規定の下に実際上其の営業を継続すること殆ど不能の状態に陥れるもの多きを以て、政府は此の際主として左記の如き事項に関し、速に機宜の措置を講ぜられんことを望む

図表を画像で表示--

 第十二条      営業場所の変更に関する規定 第二十五条乃至   商業帳簿及信書に関する規定 第二十八条 第二十六条二項   財産の評価に関する規定 第百七十四条 第二百六十二条号 第百五十条     株主名簿其他の書類に関する規定 第百七十一条 第二百六十二条二 第百七十二条二   株主に対する通知若は催告に関する規定 第二百六十二条二 第百七十三条    社債原簿に関する規定 第百七十四条    会社が資本の半額を失ひたる場合に関する規定  以下p.373 ページ画像  第百九十五条    配当に関する規定 第二百三十三条   帳簿・信書・清算書類保存に関する規定 





大震災善後会報告書 同会編 第四三九頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0055)
第31巻 p.373 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第四三九頁 大正一四年一二月刊
 ○第五章 視察・慰問及敬弔
(二) 敬弔
○上略
一、大正十二年十月十九日午後一時ヨリ、本所被服廠跡ニ於テ東京府市合同主催大震災死亡者追悼式挙行ニ付キ、本会ヨリ霊前ニ供物ヲ奠シ、徳川会長、粕谷・渋沢・山科副会長、其他委員・幹事等多数参列セリ
○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0056)
第31巻 p.373 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十月廿三日 火 午前十時 大震災善後会救済部会(同会)


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二三頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0057)
第31巻 p.373 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二三頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第二十二回救済部会
大正十二年十月二十三日午前十時四十分より当所に於て開会
 黒田救済部長議長席につき開議
    決議事項
一、帰休兵に慰藉金贈与に関する件
 右は部長及幹事に一任すること
一、久留米商業会議所より寄贈の衣類二万枚分配の件
 本件は右二万枚中壱万枚を東京に、五千枚宛を神奈川県及千葉県に分配すること


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0058)
第31巻 p.373 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
十月廿六日 金 午後〇時半 大震災善後会経済部会
        午後一時半 同会常務委員会
        午後三時  同会委員総会(商業会議所)


大震災善後会書類 【拝啓来二十六日午後零時三十分後一時三十分後三時ヨリ…】(DK310054k-0059)
第31巻 p.373-374 ページ画像

大震災善後会書類          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓来二十六日午後零時三十分後一時三十分後三時ヨリ経済部会常務委員会委員総会開会致候ニ就テハ部員常務委員委員ヘ別紙通知差出置キ候間、御了承相成度、此段御通知申上候 敬具
  大正十二年十月二十三日
                     大震災善後会
                         幹事
    副会長 子爵 渋沢栄一殿
(別紙)
拝啓、陳ハ来ル二十六日(金曜日)午後零時三十分東京商業会議所ニ於テ経済部会相開キ、左記ノ件ニ付審議致候間御来会相成度、此段御通知申上候也
 - 第31巻 p.374 -ページ画像 
  大正十二年十月二十三日
              大震災善後会
               経済部長 男爵 阪谷芳郎
 左記
一、バラツク建ニテ営業中消防方特別注意ニ関スル件(阪谷経済部長提出)
(別紙)
拝啓、陳ハ来ル二十六日(金曜日)午後一時三十分東京商業会議所ニ於テ常務委員会相開キ、左記ノ件ニ付審議致候間御来会相成度、此段御通知申上候也
  大正十二年十月二十三日
               大震災善後会
                 会長 公爵 徳川家達
 左記
一、帰休兵ニ慰藉金贈与ニ関スル件
二、久留米商業会議所ヨリ寄附ノ衣服弐万枚分配ノ件
(別紙)
拝啓、陳者来ル二十六日(金曜日)午後三時東京商業会議所ニ於テ本会委員総会相開キ、左記ノ件ニ付審議致候間御来会相成度、此段御通知申上候也
  大正十二年十月二十三日
               大震災善後会
                 会長 公爵 徳川家達
 左記
一、罹災地ヘ寄附金ノ内金壱百万円支出ノ件(第二回分)
二、失業者救済ニ関スル件
  帰休兵《(栄一鉛筆)》ヘ慰藉金贈与ノ件モ、救済部会ニ於テ議決ノ上ハ、此総会ニモ附議スヘキモノト相考候事 栄一


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第二一頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0060)
第31巻 p.374-375 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第二一頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
○第八回常務委員会
大正十二年十月二十六日午後一時五十三分より当所に於て開会せり
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、現行商法中其の適用除外例を設くる件
 本件は政府に建議したるが、司法省に於ては当業者の実際に困難し居る具体的事項を詳細説明せられたき希望の旨報告ありたり
二、罹災児童保護の件
 本件に関し東京市と交渉経過報告ありたり
三、寄附金の件
 昨日迄の寄附金総額の報告ありたり
    決議事項
一、帰休兵に慰藉金贈与に関する件(救済部提出)
 - 第31巻 p.375 -ページ画像 
 本件は黒田救済部長より其の提出経過に就き詳細なる説明ありたる後、海軍をも考慮することゝし「帰休兵」を「陸海軍罹災帰休兵」に修正し、且「三千五百余名」の文字を削除して之を可決せり
一、久留米商業会議所より寄附の衣服二万枚分配の件
 本件は河井幹事より説明ありたる後、原案中分配の具体的数字を削除し、其の分配は総務部に一任することゝして可決せり
一、バラツク建にて営業中消防方特別注意に関する件
 本件は阪谷経済部長より説明ありて、原案通可決せり


東京商業会議所報 第六巻第一一号・第一八―一九頁 大正一二年一一月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0061)
第31巻 p.375-377 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一一号・第一八―一九頁 大正一二年一一月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
    ○委員総会
○第四回委員総会
大正十二年十月二十六日午後三時より、当所に於て開会せり
 徳川会長議長席に着き開議
 開会劈頭議長より、本日の委員総会には後藤復興院総裁出席の上演説ある預定なりしも、閣議の都合により出席なき旨報告ありたり
    報告
 左記諸件に就き河井幹事より報告ありたり
一、前日迄の寄附金応募高に関する件
二、物品の応募の件
 右は久留米商業会議所取扱の衣服二万枚は、目下汐留駅倉庫に保管中なる旨報告ありたり
三、前委員総会の決議に基く金壱百万円支出の件
四、埼玉県下災害地視察慰問の件
五、公設質屋設置の件、小学校復旧と住宅の設備及避難民取扱に関する件
六、常務委員会決議事項処置に関する件
 (イ) 労働者住宅及共同宿泊所設立の件
 (ロ) 托児所設立の件
 (ハ) 職業補導所設置の件
 (ニ) 組立家屋材料輸入税免除の件
 (ホ) 罹災救助を窮民救助に改むるの件
 常務委員会に於て決議せる右の五件は、夫々関係当局に具申したる経過の報告ありたり
七、常務委員更迭の件
 救済部常務委員島田剛太郎氏辞任せるにより、二条公爵に同部常務委員を嘱託せる旨報告ありたり
    決議事項
一、罹災地寄附金の内金壱百万円支出の件
 本件は田中救済部常務委員より説明ありて、原案通可決せり
一、失業者救済に関する件
 本件は添田(敬)救済部常務委員より説明ありて、原案通可決せり
一、陸海軍罹災帰休兵に慰藉金贈与に関する件
 - 第31巻 p.376 -ページ画像 
 本件は河井幹事より本日の常務委員会に於ける修正理由の説明ありて、原案通可決せり
一、久留米商業会議所より寄附の衣服二万枚分配の件
 本件は河井幹事より本日の常務委員会に於ける修正理由の説明ありて、原案通可決せり
一、副会長更迭の件
 今回藤山東京商業会議所会頭帰朝せるにより、山科副会長辞任し、藤山会頭本会副会長に推薦せられたり、尚山科君は経済部常務委員に嘱託せられたり
    決議
 一、罹災地へ寄附金の内金壱百万円支出の件
罹災地へ寄附金の内金壱百万円を支出すること
 但し其地方割当額及支出の緩急は、総務部に一任すること
 二、失業者救済に関する件
空前の震災に際し失業者の数漸く多きを加へ、之れか救済は痛切に其必要を感ぜずんばあらず、殊に罹災労働者若は将来労働に依らされば生活の途を得ざる者の如き、直接の救済打切と共に必然襲ひ来るべき飢餓と凍寒の苦痛を愈増大ならしむるに至らん、其結果は単り思想上に悪影響を及ぼすのみならず、禍根を将来に貽すの憂なしとせず、須らく政府は此際失業者の救済に関し、敏速且徹底的に適当の手段を講ぜられんことを望む
 三、陸海軍罹災帰休兵に慰藉金贈与に関する件
陸海軍罹災帰休兵に対し慰藉金を贈与することゝし、其総額並に其配給方法は総務部に一任すること
這回の大震災に付、美談逸話と共に悲惨同情に堪へざるもの尠からずと雖も、東京附近屯在の軍隊が、震災の当初より或は防火に、或は救護に不眠不休の行為を為し、自家の倒潰焼失若くは父母兄妹の安否を訪ふの暇なく、偶一家近親の全滅を耳にするも之を顧みることを得ず専心奉公の至誠を効し、多大の貢献を為したるは、当然の任務なりとは言へ真に感すべく、又同情に堪へざる所なりと謂ふべし、陸軍当局に於ても是等の事情を斟酌して、本年十一月末日に帰休となるべき兵士に対して、家庭の事情に依り十月二十五日に繰上げ帰休せしめ、又今後一年の在営兵に対しては、一ケ月間の請願休暇を許すことと為せり、然るに是等帰休若くは休暇となる者等は真に裸一貫にして一家を再興し、或は老幼を扶養せざるべからざるの悲境に立つもの頗る多し誠に憫然の極と謂ふべし、依て本会は是等の罹災兵士の為め慰藉金を贈り、以て帰郷後に於ける一家復興の資の一部に供せしむるを最も適切緊要なりと認む
    罹災者調査表(九月末調)

図表を画像で表示罹災者調査表(九月末調)

 程度  団隊     近衛師団  第一師団   其他の部隊   計 甲    二四     六一      一二     九七 乙   三三〇    八二六     一六五   一三二一 丙   五二八   一三二二     二六四   二一一四 計   八八二   二二〇九     四四一   三五三二 




 - 第31巻 p.377 -ページ画像 
  (備考)程度甲、家族全部死亡又は主働者死亡の為本人主宰となり全家族の扶養を必要とするもの
      程度乙、罹災の為主動者を失はざるも生計甚だ困難となり救助の必要あるもの
      程度丙、家屋焼失又は倒壊し損害大なる者
 四、久留米商業会議所より寄附の衣服二万枚分配の件
久留米商業会議所に於て其取扱に係る衣服二万枚(内容は目録未着の為判明せず)寄贈し来れり、依て之れが分配を総務部に一任すること


大震災善後会報告書 同会編 第六九―七七頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0062)
第31巻 p.377-378 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第六九―七七頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略
 四八 罹災地ヘ寄附金ノ内金壱百万円支出(第二回)ノ件
  右ハ十月十二日部会ニ於テ議決シ、更ニ同月十九日常務委員会及同月二十六日委員総会ニ付議シテ、左ノ決議ヲ得タリ
    決議
   罹災地ヘ寄附金ノ内金壱百万円(第二回)ヲ支出スルコト、但其地方割当額及支出ノ緩急ハ、総務部ニ一任スルコト
  総務部ニ於テハ、大体第一回分ノ寄附金配当ノ際付与シタルト同一ノ条件ヲ付シ、特ニ東京・横浜両市ノ救護状況ヲ参酌シテ、左ノ如ク配分シタリ

図表を画像で表示--

 配分先    金額         内訳及使途 一東京市   三〇〇、〇〇〇円   イ   東京市養育院安房分院復旧費                 五〇、〇〇〇円                   ロ   簡易手工業授産場三ケ所建設及一ケ年分経常費         七〇、〇〇〇                   ハ   罹災学童七万人ニ対シ「ゴム」靴及雨傘給与費        一〇五、〇〇〇                   ニ   罹災幼児託児所八ケ所設備及一ケ年経常費           七五、〇〇〇 二東京府   三〇〇、〇〇〇    イ   臨時職業紹介所七ケ所補助費   三〇、〇〇〇                   ロ   小資融通機関設置費(既設公益質舗三ケ所、新設出張所二ケ所)一〇〇、〇〇〇                   ハ   家庭副業奨励費(直接又ハ団体助成)            一〇〇、〇〇〇                   ニ   東京府保育所保姆養成所一ケ所設置費             一〇、〇〇〇                   ホ   隣保館一ケ所建設及経常費                  六〇、〇〇〇 三横浜市   一〇〇、〇〇〇    イ   労働合宿所一ケ所新設及一ケ年分経常費            三〇、二八六                   ロ   公衆集合所一ケ所新設及一ケ年分経常費            二九、七一四                   ハ   婦人授産所一ケ所新設及一ケ年分経常費            四〇、〇〇〇 四神奈川県  一五〇、〇〇〇    イ   婦人宿泊所二ケ所新設費                   三三、四八〇                   ロ   巡回助産婦班八班一ケ年分経常費               三五、六四〇                   ハ   海員宿泊所一ケ所建築費                   二五、〇〇〇                   ニ   職業補導所費追加                      一六、六八七                   ホ   婦人授産所一ケ所新設費                   二七、〇〇二                   ヘ   法律相談所二ケ所一ケ年分経常費                二、一六〇                   ト   託児所五ケ所補修費                     一〇、〇三一 五千葉県    七〇、〇〇〇    イ   農産物販売斡旋費                      三六、〇〇〇                   ロ   畜産業救済設備費                      一三、〇〇〇                   ハ   育児園補助費                         五、〇〇〇                   ニ   救療費実費                          一、四〇〇                   ホ   商品共同収納所建築費                     九、六〇〇  以下p.378 ページ画像                    ヘ   副業奨励費                          五、〇〇〇 六埼玉県    三五、〇〇〇        第一回分ニ同シ 七静岡県    三五、〇〇〇    イ   救助米代金給与                        二、一九〇                   ロ   熱海町公設市場建築費半額補助                 二、〇〇〇                   ハ   震災地復興資金町村交付金(第三回分(ロ)ト合併)      三〇、八一〇 八山梨県    一〇、〇〇〇        罹災地副業奨励費計 計    一、〇〇〇、〇〇〇 




○中略
 五五 久留米商業会議所ヨリ寄附ノ衣服類二万点分配ノ件
  右ハ十月二十三日部会 ○救済部会ニ於テ議決シ、更ニ同月二十六日常務委員会及委員総会ニ付議シテ左ノ決議ヲ得タリ
    決議
   久留米商業会議所ニ於テ、其取扱ニ係ル衣服類二万点寄贈シ来レリ、依テ之カ分配ヲ総務部ニ一任スルコト
  総務部ニ於テハ、罹災人口数並救済状況ヲ参酌シ、左ノ如ク配分シタリ

     府県別      配分数量
   一 東京府    約七、〇〇〇点(包四〇箇)
   二 神奈川県   約一〇、〇〇〇点(包六八箇)
   三 千葉県    約三、〇〇〇点(包二〇箇)
     計      約二〇、〇〇〇点(包一二八箇)

○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0063)
第31巻 p.378 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十一月二日 金 午前十時 大震災善後会経済部会(商業会議所)


東京商業会議所報 第六巻第一二号・第二六頁 大正一二年一二月一〇日刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0064)
第31巻 p.378-379 ページ画像

東京商業会議所報  第六巻第一二号・第二六頁 大正一二年一二月一〇日刊
 ○大震災善後会記事
    ○経済部会
○第十五回経済部会
大正十二年十一月二日午前十時二十分より当所に於て開会せり
 阪谷経済部長議長席に着き開議
    報告
一、バラツク建にて営業中消防方特別注意に関する件
前回の経済部会及常務委員会の本件に関する決議を携へ、白井書記幹事代理人として警視庁緒方消防部長及笹井保安部長に面会交渉せる経過に付、議長及同書記より詳細なる報告ありたる後、星野委員より今後は火災期に向ふを以て、火災に対する予防方法を一層完全に講究せられたき旨希望ありたり
    協議事項
一、臨時無線電話公衆施設に関する件
本件は其の提案者たる頼母木救済部委員より原案に就き詳細なる説明ありたり、尚本件に関して当局の意嚮をも徴する必要あるにより、逓信省書記官より、無線電話の地域による分類及用途の分類、無線電話の欧米諸国に於ける発達及現況、我国に於ける無線電話問題、無線電
 - 第31巻 p.379 -ページ画像 
話の効力等に関し、専門当局者として詳細なる説明ありたり、尚最後に今日の市内電話の復旧程度及電話復旧完成に就きても、精細なる説明ありたり、右終りて出席委員交々質問応答を重ね、隔意なき意見の交換を行へり
    決議事項
一、臨時無線電話公衆施設に関する件
本件は引続き次回に於て攻究する事


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0065)
第31巻 p.379 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
十一月十二日 月 大震災善後会へ御出向


渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月至同年十二月 高田利吉筆記(DK310054k-0066)
第31巻 p.379 ページ画像

渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月至同年十二月  高田利吉筆記
                      (財団法人竜門社所蔵)
○十一月十四日
○上略
△大震災善後会幹事河合弥八氏《(河井弥八氏)》の訪問を受け、寄付金の募集及其配付の事につき打合せらるゝ所あり
   ○中略。
○十一月十七日
○上略
△小崎弘道氏カナダの宗教家某を同伴して飛鳥山邸へ参邸す、震災後の宗教上の施設につきて、東京市社会課の助力を得んことを希望すれとも能はさるにより、大震災善後会の幇助を仰きたしといふなり幹事に相談の上何分の取計をなすへしと答へらる
○下略
   ○中略。
○十一月十九日
○上略
△十時過東京商業会議所に赴き、善後会の事につき服部書記長に注意せらるゝ所あり ○中略 又一昨日小崎弘道氏より申出の件につき、河合氏と十分協議せんことを命せらる
○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0067)
第31巻 p.379 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年       (渋沢子爵家所蔵)
十一月三十日 金 午後一時  大震災善後会救済部会(同会)
   ○中略。
十二月 四日 火 午前九時半 大震災善後会総務部会(商業会議所)


渋沢子爵親話日録 第二 自大正十二年十二月至 高田利吉筆記(DK310054k-0068)
第31巻 p.379-380 ページ画像

渋沢子爵親話日録 第二 自大正十二年十二月至  高田利吉筆記
                      (財団法人竜門社所蔵)
○十二月五日
○上略
△東京商業会議所に於て午後一時半より善後会常務委員会に引つゝきて委員総会開会につき出席せらる、此日後藤復興院総裁出席の筈な
 - 第31巻 p.380 -ページ画像 
りしが、都合により宮尾副総裁代りて出席し、同院の経営について説明する所ありたり ○下略


東京商業会議所報 第七巻第一号・第二九頁 大正一三年一月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0069)
第31巻 p.380 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第一号・第二九頁 大正一三年一月刊
 ○大震災善後会記事
    ○宮尾復興院副総裁及直木技監の講演
五日 ○大正一二年一二月委員総会終了後、午後三時より後藤復興院総裁本会に出席して復興事業に関する講演ある予定なりしが、閣議の都合により宮尾復興院副総裁及同院直木技監総裁に代りて出席せられ、宮尾副総裁よりは、復興院に於ける政府の復興計画概要に就き、直木技監よりは、其の中特に道路及運河の復興計画に関し詳細なる説明ありたり、右終つて出席委員は夫々質問及意見の開陳を為し、懇談を重ねて閉会せり


東京商業会議所報 第七巻第一号・第二八頁 大正一三年一月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0070)
第31巻 p.380 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第一号・第二八頁 大正一三年一月刊
 ○大震災善後会記事
    ○常務委員会
大正十二年十二月五日 当所に於て第九回常務委員会を開会したり
        午後一時三十分開議
  会議ノ開閉
        午後二時十五分閉議
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、本月四日迄の寄附金応募高に関する報告
一、第二回罹災地へ寄附金の内壱百万円支出の件
本件に関し、各罹災地へ割当支出額の報告ありたり
    決議事項
一、罹災者救護に従事する社会事業団体に寄附金交付の件(救済部提出)
本件は、中村幹事より大体の説明ありて、原案通り之を可決せり
二、罹災欧米人仮住宅建設に対し寄附金交付の件(救済部提出)
本件は、河井幹事より大体の説明ありて、原案通り之を可決せり
三、残余寄附金の処分を総務部に一任するの件(救済部提出)
本件は、中村幹事より大体の説明ありて、原案通り之を可決せり
四、指定寄附に関する件(緊急動議)
本件は成る可く寄附者の意思をも参酌することゝし総務部に一任せり
    附帯決議
 尚終りに阪谷経済部長より、爾後本会に於ける余り重大ならざる事項は、臨機総務部に於て関係代表者を招集し之を処理したき旨提案ありて、之を可決せり


東京商業会議所報 第七巻第一号・第二八―二九頁 大正一三年一月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0071)
第31巻 p.380-381 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第一号・第二八―二九頁 大正一三年一月刊
 ○大震災善後会記事
    ○委員総会
大正十二年十二月五日 当所に於て第五回委員総会を開会したり
 - 第31巻 p.381 -ページ画像 
        午後二時二十分開議
  会議の開閉
        午後四時三十分閉会
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、本月四日迄の寄附金応募高に関する報告
二、第二回罹災地へ寄附金の内金壱百万円支出之件
本件に関し各罹災地へ割当支出額の報告ありたり
三、本会に於ける決議は関係当局へ具申の件
本件に関し、失業者救済に関する件は臨時震災救護事務局及内務大臣に、バラツク建にて営業中消防方特別注意に関する件は東京市長及警視総監に、夫々具申せる旨報告ありたり
四、陸海軍罹災帰休兵に慰藉金贈与に関する件
本件は、陸海軍罹災帰休兵に慰藉金として金拾万円を寄贈せる旨報告ありたり
五、久留米商業会議所より寄附の衣類二万枚分配の件
本件は東京府・神奈川県・千葉県に夫々適宜分配せる旨報告ありたり
六、委員の移動及協議員嘱託に関する報告
    決議事項
一、罹災者救護に従事する社会事業団体に寄附金支出の件
 罹災者の救護に従事する社会事業の団体に対し、適当の事業を選定し、之が経営費として金五拾万円を限り交付すること、但其団体・事業及交付金額の決定は、総務部に一任すること
本件は河井幹事より説明ありて、原案通り之を可決せり
二、罹災欧米人仮住宅建設に対し寄附金支出の件
 京浜在住欧米人間に、仮住宅を建設せんと目下計画中なり、依て之に対し金五万円を寄附すること
本件は河井幹事より説明ありて、原案通り之を可決せり
三、残余寄附金の処分は総務部に一任するの件
 寄附金の内既に支出すべきものと議決したるもの及必要の経費を除き、残余は其処分を総務部に一任すること、但し総務部は救済・経済両部長並会計監督の意見を徴し実行するものとす
本件は河井幹事より説明ありて、原案通り之を可決せり
四、指定寄附に関する件
本件は総務部に一任すること


大震災善後会報告書 同会編 第七七―八三頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0072)
第31巻 p.381-383 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第七七―八三頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略
 五六 罹災者救護ニ従事スル社会事業団体ニ寄附金ノ内金五拾万円(第一回)交付ノ件
  右ハ十一月三十日部会 ○救済部会ノ議決ヲ経、更ニ十二月五日常務委員会及委員総会ニ付議シテ左ノ配当決議ヲ得夫々交付ヲ了シタリ
    決議
 - 第31巻 p.382 -ページ画像 
   罹災者ノ救護ニ従事スル社会事業団体ニ対シ、適当ノ事業ヲ特定シテ、之カ経営費トシテ金五拾万円ヲ限リ交付スルコト、但其団体・事業及交付金額ノ決定ハ、総務部ニ一任スルコト
○中略
 五七 在京浜罹災欧米人仮住宅建設ニ対シ寄附金交付ノ件
  右ハ十一月三十日部会ノ議決ヲ経、更ニ十二月五日常務委員会及委員総会ニ付議シテ左ノ決議ヲ得、之カ交付ヲ了シタリ
    決議
   京浜在住罹災欧米人間ニ仮住宅ヲ建設セムト目下計画中ナリ、依テ之ニ対シ金五万円ヲ寄附スルコト
  尚本件提案ノ理由左ノ如シ
   在京浜欧米人ノ罹災者ニシテ、住居ヲ失ヒ困難ヲ極ムル者約百五十名アリ、邦人トハ生活・思想・風俗・言語・習慣等ヲ異ニスルヲ以テ、之ヲ一般ノ「バラツク」ニ収容スルヲ得ス、依テ此等外人ノ為仮住宅建設ノ挙アルヲ聞キ、其土地整理区画並所要設備費トシテ金五万円ヲ支出セムトス
   (備考)大正十三年二月二十九日総務部会ニ於テ更ニ金参万五千円以内ヲ追加補助スルコトヲ決議シタルカ、後壱万五千円ニ改定、之カ交付ヲ了シタリ
 五八 残余寄附金ノ処分並経済部ノ事務ヲ総務部及会計監督ニ一任スルノ件
  右ハ十一月三十日部会ニ於テ、残余寄附金ノ処分ニ関スル事務ノ委任ノミニ付キ議決シタルカ、十二月五日ノ常務委員会ニ於テ、経済部ノ事務モ併セ委任スルコトニ修正議決シ、而シテ同日委員総会ニ付議シ、之カ決議ヲ見タリ
 五九 指定寄附金ノ処分ヲ総務部及会計監督ニ一任スルノ件
  右ハ十二月五日ノ常務委員会及委員総会ニ於テ之カ決議ヲ為シタリ、総務部ハ、速カニ震災救護ノ実績ヲ挙クルコト、及事業報告書ヲ提出スルコトノ条件ヲ付シテ、寄附者ノ意思ニ基キ、指定ノ如ク直チニ其交付ヲ了シタリ、左ノ如シ

図表を画像で表示--

   寄附者          金額          被指定者又ハ事業        交付ノ方法                円 一 末延道成         一〇、〇〇〇・〇〇   鉄道省被災者          直接 二 益田太郎          八、〇〇〇・〇〇   東京府荏原郡品川町       東京府ヲ通ス 三 同             二、〇〇〇・〇〇   神奈川県小田原町        神奈川県ヲ通ス 四 同             一、〇〇〇・〇〇   神奈川県足柄下郡大窪村字板橋  同上 五 井田磐楠             五〇・〇〇   同郡片浦村字江ノ浦       同上 六 関口正夫            六〇〇・〇〇   すみれ孤児院孤児養育費     直接 七 マリア・ウオルタース       四一・二〇   桜楓会罹災児童保育事業費    直接 八 ラ・ファブリックモエリ会社 二、〇〇〇・〇〇   竜定一氏深川ニ於ケル救済事業費 直接 九 玉川とよ外八十五名     六、八七九・五二   東京市             直接 十 山梨県峡南睦会青年団       二〇・〇〇   東京市聯合少年団        東京市ヲ通ス 十一甲府市太田町一同外一名     一二五・〇〇   神奈川県            直接 十二玉川とよ外七十名      三、〇四七・六四   横浜市             直接 十三甲府市役所吏員一同        二五・〇〇   横須賀市            神奈川県ヲ通ス 十四ルイ・シーゲル          五四・〇五   罹災洋楽家田中規矩士氏     直接 計              三三、八四二・四一 




 - 第31巻 p.383 -ページ画像 
   尚此外、竹居要外二名ノ、在東京山梨県人ヘノ指定寄附金参拾四円参拾七銭ハ、被指定者ニ交付スルコト能ハサル事情アリテ、之カ指定ノ取消アリタルヲ以テ、一般ノ寄附金トシテ処分シタリ
○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK310054k-0073)
第31巻 p.383 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
十二月廿六日 水 午後二時半 大震災善後会総務部会
                      (貴族院議長官舎)


東京商業会議所報 第七巻第一号・第二九頁 大正一三年一月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0074)
第31巻 p.383 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第一号・第二九頁 大正一三年一月刊
 ○大震災善後会記事
    ○総務部会
大正十二年十二月二十六日午後二時三十分より貴族院議長官舎に於て開会し、午後四時三十分閉会せり
 徳川会長議長席に着き開議
    報告
一、河井幹事より、本日迄の寄附金総額、払込金額支出決定金額中支出済並未支出金額等に就き、詳細報告ありたり
    協議事項
一、社会事業団体に対し寄附金の一部支出に関する件
 本件は河井幹事より、多数の社会事業団体中より適当と認むるものを選定したる経過に就き、詳細報告あり、協議の上其中十団体に対し支出することゝし、尚支給金額を決定し、其他の団体に就きては充分調査の上、次回に於て協議することゝせり
一、寄附金未払込者に対し、尚一回督促状を発送すること


大震災善後会報告書 同会編 第七七―七九頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0075)
第31巻 p.383-384 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第七七―七九頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略
 五六 罹災者救護ニ従事スル社会事業団体ニ、寄附金ノ内金五拾万円(第一回)交付ノ件
○中略
   (一)十二月二十六日総務部会ニ於テ、速ニ震災救護ノ実績ヲ挙クルコト、事業報告書ヲ提出スルコト、随時視察ヲ受クヘキコトノ条件ヲ付シテ、配当決定シタルモノ左ノ如シ

図表を画像で表示--

 団体名                  金額       使途                      円 一 救世軍日本本営            七〇、〇〇〇   救世軍病院建築及設備費補助 二 財団法人桜楓会            三〇、〇〇〇   イ児童保育及教育相談      八、一〇〇円                               ロ乳児預所          一一、〇五〇                               ハ婦人授産所         一〇、八五〇 三 財団法人日本日曜学校協会本部     五〇、〇〇〇   孤児及迷児収容、児童慰安、託児所及児童保護 四 本派本願寺東京出張所         三〇、〇〇〇   三河島託児所及隣保事業 五 財団法人盲人教育会財団盲人技術学校   六、〇〇〇   罹災盲人指導教育 六 浅草寺                一八、〇〇〇   不良少年収容保護教化ノ為メ、施無畏学園建設及設備  以下p.384 ページ画像  七 同上                  三、〇〇〇   児童図書館図書購入 八 婦人向上会               五、〇〇〇   罹災婦人ノ救護、手芸教授、職業紹介及相談所 九 すみれ孤児院(仏人セントルイズ嬢経営) 五、〇〇〇   孤児収容 十 大谷派本願寺東京寺務所        三〇、〇〇〇   浅草本願寺境内婦人「ホーム」及隣保事業 計                   二四七、〇〇〇 


○下略


集会日時通知表 大正一三年(DK310054k-0076)
第31巻 p.384 ページ画像

集会日時通知表  大正一三年      (渋沢子爵家所蔵)
二月十二日 火 午前十時 大震災善後会総務部会(商業会議所)


東京商業会議所報 第七巻第三号・第二八頁 大正一三年三月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0077)
第31巻 p.384 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第三号・第二八頁 大正一三年三月刊
 ○大震災善後会記事
    ○総務部会
大正十三年二月十二日東京商業会議所に於て開会せり
        午前十時四十分開議
  会議の開閉
        午後零時四十分閉会
 粕谷副会長議長席に着き開議、後徳川会長出席、議長席に着く
一、河井幹事より、本日迄の寄附金応募状況・払込額・未払込額・救済費交付内訳・寄附物品の処分・銀行勘定・事務費、其後五千円以上の寄附者十四名に対し協議員嘱託の件等に就き、及東京・神奈川千葉方面に於ける地方団体・社会事業団体の救護施設視察の状況に就き、詳細なる報告ありたり
    決議事項
一、寄附金未払込分処理の件
 本件は未納者に対して各関係者より此際至急払込方を督促すること
一、社会事業団体への寄附未決定額処理の件
 本件は曩に決定したる金五拾万円中残額金弐拾五万二千円の交付先に就き、慎重攻究の上十団体に割当て交付することに決せり
一、寄附金残額処分に関する件
 本件は必要なる経費を除きたる残額を、罹災府県・社会事業団体、其他に交付することゝし、其団体・割当金額等に就きては、尚充分調査攻究すること、特に外国人・篤志家への交付、警察官・在郷軍人会への慰労金等に就きても考慮すること
一、災害地の復旧状況・同救護状況視察の件
 本件は近く期日を定め、災害地殊に東京・横浜の復旧状況・救護状況及本会交付金に拠る施設事業を、精細に視察すること
一、火災保険問題及経済復興問題に関する件
 本件は本会経済部会に於ける重要問題にして、極力之が実行に努力したるも、未だ其実現を見ざるは遺憾の至りなるを以て、此際本会最後の方針を決定し、政府当局に対し其実行を迫り、尚之を社会に発表する事


大震災善後会報告書 同会編 第七七―八〇頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0078)
第31巻 p.384-385 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第七七―八〇頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
 - 第31巻 p.385 -ページ画像 
○上略
 五六 罹災者救護ニ従事スル社会事業団体ニ、寄附金ノ内金五拾万円(第一回)交付ノ件
○中略
   (二)大正十三年二月十二日総務部会ニ於テ(一)ト同一ノ条件ヲ付シテ配当決定シタルモノ左ノ如シ


図表を画像で表示--

 団体名          金額      使途              円 一 浄土宗労働共済会    三二、〇〇〇 実費宿泊・簡易食堂、其他隣保事業ノ為メ江東社会館建設・設備及図書購入 二 同上           四、〇〇〇 罹災地巡回慰問 三 社団法人婦人共立育児会 二〇、〇〇〇 病児救療・乳児保育(施療) 四 賛育会         三〇、〇〇〇 産院、乳児及幼児保育(施療) 五 希望社         三〇、〇〇〇 上野会館ニテ隣保事業・簡易宿泊・罹災女学生ノ教養、青山外苑「バラック」内ニテ盲人救護及教養 六 日本基督教青年会同盟  六一、〇〇〇 イ 商工青年並徒弟補習教育・実費宿泊及集会娯楽場トシテ、商工青年仮会館建築及設備      五〇、〇〇〇                      ロ 青山「バラック」天幕事業六ケ月分                             一、〇〇〇                      ハ 青山ニ於テ罹災少年全人教育                               一〇、〇〇〇 七 「ガーデンホーム」    七、〇〇〇 初期肺結核患者療養・慰安(施療) 八 同情園幼児保育所     五、〇〇〇 託児事業 九 財団法人東京養老院   二五、〇〇〇 老癈者収容救養 十 服業治産会       三五、〇〇〇 罹災木工救済及徒弟養成 十一 仏眼協会本部      四、〇〇〇 失明防止及盲人救済 計            二五三、〇〇〇 通計           五〇〇、〇〇〇 




○下略

集会日時通知表 大正一三年(DK310054k-0079)
第31巻 p.385 ページ画像

集会日時通知表  大正一三年       (渋沢子爵家所蔵)
二月廿九日 金 午前十時 大震災善後会総務部会(貴族院議長官舎)


東京商業会議所報 第七巻第三号・第二八頁 大正一三年三月刊 ○大震災善後会記事(DK310054k-0080)
第31巻 p.385-386 ページ画像

東京商業会議所報  第七巻第三号・第二八頁 大正一三年三月刊
 ○大震災善後会記事
    ○総務部会
○大正十三年二月二十九日(金曜日)午前十時十五分より貴族院議長官舎に於て開会し、正午閉会せり
 徳川会長議長席に着き開議
一、会務報告の件
 本件は河井幹事より、寄附金払込額・未払込額及其人名、前回総務部会に於て決定せる交付金の処分、其後の救護状況視察並に社会事業団体調査の結果等に就き、詳細報告ありて承認
    決議事項
一、社会事業団体に対し第二回交付金割当支出の件
 本件は河井幹事より、慎重調査せる原案に就き説明ありたる後、一部修正の上、二十一団体に対し四五八、〇〇〇円割当交付することに決せり
一、罹災府県に対し第三回交付金支出の件
 本件は慎重調査の上、金壱百万円を東京府・神奈川県・千葉県・埼玉県・静岡県に割当支出することに決せり
 - 第31巻 p.386 -ページ画像 
一、罹災欧米人寄宿舎建設に対し寄附金交付の件
 本件は京浜在住罹災欧米人間に計画中の寄宿舎建設に対し、金三万五千円以内を交付することに決せり
一、本会より交付したる寄附金を以て施設せる救護事業視察の件
 本件は幹事其他をして該事業を精細調査せしめ、之を報告書に掲載すること
一、災害地の復旧状況並に救護状況視察の件
 本件は副会長・両部長・会計監督・救済部委員・幹事の有志等左記日程に依り視察すること
  一、東京方面  三月一日・七日・十日・十一日
  一、横浜方面  三月五日・八日
一、次回総務部会並全委員に対する報告会開催の件
 本件は来三月十三日午後四時より総務部会を、午後五時頃より報告会を開催すること、其場所は会長に一任


大震災善後会報告書 同会編 第八三―八七頁 大正一四年一二月刊(DK310054k-0081)
第31巻 p.386-387 ページ画像

大震災善後会報告書 同会編  第八三―八七頁 大正一四年一二月刊
 ○第三章 救済事業
    第一節 会議事項及其措置
○上略
 六一 罹災者救護ニ従事スル社会事業団体ニ寄附金ノ内金四拾五万八千円(第二回)交付ノ件
  右ハ二月二十九日総務部会ニ於テ決議シ、第一回分ト同一ノ条件ヲ付シ、左ノ如ク配当シタリ


図表を画像で表示--

 団体名              金額       使途                  円 一   浅草寺          二〇、〇〇〇   施療病院経常費六ケ月分 二   増上寺          一五、〇〇〇   託児・実費宿泊及簡易食堂 三   財団法人桜楓会      二〇、〇〇〇   児童保育及教育相談所設備(追加) 四   日本基督教女子青年会本部 二〇、〇〇〇   月島ニ於ケル救済事業 五   東京基督教青年会     一〇、〇〇〇   罹災者収容及救済事業 六   本所基督教産業青年会   三〇、〇〇〇   無料診療所、隣保事業 七   基督友会奉仕団友愛園    七、〇〇〇   深川ニ於ケル救済事業 八   東京三崎会館       三〇、〇〇〇   罹災者収容・宿泊・救護・診療・託児其他隣保事業 九   中国基督教青年会協会   五〇、〇〇〇   罹災支那留学生寄宿舎建設 十   相愛会          三〇、〇〇〇   罹災朝鮮学生収容、鮮人宿泊所及集会所建築設備 十一  日印協会         一〇、〇〇〇   在横浜罹災印度人ノ宿舎及事務所建設補助 十二  精神病者救治会      一〇、〇〇〇   精神病者救治(施療)及保護 十三  日本精神医学会       五、〇〇〇   精神的虚弱者ノ治療・矯正(施療)、及研究 十四  財団法人滝乃川学園    二〇、〇〇〇   精神薄弱児ノ収容・養護 十五  社団法人茗渓会      一〇、〇〇〇   罹災学生ノ夜間中学 十六  財団法人東京府市場協会  四〇、〇〇〇   精米工場及倉庫建設費補助 十七  日本基督教青年会同盟   三八、〇〇〇   横浜ニ於ケル外人簡易宿泊所・簡易食堂及徒弟補習教育・罹災少年慰安 十八  千葉県育児園        五、〇〇〇   孤貧児ノ収容・教養 十九  財団法人神山復生病院   一〇、〇〇〇   癩患者収容事業費補助 二十  富士育児院         二、〇〇〇   孤児及老癈者収容事業費補助 二十一 神奈川県下社会事業団体  七六、〇〇〇   神奈川県下ニ於ケル二十九ノ社会事業団体六ケ月分経常費     計           四五八、〇〇〇 





 六二 罹災地ヘ寄附金ノ内金壱百万円(第三回)支出ノ件
 - 第31巻 p.387 -ページ画像 
  右ハ二月二十九日総務部会ニ於テ決議シ、地方割当ニ際シテハ被害並救済ノ状況ヲ参酌シ、且別項社会事業団体ニ対スル支出カ大体ニ於テ市内ニ於ケル施設ナルニ鑑ミ、市ヲ除キ左ノ如ク配分シタリ、而シテ総テ其使途ニ付キ本会ニ協議スルコトトシ、事業報告ニ付テハ前例ニ準ス


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 配分先    金額       内訳及使途 一 東京府  四〇〇、〇〇〇円 イ 隣保事業二ケ所新設及一ケ年分経常費                              九〇、〇〇〇円                 ロ 乳幼児健康相談所及乳幼児健康訪問委員拡張費十ケ所分                      三〇、〇〇〇                 ハ 少年職業相談所一ケ所新設及一ケ年分経常費                           三五、〇〇〇                 ニ 小資本貸出運転資金増額                                   一〇〇、〇〇〇                 ホ 実費病院一ケ所新設及一ケ年分経常費                             一二〇、〇〇〇                 ヘ 社会事業聯絡統制機関設備費                                  二五、〇〇〇 二 神奈川県 三〇〇、〇〇〇  イ 貧児給食施設費二ケ所分                                     三、〇〇〇                 ロ 児童健康相談所五ケ所設備及経常費                               一一、〇〇〇                 ハ 輸出小工業者救済費                                      五八、〇〇〇                 ニ 家庭副業奨励費                                        五〇、〇〇〇                 ホ 横須賀・小田原社会館建築及設備費                               七八、〇〇〇                 ヘ 養蚕業者救済ノ為厚木・松田繭販売所及平塚蚕種冷蔵庫建設費                  一〇〇、〇〇〇 三 千葉県 一五〇、〇〇〇   イ 罹災小学校五百五十二学級備品設備費                              六一、〇〇〇                 ロ 共同使用動力農具設備費                                    三〇、〇〇〇                 ハ 促成栽培復旧費                                         五、〇〇〇                 ニ 水産物共同販売所復旧費                                     五、〇〇〇                 ホ 畜産組合家畜市場及共同搾乳所復旧費                              一三、〇〇〇                 ヘ 商品共同収納所設備費                                      六、〇〇〇                 ト 共同集会場設備費                                       一五、〇〇〇                 チ 共同「マーケット」設備費                                   一五、〇〇〇 四 埼玉県  五〇、〇〇〇   本会以外ノ寄附金ト併セテ財団法人埼玉共済会ニ交付シ、家屋建築資金貸付・小資融通資金貸付・医療救護ニ充ツ 五 静岡県 一〇〇、〇〇〇   イ 公営住宅建築費                                        五〇、〇〇〇                 ロ 住宅及生業資金トシテ貸付ノ為、罹災地町村ニ交付シ、利息ハ将来ノ復興及社会事業ノ助成金ニ充ツ  五〇、〇〇〇   計 一、〇〇〇、〇〇〇 




 六三 罹災欧米人仮住宅建設ニ対シ補助金追加交付ノ件
  右ハ二月二十九日総務部会ニ於テ決議シ、其金額ヲ金参万五千円以内ト定メタリ、然ルニ後日内務省当局ヨリ建築用材ノ配給ヲ受ケタル関係上、金壱万五千円ニテ事足ルニ至リタルヲ以テ、同額ニ確定、之カ交付ヲ了シタリ
○下略