デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
2節 米国加州日本移民排斥問題
3款 日米関係委員会
■綱文

第35巻 p.184-185(DK350040k) ページ画像

昭和6年4月25日(1931年)

アメリカ合衆国ポートランド商業会議所ハ、アトランティック・シティニ於ケル全米商業会議所大会ニ、同国千九百二十四年移民法修正決議案ヲ提出スベシトノ報道ヲ得、是日栄一、当委員会ヲ代表シテ、ポートランド商業会議所ニ謝電ヲ発ス。


■資料

中外商業新報 第一六二四一号 昭和六年四月二三日 排日移民法修正を要望 ポートランド商議が提案 日米経済聯盟も声援(DK350040k-0001)
第35巻 p.184-185 ページ画像

中外商業新報  第一六二四一号 昭和六年四月二三日
  排日移民法修正を要望
    ポートランド商議が提案
      日米経済聯盟も声援
在加州ポートランド芦野領事より最近外務省宛情報によれば、ポートランド商業会議所理事会は、来る廿七日より五月一日まで五日間アトランテイツク・シテイで開催される全米商業会議所年次大会に提出すべき議案として、排日移民法・露国木材輸入禁止・銀貨安定国際会議開催・製造家及び卸売商並に小売商保護等の諸問題に関する決議を発表したが、その内左記の排日移民法修正に関する件、即ち
 一、日本人を排除する一九二四年の移民法は日本人一般に被侮辱の
 - 第35巻 p.185 -ページ画像 
感を懐かしむること
 二、日本は米国と自由に通商する商業国であること
 三、通商貿易に利害関係を有する国民全般は、此種の侮辱は日米間の通商貿易の増進を阻害するものであると自覚しつゝある等の理由によつて、ポートランド商業会議所は特に日本人移民問題を全米商業会議所一九三一年の年次大会の主要議案中に加へ、合衆国議会に対し速かに日本移民に対しても欧洲列国同様の移民入国歩合を適用するやう勧告要望すべきことを決議す
は特に我国に重大なる影響を及ぼすものであるため、外務省では現在国際商業会議所日本国内委員会を代表してゐる日本経済聯盟会に右情報を移牒しこれが対策を委嘱した、よつて同聯盟では廿二日午後四時から工業クラブに常任委員会を開き、団会長外磯村○豊太郎・井坂○孝・一宮○鈴太郎・藤原○銀次郎・串田○万蔵・宮島○清次郎の各委員出席、右に対する聯盟としての対策を協議したが、結局来る廿八日大阪で開催される聯盟定時総会に緊急議案としてこれを提出し、当日直ちに国際商議大会に出席すべき本邦代表に然るべく声援を与へるやう電報を以て通告することに申合はせて六時散会した


日米関係委員会往復書類(三)(DK350040k-0002)
第35巻 p.185 ページ画像

日米関係委員会往復書類(三)        (日米関係委員会所蔵)
      電報案
 オレゴン州
  ポートランド商業会議所
    会頭殿               渋沢子爵
アトランチツク・シチイニ於ケル大会ニ、貴会議所ヨリ日本人ニ欧州人同様コータ法ヲ適用スベシトノ決議案ヲ提出スベシトノ報道ハ、当地一般ノ感興ヲ惹ケリ、両国親善増進ノタメ十五年間努力シ来レル日米関係委員会ヲ代表シ、貴会議所ノ最モ時宜ニ叶ヘル行動ニ対シテ衷心ノ謝意ヲ表ス、両国民間ニ蟠ル誤解ノ最モ重大ナル原因ヲ除去スルニ至ルベキ貴会議所ノ高尚ナル企図ノ速カニ完成センコトヲ希望ス
  昭和六年四月廿五日