デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
2節 米国加州日本移民排斥問題
8款 日米協会
■綱文

第35巻 p.589-590(DK350116k) ページ画像

大正10年7月15日(1921年)

是日、当協会執行委員会、日本工業倶楽部ニ開カレ、栄一出席ス。席上ビー・ダブリュー・フライシャーノアメリカ合衆国排日問題ニ関スル談話アリ。


■資料

集会日時通知表 大正一〇年(DK350116k-0001)
第35巻 p.589 ページ画像

集会日時通知表 大正一〇年 (渋沢子爵家所蔵)
七月十五日 金 〇時半 日米協会実行委員会《(執)》(日本工業クラブ)


(日米協会)邦文記録 第弐号(DK350116k-0002)
第35巻 p.589-590 ページ画像

(日米協会)邦文記録 第弐号 (社団法人日米協会所蔵)
    第十五 第二十一回執行委員会
一、時日 大正十年七月十五日午後零時三十分
二、場所 日本工業倶楽部
三、司会者 金子会長
四、出席委員 渋沢名誉副会長、阪谷名誉副会長、阪井幹事、キーン幹事、フレザー会計、エンズウオース委員、姉崎委員、福井委員、樺山委員、串田委員、メツサー委員、宮岡委員、中島委員スヰフト委員
五、来賓 ビー・ダブリユ・フライシヤー氏、団琢磨氏、小畑久五郎氏
六、挨拶 会食後会長ヨリ左ノ挨拶アリタリ
   本委員会ハ過去七ケ月間滞米種々日本ノ為メニ奔走セラレ、最近帰朝セラレタルフライシヤー前副会長ノ米国ノ形勢ニ関スル談ヲ聴キ、併セテ近ク布哇及米国ニ赴カルヽ姉崎氏送別ノ意ヲ兼ネテ開会シタリ
七、演説 フライシヤー氏ハ先ヅ本会ヲ開カレタルヲ謝シ、大要左ノ演説ヲナセリ
   米国ニ於ケル近来ノ一般的傾向ハ必ラズシモ楽観許サヾルモ、両国間ノ親善関係ヲ優良ナラシメント希望スル人士多キヲ加ヘタルハ従来嘗テ見ザル処ナリ、唯米国ノ伝統的政見ニ於テ無政策ヲ最上ノ政策トシ、対内対外共勉メテ干渉ヲ避クルガ故ニ、国務省ノ如キ常ニ形勢ノ推移ニ対シ甚深ナル注意ヲ以テ之ガ講究ニ怠ラザルモ、実際ニハ容易ニ手ヲ着クルコトヲナサズ、偏ヘニ公正(Just and fairness)ノ基礎ニ於テ一致点ニ達スルコトヲ要望ス、日米関係ヲ一般的ニ見ルニ必ラズシモ太平洋ノ両岸ニ於テ主我的ナルノミニハアラズシテ、米人ハ日本人ヲ攻勢的ナリト考ヘ、日本人ハ米国ヲ攻勢的ナリト信シ居レリ、加之排日宣伝ハ支那ヨリモ又欧洲ヨリモ来リ、殊ニ弱者タル支那ヲ擁護セントスル感情頗ル熾烈ニシテ、日本ニモ米国ニモ至大ノ影響ヲ与フルヲ免カレズ、此ノ如キ形勢ヲ其ノ推移スルマヽニ放任セバ危険実ニ測ルベカラザルモノアリ、ハーヂング大統領ハ形勢ノ悪化ヲ防止スルニ努メ、殊ニ輿論ヲ尊重スルハーヂン
 - 第35巻 p.590 -ページ画像 
グ氏ハ之ヲ善導シ之ニ追随スルヲ怠ラズ、今春ノ海軍費削減ノ如キモ其ノ一例ニシテ、目下軍備制限問題ハ頗ル人気ニ適合シ顧維釣ノ如キ米国ニ人トナリ、支那人トイフヨリモ寧ロ米国人トイフノ適当ナル者、米人ノ心機ヲ掴ムニ妙ヲ得タル者ニヨリテ盛ンニ排日感情ヲ煽動セラレ其ノ勢侮ルベカラザルモ、一般ハ猶ホ支那ノ為メニ干戈ヲ取ラントスル迄ニハ至ラズ、寧ロ建設的ナル堅実ナル意見ヲ尊重シ、感情的刹那的ナル人ノ眼前ニアルモノハ建設的事業ノ遂行是ナリ
 メツサ委員、加州問題ニ付意見ヲ求ム
 フライシヤー氏 本問題ハ単ニ政略ヨリ来レルモノニシテ、幾分南方諸州ニ伝播スベキモ、今ヤ反動力ノ甚ダ多ク働キ居ルヲ見ル
 姉崎正治氏 本日ノ招待ヲ謝シ、今回同氏ガ出席スル教育会議ノ如キモ世界ノ軍備制限問題、即チ軍縮会議実現ノ一準備施設ト見得ルモノアリトノ意見ヲ述ベラル
次デスヰフト委員ヨリ、次号ノ雑誌ニ掲載スル事項ヲ提出シ承認ヲ経タリ



〔参考〕集会日時通知表 大正一〇年(DK350116k-0003)
第35巻 p.590 ページ画像

集会日時通知表 大正一〇年 (渋沢子爵家所蔵)
九月十二日 月 午後〇時半 日米協会催ウオーデン氏招待会(日本工業クラブ)
   ○「日米協会邦文記録」(第弐号)ニヨレバ当日栄一出席セザリシガ如シ。