デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正12年7月14日（1923年）

是ヨリ先、当会会長徳川慶久ノ逝去ニヨリ、後任会長ニ細川護立就任ス。是日、東京会館ニ於テ細川会長就任披露会催サル。栄一出席シテ所感ヲ述ブ。

日華学会第五回報告　自大正十年四月至大正十一年三月　　第一頁（大正一一年）刊
　　　　会長及其ノ他ノ異動
　　第一　会長ノ異動ニ関スル件
大正十一年一月
　一会長公爵徳川慶久氏二十二日薨去ニ付同三十日登記ヲ了シ、東京府知事ニ報告セリ
同年三月
　一侯爵細川護立氏ヲ理事ニ選任シ、尚理事ノ互選ニ依リ会長ニ推薦シ、其ノ承諾ヲ得タリ
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○下略

集会日時通知表　　大正一二年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
七月十四日　土　午後五時　日華学会（東京会館）

中外商業新報　　第一三四二一号大正一二年七月一五日
　　　　細川侯の会長就任披露会
　　　　　　慶久公の後任に
日華学会長公爵徳川慶久氏は昨年一月薨去した為め其後顧問渋沢子爵の推薦により侯爵細川護立氏が就任して会務を統率してゐたが、其の就任披露会が十四日午後五時から東京会館に於て行はれた、出席者は小村侯・平沼淑郎博士・内藤久寛・白岩竜平・井上準之助の諸氏其他を合せて四十五名、細川侯の挨拶、来賓総代嘉納治五郎氏の答辞の後渋沢子爵起つて「支那は混乱状態に陥つて遺憾な点もあるが、それはそれとして、民国の文化を向上せしむる為めに吾々は飽迄努力せしめねばならぬ」と強い語調で所感を述べて満場を水打つたやうにさせた同会は大正七年四月中に設立された財団法人で寄宿舎を設けて中華民国学生を収容したり、来朝学生の実習見学の便宜を図つたり、病気に罹つて困窮してゐる者を病院に入れて療養させたりなど、教育上諸般の便宜を図る事に尽力してゐるが、本年からは新な事業として房州館山海岸の日本漁業会社第一工場を借り入れて、約百五十人を容るべき宿舎と海水浴場を設備し、廉い経費で避暑し得るの途を開いてゐる
　　○栄一演説筆記ヲ欠ク。

日華学会第七回年報　自大正十二年四月至大正十三年三月　　第三七頁（大正一三年）刊
　　　　◎各種招待会
○上略
同年○大正一二年七月
　本会顧問・評議員一同及在京新聞記者等諸氏ヲ東京会館ニ招待シ、細川会長就任ノ挨拶ニ対シ、来賓ヲ代表シテ嘉納治五郎氏ノ答辞アリ、又渋沢子爵・松本亀次郎ノ演説アリタリ、当日出席者左ノ如シ
　　　　　　　　　顧問
　　　　　　子爵清浦奎吾氏　　子爵渋沢栄一氏
　　　　　　　　　評議員
　　　　　　　　速水一孔氏　　　　和田猪三郎氏
　　　　　　　　和久井吾助氏　　　嘉納治五郎氏
　　　　　　　　川口義久氏　　　　吉武栄之進氏
　　　　　　　　谷山初七郎氏　　　竹内義一氏
　　　　　　　　倉知鉄吉氏　　　　粟屋謙氏
　　　　　　　　松本亀次郎氏　侯爵小村欣一氏
　　　　　　　　湯原元一氏　　　　宮島大八氏
　　　　　　　　森岩常蔵氏　　　　瀬川浅之進氏
　右以外ノ来賓
西神田警察署長　木佐貫牛之助氏　東京通信社　　　高井信義氏
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東京日日新聞社　楢崎観一氏　　　東京朝日新聞社　神田正雄氏
読売新聞社　　　小村俟三郎氏　　万朝報社　　　　渋田幸太郎氏
二六新報社　　　佐藤多吉氏　　　東京毎夕新聞社　吉川雉子郎氏
やまと新聞社　　大沢暁一氏　　　時事新報社　　　矢部謙次郎氏
　監事　　　井上準之助氏
　理事
　会長侯爵　細川護立氏　　　内藤久寛氏
　　　　　　山本条太郎氏　　山井格太郎氏
○下略

日華学会第七回年報　自大正十二年四月至大正十三年三月　　第三九頁（大正一三年）刊
　　　　○各種招待会
○上略
一、大正十三年一月来京ノ魯嗣香・李克己両氏ヲ本会ハ実業協会ト共同シテ工業倶楽部ニ招待シ晩餐会ヲ開ケリ、出席者渋沢子爵・白岩竜平・藤田情報部第一課長・伊藤米次郎・森弁次郎・山井理事其他数名
○下略