デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
12款 財団法人日仏会館
■綱文

第36巻 p.330-334(DK360135k) ページ画像

昭和3年3月7日(1928年)

是日栄一、当会館ニ開カレタル理事会ニ出席シ、新築用地購入ノ件並ニ建築中ノ仮会館ヲ芝区三田功運町ニ置クコトヲ議決ス。


■資料

渋沢栄一 日記 昭和三年(DK360135k-0001)
第36巻 p.330 ページ画像

渋沢栄一日記 昭和三年(渋沢子爵家所蔵)
二月二十二日 曇 寒気強カラズ
午前○中略木島孝蔵氏来訪、日仏会館ノ敷地買入ニ付、鈴木島吉氏ノ意見ヲ説明セラル○下略
   ○中略。
二月二十八日 晴 寒気強カラズ
○上略木島孝蔵氏来リ、日仏会館移転地ノ事ヲ協議ス○下略


(日仏会館)議事録(DK360135k-0002)
第36巻 p.330-331 ページ画像

(日仏会館)議事録(財団法人日仏会館所蔵)
    理事会
 昭和三年三月七日午前十一時、日仏会館ニ於テ開催
 全数 理事二十名 監事三名 計廿三名
出席 八名
   渋沢子・古市男・富井男・鈴木氏・木島氏・曾我子・木村清四郎氏・レビ教授
欠席 議決権委任者十名
   梶原氏○外九名氏名略
    議事
一、当会館家屋移転建築中一時立退ノ為メ、浅野総一郎氏所有芝区三田功運町壱番地所在家屋ヲ借用シ、別記建物賃借証書及付属覚書提出ノ件
  覚書(一)……使用料其他……ノ『其他』ノ文字ヲ削除スルカ、若クハ其他ノ文字中ニ含ム各費目ヲ列記スルヲ条件トシテ可決ス
二、昭和二年十一月廿六日評議員会決議第一項ニ基キ
 寄附行為第二条
 「本館ハ之ヲ東京市麹町区永田町二丁目廿八番地ニ置ク」ヲ
 「本館ハ之ヲ東京市芝区三田功運町壱番地ニ置ク」ト変更ノ件
  全会一致可決
三、移転及ヒ之ニ伴フ修繕ニ関シ、概算金壱千参百円及瓦斯・電灯・電力・水道修繕費支出ノ件
 - 第36巻 p.331 -ページ画像 
   可決
四、地所ノ件
 渋沢子ヨリ上野寛永寺地所借入方交渉ノ件ハ、大倉喜八郎氏病気ノ為メ意外ノ日子ヲ要シタルガ考査ノ結果、同子ニ於テ其提議ヲ見合ハス事トナリ結局、予テ地所選定委員ノ選定ニカヽル神田区駿河台鈴木町十五番地所在、男爵原田熊雄氏所有地三百〇三坪ヲ購入スル事ニ全会一致決定シタリ
右之通リ
  昭和三年三月七日
           議長 理事長 子爵 渋沢栄一栄一
           書記 常務理事   木島孝蔵(印)


日仏会館書類(三) 【(写) 建物賃借証書】(DK360135k-0003)
第36巻 p.331 ページ画像

日仏会館書類(三)(渋沢子爵家所蔵)
(写)
    建物賃借証書
   東京市芝区三田功運町壱番地所在
   一、混凝土造スレート葺二階建
     此延坪四百七拾四坪〇四勺
今般右建物借受候処実正也、就テハ左記条項堅ク相守可申候也
一、賃借料 壱ケ月金五百円トシ、毎月末日限リ持参支払ノ事
二、賃借期間 本日ヨリ満六ケ月間トス
右為後日証書仍而如件
  昭和参年 月 日
              財団法人日仏会館
                理事 木島孝蔵
               保証人 増田明六
    浅野総一郎殿
      (別筆)
      増田カ保証人タルハ本建物借入ノロ入人タル関係上浅野泰治郎氏ノ希望ニ依ル
   ○浅野邸ニ移転セルハ三月三十日ナリ。(渋沢子爵家所蔵日仏会館報告書)


日仏会館書類(三) 【覚】(DK360135k-0004)
第36巻 p.331-332 ページ画像

日仏会館書類(三)(渋沢子爵家所蔵)
    覚                 三、三、九明六
一、日仏会館現在ノ土地ハ、東京府立中学校建設地トナリ、立退キヲ迫ラレタルヲ以テ、至急移建地ヲ選定スル必要生シ、委員ヲ設ケテ詮議中ナリシガ、委員ハ神田駿河台鈴木町原田熊雄氏ノ所有地ヲ選定シ、之ヲ坪弐百七十円ニテ買収スルコトヲ提議シタリ
二、同会館理事長渋沢子爵ハ、同会館ノ現資産状態ニ鑑ミ、委員提案ノ買収案モ結構ノコトナレトモ、他ニ尚資金ヲ要セサル適当ノ土地アラハト、先キニ右委員ニ於テ実地検分ノ上否認シタル上野寛永寺ノ大倉男爵ヘ貸地(同男ヨリ返却ヲ請フベク交渉中)ヲ、同寺ニ再交渉シテ借受クル方会館ノ将来ノ為メ得策ナルベシト為シ、増田ニ命シテ同寺及大倉男ニ種々交渉ヲナサシメ、同寺ハ大倉氏返地ノ上ハ権利金坪五拾円以内地代同五十銭以内ニテ貸与スベシト、又大倉
 - 第36巻 p.332 -ページ画像 
男ハ目下鶴彦翁病気ノ為メ直ニ諾否ノ回答ハ難致モ、自分ニ於テ引受ケ必ス返地スベシトノ承諾ヲ得、子爵自身モ亦該土地ヲ実地検分セラレタル次第ナリ
三、三月六日、同会館理事会ニ於テ協議ノ結果、右土地ハ権利金五拾円支出スルニ於テハ余リ有利ノモノニアラズトナシ、遂ニ前掲原田氏ノ駿河台ノ土地ヲ買収スルコトニ決シ、即子爵ハ寛永寺土地ニ関スル意見ヲ撤回シタル結局、別紙不動産売買契約証書、請求書及委任状ヲ作成シテ木島孝蔵氏ニ交付シタリ
○下略
   ○別紙略ス。


(日仏会館)議事録(DK360135k-0005)
第36巻 p.332-334 ページ画像

(日仏会館)議事録(財団法人日仏会館所蔵)
    理事会
 昭和三年三月廿二日午前十時半ヨリ、渋沢事務所ニ於テ開催
 全数 理事二十名・監事三名 計二十三名
出席者
  渋沢子栄一 古市男・富井男・鈴木氏・木島氏・曾我子・レビ教授
欠席 決議権委任者 十二名
    姉崎博士○外十一名氏名略
    報告
一、○略ス
二、三月十二日、男爵原田熊雄氏ト別紙写ノ如ク契約シ、駿河台地所買入ノ登記ヲナシ、代金八万壱千九百五十円四十銭ノ内、金弐万円ハ添付写ノ借用証ヲ差入レ、残額ハ現金ヲ以テ支払ヲ了シタリ
三、浅野総一郎氏ヘ別紙写ノ建物賃借証書○前掲ヲ差入レ、同十三日引越ヲ了シタリ
    議事
一、会館用家屋ハ至急取毀ヲ要スルニ付、会館ノ設計ヲ依頼シタル吉武長一氏ヲシテ、其提出シタル見積書ニ拠リ施工セシムル事。取毀シタル木材等ハ、仏国大使館内ニ地所ヲ借用シテ此所ニ運ヒ置ク事
二、建築費予算ヲ金七万弐千七百五十円トシ、設計ハ別紙図面○欠クノ通リトス
三、○略ス
四、○略ス
五、○略ス
右之通リ
  昭和三年三月廿二日
           議長 理事長 子爵 渋沢栄一
           書記 常務理事   木島孝蔵(印)
(別紙写)
    不動産売買契約証書
今般、原田熊雄(以下売主ト称ス)ト財団法人日仏会館理事長渋沢栄一(以下買主ト称ス)トノ間ニ、売買契約ヲ締結スルコト左ノ如シ
第一条 売主ハ末尾記載ノ物件ヲ、左記代金ニテ買主ニ売渡シ、買主
 - 第36巻 p.333 -ページ画像 
ハ該代金ヲ以テ買受ケタリ
 一、金八万壱千九百五拾円四拾銭也
第二条 買主ハ所有権移転登記申請ノ節前条売渡代金ノ内金六万壱千九百五拾円四拾銭ヲ現金ニテ売主ニ支払ヒ、所有権移転登記ノ日ニ残額金弐万円ヲ目的トシテ買主ニ対スル消費貸借債務ト為シ、年六分ノ割合ニ依ル利息ヲ附シ昭和六年参月拾壱日迄ニ支払フモノトス
第三条 買主ハ前条ノ消費貸借債務ノ支払ヲ担保スル為メ、買受不動産ノ上ニ売主ノ為メ、第二順位ノ抵当権ヲ設定シ、之カ登記ヲ為ス為メ、設定契約証書ヲ売主ニ差入ルヽモノトス
第四条 売買物件ノ所有権移転登記期日ハ昭和参年参月拾弐日トシ、当事者双方所轄登記所ニ出頭スルモノトス
 第三条ニ依ル抵当権ハ、昭和四年参月拾壱日迄ニ之ヲ設定スルモノトス
第五条 売買物件ニ付、抵当権・地上権其他買主ノ所有権ノ行使ヲ妨グベキ瑕疵アルトキハ、売主ハ売買登記前ニ全部之ヲ除去スベシ
第六条 売買物件ニ対スル租税公課等ハ、所有権移転登記済ノ日ヲ以テ区別シ、其前日迄ノ分ハ売主ノ負担トシ以後ハ買主ノ負担トス
第七条 売渡証書ニ係ル費用ハ売主ノ負担トシ、登録税並ニ抵当権設定登記ノ費用一切ハ買主ニ於テ負担スルモノトス
右契約ヲ証スル為メ本証書弐通ヲ作成シ、当事者各自壱通ヲ所持スルモノトス
  昭和参年参月拾日
             東京市麹町区平河町五丁目拾五番地
                売渡人     原田熊雄
             東京市麹町区永田町弐丁目弐拾八番地
                買受人  財団法人日仏会館
                   右理事長 渋沢栄一
    不動産表示
東京市神田区駿河台鈴木町弐拾六番地壱号
 一、宅地 参百〇参坪五合弐勺
  以上
(写)
    領収証
一、金八万壱千九百五拾円四拾銭也
    内金六万壱千九百五拾円四拾銭也  現金受領
     金弐万円也           消費貸借トス
右昭和参年参月拾日附不動産売買契約書ニ依ル右代金正ニ領収候也
  昭和参年参月拾弐日
            東京市麹町区平河町五丁目拾五番地
                      原田熊雄
    財団法人日仏会館理事長
        渋沢栄一殿
備考
 東京区裁判所二長町出張所
 - 第36巻 p.334 -ページ画像 
   受附 昭和参年参月拾弐日第五〇七〇号
      登記済
(写)
    金銭消費貸借抵当権設定証書
一、金弐万円也
 右ハ貴殿ヨリ買受ケタル不動産ノ代金ノ残額金弐万円也ヲ目的トシテ消費貸借ト為シタルニ付、昭和六年三月十三日迄ニ利率年六分利払期毎年十二月末日ノ利息ヲ附シ御支払可申ハ勿論、之カ担保トシテ末記不動産ノ上ニ第弐順位ノ抵当権ヲ設定仕候也
  昭和参年参月拾弐日           渋沢栄一
    原田熊雄殿
    不動産表示
東京市神田区駿河台鈴木町弐拾六番地
 一、宅地 参百〇参坪五合弐勺
  以上



〔参考〕日仏会館書類(三) 【(謄写版) 拝啓 時下益々御清穆奉慶賀候、陳者神田区駿河台鈴木町…】(DK360135k-0006)
第36巻 p.334 ページ画像

日仏会館書類(三)            (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓 時下益々御清穆奉慶賀候、陳者神田区駿河台鈴木町二十六番地(省線御茶ノ水駅脇通東京音楽学校前)に建築中の、当会館工事も漸次進捗致候に付、上棟式挙行可致候処、頃者寒気相加はり候折柄骨組丈の処に板敷を施せる二階にて挙行致候事とて、多数の来会者を収容難相成に付、理事・監事のみの御臨席を仰ぎ、仏国大使・同大使館員並に今回来邦のトーマ氏一行を招請し、来る八日(土曜)午前十時上棟式挙行の事と致度候間、御光臨被成下候様願上度、此段御案内迄奉得貴意候 敬具
  昭和三年十二月三日            日仏会館
    子爵 渋沢栄一殿
   ○当日栄一出席セズ。



〔参考〕日仏会館書類(三) 【拝啓 時下益々御清祥奉慶賀候、陳者東京府ヨリ当館移転費補助トシテ…】(DK360135k-0007)
第36巻 p.334 ページ画像

日仏会館書類(三)(渋沢子爵家所蔵)
拝啓 時下益々御清祥奉慶賀候、陳者東京府ヨリ当館移転費補助トシテ金五千円交附相成候処、此程雨潤会陸奥伯爵ヨリモ富井男爵ヲ経テ金千円寄附相成候間御承知置被下度候、就テ原田熊雄男ヨリ地所譲受代金残リ借用金弐万円(年利六分)ノ内ヘ、内入金トシテ本日右二口合計金六千円同氏ヘ仕払置候ニ付右様御承認置被下度候、此段併而得貴意候 敬具
  昭和四年八月七日     常務理事 木島孝蔵(印)
    理事長子爵渋沢栄一殿