デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.496-498(DK360188k) ページ画像

大正12年10月8日(1923年)

是日、当協会事務所ヲ芝公園内協調会館ニ移ス。


■資料

国際知識 第三巻第一〇号・第六四頁大正一二年一〇月 編集私語(DK360188k-0001)
第36巻 p.496 ページ画像

国際知識 第三巻第一〇号・第六四頁大正一二年一〇月
    編集私語
◇○上略 本協会仮事務所は当分の中、芝区芝公園労資協調会館四階に設置せるにつき、御通信等は右事務所宛せられたし。○下略
 - 第36巻 p.497 -ページ画像 

国際聯盟協会書類(一) 【拝啓 震災御見舞申上候 陳者国際聯盟協会事務所は幸、火災を免れたるも…】(DK360188k-0002)
第36巻 p.497 ページ画像

国際聯盟協会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 震災御見舞申上候 陳者国際聯盟協会事務所は幸、火災を免れたるも家屋半壊して執務不能に就き、目下外務省の好意に依り同省第五号館第三号室に仮事務所を設け、極力事務の整理に努め居り候間、何卒御安神被成下度候、然る処外務省の建物も震害甚しく、使用に堪へ得るもの二棟に止り居る有様に有之、長く協会の仮事務所を同省内に置く事望み難く候に就てハ、出来得る限り速かに適当なる場所に事務所を借入るゝの要可有之と被存候処、芝公園内協調会館には、近く国際聯盟の国際労働機関の日本支局も設置せらるゝ関係もあり、且つ交通其他の点に於て万事好都合と被存候間、閣下の御言添に依り、同会館内の二・三室を借用し得ることゝならば幸甚不過之候、災禍の直後何かと御繁劇中、誠に恐縮至極に存上候へ共、右取急ぎ御懇願申入度如斯御座候 敬具
               国際聯盟協会主事
   九月十一日○大正一二年
                      堀内謙介
   国際聯盟協会々長
    子爵渋沢栄一閣下
   ○堀内謙介ニ就イテハ本資料第三十四巻所収「日米関係委員会」大正十五年四月三日ノ条参照。



〔参考〕集会日時通知表 大正一二年(DK360188k-0003)
第36巻 p.497 ページ画像

集会日時通知表 大正一二年 (渋沢子爵家所蔵)
二月十六日 金 午後四時半 堀内謙介氏来約(兜町)
   ○中略。
五月十六日 水 午後一時 堀内謙介氏来約(兜町)
   ○中略。
五月廿三日 水 午後五時 堀内謙介氏兜町ニ来約
   ○中略。
十月廿九日 日 午前十時半 堀内謙介氏来約(事務所)



〔参考〕国際聯盟協会書類(一) 【(印刷物) 今回の大震災に際しては…】(DK360188k-0004)
第36巻 p.497-498 ページ画像

国際聯盟協会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
今回の大震災に際しては、会員各位中災害を被られた方々も尠くないことゝ拝察せられ、衷心御同情に堪へませぬ。早速お見舞申上ぐべき処、通信機関不通の為め、遠引致しましたことは、偏に御諒恕を願ひます。本協会事務所も震災の為め建物半壊し、執務不能に陥りましたが、幸に類焼を免れ書類全部取り出すことを得て、表記に新事務所を設け、一層活動を作振することゝ成りました。就ては此際、罹災避難されました会員各位は成るべく速かに異動先きを御一報願ひます。
 此の度の関東大震災は惨鼻を極め其の損害は日本全土に波及することいふ迄もありません。之が復旧には挙国一致の努力を要し、且つ我が国の対外関係に於ては今後益々親善と協力とを必要と致します。
 幸ひ此の一大不幸に際し海外諸国が相競つて誠意ある同情と救援とを寄せつゝあることは、吾が国民の感謝に堪へぬ所であると共に、斯
 - 第36巻 p.498 -ページ画像 
る機会に期せずして国際協力の精神が遺憾なく実現せられつゝあるを見て、私共平素の努力の徒爾ならざりしことを慶ぶものであります。
 米国に於ける朝野各方面の敏速にして、大規模なる救援事業は、吾人の特に銘記すべき所と存じますが、英国の聯盟協会の如きも、本会と協力して震災救護に尽し度いと申し出で、又震災による本会の財政的損失を懸念して、向ふ数年間一定の補助金を提供したいと迄申して来ましたが、本会は深く其の好意を謝し、帝大図書館始め其の他の焼失図書館の補充方に就き、尽力を依頼することゝ致しました。
 世界の文化は各国識者の協力により、維持発達せらるゝものであり国際聯盟の使命も亦玆に存するのでありますから、本会は此れが重要なる機関たるべき図書館の復興に資する為め、同様の寄贈勧誘を外国の諸団体に向つて、試みた次第であります。
 今や内には震災被害復旧の大事業を擁し、外には益々列強との協和を増進すべき秋に際し、本会は其目的とする所に遵ひ、国際間の了解を促進し、世界平和の理想を達成すべく、今後一層の努力を致さねばなりません。
 本会の基礎は会員に存し、本会の活動も亦会員の努力に負ふものであることは、更めて申す迄もありません。就ては会員各位が多く有志を御勧誘の上、本会の発展に御尽力下されんことを、切に御願ひ致します。尚本会は従来の活動を継続し、雑誌其の他単行本等引続き刊行致しますから、充分此等を御利用の程御願ひ致します。
 右御見舞を兼ね御挨拶申上げます。
             東京市芝区芝公園協調会館内
  十月十五日○大正一二年   社団法人国際聯盟協会
                 総裁 公爵 徳川家達
                 会長 子爵 渋沢栄一