デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.632-651(DK360226k) ページ画像

大正14年2月6日(1925年)

是日、当協会第五十一回理事会ヲ飛鳥山邸ニ開キ、栄一出席シテ平和議定書ニ対スル当協会ノ態度ニ
 - 第36巻 p.633 -ページ画像 
関スル件ヲ議決シ、次イデ国際聯盟事務次長新渡戸稲造帰任送別晩餐会ヲ催ス。


■資料

国際聯盟協会書類(二) 【(謄写版) 大正十四年一月廿八日 国際聯盟協会々長 渋沢栄一】(DK360226k-0001)
第36巻 p.633 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  大正十四年一月廿八日
              国際聯盟協会々長 渋沢栄一
    (宛名手書)
    渋沢栄一殿
拝啓、来る二月六日(金)午後四時より、丸ノ内日本工業倶楽部に於て、第五十一回理事会を開会、引続き午後六時より新渡戸博士送別晩餐会を開催可致候ニ付、御繁用中乍恐縮定刻御尊来被成下度、右御案内申上候
  追而御手数御出席《(乍脱)》の有無、御回報相煩はし度願上候


国際聯盟協会書類(二) 【(謄写版) 大正十四年二月三日 国際聯盟協会主事 加藤外松】(DK360226k-0002)
第36巻 p.633 ページ画像

(謄写版)
  大正十四年二月三日
             国際聯盟協会主事 加藤外松
急伸
陳者過日本協会第五十一回理事会并ニ新渡戸博士送別会は、来る二月六日午後四時より丸ノ内工業倶楽部に於て開催の旨御案内申上候処、会長渋沢子爵微恙の為め、且つ会長に於かれて新渡戸博士の御来会を機とし、篤と本協会の将来に関し御協議相仰ぎ度き希望に付、今回に限り同日同刻の会合を、飛鳥山同子爵邸に於て開催せられ度き旨申越され候に付、遠路誠に御迷惑には存候へども、会長の御好意を汲まれ特に此際是非御繰合せ子爵邸まで御来駕被成下度、此段御案内申上候
                           敬具
尚、準備の都合も有之候間、折返し御回報相煩はし度願上候


渋沢栄一日記 大正一四年(DK360226k-0003)
第36巻 p.633-634 ページ画像

渋沢栄一日記  大正一四年        (渋沢子爵家所蔵)
二月三日 晴 寒
○上略○午前白石喜太郎来リテ、本月六日国際聯盟協会ノ為メニ、新渡戸博士ノ帰朝ヲ機トシテ理事会ヲ開キ、慰労ニ并セテ将来本協会活動ノ方針ヲ打合セント予期シテ、其会合ノ事ヲ白石ヨリ協会主事ニ通知ノ事ヲ命ス○下略
  ○中略。
二月六日 曇又雨 寒
○上略午後四時ヨリ洋館ニ於テ、国際聯盟協会理事会ヲ開キ、各種ノ議案ヲ議決ス、来《(会カ)》スル者十八名、蓋シ本日ハ新渡戸博士ノ近々国際聯盟本部ニ帰任スルヲ送別ノ宴ニシテ、特ニ余カ新渡戸ノ為メニ開催シタルナリ、理事会終結ノ頃新渡戸氏来レルニ付、直ニ書院ニ招シテ宴会ニ移リ、賓主歓談裏ニ会食ス、夜九時過散会○下略
(欄外)
 国際聯盟ノ新設ハ欧州大戦ノ産物ナルモ、本邦ノ将来ヲ熟視スレハ充分ニ一般国民ヲ教育スルノ必要アリ、是ヲ以テ数年前聯盟協会ヲ
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組織シ其会長トナリテ全国宣伝、特ニ学生間ニ普及ヲ努ムルナリ、頃日聯盟本部ヨリ新渡戸博士ノ帰朝ニ付、此会同ヲ開キタリ


竜門雑誌 第四三七号・第一―二頁大正一四年二月 国際的平和と其他二問題 青淵先生(DK360226k-0004)
第36巻 p.634 ページ画像

竜門雑誌  第四三七号・第一―二頁大正一四年二月
    国際的平和と其他二問題
                      青淵先生
      一、国際聯盟に関して
 最近私の病気は、稍快方に赴いて来たから、種々社会的な問題の相談も受け、それに接触して居るが、一昨日(二月六日)は私が会長である国際聯盟協会理事会を、この王子の宅で開いた。丁度国際聯盟事務次長として、六年間専心国際聯盟の事務に当つて居られる、新渡戸稲造博士が旧臘帰朝せられたので、一度御歓迎の小宴を開き度いと思つて居つたが、私が病気した為め段々遷延し、愈近く再び帰任せられると云ふことで、御送別をせなければならぬことになつたので、理事会に引続き御送別の小宴を催したのである。私は予て博士から、国際聯盟の実状なり、諸般の真相なりを聞かせてもらひ、それに基いて国際聯盟協会の今後の方針を考慮しやうと考へて居た。処が不幸病臥し次で湯河原へ転居したやうな始末で其意を得ず、漸く先月二十五日帰京した後、日米関係委員会で米国大使バンクロフト氏、及び駐米大使松平恒雄氏の送迎会を催した時に、久し振で博士にお目にかゝつた様な次第であつた。博士とは従来の御懇意であるから、私個人としての旧交も温めたかつたのと、一方聯盟協会としても御帰朝以来一方ならぬ御努力を頂いた御礼も申し、御送別もせねばならぬ必要上、同協会の理事諸君にも集つてもらつた訳である。
○下略


(国際聯盟協会) 会務報告 第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日(DK360226k-0005)
第36巻 p.634-635 ページ画像

(国際聯盟協会) 会務報告  第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    三、第五十一回理事会
時、大正十四年二月六日午後四時 場所、王子渋沢会長邸
出席者 渋沢会長、阪谷・添田両副会長、林・穂積・内ケ崎・山川・山田・秋月・姉崎・下村・頭本各理事、大倉・団各監事、深井会計監督、加藤主事
協議決定事項
一、在外派遣員常置の件
 聯合会関係、在外各団体との聯絡、其他本協会の対外的活動に便する為め、在外派遣員を常置することゝし、右経費の一部として来年度より毎月百五十円乃至弐百円を支出するに決定、最初の常置員としては目下滞欧中の稲垣守克氏適当なるべく、依つて同氏に依頼することゝす。
二、図書寄贈に対する表謝の件○略ス。大正十二年十月一日ノ条ニ収ム。
三、茨城支部・和歌山支部・長崎支部各規約承認の件
 添付書類(甲・乙・丙)の如く規約を承認。
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四、平和議定書に対する本会の態度に関する件
 平和議定書に関し、之が調印方を政府に建議することに決定、文案は主事に於て作成の上、書面を以て理事の承認を乞ふ事に決定。
五、国際関係の政府出版物を協会にて刊行販売するの件
 従来外務省に於て編纂されゐたる印刷物は、直接同省に於て販売する能はず、又印刷部数も少く、為めに一般の需要に応じ難き不便ありたり、此際本協会に於て右印刷物を印刷及販売を引受くることゝせば、この不便を除き、旦つ協会としてもその権威を高めることゝなるべしとの理由により、外務当局の了解を得たる上、右事務を協会に於て取扱ふことに大体決定、実行方法は主事に一任。
    四、レオン・ブールジヨア氏の名誉総裁推薦受諾○略ス。大正十三年四月二十三日通常総会ノ条ニ収ム
    五、平和議定書に対する本会理事会の決議
別項理事会に於て決定したる平和議定書に関する決議は、主事に於て立案し、書面を以て各理事の承認を得たる結果、添付書類丁号の如く決定、二月十三日外務大臣に手交せり。
尚ほ右決議は英訳して之を海外百余の団体に向け送附せり。
    六、本協会に対する政府補助金交付に関する貴衆両院
      建議案
貴族院は近衛文麿公外三名提出「日本国際聯盟協会事業の奨励に関する建議案」、衆議院は中野正剛氏外五名提出「日本国際聯盟協会下附金交附に関する建議案」、前者は三月二十七日、後者は三月二十五日何れも通過せり。
  ○右添付書類欠ク。
    七、新渡戸博士送別会
二月六日王子渋沢会長邸に於て開催の理事会は、本協会の為め地方講演旅行其他につき、多大の尽力を与へられたる新渡戸博士帰任を送る為め、送別晩餐会を催したり。出席者は別項理事会出席者に同じ、因に新渡戸博士は二月十五日、神戸出帆帰任の途につかれたり。
  ○新渡戸歓迎ニ就イテハ本款大正十三年十二月十一日ノ条参照。


国際聯盟協会書類(二) 【(写) 拝啓、益御清適奉賀候、然ば先般休暇御帰朝の当日より…】(DK360226k-0006)
第36巻 p.635-636 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)          (渋沢子爵家所蔵)
(写)
拝啓、益御清適奉賀候、然ば先般休暇御帰朝の当日より、殆ど御憩息の暇もなく約二ケ月間、本協会の為に東京は元より全国各地に亘り、連日御講演被成下候御懇情の程、真に難有、本協会々員一同深く感佩罷在候、就ては玆に御帰任に際し聊か拝謝の意相表し度、甚だ粗末ながら別紙目録の通り拝呈仕候間、御受納被下候はゞ幸慶の至に御座候右得貴意度如此御座候 敬具
  大正十四年二月九日
               社団法人国際聯盟協会
                 会長子爵 渋沢栄一
    新渡戸稲造殿
(別紙目録)
 - 第36巻 p.636 -ページ画像 
 一七宝花瓶一対
 一同 菓子器一個


国際聯盟協会書類(二) 【(謄写版) 拝啓 陳者去る二月六日の本協会理事会に於ける決議に基き…】(DK360226k-0007)
第36巻 p.636 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓
陳者去る二月六日の本協会理事会に於ける決議に基き、平和議定書に対する声明決議案、別紙の通り作成致候、玆に御査閲に供へ候間、御批正の上御承認被成下度、此段御願申上候 敬具
                 国際聯盟協会主事
  二月九日                加藤外松
    (宛名手書)
    渋沢会長殿
 追て右決議は、山川理事に於かれては既に御承認済に有之候、此段申添候
 尚、御回答は成るべく早く願上度、返信用紙同封差上候
(別紙・謄写版)
    平和議定書ニ対スル日本聯盟協会理事会ノ決議
 国際紛争平和的処理ニ関スル議定書ハ、義務的仲裁々判ノ制度ヲ完成シ、侵略戦争ノ国際的罪悪ヲ構成スルモノナルコトヲ確認シ、以テ軍備縮少ノ基本ヲ定メタモノデアツテ、国際平和ノ確立ニ劃世的貢献ヲナシタモノデアル。戦争ガ国際紛争ノ最善且最後ノ解決方法デ無イコトハ、吾等ノ堅ク信スル所デアル。今回ノ議定書ハ右ノ信念ニ全然合致スルモノデアツテ、聯盟ノ進ムヘキ当然ノ道ヲ示シタモノト認メル。且本議定書ノ成立ニ際シテ、日本ノ主唱シタル修正ハ議定書ノ欠陥ヲ補足シ、議定書ノ精神ヲ一層完全ニ達成セシムルモノデアル。
 仍テ日本国際聯盟協会ハ、日本政府カ本議定書ニ対シ慎重ノ考慮ヲ加ヘ、之カ効力発生ニ最善ノ努力ヲ竭サンコトヲ、勧告スルモノデアル。     (大正十四年二月 日)


国際聯盟協会書類(二) 【大正十四年二月十四日 (二行ゴム印) 社団法人国際聯盟協会幹事】(DK360226k-0008)
第36巻 p.636-637 ページ画像

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国際知識 第五巻第四号・第七頁大正一四年四月 【平和議定書に対する態度を…】(DK360226k-0009)
第36巻 p.637 ページ画像

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〔参考〕国際知識 第五巻第四号・第一〇頁大正一四年四月 ○当面の問題 議定書と日本(DK360226k-0010)
第36巻 p.637 ページ画像

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〔参考〕国際知識 第五巻第四号・第一三頁大正一四年四月 ○当面の問題 第二華府会議(DK360226k-0011)
第36巻 p.637-638 ページ画像

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〔参考〕(青木節一)書翰 渋沢栄一宛大正一四年一月五日(DK360226k-0012)
第36巻 p.638 ページ画像

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〔参考〕国際知識 第五巻第二号・第一一五頁大正一四年二月 ○本部だより 新渡戸博士地方講演旅行(DK360226k-0013)
第36巻 p.638-639 ページ画像

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〔参考〕国際知識 第五巻第三号・第一一三頁大正一四年三月 ○本部だより 地方支部(DK360226k-0014)
第36巻 p.639 ページ画像

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〔参考〕国際知識 第五巻第八号・第一二五頁大正一四年八月 ○協会本部だより 忍耐が大事(DK360226k-0015)
第36巻 p.639-640 ページ画像

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〔参考〕国際聯盟協会書類(二) 【大正十四年二月十三日 (二行ゴム印) 社団法人国際聯盟協会幹事】(DK360226k-0016)
第36巻 p.640 ページ画像

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〔参考〕国際聯盟協会報告(一)(DK360226k-0017)
第36巻 p.640-651 ページ画像

国際聯盟協会報告(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  大正十三年十月十一日          外務省
第五回国際聯盟総会ハ十月二日全会一致左ノ決議ヲ以テ平和議定書ヲ可決シタリ、決議文及議定書全部左ノ如シ
    一、決議第一
聯盟総会ハ左ノ事項ヲ決議ス
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一、議定書ヲ慎重審議スルコトヲ、一切ノ国際聯盟国ニ対シ勧告スルコト
二、右議定書ハ其ノ定ムル条件ニ従ヒ、即時ニ署名シ得ル聯盟国ノ代表者ノ署名ヲ直ニ許シ、又他ノ一切ノ国ニ対シテモ之ヲ許スコト
三、議定書中ニ定メラレタル、規約ノ修正案文ノ作成ヲ担当スル委員会ヲ遅滞ナク任命スルコトヲ、聯盟理事会ニ要求スルコト
四、左記議定書第十七条ノ諸規定ニ従ヒ、ジユネーヴニ於テ会合セラルヘキ国際軍備縮少会議ノ招集ヲ、聯盟理事会ニ依頼スルコト
 国際軍備縮少会議招集ノ準備トシテ、聯盟理事会ハ本議定書第十一条及第十三条ニ定ムル約束ヲ尊重シ、同会議ニ提出セラルヘキ軍備ノ縮少及制限ニ関スル一般的議題ヲ作成スヘシ、右議題ハ成ルヘク早キ期日ニ、且遅クトモ同会議会合ノ三月前ニ之ヲ各国政府ニ通告スヘシ
 千九百二十五年五月一日迄ニ、少クトモ聯盟理事会ノ常任国ノ半数及他ノ十ケ国ノ聯盟国カ批准書寄託ヲ為ササルトキハ、聯盟事務総長ハ直ニ右招集ヲ取消スヘキヤ、又ハ単ニ所要ノ批准書カ寄託セラルル迄該議会ヲ延期スヘキヤニ付、聯盟理事会ト協議スヘシ
五、議定書第十二条ノ規定ヲ今後実施センコトヲ、聯盟理事会ニ依頼スルコト
    決議第二
聯盟総会ハ常設国際司法裁判所規程第三十六条第二項ノ規定ニ関スル第一委員会ノ報告ヲ了知シ
右報告ハ、前記第三十六条第二項ノ規定カ、諸国ニ対シ其ノ必要欠クヘカラスト認ムル留保ヲ為シタル上、右規定ノ為作成セラレタル特別議定書ニ加入スルコトヲ許スモノト解釈スルノ余地アルコトヲ審査シタル結果、作成セラレタルモノナルコトヲ思ヒ
右報告ハ、国際正義ノ進歩ニ関係シ、且前記裁判所ノ義務的管轄権ヲ出来得ル限リノ広キ範囲ニ於テ、最大多数ノ国ヲシテ受諾セシメムトスル輿論ノ期待ト適合スルモノナルコトヲ確信シ、諸国カ成ルヘク速ニ、前記裁判所ノ規程第三十六条第二項ニ依リ許サレタル特別議定書ニ加入セムコトヲ勧告ス
  (註)国際司法裁判所規程第三十六条ハ、議定書第三条ノ註ニ掲出セリ
    二 国際紛争平和的処理ニ関スル議定書
諸国ノ生存及領土上ノ独立カ脅カサルルカ如キ場合ニ於テ、一般的平和及該国ノ安全ノ維持ヲ確保セムトスル鞏固ナル希望ニ促カサレ
国際団体ニ属スル諸国ノ連帯関係ヲ認メ、侵略的戦争ハ右連帯関係ヲ侵害シ、且国際的罪悪ヲ構成スルモノナルコトヲ確認シ
国家間ニ於ケル紛争ノ平和的処理トシテ、国際聯盟規約ニ規定セル制度ノ完全ナル適用ヲ容易ナラシメ、且国際的罪悪ノ抑制ヲ確保セムコトヲ欲シ
且該規約第八条ニ定メラレタルカ如ク、国ノ安全及国際義務ヲ協同動作ヲ以テスル強制ニ支障ナキ最低限度迄其ノ軍備ハ縮少ヲ実現セシムル目的ヲ以テ
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下名ハ之カ為正当ナル委任ヲ受ケ、左ノ如ク協定セリ
  (註)国際聯盟規約第八条
 聯盟国ハ平和維持ノ為ニハ、其ノ軍備ヲ国ノ安全及国際義務ヲ、共同動作ヲ以テスル強制ニ支障ナキ最低限度迄、縮少スルノ必要アルコトヲ承認ス
 聯盟理事会ハ、各国政府ノ審議及決定ニ資スル為、各国ノ地理的地位及諸般ノ事情ヲ参酌シテ、軍備縮少ニ関スル案ヲ作成スヘシ
 該案ハ少クトモ、十年毎ニ再審議ニ付セラルヘク、且更正セラルヘキモノトス
 各国政府前記ノ案ヲ採用シタルトキハ、聯盟理事会ノ同意アルニ非サレハ該案所定ノ軍備ノ限度ヲ超ユルコトヲ得ス
 聯盟国ハ、民業ニ依ル兵器弾薬及軍用器材ノ製造カ、重大ナル非議ヲ免レサルモノナルコトヲ認ム、仍テ聯盟理事会ハ該製造ニ伴フ弊害ヲ防遏シ得ヘキ方法ヲ具申スヘシ、尤モ聯盟国中其ノ安全ニ必要ナル兵器弾薬及軍用器材ヲ製造シ得サルモノノ需要ニ関シテハ、相当斟酌スヘキモノトス
 聯盟国ハ、其ノ軍備ノ規模、陸海及空軍ノ企画並軍事上ノ目的ニ供用シ得ヘキ工業ノ状況ニ関シ、充分ニシテ隔意ナキ報道ヲ交換スヘキコトヲ約ス
      第一条
署名国ハ、左記諸条ニ定ムル規定ノ趣旨ニ基キ、聯盟規約ニ改正ヲ加フルコトヲ確保スル為、出来得ル限リ一切ノ努力ヲ為スヘキコトヲ約ス、署名国ハ、右規定カ本議定書ノ実施期日ヨリ相互間ニ拘束力ヲ生スヘキコト、並署名国ノ関スル限リ、国際聯盟ノ総会及理事会ヲシテ本議定書ニ依リ与ヘラレタル一切ノ権利ヲ行使シ、且一切ノ義務ヲ履行スルノ権能ヲ有セシムルコトヲ同意ス
      第二条
署名国ハ、相互間ニ於テ又ハ事件発生ノ場合以下定ムル一切ノ義務ヲ受諾スル国ニ対シ、如何ナル場合ニ於テモ戦争ニ訴ヘサルコトニ同意ス、但シ侵略行為ニ抵抗スル場合、又ハ聯盟規約及本議定書ノ規定ニ従ヒ、国際聯盟ノ理事会又ハ総会ノ同意ヲ得テ行動スル場合此ノ限ニ在ラス
      第三条
署名国ハ常設国際司法裁判所規程第三十六条第二項ニ掲クル事件ニ付該裁判所ノ管轄権カ当然ニ且特別ノ合意ナクシテ、義務的ナルコトヲ承認スルコトヲ約ス、但シ同条ニ於テ規定セラレ且千九百二十年十二月十六日署名ヲ許サレタル特別議定書ニ従ヒ、各国カ前記条項ニ牴触セサル留保ヲナスノ権利ハ之ヲ妨ケサルモノトス
千九百二十年十二月十六日署名ヲ許サレタル特別議定書ニ対スル加入ハ、本議定書実施後一月内ニ之ヲナスコトヲ要ス
本議定書実施後之ニ加入スル国ハ、其ノ加入後一月内ニ前記ノ義務ヲ履行スルコトヲ要ス
  (註一)常設国際司法裁判所規程第三十六条
 裁判所ノ管轄ハ、当事国カ裁判所ニ付託スル一切ノ事件、及現行諸
 - 第36巻 p.643 -ページ画像 
条約ニ特ニ規定スル一切ノ事項ニ及フ
国際聯盟ノ聯盟国及聯盟規約附属書所載ノ諸国ハ、左ニ関スル法律的紛争ノ全種類、又ハ各種類ニ付裁判所ノ管轄ヲ同一ノ義務ヲ受諾スル他ノ聯盟国、又ハ国ニ対スル関係ニ於テ、当然ニ且特別ノ合意ナクシテ、義務的ナリト認ムルコトヲ、本規定ノ添附セラルル議定書ノ調印、若ハ批准ノ時、又ハ其ノ後ニ於テ宣言スルコトヲ得
 (イ)条約ノ解釈
 (ロ)国際法上ノ問題
 (ハ)国際義務ノ違反トナルヘキ事実ノ存否
 (ニ)国際義務ノ違反ニ対スル賠償ノ性質又ハ範囲
前記宣言ハ無条件ニテ、多数若ハ或聯盟国、若ハ国トノ相互条件ニテ、又ハ一定ノ期間ヲ附シテ之ヲナスコトヲ得
 裁判所カ管轄ヲ有スルヤ否ヤニ付争アル場合ニ於テハ、裁判所ノ裁判ニ依リ之ヲ決定ス
  (註)一千九百二十年十二月十六日議定書(日本ハ之ニ参加ス)
      署名議定書
 正当ノ委任ヲ受ケタル下名ノ者ニ依リ代表セラレタル国際聯盟ノ聯盟国ハ、千九百二十年十二月十三日「ジユネーブ」ニ於ケル聯盟総会ニ於テ、全員一致ニテ可決セラレタル添附ノ常設国際司法裁判所規程ヲ受諾スルコトヲ宣言ス
 依テ右諸国ハ、前記規程ノ条項及条件ニ従ヒ、裁判所ノ管轄ヲ受諾スルコトヲ玆ニ宣言ス
 千九百二十年十二月十三日ノ国際聯盟総会ノ為シタル決定ニ従ヒ作成セラレタル本議定書ハ批准ヲ要ス、各国ハ其ノ批准書ヲ国際聯盟事務総長ニ送付ス、事務総長ハ右批准ヲ他ノ署名国ニ通告スル為、必要ナル手続ヲ執ルヘシ、批准書ハ国際聯盟ノ事務局ノ記録中ニ寄託セラルヘシ
 本議定書ハ、国際聯盟ノ聯盟国及聯盟規約附属書所載ノ諸国ノ署名ノ為開キ置クヘシ
 裁判所規程ハ、前記ノ決定ニ定ムル所ニ従ヒ之ヲ実施ス
 「ジユネーヴ」ニ於テ本書一通ヲ作製ス、仏蘭西語及英吉利語ノ本文ヲ以テ共ニ正文トス
  千九百二十年十二月十六日
                       各国代表者署名
      第四条
聯盟国規約第十五条第四項・第五項・第六項及第七項ノ規定ヲ一層完全ナラシムル為、署名国ハ左ノ手続ニ従フコトニ同意ス
一、聯盟理事会ニ付託セラレタル紛争カ、前記第十五条第三項ニ定ムルカ如ク同理事会ニ依リ解決セラレサル場合ニ於テハ、同理事会ハ当事国ヲシテ右紛争ヲ司法的処理又ハ仲裁裁判ニ付セシムルコトヲ説得スルニ力ムヘシ
二、(イ)当事国カ右ニ関シ、合意ヲ遂クルコトヲ得サル場合ニ於テハ、少クトモ右当事国中ノ一国ノ請求ニ依リ、仲裁委員会ヲ構成スヘシ該委員会ハ成ルヘク当事国間ノ合意ニ依リ之ヲ構成スヘシ
 - 第36巻 p.644 -ページ画像 
 (ロ)聯盟理事会ノ定メタル期間内ニ当事国カ仲裁委員ノ数、氏名及権限並手続ニ関シ、其ノ全部又ハ一部ニ付合意ヲ遂クルヲ得サル場合ニ於テハ、聯盟理事会ハ未決ノ点ヲ解決スヘク、同理事会ハ成ルヘク急速ニ当事国ト協議ノ上国籍・人格及経歴上其ノ能力及公平ノ点ニ於テ、最高ノ保障ヲ与フルモノナリト認ムル者ノ中ヨリ委員及議長ヲ選任スヘシ
 (ハ)当事国ノ要求ノ決定セラレタル後、其ノ孰レカノ請求ニ基キ仲裁委員会ハ聯盟理事会ノ仲介ヲ経テ、常設国際司法裁判所ニ対シ該紛争ノ法律上ノ争点ニ付勧告的意見ヲ求ムヘシ、斯カル場合同裁判所ハ成ルヘク急速ニ会合スヘシ
三、何レノ当事国モ仲裁ヲ依頼セサルトキハ、聯盟理事会ハ更ニ該紛争ヲ審査スヘシ、聯盟理事会カ紛争当事国代表者ヲ除ク他ノ会員全部ニ依リ、同意セラレタル報告書ヲ作成スルニ至リタル場合ニ於テハ、署名国ハ右報告書中ノ勧告ニ従フヘキコトニ同意ス
四、聯盟理事会カ紛争当事国ノ代表者ヲ除キ、他ノ会員全部ニ依リ同意セラレタル報告書ヲ作成スルヲ得サル場合ニ於テハ、右理事会ハ該紛争ヲ仲裁ニ付託スヘシ、同理事会ハ自ラ仲裁委員会ノ構成権限及手続ヲ定ムヘク、且仲裁委員ノ選定ニ付テハ前記第二項(ハ)ニ定ムル能力及公平ノ保障ニ留意スヘシ
五、如何ナル場合ニ於テモ、既ニ関係当事国ノ一国ニ依リ、受諾セラレタル聯盟理事会全会一致ノ勧告アリタル解決方法ハ、再ヒ之ヲ争フコトヲ得ス
六、署名国ハ与ヘラレタル司法判決、又ハ仲裁判定ヲ誠実ニ履行シ、且前記第三項ニ定メラレタルカ如ク、聯盟理事会ニ依リ勧告セラルル解決方法ニ従フヘキコトヲ約ス、一国カ右約束ヲ履行セサル場合ニ於テハ、聯盟理事会ハ之カ遵守ヲ確保スル為、一切ノ尽力ヲ為スヘシ
 聯盟理事会カ右尽力ニ依ルモ其ノ効ナキトキハ、同理事会ハ聯盟規約第十三条ノ末項ニ定ムル規定ニ従ヒ、之ヲ履行セシムル為如何ナル処置ヲ執ルヘキヤヲ提議スヘシ、一国カ前記約束ヲ無視シ、戦争ニ訴フルカ如キ場合ニ於テハ、聯盟規約第十六条ノ定ムル制裁ハ本議定書中ニ提示セラルルカ如キ解釈ノ下ニ、直ニ之ニ適用セラルヘシ
七、本条ノ規定ハ署名国ノ一国又ハ二国以上カ、聯盟理事会又ハ聯盟総会ノ同意ヲ得テ執リタル戦争手段ノ結果生スル紛争ノ処理ニハ之ヲ適用セス
  (註一)国際聯盟規約第十五条
 聯盟国間ニ国交断絶ニ至ルノ虞アル紛争発生シ、第十三条ニ依ル仲裁裁判ニ付セラレサルトキハ、聯盟国ハ当該事件ヲ聯盟理事会ニ付託スヘキコトヲ約ス、何レノ紛争当事国モ紛争ノ存在ヲ事務総長ニ通告シ、以テ前記ノ付託ヲ為スコトヲ得、事務総長ハ之カ充分ナル取調及審理ニ必要ナル一切ノ準備ヲ為スモノトス
 此ノ目的ノ為、紛争当事国ハ成ルヘク速ニ当該事件ニ関スル陳述書ヲ一切ノ関係事実及書類ト共ニ事務総長ニ提出スヘク、聯盟理事会
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ハ直ニ其ノ公表ヲ命スルコトヲ得
 聯盟理事会ハ紛争ノ解決ニ力ムヘク、其ノ努力効ヲ奏シタルトキハ其ノ適当ト認ムル所ニ依リ、当該紛争ニ関スル事実及説明並其ノ解決条件ヲ記載セル調書ヲ公表スヘシ
 紛争解決ニ至ラサルトキハ、聯盟理事会ハ全会一致又ハ過半数ノ表決ニ基キ当該紛争ノ事実ヲ述ヘ、公正且適当ト認ムル勧告ヲ載セタル報告書ヲ作成シ之ヲ公表スヘシ
 聯盟理事会ニ代表セラルル聯盟国ハ、何レモ当該紛争ノ事実及之ニ関スル自国ノ決定ニ付陳述書ヲ公表スルコトヲ得
 聯盟理事会ノ報告書カ、紛争当事国ノ代表者ヲ除キ他ノ聯盟理事会員全部ノ同意ヲ得タルモノナルトキハ、聯盟国ハ該報告書ノ勧告ニ応スル紛争当事国ニ対シ、戦争ニ訴ヘサルヘキコトヲ約ス
 聯盟理事会ニ於テ紛争当事国ノ代表者ヲ除キ、他ノ聯盟理事会員全部ノ同意アル報告書ヲ得ルニ至ラサルトキハ、聯盟国ハ正義公道ヲ維持スル為必要ト認ムル処置ヲ執ルノ権利ヲ留保ス
 紛争当事国ノ一国ニ於テ、紛争カ国際法上専ラ該当事国ノ管轄ニ属スル事項ニ付生シタルモノナルコトヲ主張シ、聯盟理事会之ヲ是認シタルトキハ、聯盟理事会ハ其ノ旨ヲ報告シ、且之カ解決ニ関シ何等ノ勧告ヲモ為ササルモノトス
 聯盟理事会ハ、本条ニ依ル一切ノ場合ニ於テ紛争ヲ聯盟総会ニ移スコトヲ得、紛争当事国一方ノ請求アリタルトキハ亦之ヲ聯盟総会ニ移スヘシ、但シ右請求ハ紛争ヲ聯盟理事会ニ付託シタル後十四日以内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
 聯盟理事会ノ行動及権限ニ関スル本条及第十二条ノ規定ハ、聯盟総会ニ移シタル事件ニ関シ総テ之ヲ聯盟総会ノ行動及権能ニ適用ス、但シ紛争当事国ノ代表者ヲ除キ、聯盟理事会ニ代表セラルル聯盟各国代表者、及爾余過半数聯盟国ノ代表者ノ同意ヲ得タル聯盟総会ノ報告書ハ、紛争当事国ノ代表者ヲ除キ、他ノ聯盟理事会員全部ノ同意ヲ得タル聯盟理事会ノ報告書ト同一ノ効力ヲ有スヘキモノトス
  (註二)国際聯盟規約第十三条
 聯盟国ハ聯盟国間ニ仲裁裁判ニ付シ得ト認ムル紛争ヲ生シ、其ノ紛争カ外交手段ニ依リテ満足ナル解決ヲ得ルコト能ハサルトキハ、当該事件全部ヲ仲裁裁判ニ付スヘキコトヲ約ス
 条約ノ解釈、国際法上ノ問題、国際義務ノ違反ト為ルヘキ事実ノ存否、並該違反ニ対スル賠償ノ範囲及性質ニ関スル紛争ハ、一般ニ仲裁裁判ニ付シ得ル事項ニ属スルモノナルコトヲ声明ス
 審理ノ為紛争事件ヲ付託スヘキ仲裁裁判所ハ当事国ノ合意ヲ以テ定メ、又ハ当事国間ニ現存スル条約ノ規定ノ定ムル所ニ依ル
 聯盟国ハ一切ノ仲裁判決ヲ誠実ニ履行スヘク、且判決ニ服スル聯盟国ニ対シテハ戦争ニ訴ヘサルコトヲ約ス、判決ヲ履行セサルモノアルトキハ、聯盟理事会ハ其ノ履行ヲ期スル為必要ナル処置ヲ提議スヘシ
  (註三)国際聯盟規約第十六条
 第十二条・第十三条又ハ第十五条ニ依ル約束ヲ無視シテ戦争ニ訴ヘ
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タル聯盟国ハ、当然他ノ総テノ聯盟国ニ対シ戦争行為ヲ為シタルモノト看做ス、他ノ総テノ聯盟国ハ之ニ対シ直ニ一切ノ通商上又ハ金融上ノ関係ヲ断絶シ、自国民ト違約国国民トノ一切ノ交通ヲ禁止シ且聯盟国タルト否トヲ問ハス、他ノ総テノ国ノ国民ト、違約国国民トノ間ノ一切ノ金融上・通商上又ハ個人的交通ヲ防遏スヘキコトヲ約ス
 聯盟理事会ハ前項ノ場合ニ於テ、聯盟ノ約束擁護ノ為使用スヘキ兵力ニ対スル聯盟各国ノ陸海又ハ空軍ノ分担程度ヲ、関係各国政府ニ提案スルノ義務アルモノトス
 聯盟国ハ本条ニ依リ金融上及経済上ノ措置ヲ執リタル場合ニ於テ、之ニ基ク損失及不便ヲ最少限度ニ止ムル為相互ニ支持スヘキコト、聯盟ノ一国ニ対スル違約国ノ特殊ノ措置ヲ抗拒スル為相互ニ支持スヘキコト、並聯盟ノ約束擁護ノ為協力スル聯盟国軍隊ノ版図内通過ニ付、必要ナル処置ヲ執ルヘキコトヲ約ス
 聯盟ノ約束ニ違反シタル聯盟国ニ付テハ、聯盟理事会ニ代表セラルル他ノ一切ノ聯盟国代表者ノ聯盟理事会ニ於ケル一致ノ表決ヲ以テ聯盟ヨリ之ヲ除名スル旨ヲ声明スルコトヲ得
      第五条
聯盟規約第十五条第八項ノ規定ハ、依然聯盟理事会ノ手続ニ之ヲ適用スヘシ
前記第四条ニ定メラレタルカ如キ仲裁裁判ノ手続中ニ於テ、当事国ノ一国カ紛争又ハ其ノ一部カ国際法上専ラ該国ノ国内管轄ニ属スル事項ヨリ生シタルモノナルコトヲ主張スルトキハ、仲裁委員ハ此ノ点ニ付聯盟理事会ノ仲介ヲ経テ常設国際司法裁判所ノ意見ヲ求ムヘシ、該裁判所ノ意見ハ仲裁委員ヲ拘束スヘク、仲裁委員ハ右意見カ肯定的ナルトキハ其ノ判定中右ノ旨ヲ宣言スルニ止ムヘシ
前記裁判所又ハ聯盟理事会カ該事項ヲ以テ、専ラ該国ノ国内管轄ニ属スルモノナリト認ムル場合ト雖モ、右決定ハ聯盟理事会又ハ聯盟総会カ聯盟規約第十一条ニ基キ事態ヲ審査スルコトヲ妨ケサルモノトス
  (註)国際聯盟規約第十一条
 戦争又ハ戦争ノ脅威ハ、聯盟国ノ何レカニ直接ノ影響アルト否トヲ問ハス、総テ聯盟全体ノ利害関係事項タルコトヲ玆ニ声明ス、仍テ聯盟ハ国際ノ平和ヲ擁護スル為、適当且有効ト認ムル措置ヲ執ルヘキモノトス、此ノ種ノ事変発生シタルトキハ、事務総長ハ何レカノ聯盟国ノ請求ニ基キ直チニ聯盟理事会ノ会議ヲ招集スヘシ
 国際関係ニ影響スル一切ノ事態ニシテ、国際ノ平和又ハ其ノ基礎タル各国間ノ良好ナル了解ヲ攪乱セムトスル虞アルモノニ付、聯盟総会又ハ聯盟理事会ノ注意ヲ喚起スルハ、聯盟各国ノ友誼的権利ナルコトヲ併セテ玆ニ声明ス
      第六条
聯盟規約第十五条第九項ニ従ヒ紛争カ聯盟総会ニ移サレタルトキハ、聯盟総会ハ右紛争処理ノ為聯盟規約第十五条第一項・第二項及第三項並前記第四条第一項ニ定ムル方法ニ依リ当事国ヲ和解セシムルニ力ムルニ付、聯盟理事会ニ与ヘラレタル一切ノ権限ヲ有スヘシ
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聯盟総会カ平和的処理ヲ達成セサルトキハ左ノ措置ヲ執ルヘシ
 当事国ノ一国カ聯盟理事会ノ仲裁ヲ依頼スルトキハ、聯盟総会ハ前記第四条第二項(イ)・(ロ)及(ハ)ニ定ムル方法ニ依リ仲裁委員会ヲ構成スヘシ
 何レノ当事国モ右仲裁ヲ依頼セサルトキハ、聯盟総会ハ再ヒ該紛争ヲ審査スヘク、此ノ場合聯盟理事会ト同一ノ権限ヲ有スヘシ、聯盟総会ノ報告書中ニ包含セラルル勧告ハ、同総会カ右報告ハ聯盟規約第十五条第十項末段ニ定ムル方法ニ依ルモノナルコトヲ保証スルニ於テハ、本議定書中ニ定ムル一切ノ事項ニ関シ同議定書第四条第三項ニ定ムル聯盟理事会ノ採用シタル報告書中ニ包含スル勧告ト同一ノ価値及効力ヲ有スヘシ、所要ノ過半数ヲ得ル能ハサルトキハ該紛争ハ之ヲ仲裁裁判ニ付託スヘク、聯盟理事会ハ第四条第四項ニ定ムルカ如ク仲裁委員会ノ構成・権限及手続ヲ決定スヘシ
      第七条
二国又ハ二国以上ノ署名国間ニ紛争生シタルトキハ、此等ノ諸国ハ右紛争カ平和的処理手続ニ附託セラルル前、又ハ其ノ手続中本議定書第十七条ニ定ムル軍備縮少会議ニ依リテ確定セラルヘキ現状ヲ変更スルカ如キ軍力及戦闘力ノ増加ヲ為ササルコト、陸軍・海軍及空軍ノ軍力又ハ産業上若ハ経済上ノ動員ニ関スル何等ノ措置ヲモ執ラサルコト、及一般ニ紛争ヲ拡大シ、又ハ之ヲ一層鋭敏ナラシムルカ如キ種類ノ一切ノ行動ヲ執ラサルコトニ同意ス
紛争当事国ノ一国又ハ二国以上カ聯盟理事会ニ対シ、前記約束ノ違反ニ関スル訴ヲ為シタルトキハ、同理事会ハ聯盟規約第十一条ノ規定ニ従ヒ之ヲ審査スルノ義務ヲ有ス、聯盟理事会ハ右訴カ調査ヲ要スルモノナリト認ムル場合ニ於テ、一国又ハ二国以上ノ関係国内ニ於テ審査及調査ヲ為スヲ便宜ナリト認ムルトキハ右手段ニ依ルヘシ、右審査及調査ハ成ルヘク急速ニ之ヲ行フヲ要シ、署名国ハ之カ実行ノ為一切ノ便宜ヲ供与スヘキコトヲ約ス
聯盟理事会ノ執ルヘキ前記定ムル措置ノ唯一ノ目的ハ、紛争ノ平和的処理ヲ容易ナラシムルニアリ、故ニ該措置ハ決シテ最後ノ処理ヲ予断スルヲ得ス
前記ノ審査及調査ノ結果、本条第一項ノ規定ノ違反ヲ確定シタルトキハ、聯盟理事会ハ右違反ヲ為シタル一国又ハ数国ニ対シ其ノ違反ノ事実ヲ除去セムコトヲ督促スルノ義務ヲ有ス、前記ノ一国又ハ数国カ右督促ニ従ハサルトキハ、聯盟理事会ハ此等ノ国カ聯盟規約又ハ本議定書ニ違反セルコトヲ宣言シ、且世界ノ平和ヲ脅カスヘキ性質ノ事態ヲ成ルヘク速ニ終止セシムル為執ルヘキ措置ヲ決定スヘシ
本条ノ為ニスル聯盟理事会ノ決定ハ三分ノ二ノ多数決ニ依ルヘシ
      第八条
署名国ハ脅威ヲ構成スルカ如キ行動ヲ抑止シ、且他国ニ対スル侵略ヲ抑止スヘシ
署名国ノ一国カ他国ニ於テ戦争ノ準備ヲ為シツツアリト認ムルトキハ該国ハ右事項ニ付聯盟理事会ノ注意ヲ喚起スルノ権利ヲ有スヘシ、聯盟理事会ハ右ノ事項カ事実ナルコトヲ確メタルトキハ第七条第二項・
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第四項及第五項ニ定ムルカ如キ措置ヲ執ルヘシ
      第九条
武装解除地帯ノ存在ハ侵略ヲ防止シ、且下記第十条ニ定ムル性質ノモノノ確定的審査ヲ容易ナラシムルモノト認メラルルニ付、本議定書違反ノ防止手段トシテ互ニ同意スル国家間ニ於テ、右地帯ヲ設定セムコトヲ勧告ス
既ニ条約ノ規定ニ基キ現存シ、又ハ将来互ニ同意スル国家間ニ於テ設定セラルルコトアルヘキ武装解除地帯ハ、接壌国ノ一国又ハ数国ノ請求及其ノ費用ニ依リ、聯盟理事会ニ依リ構成セラルヘキ暫定的又ハ常設的ノ監督機関ノ下ニ之ヲ置クヲ得ヘシ
右休戦ノ受諾ヲ拒絶シ、又ハ其ノ条件ニ違反シタル交戦国ハ侵略国ト看做サルヘシ
聯盟理事会ハ本議定書第十一条ノ定ムル制裁ヲ、侵略国ニ対シ直ニ適用スルコトヲ署名国ニ要求スヘシ、右要求ヲ受ケタル署名国ハ之ニ依リ交戦権ヲ行使スルコトヲ得ヘシ
      第十条
聯盟規約又ハ本議定書ニ定ムル約束ニ違反シ、戦争ニ訴フル一切ノ国ハ侵略国トス
武装解除地帯ニ関スル規則ノ違返ハ、戦争ニ訴ヘタルト同様ナリト看做サルヘシ
敵対行為ノ開始セラレタル場合ニ於テ、全会一致ヲ以テ採用セラルルヲ要スル聯盟理事会ノ決定カ、然ラスト宣言スル場合ノ外左記ニ該当スル国ハ侵略国ト推定セラルヘシ
一、紛争ヲ聯盟規約第十三条及第十五条ニ規定セラレ、本議定書ニ依リ敷衍セラレタル平和的処理手続ニ付託シ、又ハ司法判決仲裁判定若ハ聯盟理事会全会一致ノ勧告ニ従フコトヲ拒絶シ、又ハ該国及他ノ交戦国間ノ紛争カ国際法上専ラ右他ノ交戦国ノ国内管轄ニ関スル事項ヨリ生シタルモノナルコトヲ認ムル聯盟理事会全会一致ノ報告司法判決又ハ仲裁判定ヲ無視シタル国、但シ最後ノ場合ニ於テハ、該国ハ右事項ヲ聯盟規約第十一条ニ従ヒ、予メ聯盟理事会又ハ聯盟総会ニ付託セサリシ場合ニ限リ、侵略国ト推定セラルルモノトス
二、本議定書第七条ニ定ムル手続ノ進行期間中、聯盟理事会ノ命スル一時的措置ニ違反シタル国
 本条第一項及第二項ニ定ムル場合以外ニ於テ、聯盟理事会カ直ニ侵略国ヲ決定スルヲ得サルトキハ、同理事会ハ交戦国ニ対シ休戦ヲ命シ、又三分ノ二ノ多数ニ依リ必要トセラルルニ於テハ、右休戦ノ条件ヲ決定シ且之カ履行ヲ監督スルノ義務ヲ有ス
      第十一条
聯盟理事会カ本議定書第十条末項ニ定ムル制裁ヲ適用スヘキコトヲ署名国ニ要求スルトキハ、聯盟規約第十六条第一項及第二項ニ定ムル制裁ニ関スル右署名国ノ義務ハ、該制裁カ侵略国ニ対シ直ニ適用セラルル為、即時ニ其ノ効力ヲ発生スヘシ
右義務ハ、各署名国カ聯盟規約ヲ支持スル為其ノ地理上ノ地位及其ノ軍備ニ関スル特殊状態ノ許ス程度ニ於テ、侵略行為ニ抵抗スル為、誠
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実ニ且有効ニ協力セサルヘカラサルコトヲ意味スルモノト解釈セラルヘシ
署名国ハ、聯盟規約第十六条第三項ニ従ヒ攻撃セラレ、又ハ脅威セラルル国ヲ援助シ、又原料品及軍需品ノ補給、信用制度ノ開始並運輸及通過ニ関シ便宜ノ供与及相互的交換ノ方法ニ依リ相互的援助ヲ与ヘ、且右目的ノ為ニハ攻撃セラレ、又ハ脅威セラルル国ノ陸路及海路ニ由ル交通ノ安全ヲ維持スル為、出来得ル限リノ一切ノ措置ヲ執ルヘキコトヲ共同シテ又ハ各別ニ約ス
第十条ニ照シ両紛争当事国カ侵略国ナルトキハ、右両国ニ対シ経済上及財政上ノ制裁ヲ適用スヘシ
      第十二条
聯盟理事会カ経済上及財政上ノ制裁ニ関シ、本議定書第十一条ニ定ムル職務ノ執行ヲ要求セラルル場合ニ於テ、其条件ノ複雑ナルニ鑑ミ且本議定書カ署名国ニ与フル保障ヲ一層確実ニ決定スル為、同理事会ハ財政上及経済上ノ制裁ノ実行ニ付執ルヘキ処置ノ性質並聯盟規約第十六条及本議定書第十一条ニ定ムル協力ノ手段ニ付審査シ且報告セシムルタメ、国際聯盟ノ経済及財政ノ機関ヲ直ニ招集スヘシ
右報告アリタルトキハ、聯盟理事会ハ其ノ権限アル機関ヲ通シ、左ノ計画ヲ作成スヘシ
一、侵略国ニ対シ経済上及財政上ノ制裁ヲ適用スルタメノ行動ニ関スル計画
二、攻撃セラレタル国ト、之ヲ援助スル他国トノ間ノ経済上及財政上ノ協力ニ関スル計画
尚右計画ハ之ヲ聯盟ニ属スル諸国及他ノ署名国ニ通告スヘシ
      第十三条
聯盟規約第十六条及本議定書第十一条ニ依リ定ムル陸軍・海軍及空軍ヲ以テスル制裁ヲ適用スルカ如キ場合アルニ於テハ、聯盟理事会ハ諸国ニ対シ該国カ聯盟規約及本議定書ノ定ムル制裁ニ関スル義務ノ履行ヲ確保スル為メ、予メ直ニ出動セシメ得ヘキ陸軍・海軍及空軍ノ軍力ヲ決定スヘキ約束ヲ為サシムルコトヲ得ヘシ
尚聯盟理事会カ前記第十条ノ末項ニ定ムル制裁ヲ適用スヘキコトヲ署名国ニ要求シタルトキハ、該国ハ該国カ予メ締結シタル協定アル場合ニ於テハ、右ニ従ヒ其ノ陸軍・海軍及空軍ノ軍力ヲ以テ侵略ヲ受ケタル特殊ノ国ヲ援助スルコトヲ得ヘシ
前項ニ記載ノ協定ハ之ヲ登録スルヲ要シ、国際聯盟事務局ハ之ヲ公表スヘシ、右協定ハ、之ニ加入セムト欲スル一切ノ聯盟国ノ加入ヲ許スヘシ
      第十四条
制裁ノ適用ヲ停止シ、且常□ヲ再設スヘキコトヲ宣言スルハ、専ラ聯盟理事会ノ権能ニ属スヘシ
      第十五条
本議定書ノ精神ニ従ヒ、署名国ハ本議定書ノ規定ニ基キ侵略抑圧ノ為行ハレタル一切ノ陸軍・海軍又ハ空軍ノ行動ニ依リ生シタル全部ノ費用、並非戦闘員タルト戦闘員タルヲ問ハス、個人ノ蒙リタル一切ノ損
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害及両当事国ノ前記ノ行動ニ依リ生シタル一切ノ物質上ノ損害ニ対スル賠償ヲ、侵略国ヲシテ其ノ能力ノ許ス権限迄負担セシムルコトニ同意ス
但シ聯盟規約第十条ニ鑑ミ、如何ナル場合ニ於テモ本議定書ニ定ムル制裁ノ適用ニ依リ、侵略国ノ領土保全又ハ政治的独立ニ影響ヲ及ホスコトヲ得ス
  (註)聯盟規約第十条
 聯盟国ハ聯盟各国ノ領土保全及現在ノ政治的独立ヲ尊重シ、且外部ノ侵略ニ対シ之ヲ擁護スルコトヲ約ス、右侵略ノ場合又ハ其ノ脅威若クハ危険アル場合ニ於テ、聯盟理事会ハ本条ノ義務ヲ履行スヘキ手段ヲ具申スヘシ
      第十六条
署名国ハ其ノ一国又ハ数国ト本議定書ニ署名セス、且国際聯盟国ニ非サル一国又ハ数国トノ間ニ紛争シタル場合ニ於テハ、右非聯盟国ニ対シ聯盟規約第十七条ニ定ムル条件ニ従ヒ、平和的処理ノ為本議定書ノ署名国ニ依リ、受諾セラレタル義務ニ服スヘキコトヲ勧誘スヘキコトニ同意ス
右勧誘セラレタル国ニシテ、前記ノ条件及義務ヲ受諾スルコトヲ拒絶シ、署名国ニ対シ戦争ニ訴ヘタルトキハ、本議定書ニ依リ解釈セラレタル聯盟規約第十六条ノ規定ヲ該国ニ適用スヘシ
  (註)聯盟規約第十七条
 聯盟国ト非聯盟国トノ間、又ハ非聯盟国相互ノ間ニ紛争ヲ生シタルトキハ、此ノ種紛争解決ノ為聯盟国ノ負フヘキ義務ヲ該非聯盟国カ聯盟理事会ノ正当ト認ムル条件ヲ以テ受諾スルコトヲ之ニ勧誘スヘシ、勧誘ノ受諾アリタル場合ニ於テハ第十二条乃至第十六条ノ規定ハ聯盟理事会ニ於テ必要ト認ムル修正ヲ加ヘテ之ヲ適用ス
 前項ノ勧誘ヲ為シタルトキハ、聯盟理事会ハ直ニ紛争事情ノ審査ヲ開始シ、当該事情ノ下ニ於テ最善且有効ト認ムル行動ヲ勧告スヘシ勧誘ヲ受ケタル国カ此種紛争解決ノ為聯盟国ノ負フヘキ義務ノ受諾ヲ拒ミ、聯盟国ニ対シ戦争ニ訴フル場合ニ於テハ第十六条ノ規定ハ該行動ヲ執ル国ニ之ヲ適用ス
 勧誘ヲ受ケタル紛争当事国ノ双方カ、此種紛争解決ノ為聯盟国ノ負フヘキ義務ノ受諾ヲ拒ム場合ニ於テハ、聯盟理事会ハ敵対行為ヲ防止シ、紛争ヲ解決スヘキ措置及勧告ヲ為スコトヲ得
      第十七条
署名国ハ聯盟理事会ニ依リ招集セラレ、且千九百二十五年六月十五日月曜日ニジユネーヴニ於テ会合スヘキ国際軍備縮少会議ニ参加スヘキコトヲ約ス、聯盟国タルト然ラサルトヲ問ハス、一切ノ国ハ右会議ニ招請セラルヘシ
右会議招集ノ準備トシテ、聯盟理事会ハ本議定書第十一条及第十三条ニ定ムル約束ヲ尊重シ、同会議ニ提出セラルヘキ軍備ノ縮少及制限ニ関スル一般的議題ヲ作成スヘシ、右議題ハ成ルヘク早キ期日ニ、且遅クトモ同会議会合ノ三月前ニ之ヲ各国政府ニ通告スヘシ
千九百二十五年五月一日迄ニ少クトモ、聯盟理事会ノ常任国ノ過半数
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及他ノ十箇国ノ聯盟国カ批准書寄託ヲ為ササルトキハ、聯盟事務総長右招集ヲ取消スヘキヤ、又ハ単ニ所要ノ批准書カ寄託セラルル議ヲ延期スヘキヤニ付聯盟理事会ト協議スヘシ
      第十八条
本議定書第十条又ハ其ノ他ノ規定中聯盟理事会ノ決議ヲ要スル場合ニ於テハ、聯盟規約第十五条ニ照シ之ヲ解釈スヘシ、即チ紛争当事国代表者ノ投票ハ、全会一致又ハ所要多数ノ表決ニ数ヘラレサルモノトス
      第十九条
本議定書ハ其ノ条項ニ依リ明カニ定メラレタルモノヲ除キ、聯盟規約ニ依リ定メラレタル聯盟国ノ権利及義務ニ何等ノ影響ヲ及ホスコトヲ得ス
      第二十条
本議定書ノ解釈ニ関スル一切ノ紛争ハ、常設国際司法裁判所ニ之ヲ付託スヘシ
      第二十一条
本議定書ハ仏蘭西語及英吉利語ヲ以テ共ニ其ノ正文トシ批准ヲ要ス、批准書ノ寄託ハ成ルヘク速ニ国際聯盟事務局ニ於テ之ヲ為スヘシ
政府ノ所在地カ欧羅巴以外ニアル国ハ、其ノ批准済ノ旨ヲ国際聯盟事務局ニ通報スルニ止ムコトヲ得ヘシ、此ノ場合ニ於テハ該国ハ成ルヘク速ニ批准書ヲ送付スルコトヲ要ス
聯盟理事会常任国ノ過半数及十箇国ノ他ノ聯盟国カ其ノ批准書ヲ寄託シタルカ、又ハ批准ヲ為シタルトキハ前記事務局ハ直ニ之ニ関スル調書ヲ作成スヘシ
本議定書ハ、前記調書カ作成セラレタル後軍備縮少ニ関スル計画カ、第十七条ニ定ムル会議ニ依リ、採用セラレタルトキニ於テ直ニ実施セラルヘシ
軍備縮少ニ関スル計画カ採用セラレタル後、前記会議ニ依リ定メラルヘキ期間内ニ右計画カ実行セラレサルトキハ、聯盟理事会ハ其ノ旨ノ宣言ヲ為スヘシ、右宣言ハ本議定書ノ効力ヲ失ハシムヘシ
聯盟理事会カ、国際軍備縮少会議ニ依リ作成セラレタル計画カ実行セラレス、且其ノ結果本議定《(書脱カ)》カ効力ヲ失ヒタルコトヲ宣言スルヲ得ルノ理由書ハ、該会議自ラ之ヲ作成スヘシ
前記会議ニ依リ、定メラレタル期間満了ノ後、同会議ニ依リ採用セラレタル計画ニ同意セサル署名国ハ、本議定書ノ規定ニヨリ生スル利益ヲ享有スルコトヲ□ス
右証拠トシテ之カ為正当ニ委任ヲ受ケタル下名ハ本議定書ニ署名セリ千九百二十四年十月二日ジユネーヴニ於テ本書一通ヲ作成シ、聯盟事務局ノ記録ニ之ヲ保存ス、同事務局ハ其ノ実施ノ日ニ於テ之ヲ登録スヘシ