デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.6.14

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第37巻 p.5-28(DK370001k) ページ画像

大正15年1月20日(1926年)

是ヨリ先、国際聯盟協会聯合会ヨリ、近ク国際聯盟ガ招集スベキ国際経済会議ニ提案スベキ意見ヲ徴シ来ル。是日、当協会主催ノ下ニ、日本工業倶楽部ニ於テ、右ニ関スル懇談会開カル。栄一出席シテ座長トナル。


■資料

(国際聯盟協会)会務報告 第三四輯 自大正一四年九月一八日至同年一一月二〇日(DK370001k-0001)
第37巻 p.5-6 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告  第三四輯 自大正一四年九月一八日至同年一一月二〇日
                    (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    一三、聯合会関係
(一)国際聯盟協会聯合会理事会
 右は十月二十七日よりロザンヌに開かれ、杉村・稲垣・古垣・青木の四氏出席せられ、十月三十一日着電左記報告があつた。
○聯合会理事会に於て、(一)移民問題に関しては、英国側依然種々難色論議の末「ワルソー」聯合会総会に於ける決議の通り、更めて各国協会より修正案を提出(英国協会は夙に特別委員会に於て、修正案作成中なる由)来年六月の聯合会総会(「ドレスデン」に開催の筈)に於て再審議すること、(二)仏国より第六回聯盟総会に対して提案の経済会議を指導鞭撻する為、日・英・米・仏・独・伊・墺の七協会より世界経済救済に関する意見を来年一月末迄に提出し、二月の幹事会に於て取纏めの上、原案を作成聯合会総会に附議すること等、二十余件の決議を通過せり、右(二)は我平和的発展に重大の関係あるものなれば、外務省に必要書類御請求相成、篤と御研究の上、我方の意見成る可く早目に御通知相成度、尚詳細の点は後信に譲る、本電安達大使へも電報し置けり。
(二)国際経済会議に関しクエスチヨネール
 右に関し十一月十八日付、左記クエスチヨネールを適当の個人並に調査機関に発送し意見を徴した。
○拝啓、時下愈々御清穆奉大賀候、陳者去る十月下旬瑞西ロザンヌに開催せられ候国際聯盟協会万国聯合会理事会に於て、幾多決議せられたる事項中
  「仏国ヨリ第六回聯盟総会に提案せる国際経済会議を指導鞭撻するため、日・英・米・独・伊・墺七協会より経済救済に関する意見を来年一月迄に提出し、二月の幹事会(聯盟協会万国聯合会幹事会)に於て之を取纏めて原案を作成の上、来年六月独逸ドレス
 - 第37巻 p.6 -ページ画像 
デンに開かるべき該聯合会第十回総会に附議すること」
 の一項あり、右は、我が国の平和的発展に重大の関係あるものなれば、本協会は我が国各方面の識者の熱誠ある後援の下に、本件に関する我対策につき御示教を仰ぎ、大体の原案纏りたる上、更めて各位の御会合を得て討議決定致度奉存候、御参考の為め去る九月二十四日第六回聯盟総会の決議訳文を、左に掲げ申候
  「――決議――
聯盟総会は
 世界に平和を樹立せしむべき、凡ゆる可能性ある方法を講すべき事を確く決意し、
 経済的平和が各国間の安全に貢献する処、大なるべき事を確信し、全般的繁栄の復活途上に横はる経済上の難問題を調査し、又之等難問題解決の最善なる方法を探究し、争議を防止する事の極めて必要なる事を認め、
 理事会に対し能ふ限り速かに広汎なる基礎の上に、一の準備委員会を組織する事の可否を考慮せんことを要請す、該委員会は国際聯盟の専門諸機関並に国際労働局の援助の下に、国際経済会議開催の準備事業をなすべきものである。
 国際聯盟主催の下に開催さるべき該会議の召集は、理事会今後の決定に俟つべきものとす。」
就ては特に
 一、国際経済会議開催の要ありや否や
 二、要ありとすれば、討議すべき議題の範囲並に性質如何
 三、右議題に対する日本の態度並政策
 尚、其他御気附の点に関し、出来得れば十二月五日までに、御高見御漏し願上度、用紙数枚封入此段得貴意候


国際聯盟協会書類(二) 【(印刷物) 拝啓、時下愈々御清勝奉大賀候、陳者昨秋九月廿四日…】(DK370001k-0002)
第37巻 p.6 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)          (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
拝啓、時下愈々御清勝奉大賀候、陳者昨秋九月廿四日第六回聯盟総会が国際経済会議の招集を希望決議し、本決議に基き聯盟理事会は近く国際経済会議準備委員会を任命することゝ存ぜられ候、さて一方国際聯盟協会国際聯合会は世界の輿論を換起《(喚)》し、該会議の成功を期せしめんがため、日・英・米・独・仏・伊・墺七国の聯盟協会に対し、夫々其の国に於ける国際経済会議に関する輿論を徴し、意見を提出することを要請し参り候、就ては本邦聯盟協会は来る一月廿日午後二時より五時迄、丸の内工業倶楽部に於て国際経済会議懇談会を催し、貴下初め各位の腹蔵なき御高見を拝聴仕度存上奉り候、尚其の折は井上準之助氏より該会議に関する御説明、並に御意見の開陳有之筈に御座候、仍つて公私御多用中恐縮の至に存上候得共、万障御差繰右懇談会に御光臨被下候様、御案内申上候 敬具
  一月十三日○大正一五年   国際聯盟協会々長
                   子爵 渋沢栄一
    (宛名手書)
    渋沢栄一殿

 - 第37巻 p.7 -ページ画像 

渋沢栄一 日記 大正一五年(DK370001k-0003)
第37巻 p.7 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正一五年        (渋沢子爵家所蔵)
一月二十日 晴 寒
○上略二時工業倶楽部ニ抵リ、国際聯盟協会ニ於テ開催セル、聯盟会議ニ提出スヘキ国際経済問題ニ関スル評議会ニ出席ス、来会者五十余名ニシテ、原案ニ対シ各員各様ノ意見アリテ、談論数時間ニ渉リシカ、午後五時頃ニ至リ閉会シ、本日ノ協議会ニ於ル各員ノ名論卓説ニ拠リ更ニ原案ヲ作成シテ、他日或ハ再会スヘキ事ヲ告テ、各員出席ノ労ヲ謝シテ閉会ス○下略


社団法人国際聯盟協会会務報告 大正一四年度 同協会編 第六頁大正一五年四月刊(DK370001k-0004)
第37巻 p.7 ページ画像

社団法人国際聯盟協会会務報告 大正一四年度  同協会編
                       第六頁
                       大正一五年四月刊
    (三)委員会
○上略
○国際経済会議懇談会(一月二十日○大正一五年)工業倶楽部に於て開催渋沢会長座長となり、井上準之助氏より、該会議の性質に関する説明あり、来会者七十名、夫々意見の発表があつて、国際経済会議に対する、吾が国の要望する所が奈辺にあるやを、明かにすることが出来た。


国際聯盟協会書類(二) 【 案 (一)移民問題 移民問題ニ近ヅク方途ニ関シテハ…】(DK370001k-0005)
第37巻 p.7-8 ページ画像

国際聯盟協会書類(二)           (渋沢子爵家所蔵)
    案
(一)移民問題 移民問題ニ近ヅク方途ニ関シテハ多々アルベキモ、例ヘバ「労働ノ需給ヲ純経済的立脚地ヨリ全世界ニ調節スル為メ、根本的調査ヲ為ス」コトノ如キハ、最モ此ノ問題ニ近ヅクニ容易ナル途ナルベシ
(二)原料問題 国際経済ヲ発達セシメ、産業ノ能率ヲ増進シ、人類ノ共存共栄ヲ図ル為メニハ、天然資源ノ開発利用ニ付テ、成ルベク領土的観念ヲ去リ、就中原料品ノ輸出入ハ一般ニ之ヲ自由トシ、且国ニ依ル差別的措置ヲ採ラザルコト緊要ナリト認ム
(三)各国ハ関税上ノ差別待遇廃止ヲ約スルコト 関税ノ障壁ハ各国間ニ於ケル物資ノ自由ナル移動ヲ妨ケ、需給ノ均衡ヲ失ハシメ、関係国ノ国民生活並ニ経済的発展ヲ阻害ス、殊ニ関税上ノ差別待遇ハ啻ニ吾人ガ有スル衡平ノ念ニ反スルノミナラズ、動モスレハ関税戦争ヲ惹起シ、関係国ニトリ不利ナル結果ヲ来スヲ常トス、故ニ吾人ハ理想トシテハ、各国ハ一定ノ従価率以上ノ高税ヲ課ササルコトヲ約スニ至ランコトヲ望ムモノナレドモ、実施上種々困難アルベキニ付、少ク共各国ハ複関税制度ヲ廃止シ、及税率協定ヲ為シタルトキハ、何レノ国ニ対シテモ之ヲ適用シ、且此趣旨ヲ植民地ヲシテ実行セシムルコトヲ約スベキコトヲ提議ス
(四)為替及通貨ノ問題 現下国際為替ノ不安ハ、通商貿易ノ一大障礙ナルヲ以テ、之ガ安定ヲ図ル為メ、各国相協力シ、就中為替低落ニ苦メル諸国ハ速ニ財政ノ均衡ヲ図リ、不換紙幣ヲ整理シ、以テ国内状態ノ基礎ヲ改善スルコト急務ナリト認ム
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(五)聯盟ノ専門機関ニ於テ研究中ノ事項 財政経済委員会、其他ノ聯盟専門機関ニ於テ研究中ノ財政経済ニ関スル問題ハ、「サー・ヒューバート・レウェリン・スミス」ニ依リ指摘セラレタルガ如ク、多年専門ノ智識ヲ有スル委員会ニ於テ研究ヲ重ネ、尚且解決ニ至ラサルモノナルヲ以テ、之ヲ忽如国際会議ノ議ニ附スルモ、何等益ナキカ如クナレトモ、問題ニヨリテハ已ニ研究ノ結果熟シ、今ハ各国政府ノ決断ヲ待ツノミナリト認メラルルモノアリ、又少数ノ専門家ニ依リ構成セラルル委員会ト、大規模ナル国際会議トハ、自ラ其観ル処ヲ異ニスルヲ以テ、已ニ専門機関ノ研究ニ着手セル事項ト雖モ、適当ナルモノハ之ヲ国際経済会議ノ議題トナスコトヲ提議ス
(六)露・米ノ加入勧誘 米・露両国ノ参加協力ハ、本事業ノ成功ノ重大要素ナルガ故ニ、且、両国ハ従来トテモ、聯盟ノ各方面ノ事業ニ参加セシコトアル関係上、今回ノ事業ニモ、是非共参加センコトヲ希望ス
(欄外別筆)
  本案ハ、国際聯盟協会ノ原案トシテ協議ニカケタルトコロ、大分批評アリ、中ニハ攻撃的口調ヲ以テ論スルモノモアリ、又自国ノコトヲ顧ミズシテ、徒ニ他国ニ難キヲ求ムルモノニアラズヤ、ト云フモノモアリ、結局何等纏ル所ナク、午後五時過散会シタリト云フ


国際知識 第六巻第三号・第一一四―一三五頁大正一五年三月 国際経済会議懇談会記事(DK370001k-0006)
第37巻 p.8-28 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

一九二七年の国際聯盟 資料第二四号・第三頁昭和三年一月刊(DK370001k-0007)
第37巻 p.28 ページ画像

一九二七年の国際聯盟  資料第二四号・第三頁昭和三年一月刊
(謄写版)
 聯盟の最初の国際会議たる一九二〇年のブラツセル財政会議は、財政原則を樹立したが、之は諸国の財政当局及びドーズ案の考案者によつて適用され、延いて聯盟の手により二・三国家の財政復興計画を促し、総額約十七億金フランに上る国際公債の援助によつて、之等諸国の財政は復旧したのである。