デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
15款 ルーヴェン国際事業委員会
■綱文

第37巻 p.386-395(DK370096k) ページ画像

大正12年7月27日(1923年)

千九百十四年八月、第一次世界大戦ノ戦禍ヲ蒙リテ、ベルギー国ルーヴァン大学図書館壊滅ス。戦後、当時ノ連合国協力シテソノ復興ヲ計ル。我国ニ於テモ、有志ノ発起ニヨリ当委員会成立シ、是日栄一、ソノ会長ニ推薦サル。大正十五年九月ニ至リテ事業終了ス。


■資料

ルーヴェン国際事業委員会事業成績報告 第一―一六頁大正一五年一〇月刊(DK370096k-0001)
第37巻 p.386-391 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会事業成績報告
                      第一―一六頁大正一五年一〇月刊
                     (渋沢子爵家所蔵)
ルーヴェン国際事業委員会事業成績報告
   (一) 本事業ノ発端○後掲趣意書参照
   (二) 初度ノ内国委員会
 大正十二年七月廿七日、第一回内国委員会ヲ文部省内ニ開催シ、男爵穂積陳重ヲ座長トシ男爵古市公威ヨリ本件経過報告アリ。左記事項ヲ議定シ、尚前記「ルーヴエン」大学図書館再興趣旨書ノ文面、並ニ照会スベキ団体等ニ就キテ協議セリ。
      決議事項
 一、本会ヲ「ルーヴエン」国際事業委員会ト名ヅク
 二、会長ニ渋沢子爵、副会長ニ古市男爵ヲ推薦ス
 三、別ニ名誉会長及名誉副会長ヲ置キ、名誉会長ニ西園寺公爵ヲ、名誉副会長ニ穂積男爵及安達大使ヲ推薦ス
 四、実行委員ヲ設クルコトトシ其数及人選ハ会長ニ一任ス
 五、「パトロナージユ」ヲ請フベキ有力者ヲ名誉会員ト名ヅケ、其推薦ヲ会長ニ一任ス
    (三) 本会事務所開設以後ノ情況
 右議決ノ後直ニ実行ニ着手セントセシニ、同年九月一日関東地方ノ大震火災ニ遭遇シ、止ムヲ得ズ一時事業ノ進行躊躇ノ処、本邦諸学校等ノ罹災ニ対シ却テ外国ヨリ図書寄贈ノ提言アルアリ、旁々此儘久シク本事業ヲ遷延スベクモ非ズ。仍テ大正十二年十二月二十七日委員会ヲ開キ、成シ得ル範囲ニ於テ機宜ノ処置ヲ取ルニ決シ、尚実行委員十名ヲ挙ゲテ協議セリ。其結果大正十二年末、宮内省御下賜金並ニ男爵住友吉左衛門氏寄附金アルヲ基トシテ、大正十三年一月八日以来、事務所ヲ上野公園東京美術学校文庫内ニ設ケ、「ルーヴエン」大学ニ寄贈スベキ図書ノ選択購入、其他送本一切ニ関スル事務ヲ開始シ、本会委員一名ヲ主任ニ嘱託シ、其下ニ助員一名、助手一名(後増員シテ助手二名)ヲ置キテ事ニ当ラシメタリ。
 事務所設置以来、宮内省図書寮及早稲田大学ヨリ大部ノ図書寄贈ア
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リ、引続刊行物ヲ贈リ来レル官公庁・学校等数箇処アリ。又金員ヲ寄贈セルモノノ主ナルハ、岩崎家・三井家・古河家・末延家・渋沢家・日本銀行等トス。
 此等御下賜及寄附金ニ資リ、本会ニテ購入ノ上「ルーヴエン」ニ贈付スベキ図書ニ就キテハ、予メ標準図書目録ヲ製シ、成ルベク之ニ準由スルノ計画ナリシガ、東京罹災直後ノ事トテ新古図書ノ蒐集意ノ如クナラズ。仍テ其不足ヲ補フ為ニ主任者ヲ京阪並ニ奈良地方ニ出張セシメテ、百方採訪ニ力メシメタリ。此クテ採集並ニ寄贈ノ図書数千冊ニ上リシヲ以テ、大正十三年四月七日実行委員会ヲ開キテ、協議後、蒐集図書ノ展覧ヲ行ヒ各委員ノ意見ヲ求メタリ。爾後屡々此事アリ。
 大正十三年五月廿一日実行委員会ヲ開キ、白耳義大使バツソンピエール氏ヲ招待シテ本会ノ情況ヲ説キ、併セテ蒐集図書ヲ示シ、又六月十三日市内新聞記者ノ来観ヲ請ヒテ、第一回送付予定ノ図書ヲ事務所ニ展列セリ。
 大正十三年八月七日第一回ノ図書送付手続ヲ了シ、外務省ノ手ヲ経テ発送ノ旨ヲ白国駐在日本大使館ニ通報セリ。其図書数左ノ如シ。
   三二四部 一、九七七冊 (一一函ニ収)
 大正十三年十二月一日実行委員会ヲ開キ、同月八日第二回送本手続ヲ了ス。今次発送図書ノ数左ノ如シ。
   五八七部 三、三五四冊 (二一函ニ収)
 大正十四年三月十六日実行委員会ヲ開キ、第三回送付決定ノ図書ヲ展観ス。此日 東宮殿下御寄贈ノ花瓶ヲモ陳列ス。同年四月十四日第三回送本手続ヲ了ス。前記花瓶ヲ同時発送ス。今次送付図書ノ数左ノ如シ。
   五六〇部 三、一七五冊 (一六函ニ収)
 大正十四年十月八日実行委員会ヲ開キ、同月十五日第四回送本手続ヲ了ス。今次送付図書ノ数左ノ如シ。
   八一〇部 二、八一八冊 (一二函ニ収)
 大正十五年三月九日実行委員会ヲ開キ、四月五日第五回送本手続ヲ了ス。今次発送図書ノ数左ノ如シ。
   七九一部 二、一九四冊外ニ板木一〇枚 (一三函ニ収)
 大正十五年八月三十日第六回(最終)送本手続ヲ了ス。今回ノ送本ニハ前数回ニ漏レタル最新刊書若干ノ外ニ、第一回以来ノ送本全部ヲ記載セル分類牌子目録一組(牌子約一万三千枚)ヲ包含セリ。該目録ハ去ル四月以降編纂セルモノナリ。今次送付ノ図書数左ノ如シ。
   一三〇部 一六四冊 (二函ニ収)
 外ニ
 目録 一組(抽斗二十個ヲ有スル牌子箪笥一箇ニ収容)
                    (二函ニ収)
    (四) 送本完了
 送本ノ事以上ヲ以テ完了セリ。但予約書類中未ダ終結ヲ告ゲザルモノ数部(続群書類従・鷗外全集・現代小説全集・四書註釈全書・大南北全集)アリ。此等ハ出版完了、現品収受ヲ待チテ、成ルベク取纏メ便宜ノ方法ヲ以テ「ルーヴエン」ニ送致スル見込ナリ。
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玆ニ第一回以来ノ贈付書品ヲ統計スレバ左ノ如シ。
  三、二〇二部 一三、六八二冊 花瓶一箇 版木一〇枚
   但巻物・折図・拓本類ハ便宜上、一点ヲ一部一冊ト見積レリ
    (五) 本会事業ノ宣言書
 大正十五年三月中、左ノ意味ノ仏文宣言書ヲ作製シ、在欧当局及日本駐在白耳義大使ニ回付セリ。同書ハ本事業殊ニ図書ノ採集及整理ノ情況ヲ具述セルモノナルヲ以テ、玆ニ其訳文ヲ掲グルコトトセン。
  今回日本ヨリ「ルーヴエン」大学図書館ニ寄贈セル図書ハ、実ニ約一万四千冊ノ多数ニ上リ、其採集ハ主トシテ優良ナル古書ニ於テセルガ、是レ一ハ日本ノ古文化ヲ表徴スルノ趣旨ヨリ、又ハ「ルーヴエン」大学図書館ノ誇トセシ「エンキユナブル」ニ対スル考慮ヨリ出デシナリ。
  サレバ此等ハ悉ク日本特有ノ図書ニ係リ、同国古来ノ文化ヲ研究スルノ資料タルベク、種類ハ哲学・神道・宗教・文学・美術・歴史地理・経済・法制・理学・工芸・産業・遊技等ノアラユル方面ニ亘レリ。
  其中稀覯書トシテ見ルベキモノハ、西暦七百七十年頃ノ古版ニ係ル「無垢浄光経陀羅尼」二種アリ。次ニ西暦第十四世紀頃ニ「五山版」ト称シテ、仏教家ノ手ニ出版セラレタル、古刊本ノ標本三部アリ。其一「寂室語」ノ如キハ蔵書家ニ取リテ甚ダ愛重セラルヽモノナリ。
  次ニ第十七世紀ノ前半ニ於テ、木活字ヲ以テ刊行セラレタルモノノ標本数部アリ。此等ハ当時刊出ノ部数甚ダ少キ為、今亦稀覯ニ属セリ。
  又「奈良絵本」ト称スル写本ニシテ、極彩色ノ絵画ヲ挿メル冊子ハ、江戸時代初期ノ家庭間ニ玩バレタル御伽草紙体ノモノニシテ、是レ亦今ハ坊間ニ稀ナルモノトス。
  写本中、古写経ノ標本数巻アリ。天平十二年光明皇后願経ヲ首トシテ、中臣寺・中尊寺・神護寺・手向山八幡宮旧蔵諸巻ノ如キ、皆考古ノ料タルヲ失ハズ。
  次ニ大部ノ書籍類ニアリテハ、「古事類苑」三百五十五冊、「群書類従」六百六十六冊、「本草図譜」九十五冊ノ如キアリ。又近年ノ叢書トシテハ、国書刊行会本以下十余種ニ及ビ、古典籍ノ複刊ヲ殆ド尽セリ。
  重価ノ書類中、日本特殊ノ絵画類ヲ影写セル美本モ其ノ主ナルモノヲ選ビテ数十部ニ及ベリ。尚価格ヨリ言ヘバ、一・二冊ノ小冊子ニテ方今珍書トシテモテハヤサルヽ者モ少カラズ、往々一冊数十円乃至数百円ノ高価ヲ呼ベル者アリ。例ヘバ前掲古版「寂室語」ハ一部二冊金四百円ニ価セリ。
  浮世絵ノ大家菱川師宣・鈴木春信等ノ原刻本ノ如キモ、其ノ標本数部ヲ得タルガ、此等亦年々稀少トナリテ容易ニ佳本ヲ獲ガタキ者トス。
  右等ノ図書ヲ購入スルニ就キテノ努力モ亦容易ニアラズ。ソハ一千九百年頃ヨリ我国中流以上ノ家ニ蔵書癖旺盛トナリテ、稀書ハ此
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等ノ人々ノ占有ニ帰シテ固定シ、又都市其他各地方ニ図書館ノ建設其数ヲ加ヘタルヨリ、古書類ハ日ニ月ニ市場ニ稀少トナルニ随ヒ、其ノ価格モ亦甚シク騰貴シ、二十年前ニ比シテ実ニ十倍乃至二十倍トナレル者モ、珍シカラヌ状況トナリシヲ以テナリ。
  殊ニ一千九百二十三年ノ大震災後ニ至リテハ、東京市内ニ存在セシ図書ノ焼亡数百万冊ニ上リ、又東京帝国大学附属図書館ヲ始トシテ、数箇ノ図書館及大書肆ノ罹災ニヨリ、日本ニ於ケル図書ノ著シク欠乏セルハ推測スルニ余リアリ。
  此カル場合ニ際シテ、多数ノ図書ヲ蒐集スルコトノ難事業タリシハ言ヲ待タズ。此クテ東京ニ於テ採集ノ困難ナリシ為、主任者ハ屡屡、京都・大阪・奈良地方ニ出張シ、限リアル時間内ニ於テ不足ノ図書ヲ補充スルニ力メシ労モ亦、察セラレザルベカラズ。
  偖送付図書ノ大多数ハ、本会ノ選択購入ニ由ルモノナレド、其外ニ宮内省以下官公庁及国内有志ノ寄贈ニ係ルモノ若干アリ。就中摂政宮殿下ノ御篤志ニヨリ、図書寮所蔵ノ貴重ナル複本数百冊、並ニ磁製花瓶一箇ヲ御寄贈相成リタルハ特筆スベキコトナリ。
  蒐集ノ労ノ大ナリシ外ニ、尚別ノ注意及経費ヲ要セシコトヲ挙ゲザルベカラズ。
  抑々日本ノ古書ハ一部数小冊ヨリ成レルモノ多ク、其上歳月ヲ経テ装釘ノ破損セルモノアリ。此等ニツキテ其一部数冊ヲ結集シテ他部トノ区別ヲ明ナラシムル為ニ、毎部ヲ冊数ニ応ジ適宜一帙乃至数帙ニ収ムル手段ヲ執リ、又装釘ヲ修補シナガラ及ブダケ其書ノ原形ヲ損ハザルヤウニ努メタリ。蓋シ帙子ヲ作リテ一部数冊ヲ結集セザルトキハ他部ノ本ト混雑スル虞アリテ、日本ノ書籍ニ慣レザル泰西ノ図書館当事者等ハ、久シカラズシテ拾収ニ困難ヲ感ズベシ。又毎部ノ書ニ書架号数ノ小札ヲ貼付スル上ニモ、帙ヲ以テ洋装本ノ外皮ニ相当スルモノヲ作リ置クヲ要ス。近代ノ洋装本以外ノ書ニ一一此帙ヲ充行ヒタル費用ハ決シテ軽微ニ非ズ。為ニ図書購入費ノ殺減ヲ余儀無クセラレタル傾アリ。
  又巻物仕立ノ本ニテ今回新ニ表装ヲ施セルモノ少カラズ。其上巻物保存上ノ便ヲ図リテ一々之ヲ適当ノ木製箱ニ収メタレバ、此等ノ費用モ相当ノ額ニ上レリ。
  帙並ニ木函ノ外面ニ所収品ノ題名ヲ記シタルハ言フニ及バズ。要スルニ日本以外ノ国土ノ図書館ニテ、日本書籍ヲ収貯使用シ得ルマデノ用意ハ、凡テ遺漏無カランコトヲ期セリ。
  書籍ヲ図書館ニ於テ利用セシムルニ、目録ヲ欠クコト能ハザルハ論無シ。仍テ一書ヲ得ル毎ニ簡潔ニシテ而モ正確ナル牌子目録ヲ製シ、其牌子約一万四千枚ヲ集メテ、二十六類ヨリ成ル分類総目録ニ編シ、最後ノ送本ト共ニ送付セリ。(上記二十六類ノ下ニ綱目ノ細別アリ。委シクハ附録甲号「分類表」○略スヲ参看セラレタシ。)
 牌子目録ノ各一枚ニハ、西人ノ検索ニ便ズル為ニ、紙面ノ第一行ニ羅馬字ヲ以テ書名ヲ音訳シタリ。書名ヨリ検索スルハ日本国ニ於ケル和漢書ニツキテノ習慣ニ随ヘルニテ、西洋ニ於ケルガ如キ著者名ヨリノ検索ハ、我国ニテ多ク行ハレザレバナリ。要スルニ日本ノ図書ニ対
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シテハ、日本人ノ常用方法ニ由ルヲ至当トセン。(贈付図書ノ品目ニツキテハ、附録乙号「図書目録」○略スヲ参看セラレタシ。)
    (六) 結論
 図書ノ寄贈ハ既ニ完了シタレドモ、尚残レル事業トシテハ「ルーヴエン」大学図書館ニ集積セル日本ノ図書全部ノ類別的挿架ヲ書庫ノ現場ニ就キテ行ヒ、且一書ゴトニ類号書号ヲ附与シ、併セテ之ヲ該当目録牌子ニ記入シテ検引ニ便ズル等ノ事務アリ。其完全ヲ期センニハ此事ニ経験アル者ヲ派遣シテ事ニ当ラシムルニ若クハ無シ。然ルニ「ルーヴエン」ニテハ建築未竣成等ノ故ヲ以テ、目下当事者ヲ迎フルニ適セズトセリト云フ。果シテ然ラバ今後ノ推移ヲ見テ適宜ノ処置ヲ講ズルノ外無カルベシ。
 本事業ハ畏クモ最先ニ 摂政宮殿下ノ御保護ヲ蒙リ、次デ有志諸士ノ賛助ヲ得テ一応目的ヲ達シタルハ、本会委員等ノ甚ダ欣幸トスル所ナリ。但大震災直後人心尚未ダ安定セズ、経済上ノ秩序未ダ立タザル間ノ事トテ予期ノ成績ヲ挙グル能ハザリシヲ遺憾トス、若シ他日有力ノ士本会ノ志ヲ紹ギ既集図書ノ欠ヲ補ヒテ、我国図書ノ外国ニ於ケル利用ヲ豊ナラシムルニ至ランコトハ我輩ノ冀望シテ措カザル所ナリ。
    (七) 「ルーヴエン」大学ノ感謝状
 大正十五年八月、既往本会ノ図書寄贈ニ対シ「ルーヴエン」大学総長、並ニ図書館長ヨリ白耳義駐在日本帝国大使安達峰一郎氏宛ノ謝状ニ接セルガ其中大学総長ノモノハ西暦一九二六年五月廿一日附ニシテ全文左ノ如シ。
Université Catholique de Louvain
Cabiuet du Recteur        Louvain, 21 Mai, 1926
 Excellence,
  Je m'empresse de vous accuser la réception de la liste des livres qui font l'objet du cinquiême envoi de Comité japonais pour la reconstitution de la Bibliothèque de Louvain.
  Je suis vraiment confondu par la générosité dont vos compatriotes, Excellence, font preuve envers notre Université. Je ne crois pas qu'aucun compartiment composé par les livres venant d'un autre pays pourra être comparé, dans notre nouvelle Bibliothèque, au compartiment au Japon. Ce compartiment assurera à cette Bibliothèque une originalité parmi les autres bibliothèques du pays.
  J'ai déjà écrit, et je ne manquerai pas de répéter au Comité japonais l'hommage de notre profonde reconnaissance je vous saurais gré, Excellence, de lui en faire parvenir encore l'expression bien sincère et je vous prie de croire. Vous même à notre vive gratitude pour la bienveillance avec laquelle vous vous faites son intermédiaire auprès de nous.
  J'y joins, Excellence, l'hommage de ma considération très respectueuse.
 - 第37巻 p.391 -ページ画像 
                (S) R. P. Ladeuze
A Son Excellence Monsieur Adaci
 Ambassadeur du Japon à Bruxelles
    (八) 金品寄贈者○略ス
    (九) 収支決算 大正十五年九月末日調
本会事務開始以来ノ金員収支決算左ノ如シ。
      収入
 宮内省御下賜              金一〇、〇〇〇円
  住友男爵寄附             金一〇、〇〇〇円
  岩崎家寄附              金一〇、〇〇〇円
  三井家寄附              金一〇、〇〇〇円
  古河男爵寄附             金一〇、〇〇〇円
  末延道成氏寄附            金一〇、〇〇〇円
  渋沢子爵寄附             金一、〇〇〇円
  日本銀行寄附             金二、〇〇〇円
  九州帝国大学医学部職員寄附      金六九円
  第七高等学校造士館長渡部董之介氏寄附 金一〇円
  北海道中川郡豊頃村役場職員九名寄附  金五円九〇銭
  重複及不用図書売却代         金一〇五円
    計金六三、一八九円九〇銭
      支出
  図書購入費              金三六、〇〇五円六七銭
  製本製帙費              金三、七二八円九九銭
  器具及牌子費             金八九九円七五銭
  海外送本費(保険料共)        金一、五〇七円一五銭
  人件費                金一八、三一四円二八銭
  雑費                 金四〇八円六二銭
    計金六〇、八六四円四六銭
   差引残額 金二、三二五円四四銭
  右残金ハ報告書等、印刷費及残務費ニ充テ、猶剰余ノ金員ハ白耳義駐在日本帝国大使ト協議ノ上「ルーヴエン」大学ニ贈リ、同学図書館日本室ノ装飾費ニ充ツル見込アリ。


渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月至同年十二月 高田利吉筆記(DK370096k-0002)
第37巻 p.391 ページ画像

渋沢子爵親話日録 第一 自大正十二年十一月至同年十二月 高田利吉筆記
                     (財団法人竜門社所蔵)
十一月十八日(日曜)
○上略
△ついで古市公威氏来訪、欧洲大戦中独軍に焼毀せられたるかの有名なる白耳義のルバン図書館復興の件につき談せらるゝ所あり
○下略


渋沢子爵親話日録 第二 自大正十二年十二月至 高田利吉筆記(DK370096k-0003)
第37巻 p.391-392 ページ画像

渋沢子爵親話日録 第二 自大正十二年十二月至 高田利吉筆記
                     (財団法人竜門社所蔵)
○十二月十四日
 - 第37巻 p.392 -ページ画像 
○上略
△十一時古市公威氏事務所へ来訪、ルバン図書館復興の件につき協議せらる
○下略


集会日時通知表 大正一二年(DK370096k-0004)
第37巻 p.392 ページ画像

集会日時通知表 大正一二年        (渋沢子爵家所蔵)
十二月廿八日 金 正午    ルバン大学件協議会(華族会館)


集会日時通知表 大正一三年(DK370096k-0005)
第37巻 p.392 ページ画像

集会日時通知表 大正一三年        (渋沢子爵家所蔵)
五月廿一日  水 午後零時半 ルバン図書館ノ件ニ付白耳義大使ト御会見(上野精養軒)
               古市男爵御同道
   ○中略。
十二月一日 月 正午 ルーベン国際事業委員会 上野精養軒


ルーヴェン国際事業委員会書類(DK370096k-0006)
第37巻 p.392-393 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会書類 (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
拝啓、益々御清安奉賀候、陳者予テ御配慮ニ預リ居候ルーヴエン国際事業ノ儀、別紙趣意書本文ノ通リ宣明、且同追記ノ如キ経過ニ御座候処、今回愈々第一回分トシテ発送可致、図書等稍其数ニ達シ候ニ付、右現品高覧ニ供シ併セテ御意見ヲモ承リ度存候間、御繁用中恐縮ニ候ヘ共、来ル六月七日(土曜日)午後一時ヨリ三時迄ノ間ニ於テ、本会事務所「上野公園東京美術学校文庫(同校本館ト往還ヲ隔テタル向側一郭内ニ在リ)階上」ニ御来臨被成下度、此段御案内申上候 敬具
  大正十三年五月二十五日
             ルーヴエン国際事業委員会
                会長  子爵 渋沢栄一
                副会長 男爵 古市公威
    委員     殿
 追テ乍御手数、御来否トモ同封郵箋ヲ以テ折返シ御回報ニ預リ度、此段申添候
 尚本会事業趣意書十枚別便及御送付候ヘ共、更ニ御入用ニ有之候ハバ本会事務所ニ御申越相成度、早速追送可致候
(別紙・印刷物)
    ルーヴエン大学図書館再興趣意書
世界大戦ノ劈頭千九百十四年八月二十六日、数百年ノ歴史ト三十万巻ノ書籍トヲ有シ、古文書ニ古版本ニ記念物ニ世界ノ宝庫ト絶称サレタル白耳義国ルーヴエン大学図書館ハ、不幸ニシテ兵燹ニ罹リ全部灰燼ニ帰セリ、此ノ事タル人文尊重ノ見地ヨリ最遺憾トスル所ナルヲ以テ当時ノ聯合国ハ勿論中立国モ倶ニ協力シテ其ノ廃墟ノ復興ヲ図リ、千九百十九年国際委員ヲ選定シ「ルーヴエン」国際事業ナルモノヲ興セリ、而シテ本邦モ一ハ世界文明ニ貢献センガ為メ、一ハ日本文化ヲ泰西ニ伝ヘンガ為メニ、十五名ノ国際委員ヲ選ビ此ノ挙ニ参加セリ
 - 第37巻 p.393 -ページ画像 
爾来各国ハ続々金員物品ヲ寄附シ、英国ノ如キハ既ニ書籍数万巻ヲ贈リ、米国ハ特ニ図書館全部ノ建物ヲ負担シ、直ニ工事ニ着手シテ既ニ其ノ落成ヲ見タリ、仏国モ亦別ニ図書館内部ノ装飾ヲ分担シ、又伊国ノ如ク大学ニ国際講座ノ設置ヲ寄附スルモノ二・三アリ
皇太子殿下先年御外遊ノ砌、親シク「ルーヴエン」ヲ御視察遊バサレ深キ御同情ヲ賜ハリ、此ノ挙ニ対シ宮内省ヨリ若干金品ノ御下賜アリ如斯本件ハ各国協同ノ事業ニシテ、国際関係ニ影響スル所尠カラズ、且東西文化融合ノ機ヲ与フルモノナルヲ以テ、主旨ノ在ル所ヲ諒セラレ、左ノ各項ニ依リ奮ツテ之ニ賛同アランコトヲ冀フ
一、寄附ハ金員書籍ニ限ラズ、物品例ヘバ美術品又ハ其ノ模写・模造等ヲモ受納スル事
一、寄附申込ハ東京市上野公園東京美術学校文庫内、ルーヴエン国際事業委員会子爵渋沢栄一宛ノ事
一、金員ハ左記銀行ノ一ニ宛払込ノ事
                 東京市麹町区八重洲町
                   第一銀行
                 同 日本橋区駿河町
                   三井銀行
                 同 麹町区八重洲町
                   三菱銀行
                 大阪市東区北浜五丁目
                   住友銀行
                 東京市日本橋区平松町
                   住友銀行東京支店
                 同京橋区南伝馬町壱丁目
                   東京山中銀行
一、書籍又ハ物品寄附ノ場合ハ重複ヲ避クルタメ、先ヅ其目録ヲ寄附申込所ヘ送附シ、受否ノ通知ヲ俟ツテ其ノ都度指定ノ場所ヘ送附ノ事
一、寄附ノ書籍ハ主トシテ邦文タルベク、漢文又ハ欧文ノ書籍ハ本邦ニテ出版サレタルモノニ限ル事
   ○追記並ニ決議事項略ス。
  大正十三年五月二十五日
             ルーヴエン国際事業委員会
                会長  子爵 渋沢栄一
                副会長 男爵 古市公威


ルーヴェン国際事業委員会書類(DK370096k-0007)
第37巻 p.393-394 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会書類 (渋沢子爵家所蔵)
    記
一 徳川慶喜公伝 全八冊
右ルーヴエン国際事業委員会ニ御贈附相成正ニ領収致候也
  大正十三年五月六日
          ルーヴエン国際事業委員会 ルーヴエン国際事業委員会印
 - 第37巻 p.394 -ページ画像 
    子爵 渋沢栄一殿


ルーヴェン国際事業委員会書類(DK370096k-0008)
第37巻 p.394 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会書類      (渋沢子爵家所蔵)
(控)
    寄附申込書
             払込銀行名
一 金壱千円也
一 書籍――部――冊 別紙目録ノ通
一 物品―――――点 別紙目録ノ通
      右ルーヴエン図書館再興ノ為寄贈候也
  大正十四年五月九日
                   住所氏名
                      渋沢栄一
    ルーヴエン国際事業委員会
      会長 子爵 渋沢栄一殿


ルーヴェン国際事業委員会書類(DK370096k-0009)
第37巻 p.394 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会書類 (渋沢子爵家所蔵)
         (別筆)
          大正十四年五月十二日和田万吉氏来状
拝啓、新緑之候執事益御清穆奉賀入候
然ハルーヴェン国際事業委員会ヘ
 金壱千円也
御寄附可相成旨御申通之段拝承、早速古市副会長殿ヘ報告致置候間御承知被下度、此段御挨拶迄申上候 草々拝具
  五月十二日
            ルーヴエン国際事業委員会
                     和田万吉
    渋沢子爵殿
          執事
   ○和田万吉ハ前東京帝国大学付属図書館長文科大学教授ニテ当会ノ委員トナリ、当会事務所主任トシテ、寄贈図書ノ選択・購入・整理ニ当ル。


渋沢栄一 日記 大正一五年(DK370096k-0010)
第37巻 p.394 ページ画像

渋沢栄一 日記 大正一五年 (渋沢子爵家所蔵)
三月九日 晴 寒
○上略正午上野精養軒ニ抵リ、古市男其他ノ諸氏ト白国ルバン復興協賛ノ事ニ付会話ス○下略


集会日時通知表 大正一五年(DK370096k-0011)
第37巻 p.394 ページ画像

集会日時通知表 大正一五年 (渋沢子爵家所蔵)
三月九日  火 正午   ルヴエン国際事業委員会事務終了報告会
            (上野精養軒)
   ○中略。
九月十一日 土 正午 ルーヴエン国際事業委員会(上野精養軒)


ルーヴェン国際事業委員会書類(DK370096k-0012)
第37巻 p.394-395 ページ画像

ルーヴェン国際事業委員会書類 (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
 - 第37巻 p.395 -ページ画像 
拝啓、残暑去兼候処、愈御堅勝奉賀候、陳者予テ御配慮ニ預リ居候ルーヴエン国際事業委員会ニ於テ取扱ノ送本事業モ、此程一先結了候ニ就テハ、右事業ノ成績報告旁々是非共御協議相願度儀有之候間、御多用中恐縮ナカラ来ル九月十一日(土曜日)正午、上野公園内精養軒ニ御枉駕被成度、此段御案内迄申上候 敬具
  大正十五年九月三日
      ルーヴエン国際事業委員会副会長 古市公威
    ルーヴエン国際事業委員会
    (宛名手書)
     会長 子爵 渋沢栄一殿