デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
26款 国際教育関係諸団体 1. 東亜高等予備学校
■綱文

第38巻 p.223-230(DK380020k) ページ画像

大正4年7月(1915年)

是ヨリ先、中華民国留学生教育ノタメ、私立日華同人共立東亜高等予備学校設立セラル。是月巌谷孫蔵・服部宇之吉等発起人トナリ、東亜高等予備学校賛助会ヲ設立スルヤ、栄一寄付金募集ノタメ紹介ノ労ヲ取ル。


■資料

財団法人日華学会書類(一) 【謄写版) 財団法人東亜高等予備学校沿革概略】(DK380020k-0001)
第38巻 p.223-226 ページ画像

財団法人日華学会書類(一)         (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    財団法人東亜高等予備学校沿革概略
本校ノ初名
 私立 日華同人共立 東亜高等予備学校ト称ス
 中華民国留学生曾横海諸氏ノ精神的援助ヲ記念スル為ナリ
校地
 神田区中猿楽町五番地
創立
 大正二年頃ヨリ支那第一革命ニ従事セル功労者子弟ノ留学スル者頓ニ増加シ、是等留学生ノ需ニ応ジ、当初松本亀次郎個人ノ事業トシテ日本大学・大成学館等ノ教場ヲ借受ケ、講習的ニ日本語ヲ教授セシガ、其後学生数漸次増加シテ五・六百名ニ達シ、借教場ニテハ収容スルコト能ハザリシガ故ニ大正三年三月右ノ校地ヲ借受ケ資金六千余円ヲ投ジ、木造二階建校舎九拾八坪、附属建物四坪ヲ建築セリ大正三年十月十四日、設置者松本亀次郎・吉沢嘉寿之丞・杉栄三郎三名ヨリ、私立学校令第二条ニ依リ私立日華同人共立東亜高等予備学校設置ノ件、東京府知事ニ申請ス
 同年十月二十五日、東京府知事ヨリ私立学校設置ノ件許可セラル
 大正四年一月六日、松本亀次郎ヲ以テ校長トナスノ件申請ス
 同年一月十五日、東京府知事ヨリ松本亀次郎ヲ以テ校長トナスノ件認可セラル
賛助会ノ発起
 大正四年七月、法学博士巌谷孫蔵・文学博士服部宇之吉・杉栄三郎三矢重松・飯田邦彦五氏発起者トナリ・東亜高等予備学校賛助会ヲ設ケ、全権公使伊集院彦吉・男爵渋沢栄一両氏ノ紹介ト、藤瀬政次郎・江口定条諸氏ノ斡旋トニ依リ、義助金ヲ募集シ、金壱万六千壱百五拾円ノ寄附ヲ得タリ
 其寄附者氏名及ビ金額左ノ如シ
  金壱千五百円也        門野重九郎氏
  金参千円也          三井物産株式会社
 - 第38巻 p.224 -ページ画像 
  金参百円也     男爵   渋沢栄一氏
  金参千円也          三菱合資会社
  金壱千円也     正金銀行 井上準之助氏
  金壱千円也          南満洲鉄道株式会社
            男爵   中村雄次郎氏
  金壱千円也     台湾銀行 桜井鉄太郎氏
  金壱千円也          日本郵船株式会社
  金参百円也          東亜興業株式会社
  金壱千円也          古河合名会社
  金壱千円也          加藤定吉氏
  金壱千円也          高本陸郎氏
  金参百円也          巌谷孫蔵氏
  金壱百五拾円也        服部宇之吉氏
  金壱百五拾円也        杉栄三郎氏
  金壱百五拾円也        三矢重松氏
  金参百円也          飯田邦彦氏
校地ノ買得
 大正八年五月 日金弐万七千円 ヲ以テ中猿楽町六番地壱百八拾九坪五合壱勺ヲ買得シ、賛助会ノ寄付金全部ヲ之ニ振向ケ、其不足額ハ門野重九郎氏等ノ融通ヲ受ケタリ、但買得セル校地ハ負債アルヲ以テ之ヲ学校ノ資産ニ繰入ルゝヲ得ズ、一時松本亀次郎個人所有ノ名義ヲ以テ、登記所・税務署・神田区役所等ノ手続ヲ為セリ
財団法人ノ設置
 大正九年二月十五日、私立日華同人共立東亜高等予備学校校舎及附属建物時価弐万円ヲ以テ基本財産トシテ寄附行為ヲ為シ、財団法人東亜高等予備学校ヲ設置シ、設立者松本亀治郎・吉沢嘉寿之丞・杉栄三郎三名ヨリ其許可ヲ文部大臣ニ申請セリ
 大正九年三月二十五日、財団法人東亜高等予備学校設立申請ノ件、民法第三十四条ニ依リ文部大臣ヨリ許可セラル
 財団法人設立当時ノ理事
  松本亀次郎・杉栄三郎・吉沢嘉寿之丞・服部宇之吉・飯田邦彦・三矢重松
校地新築
 大正九年三月ヨリ、買得校地ニ木造三階建々物ヲ新築シ、旧校舎二階上ニ三階ヲ増築ス、此総延坪五百余坪、工事費八万余円、資金ハ全部門野重九郎氏等ノ好意的融通ヲ受ケタリ、此新築校舎モ全部負債ニ属スルガ故ニ、財団法人ノ資産ニ移スコト能ハズ、一時松本亀次郎ノ名義ヲ以テ区役所ノ手続ヲ為セリ、但学校校舎ナルガ故ニ諸税ヲ免除セラル
 大正九年五月八日、右買得校地ハ学校用地トシテ地租免租ノ件、神田橋税務所長ヨリ聴キ届ケラル
 大正九年九月ヨリ、校舎利用ノ方法トシテ、日進英語学校ヲ設置シ佐川春水・松本亀次郎両名設置者トナリ、共同的経営ヲ為セリ
国庫補助請願
 - 第38巻 p.225 -ページ画像 
 大正九年六月、同十年六月及同十一年十二月ノ三回ニ於テ、国庫補助ノ件ヲ文部大臣ニ申請セシガ、予算緊縮ノ際ニテ願意ヲ聴キ届ケラルルニ至ラザリキ
 大正十年校長松本亀次郎、同志成城学校留学生部主任服部操、志成学校教頭越石乙次郎及丸山伝太郎諸氏ト共ニ、留学生ノ学費補助及ビ予備教育機関ノ完成等ニ関シ、国庫補助ノ請願ヲ貴族院議員江原素六・沢柳政太郎諸氏ノ紹介ヲ以テ貴族院ニ提出シ、衆議院ニハ一宮房次郎・加藤定吉氏等ニ同趣旨ノ建議案提出方ヲ依頼セシニ、両院共ニ其ノ通過ヲ見タリ
校舎焼失
 大正十二年九月一日、大震火災ノ為メ校舎並ニ設備全部ヲ焼失セリ日進英語学校ハ其ノ共同経営ノ目的タル校舎ヲ失ヒシ為メ、設置者中ヨリ松本亀次郎名義ヲ除クニ至レリ
仮事務所
 大正十二年十月、焼跡ニバラック十二坪ヲ建築シ、臨時事務所並ニ仮教場ニ充テタリ
再興費補助申請
 大正十二年十二月外務大臣ニ対シ、学校再興費補助ヲ申請セリ
 大正十三年三月二十五日、右申請ノ件認可セラレ、再興費トシテ金参万円ヲ交付セラレタリ
仮校舎建築
 大正十三年四月四日、仮校舎建築ニ着手シ、八月二十一日竣工セリ
 此ノ延坪三百八坪四合五勺(事務室及廊下ヲ含ム)
日華学会ト協定成立
 大正十四年三月、本校ノ事業ヲ完成センガ為メ、有力ナル財団ニ合併スルノ必要ヲ認メ、本校ノ資産及事業ヲ財団法人日華学会ニ引継ギ、其ノ負債ハ日華学会ニ於テ引受クルノ協定成立セリ、此協定成立ノ基ヲ為セシモノハ、外務省文化事業委員会ニ於テ委員小村俊三郎其他諸氏ノ熱心ナル発議アリ、且ツ双方ノ理事間ニ於テ久シキ以前ヨリ意見ノ合致セル所アリシ故ナリ
解散
 大正十四年四月十五日、理事会ノ決議ニ依リ、財団法人東亜高等予備学校ヲ解散シ、同十六日法人解散ノ登記ヲ了シ、同二十二日文部省並ニ外務省ニ解散時日、理由、清算人ノ氏名住所ヲ届出タリ
  清算人氏名左ノ如シ
                    松本亀次郎
                    吉沢嘉寿之丞
                    杉栄三郎
 但日華学会ニ合併スルノ目的ヲ以テ、本財団法人ヲ解散スルニ付キテハ、文書ヲ以テ予メ評議員ノ同意ヲ求メタリ
設立者変更
 大正十四年四月十七日、財団法人日華学会々長細川護立、財団法人東亜高等予備学校理事長杉栄三郎連名ヲ以テ、財団法人東亜高等予備学校設立者変更ノ件、東京府知事ニ申請ス
 - 第38巻 p.226 -ページ画像 
 同年五月二十五日、東京府知事ヨリ右申請許可セラレタリ



〔参考〕日華学会二十年史 砂田実編 第一〇〇―一〇九頁 昭和一四年五月刊(DK380020k-0002)
第38巻 p.226-230 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。