デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和5年2月14日（1930年）

是日栄一、中華民国奉天督弁張学良ノ使者王家楨及ビ張学銘ヲ、渋沢事務所ニ招キテ午餐会ヲ催ス。栄一、病気ノタメ出席セズ、阪谷芳郎代理接待ス。

（汪栄宝）書翰　　渋沢栄一宛（昭和五年）月日未詳（渋沢子爵家所蔵）
敬啓者玆有弊国名士王君大楨来游
貴国対於朝野名流均擬一表敬意並交換意見以期達成真正国民親善之目的玆王君願趨謁
台端拝聆
高論特備函紹介乞
賜延接不勝感荷敬請
台安
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　汪栄宝
　　　　渋沢栄一閣下
 - 第39巻 p.674 -ページ画像 
（右訳文）
謹啓、陳者今回弊国名士王大楨氏貴国ニ来遊致候ニ付テハ、朝野ノ名流ニ対シ均シク敬意ヲ表シ、且ツ意見ヲ交換シ真正ナル国民親善ノ目的ヲ達成セン事ヲ期待致居候、就テハ同氏ハ貴邸ニ参趨シ高論ヲ拝聴致度希望致候間、御引見被下候ハヽ幸甚ニ存候、特ニ書面ヲ以テ御紹介旁々奉懇願候　敬具
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　汪栄宝
　　　　渋沢栄一閣下

招客書類（三）　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　主賓宛招待状写
拝啓、時下益御清適奉賀候、然者此度御来遊を機とし親敷御懇話御願度存候に付ては、来十四日（金曜日）丸ノ内仲廿八号館二階渋沢事務処に於て粗餐差上度存候間、同日正午尊来被成下度候、右は渋沢子爵に代て御案内申上度如此御座候　敬具
　　昭和五年二月十三日　　　　　　　　　　阪谷芳郎
　　　張学銘様号ハ西郷
　　　王家楨様号ハ樹人　各通
　　○招待状ハ奉書ニ認メ且ツ名ヲ用ヒズ姓・号ヲ書ス

　　　　児玉謙次氏以下陪賓宛案内状控
拝啓、時下益御清適奉賀候、然者此度中華民国張学良氏の代表者として来遊中之張学銘・王家楨両氏を招待し、親敷中日親善問題等に付き御款談御願度候に付ては、来十四日（金曜日）正午丸ノ内仲二十八号館二階渋沢事務処へ御光来被成下度候、右は渋沢子爵に於て主催可致候処、生憎目下微恙引籠中の為め代つて御案内申上候次第に御座候
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具
　　昭和五年二月十三日　　　　　　　　　　　阪谷芳郎

招客書類（三）　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　昭和五年二月十四日正午、於事務所
　　張学銘氏招待午餐会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（太丸・太字ハ朱書）
　　　麻、三軒屋、三八住（張学良氏ノ弟）　　　　　　○張学銘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（号ハ西郷）
　　　丸ノ内ホテルニ滞在（同氏ノ日本ニ対スル使者）　○王家楨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（号ハ樹人）
　　　　　　　○大川平三郎　　　　　　　　　　　　　欠児玉謙次
　　　　　　　○田中栄八郎　　　　　　　　　　　　　○白岩竜平
　　　　　　　欠明石照男　　　　　　　　　　　　　　○古仁所豊
　　　食事不用○喜多又蔵　　　　　　　　　　　　　　○油谷恭一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（御主人役）○阪谷男爵
　　　　　　　○渋沢正雄　　　　　　　　　　　　　　○渋沢武之助
　　　　　　　欠渋沢秀雄　　　　　　　　　　　　　　○渋沢敬三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　食事不用○阪谷希一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○渡辺得男
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○白石喜太郎
 - 第39巻 p.675 -ページ画像 
　　　　　以上〆　十八人内出席十五人　内食事不用二人
　　　　　　　　　　　　　欠席　三人
　料理東京会館　当日ニ至リ用意ノ事　（イ）写真撮影（江木本店四ツ切注文）（ロ）卓上装飾花注文三ケ
　尚、本会合ハ別紙案内状写○前掲ノ通リ、総長御病気引籠中ノ為メ、阪谷男爵御主人役トシテ招待状発送セリ

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

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