デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
4節 キリスト教団体
1款 救世軍
■綱文

第42巻 p.115(DK420032k) ページ画像

大正8年11月14日(1919年)

是日栄一、当軍社会植民部ノ開所式ニ祝辞ヲ寄ス。


■資料

渋沢子爵と救世軍 山室軍平稿(DK420032k-0001)
第42巻 p.115 ページ画像

渋沢子爵と救世軍 山室軍平稿       (財団法人竜門社所蔵)
○上略
一、大正八年十一月十四日、本所区梅森町に救世軍社会植民部の開所式を挙行す、子爵は左の一文を寄せて之を祝せらる。
   救世軍経営の社会事業は即ち治世の要諦たる王道を行ふものにして、創始以来日尚浅きに拘らず、各方面に発展して其の成績の見るべきもの尠からざるは、是偏に同軍幹部諸氏の熱烈なる信念と徹底せる努力とによる所にして、余の常に敬服する所なり。
   今や又東京市本所区梅森町に於て、東京府慈善協会の委托に係る社会植民部を創むることゝなれり。其経営事業は之を二部に分ち、一は尋常小学生以上の児童の為め、一は附近一般細民の智徳涵養に努め、以て細民地区の改善に資する方針なりと云ふ。是れ即ち王道の普及にして、同軍の活動に更に一般《(段カ)》の光彩を添へたるもの、必ずや同軍の熱誠と努力とにより、優秀の成績を挙げ、或は児童の発展に或は一般細民の改善に貢献する所多大なるべきを信じて疑はず。平素同軍の活動に深甚の興味を有する余の欣快に禁へずとする所なり。聊か蕪辞を述べて祝辞に代ふと云爾。
   大正八年十一月十四日
                    男爵 渋沢栄一
○下略