デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和5年1月18日（1930年）

是日、東京神田美土代町東京基督教青年会館ノ建築復興成リ、献堂開館式挙行セラル。

東京基督教青年会書類　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
拝啓
陳者本会復興建築資金募集に関しては、予て多大の御配慮を蒙居候処幸ひ建築工事も予定の通竣功仕り、来る一月十八日（土）開館式挙行の運びに立至り候段、是迄の御後援謹みて御礼申上候、就ては之を一般に公開致すに先立ち後援会関係各位の御覧に供し度と存候間、御多用中御迷惑とは存候へ共何卒御来駕賜はり度、此段御案内申上候　敬具
　　　　一月十八日　午前十一時　館内御案内
　　　　同　　　　　正午　　　　後援会午餐会
　　　　同　　　　　午後一時半　献堂開館式
　　昭和五年一月十日
　　　　　　　　　　　　　　　　東京基督教青年会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　理事長　長尾半平
　　　　　　　　　　　　　　　　　　総主事　斎藤惣一

東京基督教青年会書類　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
謹啓
陳者予て御高配を蒙り居候東京基督教青年会新会館工事此程竣功仕候
 - 第42巻 p.288 -ページ画像 
に就ては、来一月十八日正午神田美土代町同会新館に於て午餐会相催し、聊か感謝の微意を表し、併せて今日迄の募金経過御報告申上度、定刻御来車相願候を得ば幸甚の至りに存じ候
右御案内迄如斯御座候　敬具
　追伸　御手数ながら御光来の有無御一報相煩し度願上候
　　昭和五年一月十日
　　　　　　　　東京基督教青年会復興建築資金募集後援会
　　　　　　　　　　　　　　　　　会長　男爵阪谷芳郎

集会日時通知表　　昭和五年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
十八日○一月　土　午後一時半　東京基督教青年会館落成式（同館）
　　○右記載アルモ、栄一ハ是月十二日ヨリ風邪ニテ引籠リ、三月マデ静養ス。依ツテ是日ハ出席セザリシモノノ如シ。

東京基督教青年会復興建築資金募集後援会書類　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
拝啓、時下御清祥奉賀候
陳者永らく御高配を賜居候東京基督教青年会復興建築も無恙落成仕り去る一月十八日献堂開館式挙行仕候、之偏に御後援の賜と存じ、謹みて御礼申上候、尚今後共宜敷御援助と御教示の程、併せて御願申上候新会館の附近御通行の節は、御立寄の上御覧賜り候はゞ幸甚の至りに存候、尚御知り合の中にて本会へ入会御希望の御方も有之候はゞ、何卒御紹介被成下度御願申上候
同封『青少年の家東京基督教青年会とその事業』並に『東京基督教青年会本会館建築工事報告』御手許に差出候に付、何卒御高覧被成下度候、先は右御挨拶旁々如此に御座候　敬具
　　昭和五年一月廿五日　　　　　　東京基督教青年会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　理事長　長尾半平
　　　　　　　　　　　　　　　　　　総主事　斎藤惣一

東京朝日新聞　　第一五六九九号　昭和五年一月一八日
　　　　清き青少年の家復興す
　　　　　　あす東京キリスト教青年会館献堂式
震災で焼かれた東京キリスト教青年会館は、内外人の寄付を仰ぎ、百五十五万円の総工費で、昭和三年九月以来建築中であつたが、最近神田美土代町の電車通りに復興し、十八日午後一時半から献堂開館式を挙げることゝなつた、近代式七階建、建坪一六六八坪余、集会室・英語学校・タイピスト学校・職業紹介所・人事相談所・少年実験室・クラブ室を含み、五階・六階はアパートが七十室あり、屋上に礼拝堂がある外、地階には酒抜きの食堂・理髪室等の設けもあつて、清々しい「青少年の家」として理想的のものである、来年には更に裏側の空地に千五百人を収容する大講堂を起工する予定である、開館式は来賓として、安達内相・田中文相・各国大公使・知事・市長・阪谷男・渋沢子の外、百万円募集に尽力した米国のモツト博士が参列し、少年部・
 - 第42巻 p.289 -ページ画像 
青年部・成年部員等約千五百名が出席、盛大に挙行するはず