デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
1節 実業教育
5款 財団法人岩倉鉄道学校 其他ノ資料
■綱文

第44巻 p.424-425(DK440088k) ページ画像

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■資料

集会日時通知表 大正一一年(DK440088k-0001)
第44巻 p.424-425 ページ画像

集会日時通知表 大正一一年 (渋沢子爵家所蔵)
六月五日 月 午后弐時 岩倉鉄道学校創立二十五周年祝賀会(車坂同校)御演説ノ約
   ○右ニ相応スル資料ヲ他ニ見ズ。出席セザリシカ。

 - 第44巻 p.425 -ページ画像 

岩倉鉄道学校書類(DK440088k-0002)
第44巻 p.425 ページ画像

岩倉鉄道学校書類            (渋沢子爵家所蔵)
既に御承知のことに候へ共、今回本校生徒同盟休校の件其後聞き候処に依れば、学校は生徒の嘆願事項に付き確たる回答無く、啻生徒の多言を叱責の態度の由に有之、生徒等は之に憤慨し益々同盟を強固に致し休校致す可しとの事に有之候
然し小生等或部の生徒は已む得ず休校致す者に有之、固よりこの嘆願事項を強望す可くも無之現在を以て満足し居り候、其の後も毎日学用品をマントの下に隠しては登校し、今日も授業不可能と落胆致し退校致候、加ふるに学期試験は目前に迫り、此の試験を受けざれば如何様に相成候や心配にて寝ても寝つかれず候
小生は家庭の生活難をしのぎ、本科二期まで進級し之の試験が終り候へば三期に進級し、来る九月には卒業致し得る者に候、老し両親も之事情を聞き日々の家業が手につかず心配致し居る有様に有之候、大会に出席し候へば小生如き内心の者即授業致度者半数を超ゆること察し居り候、啻一時のさつ気に乗じて居る者にて内心然る可からざる者多多有之候。之の際に学校は何等の善後策もとらず、最早二週間も相成り、啻或る生徒等を停学処分にのみ致し居り候
此際貴殿の御徳をしたひ且本校にも御関係有之由、誠に申すもはゞかる次第に有之候へ共、宜敷仲裁下され一日も早くやすらかに授業出来得る様、御尽力下され度切に御願申上候
失礼をも顧みず啻胸に迫ることのみ申上誠に申訳無之候、御容赦下され度候 敬具
  三月五日
             岩倉鉄道学校本科二期生
                        某
    渋沢栄一殿
   ○右ハ年次不詳ナルモ、昭和二年頃カ。