デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
15款 二松学舎 2. 財団法人二松学舎
■綱文

第45巻 p.592-600(DK450224k) ページ画像

大正15年10月7日(1926年)

是ヨリ先、当学舎ハ創立五十年記念事業トシテ、国語漢文科中等教員養成ヲ目的トスル専門学校設立ノ議ヲ決ス。是日栄一、其資金募集ノタメ、飛鳥山邸ニ財界有力者ヲ招待シテ援助ヲ請ヒ、且ツ服部金太郎外八名ノ拡張委員ヲ指名ス。栄一ハ金一万円ノ寄付申込ヲナス。尚、十一月九日金千円ノ御下賜金アリ。


■資料

集会日時通知表 大正一五年(DK450224k-0001)
第45巻 p.592 ページ画像

集会日時通知表  大正一五年       (渋沢子爵家所蔵)
十月七日 木 午后五時 二松学舎ノ件(飛鳥山邸)


竜門雑誌 第四五八号・第八七頁大正一五年一一月 青淵先生動静大要(DK450224k-0002)
第45巻 p.592-593 ページ画像

竜門雑誌  第四五八号・第八七頁大正一五年一一月
    青淵先生動静大要
 - 第45巻 p.593 -ページ画像 
      十月中
七日 二松学舎寄附金募集懇談会(曖依村荘)


二松学舎書類(一)(DK450224k-0003)
第45巻 p.593 ページ画像

二松学舎書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
拝啓、愈御多祥奉賀候、陳者当二松学舎は故文学博士三島中洲先生の創立に係り、近年老生乏を同舎長に承け、日本唯一の漢学専修学舎として維持致居候得共、資力薄弱なるか為めに今日の社会に至極必要なる東洋道徳を普及せしむること能はす遺憾千万に存候折柄、本年十月は当舎創立満五十年に相当致候を以て、此機に於て大方有力者各位の御援助を仰き、適当の方法相立度奉存候、就ては御同感の各位に御相談申上度候間、来る十月七日午後五時飛鳥山拙宅へ枉けて御光臨被成下候様願上候、尚粗末の夕食差上度、準備の都合有之候間来る十月四日迄に御諾否の御回答被成下度候、此段御案内申上候 恐々謹言
  大正十五年九月三十日
         財団法人二松学舎長 子爵渋沢栄一


招客書類(二) 【大正十五年十月七日午後五時於飛鳥山邸二松学舎招宴 (太字・太丸ハ朱書)】(DK450224k-0004)
第45巻 p.593-595 ページ画像

招客書類(二)              (渋沢子爵家所蔵)
 大正十五年十月七日午後五時於飛鳥山邸二松学舎招宴
                 (太字・太丸ハ朱書)
                 欠男 岩崎久弥
                 欠男 岩崎小弥太
                   欠池田成彬
                   欠石井健吾
                   欠市来乙彦
                   ○今井五介
                   欠飯田延太郎
                   欠井上準之助
                   欠石川武義
                   ○服部金太郎
                   欠原邦造
                   欠堀越善重郎
                   欠堀内伊太郎
                   ○大川平三郎
                   欠大橋新太郎
                   ○小野英二郎
                   欠小倉常吉
                   ○尾高豊作
                  ○男大倉喜八郎
                   ○荻野元太郎
                   ○大倉喜七郎
                   ○岡村左右松
                   欠太田清蔵
                   欠梶原仲治
                   ○渡辺大治郎
 - 第45巻 p.594 -ページ画像 
                   欠各務鎌吉
                   欠門野重九郎
                   欠神田鐳蔵
                   欠川崎八右衛門
                   ○田中栄八郎
                   ○田畑大蔵
                   欠高杉晋
                   欠添田寿一
                   欠根津嘉一郎
                   欠中村鎌雄
                   欠内藤久寛
                  欠男中島久万吉
                   欠植村澄三郎
                   欠野々村金五郎
                   欠串田万蔵
                   欠久原房之助
                   欠山下亀三郎
                   欠安川雄之助
                   欠矢野恒太
                   欠安田善次郎
                  欠男山本達雄
                   欠山岸覚太郎
                   ○柳井信治
                   欠山本悌二郎
                   欠柳井貴三
                   欠柳荘太郎
                   欠山田昌邦
                   欠安井小太郎
                   欠馬越恭平
                   欠牧野元次郎
                  ○男古河虎之助
                   ○福島甲子三
                   欠藤原銀次郎
                   欠藤山雷太
                   欠児玉謙次
                   ○小堀銈作
                   欠荒井泰治
                   ○有賀長文
                   欠青木菊雄
                   欠明石照男
                   欠浅野総一郎
                  欠男阪谷芳郎
                   ○佐々木勇之助
                   欠木村清四郎
 - 第45巻 p.595 -ページ画像 
                   欠菊地長四郎
                   欠結城豊太郎
                  欠男三井八郎右衛門
                   欠三野村利市
                   欠三野村安太郎
                   ○三島広
                   欠白井新太郎
                   ○白石元治郎
                   ○白岩竜平
                   欠土方久徴
                  欠男森村開作
                   欠望月軍四郎
                   欠森広蔵
                   ○諸井恒平
                   欠鈴木島吉
                   ○渋沢子爵
                   ○尾立維孝
                   ○佐倉孫三
                   ○池田四郎次郎
                   ○速水柳平
                   ○国分三亥
                   欠角弥太郎
                   ○菅野茂
                    (菅野氏ハ別室ニテ食事ノ筈)
                   ○白石喜太郎
 一、料理 東洋軒
 一、当日ノ接待順序 文庫ニテ溜リ後チ
  御書院ニ至リ食事開始、食卓ハコノ字形壱卓
  以上〆九十三人
      出席廿九人
      欠席六十四人


二松学舎六十年史要 国分三亥編 第一二一―一二二頁昭和一二年一二月刊(DK450224k-0005)
第45巻 p.595-596 ページ画像

二松学舎六十年史要 国分三亥編  第一二一―一二二頁昭和一二年一二月刊
 ○第二編 財団法人二松学舎沿革
    第三章 財団法人二松学舎時代
○上略
 十月○大正一五年十日、二松学舎創立五十年記念式を挙行す。之より先本舎理事間に於て創立五十年記念事業として、国語漢文の中等教員を養成する目的を以て専門学校を設立する議を決し画策する所あり。之れが資金募集の為、同夜《(マヽ)》、渋沢舎長の飛鳥山私邸に、財界有力者を招く来会者は大倉喜八郎・古河虎之助・佐々木勇之助等数十人を算す。席上、会長・及尾立常任理事より専門学校設立の趣意を述べて援助を求めたるに大倉喜八郎、先づ発言して其主趣に賛し、舎長の指名に依り
 - 第45巻 p.596 -ページ画像 
来会者其他より募集委員を設くべき旨を提議し、満場之に賛同し舎長より、服部金太郎・小野英二郎・大倉喜七郎・大川平三郎・大橋新太郎・田中栄八郎・根津嘉一郎・山本悌二郎・古河虎之助・有賀長文・佐々木勇之助を指名せり。
○中略
 同月○昭和二年一月前年選定の募集委員は、舎長と連名を以て募集趣意書を作つて各方面に発送せり。
○中略
 八月に入り募集金額拾三万円余に達す。
○下略


二松学舎六十年史要 国分三亥編 第六六頁昭和一二年一二月刊(DK450224k-0006)
第45巻 p.596 ページ画像

二松学舎六十年史要 国分三亥編  第六六頁昭和一二年一二月刊
 ○第一編 第二章 歴年沿革
    大正十五年(昭和元年)
○上略
 十一月九日に専門学校設立の計画、天聴に達し、斯学奨励の思召を以て、金壱千円を下賜せらる。
○下略


二松学舎書類(一)(DK450224k-0007)
第45巻 p.596-597 ページ画像

二松学舎書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
当学舎は明治十年十月十日故文学博士中洲三島先生の創立に係る漢学専修の学校にして、爾来今日に至る迄年を閲すること実に五十年、堅忍持久不断の努力を以て専心斯学の普及に尽瘁し来れり
是を以て当学舎の微志は畏くも
天聴に達し、恩賜金拝受の光栄に浴し、又有志諸賢の賛助を得、漸次教学の設備に改善を加へたり雖も、基礎猶ほ薄弱なるを以て、学舎の内容未た充実するに至らす、我等同人は常に之を遺憾とせり、然るに現時の社会事象を見るに、物質文明の漸浸に伴ひ、道義の観念次第に薄らき、思想界悪化の傾向は益我邦固有の美風を破壊せんとす、是の時に当り東洋古来の道徳を以て学生を指導教授し、大いに仁義忠孝の道を闡明し、功利道徳の本末体用を謬まらしめさるは、極めて喫緊の事業たらすんはあらす、而して今年は恰も当学舎創立五十年に相当するを以て、此機会に於て同憂同感の諸賢に援助を仰き、資金を充実して事業を拡張し、学殖豊富の教授を増聘して設備を完全にし、優良の学生を収容して以て文部省所定の専門学校と為し、卒業生をして中等学校教員たるの資格を具備せしめ、教職に就きて青年を指導し、依て以て仁義道徳の真髄を国民に注入せしめんと欲す、斯の如くにして斯道漸く全国に普及せんか、克く思想界を善導し、世道人心に裨益する所亦鮮少ならさるへきを信す、而して之を達成するには少なくも、約弐拾万円の基金を要するを以て、之れか募集を計らさるへからす、此計画の
叡聞に達するや、再たひ斯業御奨励の思召を以て、本月九日更に金壱千円御下賜の御沙汰を拝したるは、我等一同の恐懼感激に堪へさる所
 - 第45巻 p.597 -ページ画像 
なり、冀くは大方の諸賢我等の微衷を諒せられ、奮つて御援助あらんことを
  大正十五年十一月二十四日
       財団法人二松学舎拡張委員  服部金太郎
       同             小野英二郎
       同             大倉喜七郎
       同             大川平三郎
       同             田中栄八郎
       同             山本悌二郎
       同           男爵古河虎之助
       同             有賀長文
       同             佐々木勇之助
       財団法人二松学舎長   子爵渋沢栄一
         殿

    財団法人二松学舎現在資産調
             (大正十四年十二月三十一日現在)
 一、金拾七万弐百四拾六円五拾銭 土地家屋書籍等
 一、金参万四千六百五拾五円 有価証券
 一、金参万四千弐百八拾五円五拾銭 銀行預金
 一、金六百弐拾六円弐拾銭 現金在高
  合計金弐拾参万九千八百拾参円弐拾八銭


紹介状往翰(一)(DK450224k-0008)
第45巻 p.597-598 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

二松学舎書類(二)(DK450224k-0009)
第45巻 p.598 ページ画像

二松学舎書類(二)            (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
謹啓、新年之御慶目出度申納候、先以高堂御揃益御清適御加年被為在候段奉敬賀候、陳者本舎曩に中等学校国語漢文の教師を養成する目的を以て専門学校を設置するの計画を立て、之に必要なる資金の募集を図り大方諸彦の御賛同を請ひ候処、速に我等の微衷を諒せられ多額の寄附御申込を辱ふし、且全額の払込被成下御高志為斯道不堪感謝之至候、寄附金総額は予定の五割五分強に止まり候得共、在来の資金を合せて先づ基本財産として金拾万円の公債を購入し、又一部教室の増築を為し(来年度に於て更に教室其他の増築を要候)半ば図書館の施設を了し、尚文部省の指示に従ひ、運動場用地壱千坪を近郊に購入する等略目前必要なる設備を整へ候上、昨年二月文部大臣の認可を得て二松学舎専門学校を設立し、学殖豊富の教授を聘し、生徒を募集せしに幸に予期以上の多数応募者を得、優良なる生徒を収容して同四月より授業を開始せしに、爾来順調に進捗し、近々更に第二回の生徒募集に着手すべく候、如此にして漸次発展の機運に向ひつゝ有之候間御同慶被下度、是偏に貴下等の深厚なる御援助の結果に外ならず千万謝する処に御座候、尚客年末現在の寄附金概況左記の通りに候間御承知被下度、玆に従来の御厚誼を感謝し、将来一層の御後援を請ひ、併せて本舎現況及寄附金概況御報申上度如斯に御座候 敬具
  昭和四年一月十日
           財団法人二松学舎長 子爵渋沢栄一
    (宛名手書)
    子爵 渋沢栄一殿

    左記
      寄附金概況
一金拾壱万壱千七百八拾円也 寄附金申込総額此人員九十八名
   内
一金拾万四千四拾五円也 領収済額
一金七千七百参拾五円也 未領収額
        以上


二松 創立十年記念特輯 二松学舎六十周年号 第一八号・第九―一一頁昭和一二年一〇月 設立の来歴 理事長 国分三亥(DK450224k-0010)
第45巻 p.598-600 ページ画像

二松 創立十年記念特輯 二松学舎六十周年号  第一八号・第九―一一頁昭和一二年一〇月
    設立の来歴
                  理事長 国分三亥
○上略
 専門学校を設立するには十万円の基本金を要するのみならず、建築
 - 第45巻 p.599 -ページ画像 
其他に多額の費用を要するので、二十万円を標的として之れが募集に着手することゝなり、渋沢舎長は先づ募集方法を協議する為め、十月十日其私邸飛鳥山曖依村荘《(マヽ)》に財界有力者を招かれた。来会者は大倉喜八郎男・古河虎之助男・佐々木勇之助氏等数十名を算した。席上舎長及尾立常務理事より専門学校設立の趣意及将来の計画等を述べて援助を求めた。大倉男先づ起つて其主趣に賛同する旨を述べ、且舎長の指名に依り来会者其他より募集委員を設くべき旨を提議し、満場之に賛したので、舎長より服部金太郎・小野英二郎・大倉喜七郎・大川平三郎・大橋新太郎・田中栄八郎・根津嘉一郎・山本悌二郎・古河虎之助・有賀長文・佐々木勇之助諸氏を指名し、舎長と連名にて各方面に趣意書を発送することに決定した。十一月九日此計画 叡聞に達し、斯学奨励の思召を以て金壱千円御下賜の恩命を拝し、恐懼感激の至に堪へず、愈々発憤して事業の遂行を期した。翌二年一月山田準氏の来任があつた。尾立常務理事は昨年末より家事の為め帰郷せしが、漸く三月十五日帰京し事務に従ひしも、百事未だ緒に就かざる中、六月一日俄に病んで薨去し、余代りて常務理事の職に就いた。
 募金は渋沢舎長先づ一万円を申込まれ、尋いで大川・三井・岩崎・大倉の諸氏各一万円、馬越恭平氏の六千円、牧野元治郎・服部金太郎・佐々木勇之助・安田保善社社長の各五千円等の申込あり、其他二千円以下多数の申込があつて総額十三万余円に為つた。予定額には遥に達せざるも事業遂行には支障無きを認めて之を打切り、八月十二日舎長の紹介に依り、清水組との間に校舎及書庫等の増築工事に関する請負契約を締結し、十一月八日文部大臣に昼夜二部の教授制各定員百名として専門学校設立の申請書を提出し、三年二月八日文部大臣の認可を得、同日山田準氏を校長に任命した。三月三日文部大臣及陸軍大臣に配属将校の派遣を出願し、同日又文部大臣に大正七年文部省令第三条第四号検定の件(上級学校との連絡)を出願して、共に認可を得た。三月九日清水組より新築工事落成届書を領すると同時に、其引継を受けた。
 夫より生徒募集に着手し、志願者第一部三百三十八名、第二部二百三十九名に上つたから、銓衡及試験に依り之を淘汰し所定人員の入学を許可し、開校の準備に着手し、四月二十一日開校式を挙行した。生徒の出席者は、第一部百二十一名、第二部百一名であつた。式場は恩賜講堂を以て之に充て来賓は堂に溢れた。式は山田校長の勅語奉読に始まり、余の舎長代理としての式辞及中洲先生の霊位に対する報告、池田理事の設立経過に関する報告あり、夫より来賓の祝辞に移り、一木宮内大臣・水野文部大臣・小川鉄道大臣の祝辞あり、更に江木前文部大臣の来賓代表、松井庫之助中将の本舎出身者代表の祝辞演説あり祝電披露、校長の訓辞、生徒総代の答辞等あり、厳粛に而かも和気靄靄の裡に式を終つたのである。開校当時の法人及学校教員は左の通りである。
      財団法人二松学舎職員
  舎長理事 子爵渋沢栄一
  常務理事   国分三亥
 - 第45巻 p.600 -ページ画像 
  理事     佐倉孫三
  理事     池田四郎次郎
  理事     速水柳平
  理事     角弥太郎
  理事     山田準
  監事     大倉喜七郎
  監事     古河虎之助
  監事     三島広
      二松学舎専門学校教員
  督学     安井小太郎
  校長兼教授  山田準
○下略