デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.110-117(DK470012k) ページ画像

大正6年3月28日(1917年)

是日、伏見宮貞愛親王当研究所総裁ニ就任、同日栄一、副総裁ヲ委嘱セラレ、在任歿年ニ及ブ。


■資料

財団法人理化学研究所設立経過概要 同所編 第二三―二七頁刊(DK470012k-0001)
第47巻 p.110-111 ページ画像

財団法人理化学研究所設立経過概要 同所編
                    第二三―二七頁刊
 ○第三章 設立
二、総裁奉戴
  伏見宮貞愛親王殿下ヲ理化学研究所総裁トシテ奉戴ノ儀ハ本所設立者ノ最モ熱望セル所ナルヲ以テ、総代渋沢男爵ヨリ内閣総理大臣及伏見宮附別当ニ其旨願出タルニ、大正六年三月二十八日御承諾被為在タル旨伏見宮別当ヨリ通牒アリタリ
三、副総裁及顧問委嘱
 - 第47巻 p.111 -ページ画像 
 総裁貞愛親王殿下ヨリ、大正六年三月二十八日理化学研究所副総裁及顧問ヲ左ノ通御委嘱被為在タル旨伏見宮附別当ヨリ通牒アリタリ
  副総裁 理学博士 男爵菊池大麓   男爵渋沢栄一
  顧問  理学博士 男爵山川健次郎
四、評議員ノ推薦及委嘱
 大正六年三月二十七日、設立者ハ寄附行為第十六条ニ依ル評議員ヲ推薦スル為、設立者総会ヲ開キ、全会一致男爵三井八郎右衛門・男爵岩崎小弥太・原六郎・男爵古河虎之助・安田善三郎・男爵渋沢栄一ノ六氏ヲ評議員ニ推薦シ、更ニ増加評議員推薦方ヲ前記諸氏ニ一任スルコトヲ決議セルヲ以テ、前記諸氏ハ翌二十八日元常務委員諸氏ノ来会ヲ求メ協議ノ結果、更ニ四十四名ノ評議員ヲ推薦セリ、仍テ其旨総裁宮殿下ニ上申シタルニ、即日殿下ヨリ評議員御委嘱被為在タル旨伏見宮附別当ヨリ通牒アリタリ、評議員氏名左ノ如シ
  ○評議員氏名略ス。
五、理事及監事ノ推薦並委嘱
 大正六年三月三十日、評議員ハ寄附行為第十四条ニ依ル理事及監事ヲ推薦スル為評議員会ヲ開催セリ、会長ニハ男爵中村雄次郎氏ヲ挙ケ、全会一致理事及監事推薦方ヲ会長及中野評議員ノ指名ニ一任スルコトヲ決議シ、次テ会長ハ中野評議員ト協議ノ上、理事十名、監事五名ヲ指名推薦セリ、仍テ其旨総裁宮殿下ニ上申シタルニ、即日殿下ヨリ理事及監事御委嘱被為在タル旨、伏見宮附別当ヨリ通牒アリタリ、其氏名左ノ如シ
      理事
     大橋新太郎      和田豊治 農商務次官 上山満之進
工学博士 団琢磨   工学博士 高松豊吉       高峰譲吉
文部次官 田所美治       中野武営       桜井錠二
     荘清次郎
      監事
  男爵岩崎小弥太       原六郎        安田善三郎
  男爵古河虎之助     男爵三井八郎右衛門


総裁伏見宮貞愛親王殿下上申書(DK470012k-0002)
第47巻 p.111-112 ページ画像

総裁伏見宮貞愛親王殿下上申書  (財団法人理化学研究所所蔵)
    御願
予テ有志相謀リ邦家産業ノ発達ニ資スル為、理化学ヲ研究シ其成績ノ応用ヲ図ルコトヲ目的トスル財団法人理化学研究所ヲ設立セムコトヲ計画致居候処幸ニ富豪・篤志家等ノ賛同ヲ得、去ル三月十九日迄ニ其寄附総額金弐百拾八万七千円ニ達シ候、仍テ金壱万円以上ノ寄附者不肖外参拾八名設立者ト為リ、同日農商務大臣ニ設立許可ヲ申請致候処翌二十日附ヲ以テ許可ノ指令有之候、就テハ本所寄附行為第十二条ニ依ル総裁ニ 伏見宮貞愛親王殿下ヲ奉戴致度候間、御聴許被為在候様御取計被成下度、別紙寄附行為並ニ指令書写相添此段御依頼申上候也
  大正六年三月二十八日
        理化学研究所設立者総代男爵渋沢栄一代理
                      中野武営
 - 第47巻 p.112 -ページ画像 
    伏見宮別当 馬場三郎殿

今般貴所総裁トシテ 貞愛親王殿下ヲ御推戴被成度御願出ノ趣御承諾被遊候間、此段御答申進候也
  大正六年三月二十八日
          伏見宮附別当 馬場三郎伏見宮附別当馬場三郎之印
  理化学研究所設立者総代男爵渋沢栄一代理
          中野武営殿


1、商工省(自大正六年至昭和六年)(DK470012k-0003)
第47巻 p.112 ページ画像

1、商工省(自大正六年至昭和六年)  (財団法人理化学研究所所蔵)
    御届
伏見宮貞愛親王殿下ヲ本所総裁トシテ奉戴ノ儀ハ予テ内閣総理大臣並ニ伏見宮別当ニ願出置候処
御承諾被遊候旨三月二十八日附ヲ以テ通牒有之候、此段及御届候也
  大正六年三月二十九日
        理化学研究所設立者総代男爵渋沢栄一代理
                      中野武営
    農商務大臣 仲小路廉殿


青淵先生公私履歴台帳(DK470012k-0004)
第47巻 p.112 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳          (渋沢子爵家所蔵)
一同○理化学研究所副総裁   六年○大正三月


評議員会決議録 自設立総会至大正十年九月(DK470012k-0005)
第47巻 p.112-113 ページ画像

評議員会決議録  自設立総会至大正十年九月  (財団法人理化学研究所所蔵)
    増加評議員ノ推薦
大正六年三月廿七日設立者総会ニ於テ推薦セラレタル六評議員ハ、同日総会ノ決議ニ基キ増加評議員ヲ推薦スル為、三月廿八日東京商業会議所ニ創立中ノ常務委員ヲ招集シテ協議ヲ遂ケ、左記四十四名ヲ評議員ニ推薦セリ
      井上準之助            原富太郎
      服部金太郎            堀越角次郎
      豊川良平          男爵 大倉喜八郎
      大橋新太郎            大川平三郎
      小倉常吉        商工局長 岡実
 工学博士 渡辺渡         工学博士 団琢磨
農商務次官 上山満之進  工学博士 薬学博士 高峰譲吉
 工学博士 高松豊吉             田中平八
      高田慎蔵             根津嘉一郎
 文部次官 田所美治             内藤久寛
   男爵 中村雄次郎  理学博士 薬学博士 長井長義
      中野武営             植村澄三郎
      村井吉兵衛     専門学務局長 松浦鎮次郎
      山下亀三郎            藤原銀次郎
      藤山雷太        農学博士 古在由直
   男爵 近藤廉平             手島精一
 - 第47巻 p.113 -ページ画像 
      和田豊治        理学博士 桜井錠二
   子爵 三島弥太郎     理学博士男爵 菊池大麓
      塩原又策             三輪善兵衛
      荘清次郎             柴田清之助
      茂木惣兵衛         男爵 森村市左衛門
      浅野総一郎            鈴木三郎助
          以上
当日ノ出席者左ノ如シ
  評議員 男爵 岩崎小弥太    代理   荘清次郎
   同  男爵 三井八郎右衛門  代理   団琢磨
   同     原六郎
   同  男爵 古河虎之助    代理 男爵中島久万吉
   同  男爵 渋沢栄一     代理   中野武営
   同     安田善三郎
  創立常務委員          理学博士 桜井錠二
   同              工学博士 高松豊吉
   同                   大橋新太郎
   同                   和田豊治
   同                   中野武営
   同              工学博士 団琢磨
   同                   荘清次郎
 政府側             農商務次官 上山満之進
   同              工務課長 荘川永充《(蔵川永充)》
                        以上
右之通相違無之候也
  大正六年三月二十八日
              渋沢栄一代理 中野武営(印)
                     大橋新太郎(印)


設立経過(DK470012k-0006)
第47巻 p.113 ページ画像

設立経過               (財団法人理化学研究所所蔵)
総裁伏見宮貞愛親王殿下ヨリ貴殿ヲ本所副総裁ニ委嘱ノ旨御沙汰被為在候、右御通知申上候
  大正六年三月二十九日
             理化学研究所
              設立者総代 男爵渋沢栄一
    渋沢・菊池両男爵宛
総裁伏見宮貞愛親王殿下ヨリ貴殿ヲ本所評議員ニ委嘱ノ旨御沙汰被為在候、右御通知申上候
  大正六年三月二十九日
             理化学研究所
              設立者総代 男爵渋沢栄一
    井上準之助、外四十九名宛

 - 第47巻 p.114 -ページ画像 

設立経過(DK470012k-0007)
第47巻 p.114 ページ画像

設立経過               (財団法人理化学研究所所蔵)
農商務省指令商第三七八七号(写)
      財団法人理化学研究所理事総代 男爵渋沢栄一
大正六年三月二十二日付申請財団法人理化学研究所資金補助ノ件聴届ケ、本年度ニ於テ金弐拾五万円交付ス、但シ別記命令書ノ通心得ヘシ
  大正六年三月二十九日
               農商務大臣 仲小路廉
    命令書
一、設立ノ日ヨリ大正七年三月末日迄ノ収支予算書及業務計画書ヲ大正六年六月末日迄ニ当省ヘ提出シ其ノ認可ヲ受クヘシ、之ヲ変更セムトスルトキハ其ノ都度当省ノ認可ヲ受クヘシ
二、設立ノ日ヨリ大正七年三月末日迄ノ決算書及業務報告書ヲ大正七年六月末日迄ニ当省ヘ提出スヘシ
三、会計規則其ノ他業務執行上必要ナル規則ヲ定メタルトキハ当省ヘ届出ツヘシ、之ヲ変更シタルトキハ亦同シ
四、役員及重要ナル所員ヲ選任シ又ハ解任シタルトキハ其ノ都度届出ツヘシ(終)


評議員会決議録 自設立総会至大正十年九月(DK470012k-0008)
第47巻 p.114-115 ページ画像

評議員会決議録  自設立総会至大正十年九月  (財団法人理化学研究所所蔵)
    第一回評議員会
本所寄附行為第十四条ニ依リ本所理事及監事ヲ推薦スル為、大正六年三月三十日、東京商業会議所ニ第一回評議員会ヲ開催ス、会長ニハ評議員ノ互選ニ依リ男爵中村雄次郎氏ヲ挙ケ、全会一致ヲ以テ理事拾名監事五名推薦方ヲ、会長及中野評議員ノ指名ニ一任スルコトヲ決議セリ、仍テ会長ハ中野評議員ト協議ノ上、左ノ通理事拾名、監事五名ヲ指名推薦セリ
 理事                工学博士 団琢磨
                        荘清次郎
        和田豊治       理学博士 桜井錠二
        大橋新太郎      工学博士 高松豊吉
        中野武営  工学博士 薬学博士 高峰譲吉
  農商務次官 上山満之進      文部次官 田所美治
         以上
 監事  男爵 三井八郎右衛門      男爵 岩崎小弥太
     男爵 古河虎之助           原六郎
        安田幸三郎
         以上
当日ノ出席者左ノ如シ
  男爵渋沢栄一代理中野武営、外二十六名
          以上
右ノ通相違無之候也
  大正六年三月三十日
                  中野武営(印)
             理学博士 桜井錠二(印)
 - 第47巻 p.115 -ページ画像 
                     大橋新太郎(印)


設立経過(DK470012k-0009)
第47巻 p.115-116 ページ画像

設立経過               (財団法人理化学研究所所蔵)
総裁伏見宮貞愛親王殿下ヨリ、貴殿ヲ本所監事ニ委嘱ノ旨御沙汰被為在候
右御通知申上候
  大正六年四月二日
             理化学研究所
                副総裁 男爵渋沢栄一
    三井男爵、外四名

総裁伏見宮貞愛親王殿下ヨリ、貴殿ヲ本所理事ニ委嘱ノ旨御沙汰被為在候
右御通知申上候
  大正六年四月二日
             理化学研究所
                副総裁 男爵渋沢栄一
    大橋新太郎、外九名

(写)
    法人登記簿(三八丁三九丁)謄本
登記番号      参壱八号
登記年月日     大正六年四月弐日
名称        財団法人理化学研究所
事務所       東京市麹町区有楽町壱丁目壱番地
目的        産業ノ発達ニ資スル為、理化学ヲ研究シ其成績ノ応用ヲ図ルコトヲ以テ目的トス
設立許可ノ年月日  大正六年参月弐拾日
資産ノ総額     金弐百拾八万七千円也
理事ノ氏名住所   東京市日本橋区本町参丁目八番地
                      大橋新太郎
          同市本所区向島須崎町弐百参拾七番地
                      和田豊治
          同市赤坂区榎坂町五番地
                      上山満之進
          東京府豊多摩郡千駄ケ谷町大字原宿
          参百四拾四番地
                      団琢磨
          東京市麻布区飯倉片町弐拾八番地
                      高峰譲吉
          同市本郷区駒込西片町拾参番地
                      高松豊吉
          同市麹町区土手三番町参拾壱番地
                      田所美治
 - 第47巻 p.116 -ページ画像 
          同市本郷区元町壱丁目五番地
                      中野武営
          同市同区駒込曙町拾六番地
                      桜井錠二
          同市小石川区小日向水道町八拾七番地
                      荘清次郎
此謄本ハ登記簿ニ依リ之ヲ作リ玆ニ登記簿ト相違ナキコトヲ認証ス
  大正六年四月四日
    東京区裁判所
            裁判所書記 中野政正


中外商業新報 第一一一二六号大正六年三月二九日 ○理研評議決定 五十名を推薦(DK470012k-0010)
第47巻 p.116 ページ画像

中外商業新報  第一一一二六号大正六年三月二九日
    ○理研評議決定
      五十名を推薦
理化学研究所の設立者並に委員たる中野武営・団琢磨・安田善三郎・和田豊治・荘清次郎・原六郎・大橋新太郎・桜井錠二・高松豊吉の諸氏は、廿八日午前十時より午後一時迄東京商業会議所に会合、評議員五十名を推薦すべく人選を了したり、総裁宮に推薦せらるべき評議員左の如し
  ○氏名略ス。
総裁宮には伏見宮貞愛親王を推戴す可く、御承諾を得たる上評議員を推薦し、改めて宮より依嘱ある筈にして、其上多分三十日評議員会を開き、理事・監事を選挙する順序なりと云へるが、副総裁には渋沢栄一男と菊池大麓男に宮より御依嘱あらせらるべしと也


中外商業新報 第一一一二七号大正六年三月三〇日 ○理研総裁裁可 副総裁評議依嘱(DK470012k-0011)
第47巻 p.116 ページ画像

中外商業新報  第一一一二七号大正六年三月三〇日
    ○理研総裁裁可
      副総裁評議依嘱
中野武営氏は、廿九日午後二時理化学研究所設立者総代渋沢男の代理として、寺内首相の招きに応じ其官邸に訪問したる所、首相は財団法人理化学研究所総裁として伏見宮貞愛親王殿下推戴の件、陛下の御裁可を得たると同時に、廿八日首相を経て推薦せられたる五十名の評議員は、総裁宮より御依嘱あり、且つ副総裁として渋沢栄一・菊池大麓男を、又顧問として山川健次郎博士を、孰れも総裁宮より御依嘱ありし旨伝達を受けたり、因つて理化学研究所にては、卅日午後二時、東京商業会議所に於て評議員会を開き、理事並に監事を選挙し、愈々研究所の具体的成立を図る事となりたりと


中外商業新報 第一一一二八号大正六年三月三一日 ○理研幹部選定 理事・監事決す(DK470012k-0012)
第47巻 p.116-117 ページ画像

中外商業新報  第一一一二八号大正六年三月三一日
    ○理研幹部選定
      理事・監事決す
理化学研究所にては、卅日午後二時より東京商業会議所に於て評議員会を開き、中野・安田・大倉・大橋・上山・田所・桜井・高松、其他の各評議員出席協議の末、中村雄次郎、中野武営両氏指名により、左
 - 第47巻 p.117 -ページ画像 
記役員を選定し、同三時半散会せり
  ○理事・監事氏名略ス。


竜門雑誌 第三四七号・第八三頁大正六年四月 理化学研究所設立進捗(DK470012k-0013)
第47巻 p.117 ページ画像

竜門雑誌  第三四七号・第八三頁大正六年四月
○理化学研究所設立進捗 三月二十九日午後二時、中野武営氏は寺内首相の招致に依り、病気臥床中なりし青淵先生に代り、理化学研究所設立代表者として首相官邸に出頭せしに、首相より同研究所総裁として伏見宮貞愛親王殿下奉戴の義拝願中なりしところ、愈御聴許あらせられたる旨伝達あり、且つ総裁宮殿下より、副総裁として青淵先生、及び菊池大麓男、顧問として山川健次郎男を御指名あり、尚ほ設立者より推薦したる左記五十名を評議員に御指名ありたる旨通告を受けて退出せる由。
  ○評議員氏名略ス。