デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
8款 財団法人理化学研究所
■綱文

第47巻 p.117-118(DK470013k) ページ画像

大正6年4月19日(1917年)

是日、当研究所事務所ニ於テ、第一回理事会開カル。栄一出席シテ、創立費等ニ関スル説明ヲナシ、創立事務引継ヲ了シ、創立委員長ノ任務ヲ終ル。


■資料

集会日時通知表 大正六年(DK470013k-0001)
第47巻 p.117 ページ画像

集会日時通知表  大正六年        (渋沢子爵家所蔵)
四月十九日 木 午前十時 理化学研究所ノ件 商業○東京商業会議所


自第壱回至第三十八回理事会決議録(DK470013k-0002)
第47巻 p.117-118 ページ画像

自第壱回至第三十八回理事会決議録   (財団法人理化学研究所所蔵)
    第一回理事会
大正六年四月十九日午前十時、当事務所ニ於テ第一回理事会ヲ開ク、当日ハ創立委員長タリシ渋沢男爵ヨリ、大正五年十月本所創立事務所設置以来ノ創立費(金九百弐拾参円拾九銭)ニ対スル別紙精算書ヲ提出シテ理事ノ承認ヲ得、又創立事務ニ関スル書類及物品(目録及価格表別紙ノ通)ヲ理事ニ引渡シ、尚本所創立事務所設置以前ニ委員等ノ立替タル諸費用ハ創立費トシテ承認スルコトトシ、追テ右委員ヨリ之ガ精算書ヲ提出セシムルコトトセリ
次テ本所代表者選定其ノ他ノ事項ヲ附議シ、左ノ通決議シ、午後〇時半散会セリ
一、本所代表者選定ノ件ハ重要ナル事項ナルヲ以テ即決ヲ避ケ審議銓衡スルコト
二、事業計画書及予算書ハ所長決定ノ上作成スルコト
三、中野理事ヲ本所取引銀行ニ対スル業務執行者ト為スコト
四、本所取扱銀行ニ住友銀行東京支店ヲ加フルコト
五、従来ノ申込寄附金払込期日ヲ大正六年六月末日迄ト定ムルコト
六、寄附行為中役員ノ員数ヲ改正スルコト
七、設立経過概要ヲ印刷ニ附シ関係者ニ配布スルコト
八、大正五年十月十日創立事務所書記トシテ採用シタル農商務省嘱託水谷清ヲ本所書記トシテ引続キ採用スルコト
九、客月卅一日東京帝国大学書記大山毅ヲ本所書記トシテ採用シタル
 - 第47巻 p.118 -ページ画像 
件ヲ承認スルコト
十、会計係書記人選方ヲ荘理事ニ一任スルコト
          以上
当日ノ出席者ハ副総裁渋沢男爵及理事全員ノ外、政府ヨリ蔵川工務課長、柴山参事官出席セリ


理化学研究所彙報 第一輯第一号・第八三―八四頁大正一二年二月再版刊 設立の経過並に現況 書記 水谷清(DK470013k-0003)
第47巻 p.118 ページ画像

理化学研究所彙報  第一輯第一号・第八三―八四頁大正一二年二月再版刊
    設立の経過並に現況
                   書記 水谷清
○上略
      設立
 其の後大隈侯爵の斡旋で、東京・京都・大阪・神奈川・愛知・兵庫の六大府県下に、百八十二名の設立発起人が委嘱され、又其の発起人中から三十名の創立委員が選出され、更に創立委員中から委員長に渋沢男爵、常務委員に桜井・高松・団・和田・大橋・荘・中野の七氏が挙げられました、そこで委員長及常務委員は設立の趣意書・計画書及研究所の行はんとする事業と産業上との関係を明かにした「理化学研究所の事業と産業界」を刊行して各方面に配付し、傍ら有力家を歴訪して寄附金の勧誘に努められました、ところが原六郎氏は予々記念事業の一として、電気化学研究所設立の計画中でありましたさうですが此挙を聞て率先三十万円の寄附を申出られました、又三井・岩崎両家からは各五十万円の申込があり、委員長たる渋沢男爵、常務委員たる団・大橋・和田氏等からも寄附の申込がありました、又寺内伯爵も官邸に京浜の有力家を招集して、寄附金を勧説されました、其の際約六十万円の申込がありました、そこで寄附申込の情況報告旁々大正六年三月十三日東京商業会議所に創立委員会を開きまして、予て農商務省当局者或は学者或は法律家の意見を徴して、慎重に講究された寄附行為案を議定し、愈財団法人として設立することを決議しました、其の後委員等は引続き寄附金の募集に努められた結果三月十九日迄に二百十八万七千円に達しましたから、渋沢男爵は設立者の総代となり同日法人設立の許可を其の筋に申請されましたところが、翌二十日許可になりました、そこで寄附行為の条項により且又設立者一同の希望によりまして
伏見宮貞愛親王殿下を総裁に奉戴の儀を、設立者総代渋沢男爵より其の筋に上申されましたところが、御裁可になりました、次て総裁宮殿下より、渋沢・菊池両男爵を副総裁に、山川男爵を顧問に、大橋・和田・上山・団・高松・高峰・田所・中野・桜井・荘の十氏を理事に、三井・岩崎・古河三男爵、原・安田両氏を監事に御委嘱あらせられ、玆に民法第四十五条の規定により、設立登記の手続を了したのであります。
○下略