デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
12款 其他 11. 静岡県立葵文庫
■綱文

第47巻 p.358-361(DK470085k) ページ画像

大正14年3月28日(1925年)

是ヨリ先、栄一、当文庫創設費ニ関シテ尽力スルトコロアリ。是日当文庫開館式ニ案内ヲ受ケタルモ、病気ノタメ出席セズ。


■資料

(増田明六)日誌 大正一一年(DK470085k-0001)
第47巻 p.358 ページ画像

(増田明六)日誌  大正一一年      (増田正純氏所蔵)
十月二十七日 金 晴
定刻出勤
午前中大川田中事務処ニ藤田好三郎氏を訪問して、子爵より命セられた、大川平三郎氏より静岡葵図書館ニ金弐万円及国士館の為めに若干の寄附セらるゝ様御言伝請ふ旨語つたが、折柄田中栄八郎氏今朝名古屋より帰京した由にて出勤セられたので、同氏にも来意を告け宜敷と頼ミ置けり、大川氏ハ目下九州旅行中なので斯く藤田氏を煩ハした訳である
○下略


静岡育英会・葵図書館書類(DK470085k-0002)
第47巻 p.358-359 ページ画像

静岡育英会・葵図書館書類         (渋沢子爵家所蔵)
    県立葵文庫設立趣意書
図書館は民衆教化の一大機関にして、学校教育の達成並に社会教育の振興上極めて重要なる施設なるは、今更縷説する迄もなし、本県は東西交通の要地に当り、夙に文化発達し歴史上の人物事績頗る多し、明
 - 第47巻 p.359 -ページ画像 
治維新の際徳川家達公の当県を治めらるゝや、江戸の文化を移植して各地に学校並図書館を建て、碩学鴻儒居を構へ、当時他に比して文化燦然たるものありしが、廃藩後漸次衰微して、今は静岡師範学校保管の漢洋珍籍のみ僅に当時の面影を存するのみなり、近時教育の普及と文化の向上とは各地に小規模の図書館の設置を促進し、設立漸く多きを加ふと雖、真に其の機能を発揮するに足るものなきは遺憾なり、玆に於て静岡市に県立図書館を建設して県下各図書館の中枢となし、相提携して調査研究の便と読書趣味の涵養とに資し、且つは又県に因ある偉人傑士其他の文書等をも蒐集して、温古知新、俯仰感憤の便ともなさんとす、而して其費用の大部分を寄附金に仰ぐこととし、徳川家を始め篤志者の出資を約拾五万円と予定し、大正十一年度予算に計上し、弐箇年の継続事業として遂行することとし、県会の議決を経、地を静岡市追手町なる旧駿府城三の丸の一角に卜して、別紙計劃書の通建設せんとす、附近は学校又は兵営にして、市街の喧騒と遠ざかり図書館の位置として好適の地なり、其計劃の概要は左の如し
      葵文庫設立計劃概要
一、内外古今の図書及郷土資料を蒐集保存して公衆の閲覧に供し、館内閲覧と共に館外携出巡廻文庫を設く
 通俗図書の外に、参考文書及貴重の珍籍を蒐集保存して時々一般の展覧に供せんとす
 大人用の図書の外に、適当の図書を蒐集して児童の閲覧に供し、読書の趣味を養成せんとす
一、図書閲覧の外に民衆文化の向上を期せんが為め講座を設け、学術上の講習講演等を催し、又随時教育的展覧会を開設せんとす
一、図書は創立の際に、本県教育会附属静岡図書館の所蔵図書の全部約七千冊、静岡師範学校所蔵の漢洋書籍三千冊、久能山に保管せる関口氏蔵書二千冊を継承し、新に購入の八千冊、計二万余冊を備付け、開館後は毎年三千冊以上を購入して漸次内容を充実せんとす
右要項の計劃を充たさんが為めに、今回設立する図書館は本館二階建木骨外部鉄網コンクリート造百七十二坪、同地下室百坪、書庫四階建煉瓦造三十五坪にして、其他附属建物及設備図書費等合計拾七万円を以て、大正十三年度に完成開館の予定なり、尚ほ本館の区分は二階閲覧室八十坪、婦人室二十四坪、調査室二十坪、目録室二十坪、出納室十二坪にして、階下講堂六十坪、児童室二十二坪五合、館長室十二坪事務室二十坪、製本室十坪、応接室十三坪五合なり、地下室百坪は新聞室・食堂・宿直室・小使室・昇降所・物置等に区分し、其他は玄関廊下等なり、閲覧人座席は大人は弐坪につき三人、児童は一坪につき二人の割合を以て設備せんとするものなり、是等の計劃完成して愈々開館するに至らば、其職員は館長の外司書二名、書記及雇四名、出納手六名、其他装幀人・小使等にして、之等の諸給料、講座費・図書費其他備品費・消耗品費等の毎年総経費弐万余円は本県に於て支出する予定なり。


静岡育英会・葵図書館書類(DK470085k-0003)
第47巻 p.359-360 ページ画像

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静岡育英会・葵図書館書類(DK470085k-0004)
第47巻 p.360 ページ画像

静岡育英会・葵図書館書類        (渋沢子爵家所蔵)
                 (別筆朱書)
                 大正十四年三月二十一日
                静岡県知事 伊東喜八郎氏来状
謹啓 春暖の候益々御清適奉賀上候、陳者予て多大の御配慮に預り居候本県立葵文庫も御蔭を以て愈々竣功、開館準備も略其成を告げ候に付、来三月廿八日午前十時より開館式挙行致候につきては、同文庫長よりも御案内申上置候筈に候へ共、何卒御繰り合せ御賁臨の栄を得度此段得貴意候 敬具
  大正十四年三月廿一日
                      静岡県知事 伊東喜八郎
    子爵渋沢栄一閣下
          侍史


静岡育英会・葵図書館書類(DK470085k-0005)
第47巻 p.360 ページ画像

静岡育英会・葵図書館書類         (渋沢子爵家所蔵)
    大正十四年三月二十八日入手之電報
 東京                 静岡市
  渋沢子爵                静岡県知事
本日県立葵文庫開館ニ際シ、本館建設ニ対シ多大ノ御厚情ヲ給ハリタル事ヲ感謝シ、尚ホ将来ノ御援助ヲ望ム。


静岡育英会・葵図書館書類(DK470085k-0006)
第47巻 p.360 ページ画像

静岡育英会・葵図書館書類         (渋沢子爵家所蔵)
                (別筆朱書)
                大正十四年四月四日
                  葵文庫長貞松修蔵氏来状
拝啓 春暖之候益々御清穆の段奉賀候、陳者本文庫開館に関しては、種々御援助被下誠に難有御礼申上候、御蔭を以て去る三月二十八日開館式挙行四月一日より一般の閲覧を開始するに至り候間乍他事御安堵被下度、尚今後共何分御後援御指導の程願上候 敬具
  大正十四年四月四日
             静岡県立葵文庫長 貞松修蔵
    子爵渋沢栄一殿
 追而別便を以て開館式記念の印までに粗品進上仕候間、御受納被下度候


竜門雑誌 第四三九号・第八五頁大正一四年四月 青淵先生動静大要(DK470085k-0007)
第47巻 p.360-361 ページ画像

竜門雑誌  第四三九号・第八五頁大正一四年四月
 - 第47巻 p.361 -ページ画像 
    青淵先生動静大要
      三月中
二日 病後静養の為め相州大磯明石家別荘に赴かる。
廿日 帰京。
   引続き在邸静養せられつゝあり。
  ○尚同誌五月号ニハ「四月中」トシテ「青淵先生には引続き在邸静養せられつつあり」トアリ。