デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和2年11月28日（1927年）

是ヨリ先、滝野川警察署庁舎新築落成セルヲ以テ、栄一ソノ協賛会長トナル。是日ソノ祝賀園遊会、飛鳥山邸ニ於テ挙行セラル。栄一金五百円ヲ寄付ス。

青淵先生職任年表（未定稿）昭和六年十二月調　竜門社編
　　　　　　　　　　　　　竜門雑誌第五一九号別刷・第二四頁昭和六年一二月刊
　　　　昭和年代
　年　　月
二　一一　滝野川警察署協賛会々長。
　　○右ニ解任ノ年次ヲ示サズ。依ツテ在任ノ期間未詳。

寄附金依頼ニ関スル来書　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
謹啓　益御清適奉賀候、陳者曩に御依頼致し置き候滝野川警察署新築落成祝賀会協賛会々員募集の件に関しては、既に夫々御配慮中の事と存じ候処、追々申込期日も切迫致し候に就ては、可成多数会員御勧誘所期の目的を達成候様此の上とも格段の御尽力相煩度、御依頼旁此段得貴意候　敬具
＊
追而別紙本会経費概算御参考迄御送付申上候間可然御取計被下度
 - 第48巻 p.388 -ページ画像 
　　昭和二年十一月五日
　　　　　　　　　　　滝野川警察署協賛会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　会長　渋沢栄一
　　　　（宛名手書）
　　　　渋沢栄一殿
＊欄外別筆
［金五百円寄附済　二、一一、二四、
（別紙）
　滝野川警察署新築落成祝賀会経費概算
　　収入
一金九千円也
　　　内訳
　一金六千円也　　会員六百名醵出金
　一金参千円也　　篤志者寄附金
　　　支出
　一金九千円也
　　　内訳
　一金七千弐百円也　来賓及会員接待記念品共千弐百人分（一人金六円）
　一金五百円也　　　諸雑費
　一金千参百円也　　演武道具及諸器具費
収入支出差引残金ナシ

滝野川町関係書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
拝啓
滝野川警察署協賛会ニ関シ、過般来種々御配慮ヲ煩ハシ候処、同庁舎新築工事モ進捗シ落成ノ期ニ迫リ候ニ付、来ル二十八日落成祝賀会挙行致シ候ニ付、尚一層ノ御後援ヲ仰キ度不取敢右御報申上候
　　昭和二年十一月十二日
　　　　　　　　　　　　　滝野川警察署協賛会
　　　　　　　　　　　　　　　　会長　子爵渋沢栄一

滝野川町関係書類　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
拝啓　時下漸く寒冷之候愈御清穆之段奉慶賀候
陳者当署庁舎新築工事中の処今回竣功致し候に就ては、来る二十八日午前十時新庁舎に於て落成式挙行致し度候間、万障御繰合の上御臨席被下度御案内申上候　敬具
　　昭和二年十一月十九日
　　　　　　　　　　　　　　滝野川警察署長　加瀬谷泰治
　　　　　　　　殿

滝野川町関係書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
拝啓　時下漸く寒冷之候愈々御清穆之段奉賀候、陳者滝野川警察署新
 - 第48巻 p.389 -ページ画像 
築工事竣功に付、来る二十八日午前十時落成式挙行相成候に就ては、当日式後拙宅庭園を会場に充て祝賀園遊会相催候間、万障御繰合の上御臨席被下度候、右御案内申上度如此候　敬具
　　昭和二年十一月十九日
　　　　　　　　　　　　滝野川警察署庁舎
　　　　　　　　　　　　新築落成祝賀協賛会長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　子爵渋沢栄一
　　　　　　　　殿
　追て準備の都合有之候に付、折返し別紙○略ス　葉書に依り御来否御通知被下度、尚御出席の際は此書状受付係に御示し被下度申添候

竜門雑誌　　第四七一号・第九五頁昭和二年一二月
　　　　青淵先生動静大要
　　　　　　十一月中
十九日　滝野川警察署協賛会（同署）
　　○中略。
廿八日　滝野川警察署開署式（同署）右終つて同署新築落成祝賀園遊会（曖依村荘）

（増田明六）日誌　　昭和二年　　　　　　　（増田正純氏所蔵）
十一月十九日　土　晴　　　　　　　　　　　　　　　出勤
午前十時滝野川警察署落成祝賀協賛会議ニ参列した、子爵が其会長で議長となりて来廿八日飛鳥山子爵邸て執行せらるゝ祝賀園遊会の協議があるので特ニ参列した訳であつた、会議前二十分ニ到着したので折柄来会の浅賀長兵衛氏・榎本町長・有馬浅雄・署長などと右園遊会設備の義ニ付き種々協議した、来廿二日午後更ニ其準備委員諸氏と会合する事ニ約して帰去
○下略
　　○中略。
十一月廿二日　火　曇　　　　　　　　　　　　　　　出勤
○上略
午後三時飛鳥山邸ニ於て滝野川警察署落成祝賀会実行ニ関する打合ハセ会を催した、町方より榎本銈太郎・有馬浅雄・警察署長其他委員出席、事務処より小生の外井田善之助君出席、晩香盧《（廬）》ニ会議したる後庭園を巡回して露店設置の位置等を協議した
同邸ニて夕餐の饗を受け、右祝賀会ニ関する順序等を作る
○下略
　　○中略。
十一月廿八日　月　晴　　　　　　　　　　　　　　　出勤
今日は正午より滝野川警察署新築落成祝賀会が飛鳥山邸庭園で行ハれるで、前々より夫々準備をして大体整つて居るが、午前九時ニ各受持の掛員五十名を集めて設備及実行ニ関し夫々の注意を与へた、十時ニハ各露店の設備が具ハり十二時ニ一斉ニ開店せしめた、来会者は千百名、一時間位で各店共売切れの盛況であつた、一時半から余興を開始
 - 第48巻 p.390 -ページ画像 
し三時終了、三時半には一同退散を了した
○下略

滝野川町関係書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
拝啓
時下寒冷ノ候ニ相向ヒ候処高堂益々御清穆ノ段奉慶賀候
陳者当署ハ震災直後（大正十二年十月二十日）新ニ設置セラレ、爾来二ケ年分署タリシカ、去ル十月一日警察署ニ昇格致シ候ニ付テハ、玆ニ聊カ記念スル為、来ル十一月廿九日（日曜日）午後一時ヨリ当署ニ於テ武道会ヲ開催仕リ候間御来観被下度候　敬具
　　大正十四年十一月二十二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　滝野川警察署長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　加瀬谷泰治
　　　　（宛名手書）
　　　　渋沢栄一殿

滝野川町関係書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
拝啓　益々御隆盛之段奉賀候
陳者毎度御迷惑の事のみ御願ひ申し恐縮の至りに存候へ共、此度警視庁管下武道大試合に付き、滝野川警察署員の後援として有志相謀り、之が練習並に出場実費等の醵金相願ひ度候間、何卒応分の御寄附被下度願上候
　追而今回は浅野邸・渋沢邸・古河邸・大川邸・浅賀代議士、榎本・有馬両府会議員、小峯博士と小職とのみにて充当致度候ニ付御含み置き願上候
　　大正十五年七月十二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　滝野川町長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　榎本初五郎
　　　　（宛名手書）
　　　　渋沢家御中