デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
5節 祝賀会・表彰会
18款 松方正義米寿祝賀会
■綱文

第49巻 p.425-429(DK490144k) ページ画像

大正11年3月17日(1922年)

是ヨリ先、松方正義ノ米寿ヲ祝スルタメ、政界・財界ノ有志者四十数名発起人トナリ、祝賀会ヲ計画、寄付金ヲ募集シテ、コレヲ帝国学士院ニ寄付シ、財政経済ニ関スル研究者ニ支給セントス。是日、日本勧業銀行ニ於テ、ソノ発起人会開催セラレ、栄一出席ス。後、金二千五百円ヲ寄付ス。


■資料

集会日時通知表 大正一一年(DK490144k-0001)
第49巻 p.425 ページ画像

集会日時通知表 大正一一年         (渋沢子爵家所蔵)
三月十七日 松方侯米寿祝賀会発起人会(日本勧業銀行)


竜門雑誌 第四〇七号・第六〇頁大正一一年四月 松方侯米寿祝賀会発起(DK490144k-0002)
第49巻 p.425 ページ画像

竜門雑誌 第四〇七号・第六〇頁大正一一年四月
○松方侯米寿祝賀会発起 松方侯爵には本年八十八回の誕辰を迎へられたるに依り、祝賀の意を表すべく青淵先生、三井・岩崎各男爵を始め四十余名の諸氏発起となり、三月十七日午後四時より日本勧業銀行に於て発起人会を開催する所あり、右祝賀記念として弘く奨学資金の寄附を仰ぎ、之を帝国学士院に移し、主として財政経済に関する研究者の奨励に資する筈なりと云ふ。


中外商業新報 第一二九五二号大正一一年四月二日 松方侯の米寿賀筵 渋沢子阪谷男 諸子等の発起(DK490144k-0003)
第49巻 p.425 ページ画像

中外商業新報 第一二九五二号大正一一年四月二日
    松方侯の米寿賀筵
      渋沢子阪谷男
      諸子等の発起
松方正義侯は本年八十八歳に相当するので、阪谷芳郎男・平山成信氏・渋沢栄一子・岩崎男発起となり米寿賀筵を開く事となつたが、来る五月卅一日迄に各方面の賛助を求め寄附金を以て記念事業をすると


松方公米寿祝賀会報告 第三―六頁(大正一一年九月)刊(DK490144k-0004)
第49巻 p.425-426 ページ画像

松方公米寿祝賀会報告 第三―六頁(大正一一年九月)刊
    一、発起ノ趣旨及発起人会
松方公ノ米寿ヲ祝賀セントスル企ハ、大正十一年二月中二三有志ノ間ニ話題トナリタルニ始マリ、忽チ進展シテ翌三月ニ至リ具体化セラレタリ、左ニ当時発送セル依頼状ノ全文ヲ掲ケテ趣旨ノ説明ニ代ユ
 謹啓 松方侯爵ハ本年八十八回ノ誕辰ヲ迎ヘラレタルニ因リ、左ノ方法ヲ以テ聊カ祝賀ノ微意ヲ表セント欲ス、幸ニ御同感諸君ノ御賛助ヲ得テ、此ノ目的ヲ達成センコトヲ切望ス
  一松方侯爵米寿祝賀記念トシテ奨学資金ノ寄附ヲ仰キ、之ヲ帝国学士院ニ移シ、主トシテ財政経済ニ関スル研究者ノ奨励ニ資スルコト
  一侯爵ニ対シ寄附者一同ノ名簿ヲ添ヘ祝賀文ヲ呈スルコト
 - 第49巻 p.426 -ページ画像 
  一御寄附ハ本年五月三十一日迄ニ、東京市麹町区内山下町日本勧業銀行内「松方侯爵米寿祝賀会」宛ニテ御払込ミヲ請フコト
    但シ振替貯金ヲ以テ御払込ノトキハ口座番号東京第四番ナリ
 右御依頼申上候 敬具
  大正十一年三月
      発起人(イロハ順)
       男爵 岩崎久弥      池田謙三
       男爵 伊集院彦吉 名古屋 伊藤次郎左衛門
          井上準之助     原六郎
       横浜 原富太郎      早川千吉郎
       京都 浜岡光哲      仁尾惟茂
          床次竹二郎  横浜 大谷嘉兵衛
      名古屋 岡谷惣助      若槻礼次郎
      名古屋 渡辺義郎   京都 田中源太郎
          添田寿一   男爵 園田孝吉
          佃一予    大阪 永田仁助
          中川小十郎     中隈敬蔵
          成瀬正恭      山口宗義
          山崎四男六     深井英五
          児玉謙次   大阪 小山健三
          荒井賢太郎     佐々木勇之助
          相馬永胤   男爵 阪谷芳郎
       神戸 桜井鉄太郎  男爵 目賀田種太郎
       男爵 三井八郎右衛門   水町袈裟六
          水越理庸      美濃部俊吉
       子爵 渋沢栄一      志村源太郎
          土方久徴      平山成信
    追テ本文通知漏モ可有之ニ付、自然御気付ノ御方有之候ハバ可然御吹聴相願度候
三月十七日日本勧業銀行楼上に於テ発起人会ヲ開ク、祝賀ニ関スル大体ノ方針・順序ハ皆此ノ日ニ於テ決定セラレタリ、之カ実行ニツキテハ発起人中ヨリ常務委員ヲ挙ケテ万事ヲ一任スルコトヽナリ、常務委員ニハ
 添田 早川 水町 若槻 荒井 山口 志村 阪谷 平山ノ九氏之ニ当リ、其ノ中ニテ
 志村 山口 ノ両氏ハ特ニ庶務会計ヲ担任シ
 阪谷 平山 ノ両氏ハ総代ノ格ニテ会務全体ヲ総括スルニ定マリタリ
其後屡々勧銀楼上ニ常務委員会ヲ開キテ当面ノ要務ヲ協議シ、他ノ細目ハ随時両総代限リニテ処理シツヽ進行シタリ


松方公米寿祝賀会報告 第二三―二六頁(大正一一年九月)刊(DK490144k-0005)
第49巻 p.426-428 ページ画像

松方公米寿祝賀会報告 第二三―二六頁(大正一一年九月)刊
    四、賛成者名簿
賛成者名簿ハ特製美濃白紙ヲ用ヒ金額別トシテ調製セリ、別ニ(イロ
 - 第49巻 p.427 -ページ画像 
ハ)別名簿ヲモ添ヘテ索引ノ便ニ供シタリ
      寄附額氏名
金壱万円                  男爵 岩崎久弥
同                        井上準之助外十名
   内
 金四千円                    井上準之助
 金弐千五百円                  木村清四郎
 金五百円                    深井英五
 同                       麻生二郎
 同                       川田敬三
 同                       浜岡五雄
 金三百円                    三田佶
 同                       鮫島武之助
 同                       山口宗義
 同                       島郁太郎
 同                    子爵 青木信光
金壱万円                     原六郎
同                        児玉謙次
同                     男爵 三井八郎右衛門
金七千円                   株式会社川崎造船所
                       川崎汽船株式会社
金五千円                     第一銀行
同                        志村源太郎外四名
   内
 金弐千五百円                  志村源太郎
 金千円                     柳谷卯三郎
 金五百円                    川上直之助
 同                       加藤敬三郎
 同                       山田為栄
金五千円                     十五銀行
金参千円                     伊東米治郎
同                        石塚英蔵
同                        中川小十郎
金参千円                   南満洲鉄道株式会社
                         美濃部俊吉
                         嘉納徳三郎
                         大田三郎
同                        片山繁雄
                         吉田節太郎
                         掛井生治
同                        土方久徴外四名
   内
 金千五百円                   土方久徴
 金六百円                    小野英二郎
 - 第49巻 p.428 -ページ画像 
 金参百円                    岩佐珵蔵
 同                       弥永克己
 同                       松本弘造
金参千円                     諸戸清六
同                     男爵 住友吉左衛門
金弐千五百円                   第百銀行
同                     子爵 渋沢栄一
金弐千円                     原田六郎
同                        川崎八右衛門
金千五百円                    水越理庸外一名
   内
 金千円                     水越理庸
 金五百円                    塩川三四郎
金千円                      伊藤次郎左衛門
同                        原富太郎
同                        原田二郎
同                        早川千吉郎
同                        堀越角次郎
同                        岡谷惣助
同                     男爵 川崎武之助
同                        団琢磨
同                     男爵 園田孝吉
同                        成瀬正恭
同                        成瀬正行
同                        久原房之助
同                        安田善次郎
同                        馬越恭平
同                     男爵 藤田平太郎
同                     男爵 古河虎之助
同                     公爵 島津忠重
同                     男爵 森村開作
   ○外九三二名金額・氏名略ス。


松方公米寿祝賀会報告 第一―二頁(大正一一年九月)刊(DK490144k-0006)
第49巻 p.428-429 ページ画像

松方公米寿祝賀会報告 第一―二頁(大正一一年九月)刊
    松方公米寿祝賀会賛成ノ諸君ニ告ク
秋冷相加ハリ候折柄益々御清勝ノ段慶賀ノ至ニ奉存候、陳者曩ニ御賛成ヲ仰キテ成立チタル、松方公爵米寿祝賀会ニ於テ募集シ得タル奨学資金ハ、総額拾八万余円ノ巨額ニ達シタルハ御同慶ノ至ニ候、内若干ノ経費ヲ支出シ、全ク奨学資金トシテ帝国学士院ヘ寄附セル金額拾八万円ニシテ、大正十一年九月三十日無滞現金ヲ同院長ヘ引渡シ申候
又公爵ニ呈スル祝賀文ハ、起草ヲ文学博士小牧昌業君ニ、浄書ハ梅園良正君ニ依頼シ、之ヲ横巻ニ仕立テ、副フルニ帝国学士院往復文書ト金額ヲ詳記セル賛成名簿トヲ以テシ、是亦進呈ヲ済セ申候
之ニ対シ松方公ハ慇懃ナル言辞ヲ以テ感謝ノ意ヲ表セラレ申候
 - 第49巻 p.429 -ページ画像 
右ニテ首尾好ク当初ノ目的ヲ達シタルハ各位ノ御賛助ニ依ルモノニテ発起人一同ノ欣快トスル所ニ有之、何卒各位ニ於テモ御安心下サレ度候、玆ニ本会ノ始末ヲ報告スルニ方リ謹ミテ一言謝意ヲ表シ候 敬具
  大正十一年九月三十日
                松方公爵米寿祝賀会発起人一同


松方公米寿祝賀会報告 第六―一一頁(大正一一年九月)刊(DK490144k-0007)
第49巻 p.429 ページ画像

松方公米寿祝賀会報告 第六―一一頁(大正一一年九月)刊
    二、将学資金
将学資金ニ関シ本会ト帝国学士院トノ間ニ交換セラレタル文書ハ左ノ如シ
      (一)
 侯爵松方正義君本年八十八歳ニ達セラレ候処、国家ノ元勲ニシテ此高齢ニ躋ラレ候ハ誠ニ慶賀スヘキ所ニ有之候間、同志相謀リ松方侯爵米寿祝賀記念奨学資金ヲ募集シ、左記条件ニ拠リ之ヲ貴院ニ寄附致シ度候ニ付、御承認相成度候也
  大正十一年三月        松方侯爵米寿祝賀会発起人
                総代
                     男爵 阪谷芳郎
                        平山成信
    帝国学士院長 男爵 穂積陳重殿

    松方侯爵米寿祝賀記念奨学資金寄附条件
 一、本資金ハ適当ノ方法ヲ以テ之ヲ利殖スルコト
 一、元金ハ永ク之ヲ保存シ、其利子ノミヲ使用スルコト
 一、利子ハ主トシテ財政経済ニ関スル研究ノ補助褒賞等ニ使用スルコト
 一、前項以外ト雖モ学士院ニ於テ適当ト認メラルヽ事業ニ利子ヲ使用セラルヽハ妨ケナキコト
 一、利子ヲ以テ施行セラレタル事項ハ、毎年之ヲ松方侯爵家ニ報告セラルヽコト
○中略
 ○帝国学士院回答
      (一)
 拝啓 松方侯爵本年八十八歳ノ高齢ニ躋ラレタルニ付之ヲ慶賀セラルヽ為、貴会ニ於テ松方侯爵米寿祝賀記念奨学資金ヲ募集シ、本院ニ寄附被致度旨御申出ノ趣敬承、御厚意深謝ノ至リニ御座候、右御寄附ノ件ハ御申越ノ条件ニ拠リ本月十二日ノ本院総会ニ諮リ、全会一致ヲ以テ之ヲ受領スルコトニ議決致シ、御寄附ノ主旨ニ副フヘキ様御取計可申コトニ決定致シ候ニ付、此段御了承被下度御回答迄如斯ニ御座候 敬具
  大正十一年四月二十日
             帝国学士院長 男爵 穂積陳重
    松方侯爵米寿祝賀会発起人総代宛
○下略