デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
7節 関係団体諸資料
12款 雑 14. 大日本国輝会
■綱文

第49巻 p.667-669(DK490219k) ページ画像

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■資料

諸会発起趣意書(二) 【(印刷物) (表紙) 大日本国輝会趣旨綱領会則】(DK490219k-0001)
第49巻 p.667-669 ページ画像

諸会発起趣意書(二)             (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
(表紙)

    大日本国輝会趣旨綱領会則
                      大日本国輝会総本部
            東京市麹町区内幸町一ノ六(島ビルデイング)
                       電話 銀座二五五六番

    大日本国輝会創立趣意
明治維新ノ鴻業興リテ春秋玆ニ六十有余歳、其間我邦ノ文化ハ燦然
 - 第49巻 p.668 -ページ画像 
トシテ異常ナル急速ノ進歩発達ヲ遂ゲ、我国威ヲ大ニ世界ニ発揚スルニ至レリ。然リト雖モ欧羅巴文明ノ移入ト共ニ、物質文明ノ光彩ハ深ク国民ノ眼ニ心ニ眩惑浸潤シ、我建国固有ノ国民精神並ニ国民生活上ニ変調ヲ来シ、加フルニ世界大戦ノ結果ハ奇矯過激ナル思想ノ伝播ヲ助長シ、為ニ我国民思想ノ不健全ヲ招来セリ。且又経済的方面モ労資ノ分野明確ニナルト共ニ、動々トモスレバ階級的闘争ノ傾向ヲ促シ来リ、殊ニ大戦ニ因ル我邦財界ノ好況ナリシコトハ、却テ我国民ノ淳風良俗ノ美風ヲ紊乱阻害スルコト甚シク、軽佻浮薄ノ気大ニ国土ニ瀰漫セリ。併カモ好景気ノ反動ト大震火災ニ於ケル激甚ナル災禍ニ因ル経済的損失ハ、忽チ事業界ノ不振萎靡ヲ来シ、国民生活ヲ圧迫スルコト深刻ニシテ、此レト同時ニ、思想ノ悪化並ニ経済的国難ヲ現出スルニ至レリ。
斯クノ如キハ其根本ニ遡リテ考察スルニ、徒ニ欧羅巴文明ニ心酔シ、唯々之ニ追従センコトノミヲ希ヒタル結果、大和民族ノ拠テ以テ立ツベキ真本領ニ背反シ、我民族精神ヲ没却シタルニ基因スルモノト断ズルモ、必ズシモ過誤ナカルベシト信ズ。
由来我邦ハ、上ニ一天万乗ノ大君ヲ戴キ奉リ、普天ノ下率土ノ浜、王土王臣ニ非ザルハナク、君臣ノ分ハ建国当初ヨリ厳然トシテ定マレリ併カモ君臣ノ間義則君臣、情則父子、烈聖下ヲ憐ミ給ヒ、臣民上ヲ敬ヒ奉リ、君民一体水魚ノ如キ間柄ニシテ、神武大帝以降三千年ノ世界ニ比ナキ光輝アル歴史ヲ保有ス。此光輝アル国柄ト此民族ノ精神ヲ外ニシテハ、国家存立ノ意義ナク、世界ノ上ニ立チテ雄飛万邦ヲ指導スル底ノ気魄ノ生ズルイワレアルコトナシ。
此ニ於テ吾々今回大日本国輝会ヲ創立シ、一面質実ニシテ剛健、精忠ニシテ義烈ナル国民ノ気風ヲ作興シテ、建国伝来ノ我国精神ヲ旺盛ナラシメンコトヲ期スルト共ニ、恒産ハ恒心ヲ生ムノ道理ヲ体シ、他面累年財界ノ不況ニ因リ、現下国民生活ヲ脅威スルコトノ深刻ナルニ鑑ミ、社会救済事業ヲ実施シ、就職者ノ生活ノ不安ヲ除却スルコトニ努メ、失業者ノ簇出スルニ対シテハ之ヲ救護シテ、其所ヲ得セシムルコトニ力ヲ致シ、皇室ヲ中心ニ、大衆共栄互助ノ理想ヲ実現スルコトニ向テ努力力行、以テ其微ヲ尽サンコトヲ期ス。志ハ大ニシテ業頗ル難シ。大方ノ諸賢、希クハ本会ニ対シ、御共鳴ト御後援ヲ惜マルヽコトナク、国家ノ為メ同胞ノ為メ所期ノ目的ノ達成セラルヽ様、深ク切ニ祈リテ止マザル次第ナリ。
  昭和四年九月
                    大日本国輝会総本部
            東京市麹町区内幸町一ノ六(島ビル)
                     電話 銀座二五五六番
    綱領
 一、皇室ヲ中心ニ大衆共栄ノ理想実現ヲ期ス
 一、質実剛健ナル気風ヲ涵ヒ、奇矯ナル思想ノ絶滅ヲ期ス
 一、節義ヲ重シ友誼ヲ保持シ、以テ民心ノ作興ヲ期ス
 一、正義ヲ尊ヒ純理ニ立脚シテ行動センコトヲ期ス
 一、公共ノ為メニハ一切ノ名利ヲ超越シ、赤誠専ラ其目的ノ達成ヲ
 - 第49巻 p.669 -ページ画像 
期ス
○中略
    役員
               総裁  前田利定
               会頭  山岡万之助
               副会頭 星野錫
                 (いろは順)
               顧問  頭山満
               同   清浦奎吾
               同   渋沢栄一
○下略


(前田利定)書翰 渋沢栄一宛(昭和四年)九月二五日(DK490219k-0002)
第49巻 p.669 ページ画像

(前田利定)書翰 渋沢栄一宛(昭和四年)九月二五日
                     (渋沢子爵家所蔵)
謹啓
時下逐日秋冷相催し候処、益々御清穆之段為邦家抃賀之至りニ奉存候陳者今般小生共発起の下に国民精神の作興並に失業問題の緩和を趣旨とする国輝会を計劃し、来る十月五日午前十時より青山会館に於て発会式挙行仕候に就いては、国務御多端之折柄甚だ恐縮之至りニ存候得共、万障御繰合せ御賁臨の栄を賜り度、此段得貴意旁々御案内申上候
                          敬白
  九月二十五日
                 前田利定
    渋沢栄一閣下
  ○栄一ノ出欠未詳。



渋沢栄一伝記資料  第四十九巻 終