デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
5款 社団法人東京銀行集会所 東京銀行倶楽部
■綱文

第51巻 p.35-36(DK510007k) ページ画像

大正12年12月25日(1923年)

是日、大蔵大臣井上準之助・日本銀行総裁市来乙彦ヲ招待シテ、東京銀行倶楽部第百八十九回晩餐会開カル。栄一出席シテ演説ヲナス。


■資料

銀行通信録 第七七巻第四五七号・第六五頁大正一三年二月 録事 東京銀行倶楽部晩餐会(DK510007k-0001)
第51巻 p.35-36 ページ画像

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銀行通信録 第七七巻第四五六号・前付第二一―二二頁大正一三年一月 新大蔵大臣及日本銀行総裁就任祝賀晩餐会演説(大正十二年十二月二十五日東京銀行倶楽部に於て) 渋沢子爵の演説(DK510007k-0002)
第51巻 p.36 ページ画像

銀行通信録  第七七巻第四五六号・前付第二一―二二頁大正一三年一月
  新大蔵大臣及日本銀行総裁就任祝賀晩餐会演説
       (大正十二年十二月二十五日東京銀行倶楽部に於て)
○上略
    ○渋沢子爵の演説
今夕は私にも此盛宴に陪するの機会を御与へ下されたことを有難く感謝致します。お嫁さまのお話が大分長うございました、又新規に御披露になり、此方へ取つた所のお嫁さまも叮嚀なる御演説がありました況や殊に以前の日本銀行総裁たりし高橋子爵の最も有益なる大演説がございました。唯々吾々此処に居る人々は此復興の問題に付ては少し大声俚耳に入らずと云うては或は申し方が違ふか知らぬが、ちつと八つ当りぢやないか、と云ふやうな心地が致します(笑声)、併し決して先輩の御演説を批評がましく申上げるではありませぬ――そこで私はもう何もかも申上げる事はございませぬが、一言斯かる場合に希望を申上げます。蓋し高橋君の御希望に次ぎて極く小さい、是は皆様がやつて下されば屹度出来ることだと思ふ為に、玆に一言を申上げるのでございます。
元来国家の富殖繁栄は財政と経済が能く一致して行けば、必ず完全に進歩して行くに相違ない、是は私の喋々を要しませぬ。而して今日は前に日本銀行総裁たりし井上君が大蔵大臣として今財政に任ぜられる又前の大蔵大臣たりし市来君が日本銀行総裁として大体の経済に任ぜられる、財政経済が斯の如くに一致せることは無いでございませう。而して之に加ふるに斯の如く多数の銀行者がお集りで、此金融を料理なさるのでありますから、もう何も彼も不足は一つもございませぬ。高橋子爵からは大分お小言が出ましたけれども、是は少しお小言が過ぎるので其やうにお小言を言はれる程諸君は不勉強ではなからうと思ひますが、私は玆に一つ諸君に望むのは、どうぞ此金利をもう少し安くして戴きたい、此食堂で食事をなさる金利ぢやございませぬぞ(笑声)、「バラツク」で食事をなさる金利であります、どうも一割と云ふ金利は決して、諸君に有難うございます、とは申上げ兼るやうでございます。近い例が或る大きな肥料会社が、五百万円の社債を整理する為に、此処にお出の方に御依頼をして始末をした。其金利は幾らであるかと云ふと、二銭八厘だと云うて其人が大層喜ぶから、私は一文も利息を払ふ人間ではないが、貴様は馬鹿な事を言ふ、そんな高利を取られて喜ぶ奴があるか(笑声)と申したことがございます。甚だ暴言のやうでございますけれども、実は皆様を私は高利貸と思ふのでございます(笑声)。どうか此次には高利貸だけはお廃め下さることを只管お願ひ申上げます(笑声、拍手)。之を御礼と致します。(拍手)