公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
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銀行通信録 第四八巻第二八五号・第五三頁明治四二年七月 ○対清企業団の組織(DK510030k-0001)
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銀行通信録 第四八巻第二八五号・第五三頁明治四二年七月
○対清企業団の組織
渋沢・大倉・益田・近藤等有力なる実業家諸氏の間には予て日清企業調査会なるもの組織せられ種々調査中なりしが、過般粤漢・川漢両鉄道借款問題の興起は痛く我政府当局者を刺撃して少からざる努力を為さしむるに至り、其結果前記の実業家諸氏は六月二十二日三井集会所に会合の上愈々一の対清企業を組織することに決したり、而して右企業団の地位は英国「シンヂケート」と同様なるも、我国法上「シンヂケート」の組織を認めざるのみならず、出資者側に在りても無限責任の組織となすには躊躇の向もありて、結局資本金百万円の株式会社となし、此会社を通じて清国鉄道に要する枕木其他の建築材料を供給せしむる計画にて、不日桂総理大臣より関係実業家を招き協議を重ぬる筈なり
中外商業新報 第一一四九九号大正七年四月六日 金融重要会議 東西銀行家会合(DK510030k-0002)
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中外商業新報 第一一四九九号大正七年四月六日
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○金融重要会議
東西銀行家会合
日本銀行に於て五日午後二時より同行楼上に土方(興銀)美濃部(朝鮮)桜井(台銀)梶原(正金)佐々木(第一)池田(三井)串田(三菱)安田(安田・第三)松方(十五)池田(第百)以上東京側、小山(三十四)湯川(住友)松方(浪速)池田(近江)蘆田(鴻の池)加輪上(加島)の諸氏を招き、日銀よりは三島・水町正副総裁、木村理事列席し、又渋沢男は斯界の長老たる関係上特に参列を求め、先づ予ての懸案たる日米銀行設立に付き協議せしが、大坂側は本問題の成行に付き未だ熟知せざる事情もあることゝて、今後研究を遂げたる上にて可否を決定する事とし、次て日支経済関係を益々密接ならしむる目的を以て政府は今回東亜興業の増資を慫慂し、又日本興業銀行に対支放資の財源を得せしむる為め、同行発行の債券一億円を限り政府に於て之を保証することゝなせるに依り、其実行を期する為め一般銀行家の協力を求め、且特殊聯絡機関を新設する方法に関し協議し、大体意見の一致を見たれば近く具体的に実現するに決し、午後四時散会せり