デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治43年9月14日（1910年）

是日当所所長森下岩楠、ベルリンノシンメルフェング興信所主子息ハンス・シンメルフェングヲ帝国ホテルニ招待ス。栄一、当所評議員会長トシテ出席ス。尚、屡々評議員会ニ出席ス。

渋沢栄一　日記　明治四三年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
九月十四日　雨　冷
○上略　七時帝国ホテルニ抵リ、独乙人シーメルヘンク氏ト会話ス、氏ハ興信経営ノ人ニシテ東京興信所ニ於テ招宴セシナリ、夜十時過散会帰宿ス○下略

竜門雑誌　第二六八号・第六〇頁明治四三年九月
○独逸興信所と東京興信所　独逸伯林シンメルフエング興信所主令息ハンス・シンメルフエング氏は十三日東京興信所を訪問し、執務の実況を視察したるが、森下所長は十四日同氏を帝国ホテルに招待して晩餐を饗し、評議員青淵先生、早川千吉郎氏等も出席せりと。

（東京興信所）　評議員会書類　第四　　　（株式会社東京興信所所蔵）
　　東京興信所第拾五回報告書
○中略
　　　　○業務成績ノ大要
○中略　其他海外ニ対スル業務ハ益ス発展ヲ告ゲ、世界ノ二大興信所タル米ノ「ブラツトストリート」、独ノ「シンメルフエング」トノ聯絡ハ日ヲ追フテ密接ヲ加ヘ、特ニ「シンメルフエング」興信所主「ハンスシンメルフエング」氏ハ当年○明治四三年九月来朝シテ、報答交換ノ事ニ付キ当所トノ間ニ一層有利ナル約束ヲ結ビ、当所ハ之ガ為メニ会員ニ対シ諸般ノ便宜ヲ供スルニ至リタルハ稍ヤ満足スル処ナリ
　　　○十月十九日、十二月二十一日ノ各評議員会書類ニ栄一ノ捺印アリ。

（東京興信所）　評議員会書類　第四　　　（株式会社東京興信所所蔵）
　　東京興信所第拾五回報告書
明治四拾参年中ニ於ケル東京興信所ノ業務並ニ会計ノ概要ヲ報告スル事左ノ如シ
○中略
　　　　○発起会員総会ノ件
明治四十三年二月三日午後五時ヨリ、日本橋区坂本町ノ銀行集会所ニ於テ、発起会員総会ヲ開キタリ、当日ノ出席者弐拾余名ニテ、評議員
 - 第51巻 p.193 -ページ画像 
豊川良平氏会長席ニ着キ、所長森下岩楠氏ヨリ当所第十四回（明治四十二年度）事務及会計報告ヲ為シ、之レガ承認ヲ求メ、原案可決ノ後評議員ノ改選ヲ行ヒタルニ、第一銀行・横浜正金銀行・三菱銀行部・三井銀行・第百銀行ノ五行重任シ、夫レヨリ席ヲ銀行倶楽部ニ移シ、晩餐ヲ喫シテ散会シタリ
　　　　○評議員会ノ件
明治四十三年一月、当年ノ第一回評議員会ヲ開キ、其後二・八ノ両月ヲ除クノ外毎月開会シ、時々ノ要件ヲ議シタリ