デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
5節 諸金融機関
1款 復興建築助成株式会社
■綱文

第51巻 p.364-366(DK510096k) ページ画像

大正14年12月17日(1925年)

是日、復興建築助成株式会社創立総会開カル。栄一発起人タリ。


■資料

竜門雑誌 第四四七号・第一一九頁大正一四年一二月 青淵先生動静大要(DK510096k-0001)
第51巻 p.364 ページ画像

竜門雑誌  第四四七号・第一一九頁大正一四年一二月
    青淵先生動静大要
      十一月中
廿八日 復興建築助成会社打合会(日本工業倶楽部)


中外商業新報 第一四二八〇号大正一四年一一月二九日 復興会社の創立総会決定 来月十七日に(DK510096k-0002)
第51巻 p.364 ページ画像

中外商業新報  第一四二八〇号大正一四年一一月二九日
  復興会社の
    創立総会決定
      来月十七日に
復興建築会社発起人渋沢・井上・大橋・中村・有吉・佐々木の六氏は会社側の沼田・弓削の両氏並に法律顧問松本博士と、廿八日午後二時より四時まで、丸の内工業クラブに会合して、会社設立について今日までの経過報告を受け、創立総会の日取り打合せを行つた結果、十二月十七日午後二時より工業クラブにおいて開くことに決定した


(復興建築助成株式会社)営業報告書 第一期(大正一五年八月)刊(DK510096k-0003)
第51巻 p.364-365 ページ画像

(復興建築助成株式会社)営業報告書  第一期(大正一五年八月)刊
    二、創立総会
大正十四年十二月十七日東京市麹町区永楽町二丁目一番地日本工業倶楽部ニ於テ当会社創立総会ヲ開キ、左記事項ノ決議及承認ヲ為セリ
 総株数二十万株 株式引受人総数四千五百三十四名ノ内、出席株式数十五万九千七百二十七株(委任状共)出席人員二千八百四十四名
 (委任状共)
一、会社創立ニ関スル事項報告ノ件
一、取締役及監査役選任ノ件
   左記ノ通リ選任、全部就任セリ
    取締役 大橋新太郎・井坂孝・原邦造・沼田政二郎・弓削幸太郎
    監査役 門野重九郎・渋沢義一・藤村義苗
   尚取締役互選ノ結果、沼田政二郎社長ニ当選就任セリ
   又監査役二名ヲ次ノ株主総会ニ於テ増員選任スルコトニ決議セリ
    三、庶務事項
大正十五年二月二日 東京市麹町区有楽町一丁目一番地生命保険会社協会ニ於テ臨時株主総会ヲ開キ、事業資金ノ借受及利益配当ノ保証並ニ之ニ関聯スル事項ニ付東京市及横浜市ト当社トノ間ニ締結シタル契約
 - 第51巻 p.365 -ページ画像 
ヲ承認セリ


復興建築助成株式会社 設立趣意書 起業目論見書 定款 第一―一三頁刊(DK510096k-0004)
第51巻 p.365-366 ページ画像

復興建築助成株式会社 設立趣意書 起業目論見書 定款  第一―一三頁刊
    復興建築助成株式会社設立趣意書
東京及横浜両市ニ於ケル復興事業ノ遂行ニ方リ、最緊急ヲ要スルモノハ耐火建築ノ普及ナリトス、惟フニ広大ナル事務所・工場ノ如キ特種ノ建築物ニ就テハ、各々経営者アリテ復興計画ニ違算ナカルヘシト雖一般多数ノ建築物ニ至リテハ、別ニ方策ヲ講スルニ非サレハ之カ速成ヲ望ムコト極メテ難シ、此ニ於テ下名等相謀リ、特ニ政府ノ後援ヲ仰キ、東京・横浜両市ヨリ低利且長期ヲ以テ事業資金合計金六千万円ノ貸下ヲ受ケ、尚将来別途貸付其他ノ支援ヲ与ヘラルルコトアルヘキ旨ノ確約ヲ得タルノミナラス、両市ハ当社ノ存立期間中払込株金ニ対シテ年八朱ノ配当ヲ保証セラルル等、深甚ナル援護ノ下ニ復興建築助成株式会社ヲ設立シ、希望者ノ申込ヲ受ケテ簡易敏速ニ耐火的建築物ヲ完成シ、長期割賦ノ方法ニ依リテ之ヲ譲渡シ、又自ラ此種ノ建築ヲ為ス者ニ対シ、長期割賦ノ償還法ヲ以テ資金ヲ貸付クル等、専ラ復興建築ノ進捗ニ微力ヲ致シ、聊復興ノ大業ニ貢献スル所アラムトス、冀クハ大方各位ノ御賛同アランコトヲ
  大正十四年九月
            復興建築助成株式会社
              創立委員長 中村是公
              創立副委員長 有吉忠一
    復興建築助成株式会社起業目論見書
一、本会社ノ資本金ハ金壱千万円トシテ之ヲ二十万株ニ分チ、第一回ノ払込ハ一株ニ付金拾弐円五拾銭トシ、第二回以後ノ払込時期及金額等ハ事業ノ状況ニ依リ随時之ヲ定ム
二、本会社ハ事業資金トシテ東京・横浜両市ヨリ合計金六千万円ノ低利且長期ノ貸下ヲ受クヘキ確約ヲ得タリ、尚此ノ外両市ハ将来本会社事業資金ニ関シ必要ナル別途貸付又ハ相当ノ支援ヲ与ヘラルヘキ旨ノ確約アリ
三、本会社ノ事業ハ東京・横浜両市ニ於テ、大正十二年ノ大震火災ニ因ル焼失地区内ニ於ケル耐火建物ノ建築ニ関シ(一)希望者ノ申込ヲ受ケテ建物ヲ建築シ、二十年以内ノ期限ヲ以テ割賦販売スルコト(二)二十年以内ノ返済期限ヲ以テ建築資金ノ貸付ヲ為スコトヲ主トスルモノニシテ、何レモ元利支払ニ対シ確実ナル担保ヲ提供セシムルモノトス
四、本会社カ払込資本金ニ対シ年八分ノ利益配当ヲ為スコト能ハサルトキハ東京・横浜両市ヨリ其ノ配当ヲ為スニ必要ナル不足額ノ補給ヲ受ケ、且本会社ニ損失ヲ生シタルトキハ其ノ損失ヲ塡補スルニ必要ナル金額ノ補給ヲ受クルモノトス
五、本会社カ払込資本金ニ対シ年八分ノ利益配当ヲ為シ、剰余アルトキハ其ノ剰余金ヨリ従前ノ補給金ヲ両市ニ対シテ補償シ、尚剰余金アルトキハ其ノ剰余カ払込資本金額ニ対シ年四分ノ割合ニ達スル迄ハ、両市ニ其ノ剰余額ノ半額ヲ納付シ、残リ半額ヲ本会社ノ
 - 第51巻 p.366 -ページ画像 
利益トスルモノトス
六、前項ノ剰余カ払込資本金ニ対シ年四分ノ割合ニ当ル金額ヲ超過スルトキハ、其ノ超過額ノ三分ノ一ヲ損失塡補及配当補充ノ為メ別ニ積立テ、三分ノ一ヲ両市ニ納付シ、残リ三分ノ一ヲ本会社ノ利益トスルモノトス
七、本会社カ解散シタルトキハ前項ノ積立金現存額ノ半額ヲ両市ニ納付シ、残リ半額ヲ本会社ノ収得トスルモノトス

    復興建築助成株式会社定款
      第一章 総則
第一条 本会社ハ大正十二年ノ大震火災ニ因ル東京市及横浜市ノ焼失地区内ニ於ケル建物ノ建築ニ関シテ左ノ業務ヲ営ムヲ以テ目的トス
  一、希望者ノ申込ヲ受ケ一定ノ規格ニ依ル建物ヲ建築シ、二十年以内ノ返済ニ依ル割賦販売ノ方法ニ依リ之ヲ売却スルコト
  二、前号ノ建物ヲ建築スル者ニ対シ、二十年以内ノ返済ノ方迭ニ依リ建築資金ヲ貸付スルコト
 本会社ハ前項ニ規定スル業務ニ附帯スル事業ヲ経営シ又ハ投資スルコトヲ得
第二条 本会社ハ復興建築助成株式会社ト称ス
第三条 本会社ノ資本総額ハ金壱千万円トス
第四条 本会社ハ本店ヲ東京市ニ置キ、支店ヲ横浜市ニ置ク
第五条 本会社ノ存立期間ハ設立登記ノ日ヨリ三十年トス
○中略
第三十七条 本会社発起人ノ氏名住所左ノ如シ
       住所                     氏名
      東京市麻布区三河台町三十一番地        井上準之助
      同麻布区富士見町十七番地           井坂孝
      横浜市弁天通三丁目五番地           原富太郎
      東京市本郷区弓町一丁目十六番地        大橋新太郎
      同赤坂区新町三十番地             門野重九郎
      同小石川区大塚窪町二番地           各務鎌吉
      東京府豊多摩郡渋谷町大字下渋谷百五十八番地  中村是公
      同荏原郡入新井町大字新井宿千三百三十七番地  矢野恒太
      横浜市南太田町二千二十八番地         有吉忠一
      東京市本郷区弓町二丁目十九番地        佐々木勇之助
      同日本橋区兜町二番地          子爵 渋沢栄一
        以上
  ○渋沢同族株式会社ハ復興建築助成株式会社ニ金七万五千円ヲ出資シタリ。