デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
4節 製紙業
1款 王子製紙株式会社
■綱文

第52巻 p.480-486(DK520055k) ページ画像

昭和3年7月23日(1928年)

是日栄一、当会社社長藤原銀次郎ノ依頼ニヨリ、元当会社社長谷敬三ノ遺子八造・信次両名ヲ飛鳥山邸ニ招キテ、当会社五十年記念謝金ヲ伝達手交ス。


■資料

(藤原銀次郎)書翰写 渋沢栄一宛 (昭和三年)四月一〇日(DK520055k-0001)
第52巻 p.480 ページ画像

(藤原銀次郎)書翰写 渋沢栄一宛 (昭和三年)四月一〇日
                     (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 時下益御清祥奉恭賀候、偖テ故谷敬三氏令嗣ヘ乍聊弊社五十年記念品差上度ト存シ、先般来其所在取調中ニ有之候処、漸ク此頃判明致候ヘ共、別紙大川氏ヨリ御来示之次第モ有之候ニ付テハ、誠ニ御手数恐入候ヘトモ、往時ノ御縁故ニヨリ別包閣下ヨリ両御令嗣ヘ御渡被下候様御取計被下間敷哉、幸ニ御聴済被下候ハヽ贈呈ノ趣旨モ一層貫徹可致義ト存候間、何卒宜敷御容認被成下度此段奉願上候 敬具
  四月十日             王子製紙株式会社
                       藤原銀次郎
    渋沢子爵閣下
   ○別紙欠。尚、右書翰原本ハ保存サレズ、写ヲ保存ス。


要用書類往復(五) 【(朱書) 控 拝啓 益御清適賀上候、然ば王子製紙会社よりの依頼に依り…】(DK520055k-0002)
第52巻 p.480-481 ページ画像

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要用書類往復(五) 【覚 昭和三年四月五日王子製紙会社藤原銀次郎氏(同社長)ヨリ子爵宛】(DK520055k-0003)
第52巻 p.481 ページ画像

要用書類往復(五)            (渋沢子爵家所蔵)
    覚
昭和三年四月五日王子製紙会社藤原銀次郎氏(同社長)ヨリ子爵宛、同社創立五十年記念の為メ元同社長故谷敬三氏ノ遺子ヘ金弐千円贈呈致度ニ付、子爵より交付を請ふとの依頼アリ、折柄子爵病気ノ為メ其儘預リ置キ、同七月廿三日右遺子八造(長)信次(次)両氏ヲ飛鳥山邸ニ招キ、特ニ大川平三郎氏ニ立会ヲ請ヒ、凡左ノ通談話セラレタリ
 一 病気療養中ナリシ為メ交付ノ後レタルコト
 一 五十年ヲ経タ今日斯ル贈与アル同社ノ厚意ハ深ク記憶スベキコト
 一 人ハ情ヲ以テ交ハルベキモノナリ、斯ル厚意ニ対シテハ之ニ酬ユル心掛ケ無クテハナラヌコト
 一 他人スラ如斯厚意ヲ故父ニ寄セラル、況シテ子タルモノハ父ニ対シ深ク感謝スベキコト
 一 此際同社ノ厚意ヲ故父ニ報告シ、故父ノ霊ヲ慰スル方法ヲ講シ(仮令ハ墓地ノ損所アレハ之ヲ償ヒ、位牌不良ナレハ之ヲ替ユルガ如シ)、又一家ノ基礎ヲ作クル策ヲ立テ、兎ニ角有効ニ之ヲ使用スルコト
以上ノ意味ヲ談話セラレタルニ、子息両人ハ落涙セン計リニ感謝シタル由
右ハ子爵の談話ヲ覚書シタルモノナルガ、増田ハ子爵ノ命ヲ受ケ八月四日王子製紙会社ニ文書課長一柳貞吉氏ヲ訪問シ、前記子爵ヨリ谷両氏ニ語ラレタル顛末ヲ報告シ、尚別紙写の谷氏親戚総代坪井九馬三氏ヨリ子爵宛書翰(原書)ヲ同氏ニ渡シ、藤原社長ニ報告セラレタシト依頼シタリ
 藤原社長ハ八月一日以来北海道旅行ニ出発、当月中ハ帰京無キ由ナリ
子爵ハ別ニ藤原氏宛親書ヲ発セラルヽ由談話アリタリ
  大正三年八月四日
(別紙)
謹啓 今般王子製紙会社に於而創立五十年を御記念被為在候に就而は往時之縁故を繹られ、故谷敬三遺子八造・信次両人へ金壱封記念品と致し被下置難有奉存候、此段藤原氏へハ閣下より御伝言被下度、谷家親族一同に代り御礼申述候旁願上候 敬具
  昭和三年七月廿五日            坪井九馬三
    渋沢子爵閣下
           侍曹
   ○右ハ増田明六ノ覚書ナリ。


渋沢栄一書翰控 藤原銀次郎宛 (昭和三年)八月一七日(DK520055k-0004)
第52巻 p.481-482 ページ画像

渋沢栄一書翰控 藤原銀次郎宛 (昭和三年)八月一七日 (渋沢子爵家所蔵)
爾来御疎情ニ打過候得共、賢台益御清適の条欣慰の至ニ候、然は先頃ハ御懇書被下、貴会社創立五十年の記念として故谷敬三氏の遺族へ特
 - 第52巻 p.482 -ページ画像 
に御恵与の品有之候ニ付、往時の縁故も有之候旁老生ニ其取扱方御委托の趣御懇切の貴諭拝承仕候、依而大川平三郎とも種々協議いたし、嗣子八造及二男信次両人に拙宅へ参集を請ひ、大川氏立会にて貴会社の御趣旨且賢台の御厚意を鄭寧に伝達いたし、兄弟心を一にして向後精励努力、谷家の隆昌を期する様懇切ニ忠告致置候
御恵与品拝受の義ニ付而ハ、谷家親族中の重立たる人にて坪井某より謝状も参り居候ニ付、其写ハ既に進呈仕候筈ニ御坐候、右も最早既往に属し候義ニて且其際増田明六より拝陳致候も、特別の御厚意ニ付、可成其効果の完全を期し聊か婆心を加へ候次第、拝謝旁一応書中陳上仕候 敬具
  昭和三年八月十七日           香山客舎ニテ
                         渋沢栄一
    藤原銀次郎様
            侍史



〔参考〕(王子製紙株式会社)昭和七年下半期考課状(第百十七)第四―一一頁刊(DK520055k-0005)
第52巻 p.482-486 ページ画像

(王子製紙株式会社)昭和七年下半期考課状(第百十七)第四―一一頁刊
 ○第四 事務要領
    一 株主総会
○上略
十一月十八日 臨時株主総会ヲ日本工業倶楽部内ニ於テ開キ、左記原案ノ通リ決議セリ
      臨時株主総会事項
第一号 富士製紙株式会社及樺太工業株式会社ヲ当会社ヘ合併スル為メ、締結シタル別紙会社合併仮契約ヲ承認スルノ件
第二号 定款中変更ノ件
 (其一) 第一号議案ニ基ツク当会社ト富士製紙株式会社及樺太工業株式会社トノ合併完了ノ場合ハ、第五条ヲ左ノ如ク改ム
        第五条 当会社ノ資本ハ金壱億四千九百九拾八万八千円ニシテ、之ヲ弐百九拾九万九千七百六拾株ニ分チ、壱株ノ金額ヲ金五拾円トス
 (其二)一、大阪・伏木・小倉・苫小牧及朝鮮ノ各支店ヲ廃止シ第二条ヲ左ノ如ク改ム
        第二条 当会社ハ本店ヲ東京市ニ、支店ヲ樺太豊原郡豊原町ニ置キ、取締役ノ決議ニ依リ適当ノ地ニ工場ヲ置ク
     二、第十四条及第十七条中「五拾株」トアルヲ、「百株」ト改メ、第十四条但書ヲ削除ス
     三、第十六条第二項中「定員数」トアルヲ、「員数」ト改ム
        以上

(別紙)
      会社合併仮契約書
 - 第52巻 p.483 -ページ画像 
池田成彬・結城豊太郎両氏ノ裁定ニ基ツキ、王子製紙株式会社ヲ甲、富士製紙株式会社ヲ乙、樺太工業株式会社ヲ丙トシテ左ノ仮契約ヲ締結ス
第壱条 甲・乙・丙ノ三会社ヲ合併スル為メ、甲ハ資本金八千四百七万壱千参百五拾円(内金六千参百九拾七万八千壱百五拾円払込済)ヲ増加シテ、資本総額金壱億四千九百九拾八万八千円(内金壱億壱千弐百六拾六万壱千四百七拾五円払込済)トナシ、増加資本ニ対シテ発行スル新株式壱百六拾八万壱千四百弐拾七株(内八拾四万七千九百九拾九株ハ全額払込済、弐拾九万七千株ハ壱株ニ付金弐拾七円五拾銭払込済、五拾参万六千四百弐拾八株ハ壱株ニ付金弐拾五円払込済)ハ株券提供期間終末現在ノ乙・丙ノ各株主ニ割当シ、乙・丙ノ各株主ハ之ヲ引受ケ乙・丙ハ之ヲ解散ス
 右割当ハ払込額ヲ同フスル乙ノ株式百四拾株、又ハ丙ノ株式弐百四拾五株ニ付キ之ト額面・払込額ヲ同フスル甲ノ新株式百株ノ割合ヲ以テ、従前ノ株式ノ各種類・各株主毎ニ株式ヲ割当ス、但総計ノ上ニ於テ生スル端数(壱株ニ満タサル端数)ハ之ヲ発行スルコト能ハサルヲ以テ、併合ニ適セサル端数ノ競売代金ニ準シテ定メタル金額ヲ、従前ノ株主ニ交付シテ新株式ノ割当ニ代ユルモノトス
 前弐項ニ依ル従前ノ株式及ヒ之ニ対シテ割当ツヘキ新株式左ノ如シ
  一、乙ノ額面金五拾円払込済株式
    株数八拾万参千株
    株金総額四千拾五万円
    払込額同上
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ額面金五拾円払込済新株式
    株数五拾七万参千五百七拾壱株
    株金総額弐千八百六拾七万八千五百五拾円
    払込額同上
    外ニ第弐項但書ニ依ルヘキ端数壱株ノ百四拾分ノ六拾
  二、乙ノ額面金五拾円内弐拾五円払込済株式
    株数七拾五万壱千株
    株金総額参千七百五拾五万円
    払込額壱千八百七拾七万五千円
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ額面金五拾円内金弐拾五円払込済新株式
    株数五拾参万六千四百弐拾八株
    株金総額弐千六百八拾弐万壱千四百円
    払込額壱千参百四拾壱万七百円
    外ニ第弐項但書ニ依ルヘキ端数壱株ノ百四拾分ノ八拾
  右二口乙ノ株式小計
    株数壱百五拾五万四千株
    株金総額七千七百七拾万円
    払込額五千八百九拾弐万五千円
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ新株式小計
    株数壱百拾万九千九百九拾九株
 - 第52巻 p.484 -ページ画像 
    株金総額五千五百四拾九万九千九百五拾円
    払込額四千弐百八万九千弐百五拾円
    外ニ第弐項但書ニ依ルヘキ端数
     全額払込済壱株ノ百四拾分ノ六拾
     弐拾五円払込済壱株ノ百四拾分ノ八拾
  三、丙ノ額面金五拾円払込済ノ株式
    株数六拾七万弐千参百五拾株
    株金総額参千参百六拾壱万七千五百円
    払込額同上
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ額面金五拾円払込済新株式
    株数弐拾七万四千四百弐拾八株
    株金総額壱千参百七拾弐万壱千四百円
    払込額同上
    外ニ第弐項但書ニ依ルヘキ端数壱株ノ弐百四拾五分ノ百四拾
  四、丙ノ額面金五拾円内金弐拾七円五拾銭払込済株式
    株数七拾弐万七千六百五拾株
    株金総額参千六百参拾八万弐千五百円
    払込総額弐千壱万参百七拾五円
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ額面金五拾円内金弐拾七円五拾銭払込済新株式
    株数弐拾九万七千株
    株金総額壱千四百八拾五万円
    払込総額八百拾六万七千五百円
  右二口丙ノ株式小計
    株数壱百四拾万株
    株金総額七千万円
    払込額五千参百六拾弐万七千八百七拾五円
  右ニ対シテ割当ツヘキ甲ノ新株式小計
    株数五拾七万壱千四百弐拾八株
    株金総額弐千八百五拾七万壱千四百円
    払込額弐千壱百八拾八万八千九百円
    外ニ第弐項但書ニ依ルヘキ端数
     全額払込済壱株ノ弐百四拾五分ノ百四拾
第弐条 前条株式ニ対シテハ、甲ノ資本増加報告ノ為メ開クヘキ株主総会終結以後日割ヲ以テ利益配当ヲ為スノ外、昭和七年拾弐月壱日以後該総会終結ノ前日迄日割ヲ以テ、従前ノ甲発行株式ニ対スル配当金ト同等ノ金額ヲ交付ス
第参条 合併ニ因ル仮引継ハ昭和七年拾弐月参拾壱日現在ノ決算ヲ以テ昭和八年壱月弐拾日ニ之ヲ為シ、甲ノ資本増加報告ノ為メ開クヘキ株主総会ハ昭和八年四月拾八日ト予定シ、該総会終結ノ時ヲ以テ合併ニヨル本引継ヲ為ス、但三会社代表者ノ協議ニヨリ之ヲ変更スルコトアルヘシ
第四条 合併ニ因ル引継ハ既ニ株主総会ノ承認ヲ経タル最近ノ財産目録・貸借対照表ヲ基準トシ、尚ホ合併決議後作成スル財産目録・貸
 - 第52巻 p.485 -ページ画像 
借対照表及ヒ其後ノ株主総会ニ於テ承認ヲ経タル財産目録・貸借対照表ヲ参考トシテ之ヲ為ス
第五条 仮契約締結ヨリ合併ニ因ル引継完了迄ノ間、十分ナル注意ヲ以テ三会社各別ニ其管理経営ヲ続行ス、但通常ノ業務範囲ニ属セサル重大ノ異動ハ、予メ他会社代表者ノ承認ヲ経タル後之ヲ行ヒ、若シ予メ承認ヲ経ルコト能ハサルモノハ、事後速ニ他会社代表者ニ報告シテ其追認ヲ経ルモノトス
第六条 仮契約締結後ニ行フヘキ決算及利益金処分ハ各会社最近ノ例ニヨリテ之ヲ行ヒ、其ノ例ニヨルコト能ハサルモノハ予メ他会社代表者ノ承認ヲ経タル後之ヲ行フモノトス、但丙会社昭和八年参月参拾壱日締切ノ決算ハ之ヲ為ササルモノトス
第七条 仮契約締結ヨリ合併ニ因ル引継迄ノ間、各会社資産状態ニ重大ナル変化アルトキハ、他ノ各会社ハ合併契約ヲ解除スルコトヲ得ルモノトス、但第五条ニ依リ承認又ハ追認ヲ経タルトキハ此限ニアラス
第八条 乙・丙ノ従業員ハ全部甲ニ引継キ、其勤続年数ヲ通算スルモノトス
第九条 前八条ニ定メタルモノヲ除ク外、合併ニ関スル事項ハ三会社代表者ニ於テ随時之ヲ協定ス、若シ三会社代表者意見ヲ異ニスルトキハ、池田成彬・結城豊太郎両氏ノ裁定ニ一任ス
第拾条 三会社ハ昭和七年拾壱月拾九日迄ニ各株主総会ヲ開キ、此仮契約ノ承認其ノ他合併ニ関スル要件ヲ決議ス、三会社各此決議ヲ為シタルトキハ爾後此仮契約ヲ以テ本契約トシ、三会社中此決議ヲ為ササルモノアルトキハ此仮契約ヲ無効トス
右仮契約締結ノ証トシテ本書五通ヲ作リ、甲・乙・丙ノ三会社代表者左ニ記名捺印シ、三会社及裁定者各自壱通ヲ有スルモノナリ
  昭和七年拾月拾八日
            王子製紙株式会社
                取締役社長 藤原銀次郎
            富士製紙株式会社
                取締役社長 大川平三郎
            樺太工業株式会社
                取締役社長 大川平三郎
右仮契約締結ヲ承認ス
            王子製紙株式会社
                監査役 益田信世
            富士製紙株式会社
                監査役 小池厚之助
            樺太工業株式会社
                監査役 小西喜兵衛
○中略
    三 庶務要件
○中略
十月十八日 富士製紙株式会社及樺太工業株式会社ヲ当会社ヘ合併ス
 - 第52巻 p.486 -ページ画像 
ル為メ会社合併仮契約ヲ締結シタリ
○中略
同日○一一月一九日富士製紙株式会社ヨリ十一月十八日同社株主総会ニ於テ、会社合併仮契約承認ニ関スル件ヲ可決シタル旨通知アリタリ
同日 樺太工業株式会社ヨリ本日同社株主総会ニ於テ前同件ヲ仮決議シ、第二回株主総会ヲ十二月十日招集ノ旨通知アリタリ