デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
13節 土木・築港・土地会社
4款 東京運河土地株式会社
■綱文

第53巻 p.400-405(DK530066k) ページ画像

大正8年12月(1919年)

是月、栄一等ノ賛助ニヨリ当会社創立セラル。渋沢同族株式会社取締役増田明六、当会社監査役トナル。


■資料

集会日時通知表 大正八年(DK530066k-0001)
第53巻 p.400 ページ画像

集会日時通知表 大正八年     (渋沢子爵家所蔵)
九月八日 月 午前九時 東京運河土地会社ノ件ニ付植村・福島・関・玉越四氏ト兜町ニ御会合ノ約
   ○中略。
九月十五日 月 午後五時 運河会社の件ニ付御会合(兜町事務所)


二松学友会誌 第四一輯・第二八頁 大正八年一二月 【田畑大蔵 氏等は今回…】(DK530066k-0002)
第53巻 p.400 ページ画像

二松学友会誌 第四一輯・第二八頁 大正八年一二月
○田畑大蔵 氏等は今回渋沢男等の賛助を得て東京運河土地株式会社を創立せり


東京運河土地書類(DK530066k-0003)
第53巻 p.400 ページ画像

東京運河土地書類         (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    東京運河土地株式会社定款
      第一章 総則
第一条 当会社ハ東京運河土地株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ本店ヲ東京府南葛飾郡砂町ニ置ク
第三条 当会社ハ左ノ事業ヲ営ムヲ以テ目的トス
     一、運河ヲ堀鑿シ運河通航料ノ収得
     二、土地ノ埋築及ビ其ノ賃貸借並ニ売買
     三、以上各号ニ附帯スル業務
第四条 当会社ノ資本金ヲ金参百万円トス
○下略


(東京運河土地株式会社)第弐回報告書 自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 第一―四頁刊(DK530066k-0004)
第53巻 p.400-401 ページ画像

(東京運河土地株式会社)第弐回報告書
             自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 第一―四頁刊
    第壱 事業報告書
一、株主総会 大正九年六月二十三日午後一時ヨリ東京市麹町区有楽町一丁目生命保険会社協会ニ於テ第壱回株主総会ヲ開催シ、大正八年十二月十五日ヨリ大正九年五月三十一日ニ至ル事業報告書・貸借対照表、並ニ財産目録・損益計算書ノ承認ヲ得、同期損失金ノ処分ヲ決議シタリ
○中略
七、土地買収ノ状況 当期間ニ買収シ得タル土地ハ壱万三千五百弐拾五坪八合六夕ニシテ、当初ヨリノ買収土地ハ累計拾弐万四千弐百七拾八坪七合参夕ニ達セリ、之ヲ予算買収坪数拾八万弐千参拾四坪ニ
 - 第53巻 p.401 -ページ画像 
比較スルトキ、猶ホ未買収土地五万七千七百五拾五坪弐弐合七夕《(ママ)》ヲ余スガ如シト雖モ、此内官有地払下ケ及縄量延坪等約参万数千坪ヲ含ムカ故ニ、純未買収土地ハ弐万坪内外ニ過キス、然カモ其買収ニ就テハ各地主トノ間ニ充分ナル諒解ヲ得ツヽアレハ、遠カラスシテ全部ノ買収ヲ了スヘキ見込ナリ、而シテ今春経済界ノ変動以来各地方ノ土地価額ハ稍々下落ノ傾向アルモ、砂村ハ前回報告シタル如ク城東電気軌道ノ延線決定、官有鉄道予定線ノ工事進抄、上水道布設確定、荒川改修余剰土砂ノ給与等特種ノ事情簇出セルヲ以テ、依然地価高騰ノ気勢アレハ、今後ノ買収土地ノ価額ハ従前ノ夫レニ比シテ、多少ノ相違ヲ見ルヘキハ免カレサル処ナルヘシ
○下略


(東京運河土地株式会社)第弐回報告書 自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 第五―一〇頁刊(DK530066k-0005)
第53巻 p.401-403 ページ画像

(東京運河土地株式会社)第弐回報告書
             自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 第五―一〇頁刊
    第弐 貸借対照表(大正九年十一月三十日現在)

    貸方           (負債ノ部)
  株金           三、〇〇〇、〇〇〇・〇〇〇
  未払土地代金           二、〇一二・五〇〇
  未払建物移転料         三〇、八〇七・三五〇
  未払建物買収費            六五〇・〇〇〇
    合計         三、〇三三、四六九・八五〇
    借方           (資産ノ部)
  未払込株金        一、三五〇、〇〇〇・〇〇〇
  土地           一、三七三、六五五・四二〇
  建物移転料           六七、〇一七・〇四〇
  建物買収費           一二、〇五三・五〇〇
  創立費             一〇、〇〇〇・〇〇〇
  什器               四、九五〇・六六〇
  仮払金             一二、六一九・五五〇
  銀行預金           一八〇、三〇四・六七〇
  現金               一、七七八・一〇〇
  前期損失金           一二、六九二・五五〇
  当期損失金            八、三九八・三六〇
    合計         三、〇三三、四六九・八五〇


    第参 財産目録(大正九年十一月三十日現在)

  未払込株金        一、三五〇、〇〇〇・〇〇〇
    株数六万株    壱株ニ付未払込金弐拾弐円五拾銭
  土地           一、三七三、六五五・四二〇
    此ノ坪数   拾弐万四千弐百七拾八坪七合参勺
  建物移転料           六七、〇一七・〇四〇
    弐拾九棟   九百拾四坪七合七勺
  建物買収費           一二、〇五三・五〇〇
    九棟     弐百〇五坪五合
 - 第53巻 p.402 -ページ画像 
  創立費             一〇、〇〇〇・〇〇〇
  什器               四、九五〇・六六〇
    金庫電話其他
  仮払金             一二、六一九・五五〇
    測量費内金工事準備金等
  銀行預金           一八〇、三〇四・六七〇
    第一銀行深川支店外三行
  現金               一、七七八・一〇〇
    通貨現在高
  合計           三、〇一二、三七八・九四〇
  
  第四 損益計算書(自大正九年 六月一日 至大正九年十一月三十日)
      収入ノ部
  一総収入金            三、一一二・二二〇
     内訳
  銀行預金利子           二、五二六・八八〇
  雑収入                五八五・三四〇
      支出ノ部
  一総支出金           一一、五一〇・五八〇
     内訳
   重役報酬            四、七五〇・〇〇〇
   俸給給与            一、八二〇・〇〇〇
   事務所費              四五三・三〇〇
   印刷費               一九五・五〇〇
   通信費                八〇・七三〇
   広告交際費             五二九・四五〇
   消耗費                三七・四三〇
   旅費                三二三・八五〇
   諸税金             二、五五七・三八〇
   支払利子              二八六・三六〇
   雑費                四七六・五八〇
  差引
  一当期損失金           八、三九八・三六〇
     第五 損失金処分
  一当期損失金           八、三九八・三六〇
  一前期損失金          一二、六九二・五五〇
     合計           二一、〇九〇・九一〇
  右損失金ハ後期繰越トス
 右之通リニ候也
   大正九年十一月三十日
             東京市京橋区塩町十九番地
               東京運河土地株式会社
                 取締役社長 福島宜三
 - 第53巻 p.403 -ページ画像 
                 常務取締役 関直之
                 同     田畑大蔵
                 同     玉越増吉
                 取締役   福原有信
                 同     笠原小十郎
                 同     宇田川啓輔
                 同     秋山六三郎
右取締役ノ提出ニ係ル書類ヲ調査スルニ其ノ正確妥当ヲ認ム、仍テ玆ニ報告候也
                 監査役   三野村倉二
                 同     永田甚之助
                 同     増田明六


(東京運河土地株式会社)第弐回報告書 自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 付・第一―六頁刊(DK530066k-0006)
第53巻 p.403 ページ画像

(東京運河土地株式会社)第弐回報告書
           自大正九年六月一日 至大正九年十一月三十日 付・第一―六頁刊
      株主名簿(大正九年十一月三十日現在)
  株数   府県    氏名
 六、七〇〇 東京 東洋生命保険株式会社 取締役社長 福原宜三
 四、〇〇〇 同  帝国生命保険株式会社 取締役社長 福原有信
○中略
 一、〇〇〇 同  渋沢同族株式会社 社長 渋沢敬三
○中略
             合計 弐百参拾参名


(増田明六)日誌 大正九年(DK530066k-0007)
第53巻 p.403 ページ画像

(増田明六)日誌 大正九年       (増田正純氏所蔵)
一月廿七日 火 晴
定刻出勤
午後一時ヨリ事務処○渋沢事務所ニ於テ東京土地運河会社ノ重役会アリ、終リテ一同偕楽園ニ赴カレタルモ、小生ハ事務多忙ノ為メ不参シタリ
○下略


(増田明六)日誌 大正一一年(DK530066k-0008)
第53巻 p.403 ページ画像

(増田明六)日誌 大正一一年      (増田正純氏所蔵)
十月十九日 木 晴
定刻出勤
本日の来訪は○中略 磯野敬氏(三宅勘一氏トノ係争問題解決ノ件並東京湾埋立及東京運河土地会社ノ状況取調ノ件)○下略


(増田明六)日誌 大正一二年(DK530066k-0009)
第53巻 p.403-405 ページ画像

(増田明六)日誌 大正一二年      (増田正純氏所蔵)
一月廿五日 木 雪
○上略
午後五時帝国ホテルに於ける東京運河土地会社重役会に出席、此日ハ午後三時開会、高橋顧問技師も出席、工事ニ関する意見を陳へられたるが、小生ハ自己所属会社総会準備ニ逐ハれ、乍不本意延刻して之を聴取する事を得ざりしなり
 - 第53巻 p.404 -ページ画像 
重役会議題として主なるものハ
一、第一期線は本年五月末日迄ニハ必す竣工する筈なるが、其竣工を待たす、近日より第二期線の掘鑿に着手する事
  右ニ付き小生ハ第一期線予定の通進工セすして頗る遅延したるが今ヤ第二線ニ着手するニ於てハ第一期線を益遅延セしめ、同時ニ第二期線の工事も亦不完全なる恐れ無き哉、故ニ第一期線を荒方竣工したる上、第二期線ニ着手する事としてハ如何と希望したるに対し
 福島社長・田畑常務は、第一期線ハ其運河を横きる省線鉄道及城東軌道の架橋々台並ニ本会社の橋梁等に関し其筋の許可未了なりし為め意外ニ遅延したるが、第二期線には其障害無く、只土地収容法ニ依るべき買収土地家屋あるのミなれハ、多くとも着手後六ケ月以内には全線開通するを得べしと説明セられたるを以て
  小生ハ果して然らハ、其竣工ハ一日も早からん事を希望し居る次第なるを以て、異議無しと賛意を表す
二、第二期線起業資金ハ日本興業銀行ニ交渉する事
三、技手雇入の件は高橋顧問ニ依頼して設計等を引受けしむる者を撰定するか、又ハ技手を雇ふて之を為さしむるか、孰れが経済的なる哉調査を請ふて決定する事、但測量ハ引負者ニ為さしむるか、又ハ測量手を雇用するかに付き協議ありしが、結局引受者を撰定する事ニ決定
四、鉄道省より省線橋梁台の費用を更ニ負担すべき命令ニ対し、上原鹿造弁護士に依頼して其命令を拒絶すべき方法を取る事に決定
右の外種々の議題ありしが(此議題は他の重役諸氏ハ協議済、小生遅刻の為め議に与からす)之を他日小生出社の上聴取する事としたり
一同会食の後散会
   ○中略。
二月十九日 月 晴
○上略
午後二時東京運河土地会社重役会あり、先月分計算書ノ承認及鉄道省橋梁架設費及架橋位置変更の報告等ありて散会す
○下略
   ○中略。
三月十三日 火 曇
定刻出勤
本日の来訪者如左
○中略
一関直之氏 東京運河会社経営ニ関する件○下略
   ○中略。
三月廿六日 月 晴
前十時東京運河土地会社重役会に出席
○下略
   ○中略。
三月三十日 金 晴
 - 第53巻 p.405 -ページ画像 
定刻出勤
本日の来訪者
○中略
二古川晴一氏(府下大崎町上大崎中丸四四四)東京運河土地会社橋梁設計ニ関する件ニ付、石川島造船所内田徳郎氏ノ紹介にて態々来訪せられしなり
○下略
   ○中略。
四月十六日 月 晴
○上略
午前十時東京運河土地会社重役会兜町事務所に於て開催、議案ハ土地買収の件、鉄道省架橋々台に要する会社分担金の件及前月分計算書、将来の架橋費等に就き協議したり
○下略
   ○中略。
六月九日 土 強雨
○上略 十時事務処ニ出勤、直ニ東京運河土地重役会に出席す、同会に於ける主たる議事ハ株主総会に提出する事項にして、定時総会ニ附議すべき諸報告及諸計算書並臨時総会ニ附議すべき定款変更等なり
○下略