デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
15節 倉庫
1款 渋沢倉庫株式会社
■綱文

第53巻 p.493-499(DK530088k) ページ画像

明治42年7月15日(1909年)

是ヨリ先、渋沢倉庫部ハ、業務ノ発展ニ伴ヒ、組織ヲ改メテ株式会社トスルニ決シ、栄一・長男篤二・尾高幸五郎・八十島親徳・利倉久吉・松平隼太郎・増田明六ノ七名発起人トナル。是日、渋沢事務所ニ於テ其創立総会開カル。栄一出席シ、議長トナリテ議事ヲ司宰ス。長男篤二、当会社取締役会長トナル。

当会社ハ、渋沢倉庫部ノ資産及ビ業務一切ヲ継承シ、同月十九日ヨリ営業ヲ開始ス。


■資料

(渋沢倉庫株式会社)株主総会決議録(DK530088k-0001)
第53巻 p.493-494 ページ画像

(渋沢倉庫株式会社)株主総会決議録
                  (渋沢倉庫株式会社所蔵)
    渋沢倉庫株式会社創立総会決議録
明治四十二年七月十五日午前十時東京市日本橋区兜町二番地渋沢事務所ニ於テ開会ス
発起人及株式引受人ノ全員出席セリ、其氏名如左
  渋沢栄一   渋沢篤二    尾高幸五郎
  八十島親徳  利倉久吉    松平隼太郎
  増田明六   佐々木勇之助  日下義雄
  尾高次郎   渋沢作太郎   上原豊吉
満場一致ノ推薦ニ依リ、男爵渋沢栄一議長席ニ着キ、全員ノ同意ヲ以テ決議セル事項左ノ如シ
第壱号
 当会社ノ創立ニ関スル事項報告ノ件
右ハ発起人総代トシテ渋沢篤二ヨリ創立ニ関スル経過ヲ報告シ、満場一致之ヲ承認セリ
第弐号
 取締役・監査役ノ報酬額決議ノ件
右ハ総員ニ対スル年額ヲ金弐千円以内トシ、其各自ニ対スル金額ハ取締役会ノ評決ニ一任スルコトニ決ス
第参号
 取締役・監査役選挙ノ件
右ハ取締役及監査役ノ員数ハ、定款規定ノ範囲ニ依リ、取締役参名、監査役弐名ヲ選挙スルコトニ決シ、其選挙ハ佐々木勇之助ノ発議ニ依リ、議長ノ指名ニ一任スルコトトナリ、左ノ通リ当選ス
               取締役 渋沢篤二
 - 第53巻 p.494 -ページ画像 
               取締役 日下義雄
               同   八十島親徳
               監査役 尾高幸五郎
               同   上原豊吉
第四号
 商法第百三十四条第一項各号ノ事項調査報告之件○略ス
     以上
前記之通相違無之候也
  明治四十二年七月十五日
               議長  渋沢栄一
               取締役 渋沢篤二
                     ○外四名連署印略ス


渋沢倉庫株式会社定款(DK530088k-0002)
第53巻 p.494 ページ画像

渋沢倉庫株式会社定款         (渋沢倉庫株式会社所蔵)
    渋沢倉庫株式会社定款
      第一章 総則
第一条 当会社ハ渋沢倉庫株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ本店ヲ東京市深川区福住町弐番地ニ置ク
第三条 当会社ハ倉庫営業及ヒ之ニ関聯シテ必要又ハ有益ナル業務ヲ営ムヲ以テ目的トス
○中略
      第二章 株式
第五条 当会社ノ資本金ハ五拾万円トス
第六条 当会社ノ株式ハ総株数ヲ壱万株トシ、壱株ノ金額ヲ五拾円トス
第七条 株金ノ第壱回払込ハ壱株ニ付金四拾円トシ、第弐回以下ハ必要ニ応シ、取締役会ニ於テ毎回金額及期日ヲ定メ、各株主ニ通知ス
○中略
      第三章 株主総会
第十七条 株主総会ハ定時及臨時ノ二種トシ、定時総会ハ毎年一月及ヒ七月ニ於テ之ヲ開会ス
○中略
      第四章 役員
第二十一条 当会社ニ左ノ役員ヲ置ク
  取締役参名以上五名以下、但取締役ノ互選ヲ以テ取締役会長・専務取締役各壱名ヲ置ク
  監査役 壱名以上参名以下
○中略
     以上
  明治四拾弐年六月


(渋沢倉庫株式会社)報告書 第一回明治四三年一月(DK530088k-0003)
第53巻 p.494-496 ページ画像

(渋沢倉庫株式会社)報告書  第一回明治四三年一月
                  (渋沢倉庫株式会社所蔵)
 - 第53巻 p.495 -ページ画像 
  第壱回報告書
               東京市深川区福住町二番地
                     渋沢倉庫株式会社
明治四十二年七月当会社創立ノ時ヨリ同年十二月三十一日ニ至ル、下半期間ニ於ケル当会社ノ営業及ヒ計算ニ関スル書類ヲ作成シ、株主各位ニ報告スルコト左ノ如シ
    ○営業報告書
      会社設立ノ経過
当会社ハ渋沢倉庫部ノ資産及ヒ営業ヲ継承シ、倉庫業ヲ営ムノ目的ヲ以テ、男爵渋沢栄一・渋沢篤二・尾高幸五郎・八十島親徳・利倉久吉・松平隼太郎及ヒ増田明六ノ七名発起人トナリ、之ヲ創立セルモノニシテ、其設立ノ経過ハ左ノ如シ
一明治四十二年六月十日発起人ハ定款ヲ作成セリ
一同年同月十五日株式ノ募集ヲ終了セリ
一同年同月三十日各株式ニツキ第一回ノ払込(一株ニ付金四拾円)ヲ終了セリ
一同年七月十五日午前十時ヨリ東京市日本橋区兜町二番地渋沢事務所ニ於テ当会社創立総会ヲ開会シ、左ノ諸項ヲ決議セリ○後掲ニツキ略ス
一同日取締役互選ノ結果、渋沢篤二取締役会長ニ、八十島親徳専務取締役ニ当選セリ
一同年七月十六日東京区裁判所ニ於テ当会社設立登記ヲ了セリ
一同年七月十九日当会社ハ本店ニ於テ渋沢倉庫部ノ営業ヲ継承シテ業務ヲ開始シ、且ツ出張所ヲ市内南茅場町及ヒ霊岸島町ニ設置セリ
      営業ノ景況
当会社ノ営業ハ六月三十日ノ現在ヲ以テ渋沢倉庫部ヨリ継承シタルモノニシテ、爾来期末ニ至ル迄営業日数百五十一日、此間不景気ノ声ハ社会ノ各方面ニ漲溢シ、経済界ハ一般ニ不振ヲ極メタルヲ以テ、倉庫業亦至テ閑散ノ裡ニ経過シタリ、当会社ハ開業ノ際此不況ニ遭遇シタル為メ、当期ノ成蹟ハ予期ノ如クナル能ハサリシヲ遺憾トス○中略
    ○貸借対照表 (明治四十二年十二月三十一日現在)
   貸方之部
一金五拾万円            資本金
一金七千六百参拾壱円七拾参銭    職員積立金
一金参千四百四円弐拾七銭      仮受金
一金参百九拾五円拾六銭       未払金
一金参千弐百五拾八円弐拾四銭    当期純益金
合計金五拾壱万四千六百八拾九円四拾銭也
   借方之部
一金拾万円             未払込資本金
一金参拾五万千九百四拾九円八拾銭  地所建物及什器
一金七千九百四拾壱円九拾五銭    寄託者勘定及仮払金
一金五万四千七百九拾七円六拾弐銭  銀行勘定及金銀
合計金五拾壱万四千六百八拾九円四拾銭
    ○損益計算書
 - 第53巻 p.496 -ページ画像 
一金四万四千五百四拾四円七銭    当期総収入金
一金四万千弐百八拾五円八拾参銭   当期総支出金
 差引
 金参千弐百五拾八円弐拾四銭    純益金
    ○純益金処分案
一金参千弐百五拾八円弐拾四銭    当期純益金
   悉皆次期ヘ繰越之事
 右之通ニ候也
   明治四十三年一月  東京市深川区福住町二番地
                  渋沢倉庫株式会社
               取締役会長 渋沢篤二
                       ○外四名氏名略ス


   株主名簿(明治四十二年十二月三十一日現在)
 株数     住所                氏名
二、〇〇〇  東京市深川区福住町四番地      渋沢栄一
二、〇〇〇  同上                渋沢篤二
一、五〇〇  同市本郷区弓町二丁目十九番地    佐々木勇之助
一、五〇〇  同市本所区須崎町二百七十七番地   日下義雄
一、〇〇〇  同市下谷区中根岸町九十九番地    尾高次郎
  八〇〇  同市深川区福住町八番地       渋沢作太郎
  四五〇  同市下谷区中根岸町百番地      尾高幸五郎
  四〇〇  同市芝区白金台町一丁目七十一番地  八十島親徳
  二〇〇  同市麻布区谷町五十四番地      上原豊吉
   五〇  同市深川区福住町三十一番地     利倉久吉
   五〇  同市深川区牡丹町一番地       松平隼太郎
   五〇  同市本郷区根津宮永町三十五番地   増田明六
計一〇、〇〇〇                   十二名

  ○当会社ノ株主系統ノ異動左ノ如シ。
   (明治四十二年七月創立)       株  総株数ニ対スル%
     渋沢家          五、〇〇〇   五〇・
     第一銀行         四、〇〇〇   四〇・
     横浜 渋沢家       一、〇〇〇   一〇・
     計 株主名義人十二名  一〇、〇〇〇
   (大正九年七月)
     渋沢家及同系統     二〇、一〇〇   五〇・二五
     第一銀行及同系統    一三、四〇〇   三三・五
     横浜渋沢家及同系統    四、〇〇〇   一〇・
     徳川慶久家及同系統    二、五〇〇    六・二五
     計株主名義人二十五名  四〇、〇〇〇
   (昭和四年七月)
     渋沢家及同系統     一九、六〇〇   四九・
     第一銀行及同系統    一二、七〇〇   三一・七五
     横浜渋沢家        三、〇〇〇    七・五
     徳川慶光及同系統     二、五〇〇    六・二五
     東洋生命保険株式会社   二、二〇〇    五・五
     計株主名義人三十一名  四〇、〇〇〇
                 (渋沢倉庫株式会社三十年小史ニ拠ル)

 - 第53巻 p.497 -ページ画像 

(八十島親徳)日録 明治四二年(DK530088k-0004)
第53巻 p.497 ページ画像

(八十島親徳)日録  明治四二年    (八十島親義氏所蔵)
七月十五日 晴 暑シ 八十八度
○上略
本日午後一時ヨリ第一銀行《(マヽ)》ニ於テ渋沢倉庫株式会社創立総会ヲ開催ス佐々木・日下・尾高幸・渋沢篤二・上原豊吉及集会《(余脱カ)》、一切ノ法定手続ヲ了シ重役如左選定、曰ク取締役会長渋沢篤二、専務取締役八十島、取締役日下義雄、監査役尾高・上原両氏、重役報酬トシテ予ニ年俸千弐百円ヲ与フルノ案アリ、予ハ専務トハイヘ兼職ナルノミナラズ、使用人筆頭ニシテ実際ノ担任者利倉ノ俸給サヘ僅八十五円ナルヲ以テ、且向後営業上ノ成蹟ニ付一大責任ヲ感スル際故、断シテ右ノ好意ヲ拝謝シ、減額ヲ切ニ乞ヘリ、結局男爵ノ裁定ヲ仰ク事トナル
予ハ四十年春以来名義上倉庫部支配人ノ任ヲ受ケ、爾来二年半ヲ経過ス、其間利倉以下ノ勉任ニヨリ営業之差支ハナキモ、深川ノ米倉専門ニテハ他ノ競争ニ堪ヘ発展スル事ノ至難ナルハ云フマデモナク、現状維持スラ憂フヘキ有様ニ感スルヲ以テ、徐々発展ヲ講スルノ至当ヲ認メ、遂ニ五月末南茅場町倉庫ヲ買入ルヽ事ヲ断行シ、或場合ニハ同族会ナドヨリ危惧ノ所感ヲ受クルノ恐サヘアリシ此際、第一銀行ト営業上ノ聯絡ヲ講シ、且資本主ニ加入セシムルノ計ヲ講シ、漸次志望ヲ遂ケ、終ニ今日会社成立ヲ見ルニ至ル、将来ノ責任ハ中々ニ重大ニシテ果シテ営利トシテ相当ノ成蹟ヲ挙ケ得ヘキヤ否ヤハ頗懸念ナルモ、兎モ角基礎丈ハ固マルニ至リ一安心ヲナセリ
○下略
七月十六日 快晴 九十度
○上略
出勤、午後倉庫部ヘ出頭、渋沢部長ト共ニ部員一同ヲ集メ、組織変更ノ事ヲ披露シ、従来ノ慰労ヲ陳ヘ、且将来一層ノ奮励ヲ望ム旨ヲ申聞ク、慰労金ヲ供シ、且新会社採用辞命ヲ交付ス、倉庫部員ハ受渡方ニ至ルマテ十年来ノ練訓ニヨリ頗忠実ノ気風ヲ生シ、スヘテノ点ニ於テ渋沢男一家ノ風ニ染ミタル事ヲ信シ得、此点或ハ活働ヲ意味セサルヤモ難計モ、永キ間ノ成功ハ却テ期シ得ベシ
予モ二年半ノ兼務上ノ微労ニ対シ五百円ノ賞賜アリ、内部ノ規トシテ本店業務ハ利倉・川上ノ連帯責任、茅場町ハ松平・板のノ連帯責任トスル旨ヲモ夫々ヘ申渡ス、株主及会社ニ対シ全責任ハ予ノ負フ所タル事勿論ナルモ、予ニ対シテハ弐人以上共同ノ責任者ヲ定メ十分ニ尽サシムル事予ノ主義也
今夕常磐屋ヘ第一銀行員及二十銀行員二十二人ヲ招キ、旧倉庫部トシテ従来挨拶ノ意味ニテ饗応ヲナス○下略


中外商業新報 第八三四二号明治四二年七月一九日 ○渋沢倉庫組織変更(DK530088k-0005)
第53巻 p.497-498 ページ画像

中外商業新報  第八三四二号明治四二年七月一九日
    ○渋沢倉庫組織変更
従来渋沢男爵家個人営業に係る渋沢倉庫部は、今回業務拡張の為め組織を変更して会社組織と為すに決し、資本金五十万円を以て渋沢倉庫株式会社を設立し、十五日を以て創立総会の手続を終了セり、而して渋沢倉庫部に於ては、夙に倉庫建築法に就き多大の研究を遂げ、従来
 - 第53巻 p.498 -ページ画像 
の煉瓦造倉庫以外に、深川に鉄筋コンクリート倉庫を新築し、以て東京に於ける倉庫建築の範を示し、引続き同所に在る男爵家本邸跡全部を倉庫敷地に充て、益々新式倉庫を設計し、専ら顧客の便を謀り、尚日本橋・京橋附近の顧客の為め、曩に霊岸島出張所を設けたるが、保管貨物の増加と共に自然倉庫の狭隘を告ぐるに至れり、因て去る五月中日本郵船会社の日本橋区南茅場町倉庫を買受けしが、同所は元郵船会社荷捌所に使用したるものなれば、保管倉庫に使用するに当りては自ら特殊の設備を要するを以て、従来の亜鉛張倉庫を全部堅牢なる煉瓦造倉庫に改築し、今回組織変更と同時に南茅場町出張所として営業を開始せり、因に新会社の重役は取締役会長渋沢篤二、専務取締役八十島親徳、取締役日下義雄、監査役尾高幸五郎・上原豊吉の諸氏就任せりと云ふ


竜門雑誌 第二五四号・第六二頁明治四二年七月 ○渋沢倉庫株式会社の設立(DK530088k-0006)
第53巻 p.498 ページ画像

竜門雑誌  第二五四号・第六二頁明治四二年七月
○渋沢倉庫株式会社の設立 去る明治三十年四月以来渋沢家の直轄営業として、本社長渋沢篤二氏管理の下に経営せられたる渋沢倉庫部に於ては、時勢の進運に伴ひ事業拡張の方針を以て、去る五月末、日本郵船会社より日本橋区南茅場町に於ける同社旧荷捌所たりし倉庫及其敷地を買受けたる趣なるが、今回愈々其組織を変更して株式会社となすことゝ為り、去る十五日を以て創立総会を開き、名称を渋沢倉庫株式会社、資本金を金五十万円と定め、従来倉庫部所属の動産不動産及営業上の権利義務一切を引継ぎて、一層規模を拡大して倉庫を営むことに決せりといふ、尚同社の重役其他重なる役員は如左
   取締役会長  渋沢篤二
   専務取締役  八十島親徳
   取締役    日下義雄
   監査役    尾高幸五郎
   同      上原豊吉
 本店(深川区福住町弐番地)
   営業部長   利倉久吉
   同 助役   川上賢三
 出張所(日本橋区南茅場町十六番地)
   主任     松平隼太郎
 出張所(京橋区霊岸島町六番地)
   主任     村松秀太郎


銀行通信録 第四八巻第二八六号・第七五頁明治四二年八月 ○渋沢倉庫の組織変更(DK530088k-0007)
第53巻 p.498 ページ画像

銀行通信録  第四八巻第二八六号・第七五頁明治四二年八月
    ○渋沢倉庫の組織変更
従来渋沢男爵家の個人営業に係る渋沢倉庫部は、今回業務拡張の為め組織を変更して会社組織とすることに決し、資本金五十万円を以て渋沢倉庫株式会社を設立し、七月十五日創立総会を開き、取締役会長に渋沢篤二氏、専務取締役に八十島親徳氏、取締役に日下義雄氏、監査役に尾高幸五郎・上原豊吉の両氏当選就任せり

 - 第53巻 p.499 -ページ画像 

渋沢倉庫株式会社挨拶状(DK530088k-0008)
第53巻 p.499 ページ画像

渋沢倉庫株式会社挨拶状          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、陳者渋沢倉庫部儀多年御厚情を忝ふし候処、今般事業拡張の為め其組織を変更して渋沢倉庫株式会社を設立致候に付ては、従来倉庫部に於て発行致候倉庫証券其他の取引関係は、其儘会社に継承致し、営業向一層勉励可仕候間、旧に倍し御愛顧御引立被成下度偏に奉希候、此段御披露旁得貴意度如斯に御座候 敬具
 追而今般日本橋区南茅場町所在日本郵船株式会社倉庫を譲受け、弊会社の出張所として本日より営業開始仕候間、併せて御披露申上候也
  明治四拾弐年七月拾九日
                 渋沢倉庫部
               支配人 八十島親徳
                 渋沢倉庫株式会社
               取締役会長 渋沢篤二
               専務取締役 八十島親徳
               取締役   日下義雄
               監査役   尾高幸五郎
               監査役   上原豊吉
            本店  東京市深川区福住町二番地
                    浪花 長 三〇二番一九二二番
            出張所 東京市日本橋区南茅場町十六番地
                    浪花 四〇三五番
            同   東京市京橋区霊岸島町六番地
                    浪花 二八七四番


(八十島親徳)日録 明治四二年(DK530088k-0009)
第53巻 p.499 ページ画像

(八十島親徳)日録  明治四二年    (八十島親義氏所蔵)
七月十九日 晴 暑シ 八十八度
朝渋沢倉庫会社ヘ出勤、愈本日ヨリ広告ヲナシ、新会社ノ看板ヲ掲ケテ取引ヲ為ス、依テ出勤後取引先・契約先等ヘノ書面ノ署名等ヲナス
○下略
  ○中略。
八月十四日 晴 涼
今日ハ出勤ヲ為ス、九時渋沢倉庫会社南茅場町出張処ニ至ル、三週間目ナルガ、煉瓦壁ニ改造ノ事、防火壁新造ノ事等モ略出来シ、稍面目ヲ一新セルノミナラズ、保管貨物モ逐次増加シ、一見シテ略ボ明キ坪ナキ位ニ見ユル様ナレリ、但在庫品評価ハ尚四十四・五万円ニ過キザルヲ以テ未タ算盤ニハアハザル也
○下略
  ○中略。
八月十六日 晴 八十二度
○上略 予ハ午後深川ノ倉庫会社ニ至リ(鉄筋コンクリート全ク落成セルヲ見ル)帰路茅場町ニモ立寄リ五時帰宅○下略