デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第6巻 p.362-367(DK060100k) ページ画像

明治27年5月22日(1894年)

是ヨリ先四月、九州銀行同盟会延期請願ノ決議ヲナシ関東銀行会ニ其同意ヲ求ム。是日関東銀行会ハ臨時会議ヲ開キ、国立銀行処分法案ガ否決セラルルカ如キ事アラバ、予備案トシテ営業年限延長ヲ請願スルニ決ス。


■資料

国立銀行営業延期始末 第二三―三二丁(DK060100k-0001)
第6巻 p.362-366 ページ画像

国立銀行営業延期始末  第二三―三二丁 (渋沢子爵家所蔵)
廿三、九州銀行同盟会延期請願ノ賛同ヲ要ム 廿七年四月九州銀行同盟会ハ臨時会同ヲ招集シ、営業満期ノ処分ニ就キ協議セシカ、現行国立銀行条例ニテハ営業満期ノ日ニ至レハ株主全数ノ議決ヲ以テ私立銀行ニ変更継続スヘキ規定ナレトモ、全株主ノ同意ヲ得ルコトハ頗困難ナルカ故ニ、満期ノ日ニハ全国百三十有余ノ国立銀行中ニハ勢ヒ解散ノ悲運ニ至ルモノ続出シ、為メニ経済上ニ大ナル急変ヲ来シ、其影響延テ実業ノ進歩ヲ沮格スルニ至ルノ恐レアリ、且紙幣消却モ、十六年以還公債価格ノ騰貴ト、高利公債償還トニヨリ、予想ノ如ク完成セスシテ各銀行カ蒙ル所ノ損失ハ、実
 - 第6巻 p.363 -ページ画像 
ニ莫大ナルヲ以テ之ヲ補償センカ為メニ、満期後更ニ十箇年間延長シ得ルノ条例改正ヲ政府及帝国議会ニ請願シ、且満期後(創立ヨリ二十箇年)ハ紙幣消却元資積立金(毎半季壱分弐厘五毛)ヲ廃シ従来積立タル積立金ノ利息而已ヲ以テ年々之ヲ消却シ、其消却不足ハ三十年ニ於テ紙幣消却元資積立金及其差益金ヲ合シタルモノヲ以テ悉皆消却シ了リ、紙幣引換準備金ニテ買入タル公債証書、其ノ差益金及現行条例満期後ノ利息ハ、悉ク各銀行ヘ還付セラレンコトヲ其筋ヘ要請スルコトニ決議シ、全国々立銀行各団体ノ賛同ヲ得テ、大集会ヲ東京ニ開カンコトヲ全国々立銀行各団体ヘ申込タリ
廿四、前項実際ノ成行 廿七年四月九州同盟銀行ハ長崎ニ会合シテ国立銀行営業延期ヲ請願センコトヲ決議シタリシカ、時偶中国四国同盟銀行モ亦神戸ニ会シテ同件ヲ協議シツヽアルコトヲ聞キ、総代上羽勝衛ハ馳セテ出神シ、同会ト議リテ更ニ大阪ニ集会ヲ催シタリ、大阪同盟銀行ハ従来関東銀行会ト相提携シテ終始其挙措ヲ倶ニセシ関係アレハ、独リ当団体ノミニテ賛否ノ意見ヲ定メ難キ旨申出タリ、依テ該両団体ハ関東銀行家ノ所見ヲ問ハンカ為メニ前発委員上羽勝衛等ノ三名ヲ出京セシメタリ
  斯クテ三名ノ委員ハ関東銀行会幹事ニ面談ヲ要メ、長崎大阪等ノ会合ニ於ケル決議ノ要領ヲ叙述シテ諮ル所アリシニ、延期請願ノ件ニ対シ同意ヲ表スルモノヽ如クナリケレハ、委員等ハ愈大会ヲ興サントノ決意ニテ陸続上京シタリ
  五月一日右ノ委員六名ハ直ニ関東銀行会幹事第十五国立銀行ニ就キテ大会開設ノ件ヲ合議シ、且其発起人タランコトヲ要請セシト雖トモ、三幹事協議ノ後チ確報セントノ回答アリケレハ、猶幹事第一国立銀行ニ渋沢栄一ヲ訪ヒシモ不在ニテ其意ヲ果サス、更ニ幹事第三国立銀行ヲ訪ヒ前言ヲ反覆シテ請フ所アリシニ、頭取安田善四郎ハ幹事一同協議ノ後チ答ヘンコトヲ約シタリ
  五日此請求ニ対シ如何ニ答フ可キカヲ評議センカ為メニ、幹事銀行会ヲ開キシニ、親シク彼ノ委員ト面晤セシ二名ノ幹事銀行ハ事故アリテ来会セス、由テ渋沢栄一ハ安田善四郎ノ代理長谷川千蔵ト謀リ、此際特ニ大会ヲ開設スル必要ナシトノ事ヲ決シタリ
  地方委員等ハ此決議ヲ安田善四郎ヨリ聞キテ、関東銀行会ノ冷淡ナルヲ憤慨シ、事ヲ共ニスルニ足ラサルノ意想ヲ抱キシモノヽ如クナリキ、是レ親シク委員等ト交渉シタル二幹事カ回報ノ協議ニ与カラスシテ、彼我事情ノ通セサリシニ起因セシコトナリトハ雖トモ此際同業者間ノ和親ヲ破ルハ前途憂フ可キコトナルヲ以テ、十二日関東銀行会ノ幹事三名ハ特ニ地方ノ委員ト会合シテ、延期請願ハ全然不同意トイフニアラサルカ故ニ、大会ノ通知ニ接スレハ、其末班ニ列スルハ各銀行ノ随意トスヘシト雖トモ、其発起人ニ加ハルコトハ、先前ノ決議ニヨリテ応シ難シトノ意ヲ懇話セリ是ニ於テ彼我ノ意想全ク明白トナリテ、前日ノ感情稍消散シタリキ
  十五日江東中村楼ニ於テ全国々立銀行ノ大会ヲ開キタリ、此日東
 - 第6巻 p.364 -ページ画像 
京同盟銀行ニテ臨席シタルハ第十五国立銀行三輪信次郎、第三国立銀行安田善四郎ノ両名ノミニテ、其評議ノ要領ハ本日第六議会ヘ提出セラレタリト聞ク営業満期国立銀行処分法案ニシテ通過セハ之ニ遵フヘキモ、若シ該法案ニシテ通過セサル時ハ延期請願ノ運動ヲ為スヘシトノ事ナリキ、此日別ニ東京同盟銀行ノ集会アリテ各地数多ノ銀行者都下ニ相会スルハ実ニ稀有ノ事ナレハ、和親ヲ厚フスル為メニ懇親ノ宴ヲ催フサンコトヲ協議シ、彼我交渉ノ末越ヘテ十七東京同盟銀行主唱トナリ、各地銀行者一堂ニ会シテ酒宴ヲ開キタリ、然シテ前後三数日ノ内帝国議会ノ形勢モ略ホ定リタルカ如ク見ヘケレハ、地方ノ銀行者ハ此宴会前ニ大会ヲ開キ、一昨十五日大会ノ決議ニ基キ今ハ延期請願ノ運動ヲ共ニセンコトヲ関東銀行会ヘ照会セントテ、更ニ数名ノ委員ヲ派遣スルコトニ決定シタリキ
  是ニ於テ右ノ委員ハ十八日早期関東銀行会幹事ニ面談ヲ要メテ曰ク、九州、中国、四国其他各地ノ同業者ハ五月十五日大会ヲ東京ニ開キ種々決議スル所アリシカ、今回政府提出ノ処分法案(廿六)ニシテ無事両院ヲ通過セハ敢テ非議セサルモ、若シ本会期中議事ヲ終ラサルカ、又ハ否決セラルヽカ如キ場合ニ至ラハ関東銀行会ハ如何ニ処理スルノ決心ナリヤ、営業満期ノ日モ目前ニ切迫シアレハ、今日ニ於テ其予備案ヲ講スルハ最急務ナレハ、関東銀行会前途ノ意見ヲ糺明シ、全国同業者一致ノ方針ヲ立テンコトヲ望ムト、然ルニ同会ハ処分法案ノ進行如何ニ由リ処決センコトニ決定セシモノナレハ、未タ予備案トシテ議定シタルモノ無シ、因テ幹事ハ速ニ臨時会同ヲ開キ熟議ノ後チ回報センコトヲ答ヘタリ
廿五、関東銀行会延期請願ニ同意ス 関東銀行会ハ前項ノ決答ヲ為サンカ為メニ、五月廿二日臨時会議ヲ開キタリ、会長渋沢栄一ハ臨時会招集ノ理由トシテ前項ノ顛末ヲ詳述シ、且曰ク本日協議ノ要旨ハ若シ彼ノ営業満期国立銀行処分法案(廿六)成立セスシテ本会ノ希望ヲ達スルコト能ハサル場合ニ至リ、俄ニ他ノ方法ヲ講スルハ大ニ時機ヲ失スルノ恐レアレハ、爰ニ其予備案ヲ定ムルノ必要アルガ故ニ左ノ順序ヲ以テ協議セン
   一国立銀行営業満期善後策予備案ヲ定ムル事
   一予備案ヲ決定セハ引続全国々立銀行大会ヲ開キ其順序方法ヲ評議スルカ、又ハ各団体ヨリ交渉委員ヲ選出シ其委員会同ニ於テスルカ
   一前二項決定ノ上ハ直ニ九州中国四国交渉委員ニ確答スル事
  会長ハ猶語ヲ継キテ曰ク、協議ノ要件ハ大略此ノ如クナレトモ、処分法案ニシテ無事両院ヲ通過スルヲ得ハ、営業満期ニ至リ消却未済ノ紙幣ハ元資積立金ヲ以テ一時ニ消却シ、尚不足ノ分ハ日本銀行ヨリ無利足ニテ兌換券ヲ借入レ、之ヲ以テ政府ニ償還シ、而シテ日本銀行ヘノ返済方法ハ、営業ヲ継続シタル私立銀行ヨリ従前ノ振合ヲ以テ、毎半季一分弐厘五毛宛償還スル事トシ、其散失ニ属スル紙幣ハ報償トシテ日本銀行ノ所得ニ帰セシムル内約ナリシカ、此散失紙幣ノ所得ニ就キテハ近時又一ノ論議ヲ生シ、或ハ
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国家ノ有ニ帰スルヲ妥当ナリトノ説大ニ勢力アルカ如クナレハ、自然日本銀行ノ所得タルヲ得サルニ至ルモ、同行ハ前約ヲ重ンジ決シテ違変スルコトナシト云ヘハ、本会希望ノ如ク該法案通過セハ国家経済上、又ハ幣制整理上ヨリ云フモ極メテ至当ノ方法ナルヘシト信スル旨ヲ述ヘタリ、是ヨリ種々討論審議ヲ尽シシカ、結局該法案ニシテ若シ両院ノ内ニテ否決スルカ、又ハ委員付托ノ儘本議ニ上ラサルカ如キコトアラハ、予備案トシテ営業年限ヲ延期スルコトト為シ、其順序方法ハ全国同業者協力一致シテ之ヲ施為シ、之レカ方法ヲ議スルニハ各団体ニテ凡二十名ノ委員ヲ挙ケ、其交渉ニ於テ諸般ノ事項ヲ決定スヘキコトニ評議シ、其要旨ヲ九州、中国四国同盟銀行委員ヘ回答シタルニ該委員ハ之ニ同意ヲ表シ、更ニ協議ノ順序方法ニ就キ同委員ヨリ照会ノ件アリシヲ以テ翌廿三日猶臨時会ヲ継続シテ左ノ如ク決議シ、又交渉委員トシテ現任幹事、即チ第一、第三、第十五ノ三銀行ニ加フルニ第百、第三十二支店ノ二行ヲ選定シタリ
     九州、中国四国同盟銀行委員ヨリ照会ノ事項
   一各団体ヨリ各三名ノ委員ヲ撰挙シ左ノ事項ヲ処分セシムル事
   一営業延期要求ニ関スル方法順序ヲ定ムル事
   一延期ノ年限ヲ定ムル事
   一延期ニ関シ日本銀行ノ被ムルヘキ損害ヲ避ケシムル方法ヲ講スル事
   一紙幣消却ニ関スル善後策ヲ講スル事
   一右ニ関スル通常費用ハ適宜支弁スル事
     右照会ニ対スル関東銀行会ノ決議
   関東銀行会(私立銀行ハ之ヲ除ク)ヨリ五名ノ委員ヲ撰挙シ左ノ事項ヲ処理セシムル事
   一営業年限延期請願ニ関スル方法順序ヲ定ムル事
   一延期ノ年限ヲ定ムル事
   一延期ニ関シ日本銀行ノ被ルヘキ損害ヲ避クルノ方法ヲ講スル事
   一紙幣消却ニ関スル整理方法ヲ講スル事
   一前数項ノ方法各団体ノ委員会ニ於テ協議決定セハ、全国各国立銀行ヲ代表シテ其筋ヘ請願又ハ尽力スル事
   一必要ノ場合アラハ全国各国立銀行ノ大集会ヲ招集スル事
   一右数項ノ取扱ニ関スル費用ハ委員ニ於テ適宜支弁シ、追テ其賦課方ヲ設ケ決算報告ト共ニ之ヲ各国立銀行ヨリ徴収スル事
廿六、営業満期国立銀行処分法案議会ニ出ツ 此際(廿七年五月)営業満期国立銀行処分法案ハ第六帝国議会ヘ提出セラレタリ、此案衆議院ノ議事ニ上ルヤ諸説紛々、或ハ本問題ノ経済上ニ及ホス利害ノ関係ハ頗大ナル者ナレハ、斯ル短期ノ議会ニ於テ軽忽ニ議定スルコトナク、次期ノ議会マテ審議熟考スヘシトイヒ、或ハ営業満期ノ日モ目前ニ迫レハ直ニ決議スヘシトイヒ、弁難攻撃相継キシカ採決ニ至リ終ニ原案ヲ通過シタリ、然ルニ貴族院ニ於テハ特別委員ニ付托シテ、未タ本議トナラサル内ニ議会ハ解散ノ命ニ接
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シ、本案ハ議了ニ至ラスシテ事止ミヌ今参考ノ為メ政府提出案ヲ左ニ掲ケン
    営業満期国立銀行処分法案
   第一条 国立銀行ニシテ営業満期後国立銀行条例第十二条ニ拠リ私立銀行ノ資格ヲ以テ営業ヲ継続セントスルモノハ、営業満期ノ日ヨリ六箇月以前ニ営業継続及定款改正ノ決議ヲ為シ其ノ改正定款ヲ添ヘ大蔵大臣ニ営業継続ノ許可ヲ請フヘシ
   第二条 前条ノ国立銀行ニシテ資本金額ヲ減少シテ営業ヲ継続セントスルモノハ、国立銀行条例第四十二条、第四十三条及第四十四条ノ手続ヲ了シタル上前条ニ依リ営業継続ノ許可ヲ請フヘシ、但同条例第十七条ノ制限ヲ適用スル限ニアラス
   第三条 営業継続及定款改正ノ決議ハ国立銀行条例第六十九条格段決議ノ方法ニ依ル
   第四条 営業満期ニ至リ営業ヲ継続セサル国立銀行ノ解散手続ニ関シテハ商法株式会社解散及清算ノ条項ヲ適用ス


東京商業会議所月報 第二七号〔明治二七年一一月〕 国立銀行ノ沿革大要(渋沢栄一君述)(DK060100k-0002)
第6巻 p.366-367 ページ画像

東京商業会議所月報  第二七号〔明治二七年一一月〕
    国立銀行ノ沿革大要 (渋沢栄一君述)
○上文明治二六年一〇月二三日ノ条ニ接ス
然ルニ其後九州団躰主唱者トナリ、四国、中国、奥羽、北海道ノ各団躰ト協議シテ各其委員ヲ大坂ニ会シ、関西ノ団躰ニ説クニ延期法案ノ利益ヲ以テシタレトモ、関西団躰ニ於テハ兼テ関東団躰ト意見ヲ同クシ、今ヤ政府ニ於テ予テ銀行者ノ希望ニ従ヒ、継続法案ヲ出サントスルニ際シ、一方ヨリ延期請願ヲ為スカ如キハ、故ラニ同業者中ニ二途ノ希望アル旨ヲ表白スルニ均シク、国家全躰ノ為メ決シテ得策ニアラサル旨ヲ以テ之ニ応セサリシカハ、猶東京ニ於テ全国各団躰ノ大会ヲ開キテ延期ノ気勢ヲ張ルコトニ決シ、其後此等団躰ノ委員等ハ此大会ニ参スル為メ、五月初頃ヨリ追々東京ニ来集シ、先ツ運動ノ手初トシテ九州団躰ノ委員数名ハ、大会ノ期日ニ先タチ関東銀行会ノ幹事銀行ナル第十五国立銀行及第三国立銀行ノ某氏等ニ就キ之ヲ遊説シタルニ何レモ一己トシテハ延期説ニ同意ナル旨ヲ答ヘタル趣ナリシモ、余ハ全ク反対ノ意見ヲ述ヘタリ、而シテ余モ亦幹事銀行タル第一国立銀行ノ代表者タレハ、其応答ノ間或ハ行違ヲ生センコトヲ恐レ、同月十二日前記幹事銀行ノ某氏等ト会シ、九州委員ノ出席ヲモ請ヒ、改メテ関東銀行会決議ノ要領ヲ述ヘ、仮令一己トシテ延期説ニ賛成スル者アルモ、是レ毫モ効力ナキ処ニシテ、兎ニ角関東銀行会トシテハ決シテ延期説ニ同意スルコト能ハサル旨ヲ明ニシタリ、斯クテ同月十五日大会ハ開カレタルガ、関東銀行会ハ兼テ延期ニ同意セサリシヲ以テ、此大会ニ与カラサリシ、尤モ関東銀行会中兼テ延期ヲ希望セル二三ノ銀行者ハ一個ノ資格ヲ以テ参席シタリト聞ケリ、然ルニ其後東京同盟銀行ニ於テハ延期説ニハ不同意ナルモ、此際各地銀行者ノ出京ヲ期トシ、共ニ懇親会ヲ開ク方好都合ナルヘシトノ議起リ、即チ東京同盟銀行主唱者トナリ、同月十七日芝紅葉館ニ於テ全国銀行者ノ懇親会ヲ開キタルガ、其節各地延期論者ヨリ関東銀行会ノ幹事ニ対シ、同会カ延期ニ
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同意セラレサルコトハ去ルコトナカラ、若シ第六議会ニ於テ継続法案成立セサルニ於テハ、同会ハ如何ナル策ヲ執ラルヽノ決心ナルヤ、予メ将来ノ方針ヲ定メラレタキ旨ノ懇談アリシニヨリ、即チ幹事ハ同月二十二日ヲ期シ、更ニ関東銀行会ノ総会ヲ開キ、此事ニ就キ協議ヲ遂ケタルニ、種々ノ議論モアリタルガ、衆議ノ末、遂ニ政府提出ノ継続法案ニシテ当期ノ議会ヲ通過セサルニ於テハ、関東銀行会ハ已ムヲ得サルニ付延期請願ノ方針ヲ執ルヘキニ決シタリ、尤モ各銀行者中ニハ一己ノ意見トシテ延期ヲ可トスル者アリ、或ハ継続ヲ可トスル者アリ然レトモ此際強テ其意見ヲ貫カンカ為メ、議会ニ対シテ運動スルカ如キハ得策ニアラサルニ付、此問題ハ暫ク第六議会ノ成行ニ任スコトニ決シタリ、依テ此協議ノ結果ヲ各団躰ノ委員ニ通シタルニ、右等委員ノ人々モ此際延期ニ就テハ別ニ表面ノ運動ヲ為サスシテ止ミタリ