デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第6巻 p.605-607(DK060160k) ページ画像

明治38年4月22日(1905年)

第四回国庫債券募集ニ際シテ政府ハ二億円ノ計画ヲ立テシモ、銀行側ノ説ヲ採納シテ半額ノ一億円ヲ発行ス。即チ今回残額一億円ヲ第五回国庫債券トシテ発行スルニ至リ、四月二十日大蔵省令ヲ公布ス。

是日、東京銀行集会所ハソノ応募ニツキ協議ヲ遂グ。栄一出席ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三八年(DK060160k-0001)
第6巻 p.605 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三八年
四月十八日 晴 風強シ
松尾総裁ト電話ニテ国庫債券発行ノコトヲ談話ス
四月二十日 曇 風強シ
午前九時半ノ汽車ニテ東京ニ抵リ、十一時銀行集会所ニ於テ各銀行ト国庫債券応募ノコトヲ協議ス
四月二十二日 晴夕雷 風寒シ
二時銀行集会所ニ抵リ、国庫債券応募ノコトヲ各銀行ト協議ス


銀行通信録 第三九巻第二三五号・第六四〇―六四二頁〔明治三八年五月一五日〕 第五回国庫債券発行(DK060160k-0002)
第6巻 p.605-606 ページ画像

銀行通信録 第三九巻第二三五号・第六四〇―六四二頁〔明治三八年五月一五日〕
    ○第五回国庫債券発行
政府が本年度に於て公債の募集、国庫債券の発行、又は一時借入金に依るべき金額は総計五億七千百万円にして、内既発行に係る第二回英貨公債一億二千万円、第四回国庫債券一億円、及第三回英貨公債三億円を差引くときは、未発行額は約五千百万円なりとす、然れども本年一月法律第十二号に依れば従来発行せる国庫債券又公債の発行価格差減額は別に之を募集し得ることゝなり居るが故に、其額約七千六百万円を加ふるときは、今後募集すべき国債額は実に一億三千七百余万円なりとす(第二十議会に於て承諾済に係る一時借入金額は之を除く)而して政府は曩に第四回国庫債券を募集するに当り、一時に二億円発行の計画を立て、銀行者中にも之れを賛成するものありしも、多数は一時の便宜を謀らんよりは応募の好成績を期するに如かずとて、遂に其半額即ち一億円丈を発行したりしが、今回愈々残額一億円を第五回国庫債券として発行するに至れり
之より先き第四回国庫債券募集の発表せらるゝや、其条件の前三回に比して頗る有利なるものありしと、折柄奉天の戦捷に続いて四分半利付英貨公債三億円成立の報ありしかば、其の応募高は募集高に対し約五倍に上るの盛況を呈し、且つ軍費の供給も内外債の募集に依りて当分支障を見ざるに至れり、是に於てか新聞紙中には第五回国庫債券は急遽之を募集するの必要なく、且つ其利率も前回より之を引下ぐべしと論ずるものありしも、元来外債募集金は我正貨準備の基礎を鞏固にし、併せて政府の海外支払金に充つるの計画なるを以て、政府は例年金融緩漫の季節を撰み、且つ第四回国庫債券に対する人気未だ去らざるに乗じ、玆に第五回国庫債券一億円を発行して、以て軍費支払の為
 - 第6巻 p.606 -ページ画像 
めに内地に放散せる資金を吸収することゝし、利率其他の条件も経済界の情況別に著しき変動なきを以て、総て前回通りとしたるものなり而して従来国庫債券を募集するに当りては、発行に先ち予め民間銀行者と打合を為すの例なりしも、今回は前回募集の際既に協定する所ありしを以て、別段打合等の事なく、四月二十日大蔵省令第二十六号を以て直ちに左の如く第五回国庫債券発行規程を公布せり ○中略
斯くて東京及大阪両銀行集会所組合銀行は例に依り規程公布の翌々日即ち四月二十二日を以て同時に集会を開きて応募上の協議を遂げ、次て大阪銀行集会所組合銀行は申込開始の当日即ち五月一日を以て、又東京銀行集会所組合銀行は同月三日を以て、一斉に応募申込を為し、而して其他の応募も前回の募入額は僅かに三分六厘に過ぎずして、一般に再発行を希望せる際なりしを以て、頗る好況を呈し、中には割増応募を為すものもありき、而して其応募総高は無慮四億九千八百万円即ち募集高の五倍に上るに至れり
 応募総額             四九八、二六一、二二五
  内
 価格以上              二九、四三七、二七五
 価格               四六八、八二三、九五〇

銀行通信録 ○第三九巻第二三五号・第六七二―六七三頁〔明治三八年五月一五日〕 東京銀行集会所組合銀行協議会(DK060160k-0003)
第6巻 p.606-607 ページ画像

 ○第三九巻第二三五号・第六七二―六七三頁〔明治三八年五月一五日〕
    ○東京銀行集会所組合銀行協議会
東京銀行集会所にては四月二十二日午後三時より、第五回国庫債券応募の件に付協議会を開きしが当日出席者は本店銀行代表者二十名、支店銀行代表者二名、合計二十二名にして会長男爵渋沢栄一君議長席に着き各自の応募額に付種々協定する所あり、席上前回に比し一同二割増の申込を為すべしとの説出でしも右は一応各銀行に於て内議を要するものあるに依り、当日未確定の分及申込高増加の分は来二十六日迄に申出を請ふことゝし午後四時二十分閉会せり、組合銀行中応募申出の金額左の如し
                            円
  株式会社十五銀行         一〇、〇〇〇、〇〇〇
  三菱合資会社            五、〇〇〇、〇〇〇
  合名会社三井銀行          五、〇〇〇、〇〇〇
  横浜正金銀行            五、〇〇〇、〇〇〇
  株式会社第一銀行          三、六〇〇、〇〇〇
  同 第三銀行            二、〇〇〇、〇〇〇
  合名会社安田銀行          二、〇〇〇、〇〇〇
  株式会社第百銀行          一、二〇〇、〇〇〇
  合名会社村井銀行          一、二〇〇、〇〇〇
  株式会社帝国商業銀行        一、〇〇〇、〇〇〇
  同 第二銀行              七五〇、〇〇〇
  同 横浜第七十四銀行          七五〇、〇〇〇
  合資会社川崎銀行            五〇〇、〇〇〇
  株式会社東海銀行            五〇〇、〇〇〇
  合名会社森村銀行            五〇〇、〇〇〇
  株式会社横浜銀行            五〇〇、〇〇〇
  合名会社中井銀行            四〇〇、〇〇〇
  株式会社二十銀行            三六〇、〇〇〇
  同 二十七銀行             三六〇、〇〇〇
  同 東京銀行              三〇〇、〇〇〇
  同 明治商業銀行            三〇〇、〇〇〇
  合資会社左右田銀行           三〇〇、〇〇〇
 - 第6巻 p.607 -ページ画像 
  株式会社八十四銀行           二五〇、〇〇〇
  同 肥後銀行              二五〇、〇〇〇
  株式会社丁酉銀行            二五〇、〇〇〇
  同 京橋銀行              一五〇、〇〇〇
  同 麹町銀行              一五〇、〇〇〇
  同 浅草銀行              一五〇、〇〇〇
  同 武総銀行              一五〇、〇〇〇
  合資会社田中銀行            一二〇、〇〇〇
  合名会社神木銀行            一二〇、〇〇〇
  株式会社三十銀行            一〇〇、〇〇〇
  同 日本通商銀行            一〇〇、〇〇〇
  同 万世銀行              一〇〇、〇〇〇
  同 商栄銀行              一〇〇、〇〇〇
  合資会社今村銀行            一〇〇、〇〇〇
    計              四三、六一〇、〇〇〇
此他組合外の日本興業銀行よりは三百万円、同じく日本勧業銀行よりは百万円応募の旨当所へ申出ありたり
又前記の応募額は締切期日に先ち五月三日を以て一斉に日本銀行へ応募申込を為すことゝせり
  ○国庫債券発行額及ビ応募額ヲ表示ス

図表を画像で表示--

  回数      発行額            応募額         東京銀行集会所組合銀行応募額    第一銀行応募額                 円               円             円               円 第一回   一〇〇、〇〇〇・〇〇〇     四五二、一三〇、四七五    四三、二〇〇、〇〇〇       三、〇〇〇、〇〇〇 第二回   一〇〇、〇〇〇・〇〇〇     三二二、一九〇、九五〇    四〇、二六二、〇〇〇       三、〇〇〇、〇〇〇 第三回    八〇、〇〇〇・〇〇〇     二四五、八二九、二〇〇    三七、四九九、〇〇〇       三、〇〇〇、〇〇〇 第四回   一〇〇、〇〇〇・〇〇〇     四八五、八七六、二五〇    四一、三九〇、〇〇〇       三、〇〇〇、〇〇〇 第五回   一〇〇、〇〇〇・〇〇〇     四九八、二六一、二二五    四三、六一〇、〇〇〇       三、六〇〇、〇〇〇 合計    四八〇、〇〇〇・〇〇〇   二、〇〇四、二八九、一〇〇   二〇六、四三一、〇〇〇      一五、六〇〇、〇〇〇 



   ○明治三十七年十月及ビ明治三十八年二月ノ条ヲ参照スベシ。