デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

6章 対外事業
1節 韓国
10款 其他ノ会社 1. 韓国拓殖株式会社
■綱文

第16巻 p.636-637(DK160106k) ページ画像

明治39年11月28日(1906年)

是日当会社創立総会開催セラレ、栄一相談役ヲ委嘱セラル。


■資料

青淵先生公私履歴台帳(DK160106k-0001)
第16巻 p.636 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳          (渋沢子爵家所蔵)
  民間略歴(明治二十五年以後)
○上略
一韓国拓殖株式会社相談役 三十九年十一月 四十一年八月六日辞表提出
○中略
   以上明治四十二年六月七日迄ノ分調


中外商業新報 第七四四四号 明治三九年九月一九日 ○韓国拓殖会社設立(DK160106k-0002)
第16巻 p.636 ページ画像

中外商業新報 第七四四四号 明治三九年九月一九日
    ○韓国拓殖会社設立
曩に所謂韓国三南の宝庫たる慶尚道に於ける荒蕪地約四万町歩の開墾権利を獲得し、昨年以来実測調査中なりし中野・大橋諸氏は既に其三分の一の実測を了せるを以て、今回日韓両国の資本を合して韓国拓殖株式会社を組織し之が経営に当る筈にて、其主とする所は先づ麦作及耕地の貸付を試むるにあるも、地味の適するに於ては水田を劃し牧場を作り桑園を設け植林を為し、事業の状況に依りては尚開墾副業共に拡張す可く、資本金は一百万円にして最初第一期事業費として四分の一払込を為し、其結果漸次拡張するに随ひ、第二回次後の払込を為す可く、総株二万株の内二千株は韓人之を引受け、残額は発起人に於て引受く可く、既に確定したる発起人は、中野武営・大橋新太郎・長森藤吉郎・浅野総一郎・中山佐市・平沼専蔵・渡辺嘉一諸氏三十四名なり、尚損益予算書の示す所に依れば第一回払込資金二十五円に対し初年度は無配当、第二年度より三年間平均配当年一割〇八厘強なるを以て、第二回払込以後は新墾費の減少、既墾地農作の改良及作付反別の拡張等に依りて其収益著しく増加す可き見込なりと云ふ


竜門雑誌 第二二二号・第四五頁 明治三九年一一月 韓国拓殖会社の創立(DK160106k-0003)
第16巻 p.636 ページ画像

竜門雑誌 第二二二号・第四五頁 明治三九年一一月
○韓国拓殖会社の創立 予て創立中の同会社は株式の一般募集を為さずして株主確定し、第一回株金十二円五十銭の払込を結了したれば近日創立総会を開く由、同会社の資本は一百万円にして青淵先生・浅野総一郎・中野武営・大橋新太郎・鈴木兵右衛門・臼井儀兵衛・尾高次郎・平沼専蔵・堀家虎三の諸氏大株主たりと云ふ


東京経済雑誌 第五四巻第一三六六号・第一〇五一頁 明治三九年一二月八日 △韓国拓殖会社創立総会(DK160106k-0004)
第16巻 p.636-637 ページ画像

東京経済雑誌 第五四巻第一三六六号・第一〇五一頁 明治三九年一二月八日
△韓国拓殖会社創立総会 去月廿八日九州倶楽部に於て開会(一)会
 - 第16巻 p.637 -ページ画像 
社創立に関する事項報告(二)定款中改正(三)取締役及監査役の報酬(四)取締役及監査役の選挙(五)監査役より商法第百三十二条適合の旨報告等あり、取締役及監査役に当選せし氏名左の如し
 取締役 鎌田勝太郎・尾高次郎・大橋新太郎・松尾寛三・志岐信太郎・渡辺嘉一・伊丹弥太郎
 監査役 徳久恒範・渡辺甚吉・吉田三郎右衛門
尚引続き取締役会を開き鎌田勝太郎氏を取締役会長に選挙し、渋沢男爵に相談役を委嘱したり


竜門雑誌 第二二三号・第三九―四〇頁 明治三九年一二月 ○青淵先生と新会社(DK160106k-0005)
第16巻 p.637 ページ画像

竜門雑誌 第二二三号・第三九―四〇頁 明治三九年一二月
○青淵先生と新会社 予て前号の本誌に記載したる如く青淵先生に於て創立に賛助せられたる諸会社の内其後適法に成立を告げ、従て会社当局者の嘱に応じ相談役を引受けられたるもの左の如くなりと云ふ
○中略
一韓国拓植株式会社     相談役
○下略


竜門雑誌 第二二三号・第四三頁 明治三九年一二月 ○韓国拓殖株式会社創立総会(DK160106k-0006)
第16巻 p.637 ページ画像

竜門雑誌 第二二三号・第四三頁 明治三九年一二月
○韓国拓殖株式会社創立総会 同社設立計画に関しては前号に記したるが、同社に於ては愈々十一月二十八日午後二時より創立総会を京橋区日吉町九州倶楽部に開会し、創立委員長鎌田勝太郎氏会長席に着き式の如く報告並に選挙あり、同二時二十五分全く議事を終りたるが、取締役には鎌田勝太郎・尾高次郎・大橋新太郎・松尾寛三・志岐信太郎・渡辺嘉一・伊丹弥太郎の七氏、監査役には徳久恒範・渡辺甚吉・吉田三郎右衛門の三氏当選し、次て取締役会を開きて鎌田勝太郎氏を取締役会長に選挙し、青淵先生に相談役を委嘱したりと云ふ