デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.2.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.48-81(DK210012k) ページ画像

明治29年4月25日(1896年)

是日ヨリ二十七日ニ至ル三日間、第五回商業会議所聯合会博多ニ於テ開催セラル。奥三郎兵衛・梅浦精一ノ両名当会議所ヲ代表シテ之ニ参会シ、帰京後六月三日ノ会議ニ於テ議事ノ顛末ヲ報告ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商業会議所月報 第四四号・第二九頁 明治二九年四月 【同月 ○三月五日、博多…】(DK210012k-0001)
第21巻 p.48 ページ画像

東京商業会議所月報  第四四号・第二九頁 明治二九年四月
○同月 ○三月五日、博多商業会議所ヨリ第五回商業会議所聯合会ノ開期其他手続ニ関スル通知書ヲ接受ス(通知書ノ全文ハ参照ノ部第十八号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第四四号・第六二頁 明治二九年四月 【参照第十八号 三月五日、…】(DK210012k-0002)
第21巻 p.48-49 ページ画像

東京商業会議所月報  第四四号・第六二頁 明治二九年四月
○参照第十八号
 三月五日、博多商業会議所ヨリ第五回商業会議所聯合会ニ関シ接受セシ通知書左ノ如シ
拝啓貴所益御隆盛奉賀候、陳者本年第五回商業会議所聯合会ハ当博多ニ於テ開設可致筈ニ付、開期其他手続左ノ通決定致候間、此段及御通知候也
 一定期聯合会ハ四月二十五日ヨリ開会ス
 一四月二十四日午後六時ヨリ東公園一方亭ニ於テ来会員ノ懇親会ヲ開ク、会費ハ壱人金壱円五拾銭ノ予定トス
 一来会員ノ氏名ハ三月三十日迄博多商業会議所ヘ通知セラルベシ
 一来会員到着ノ上ハ宿所氏名ヲ博多商業会議所書記局ヘ報知セラルヘシ
 一会員及事務員中ニテ別ニ説明員ヲ定メ出席セシムルハ規則第十四条ニ拠ルモ、尚ホ他ノ会員ニシテ意見アルトキハ、有志会員トシ
 - 第21巻 p.49 -ページ画像 
テ出席シテ意見ヲ述フル事ヲ得
 一議案ハ三月十日迄ニ堅ク博多商業会議所ヘ送致セラルヘシ
 右
           第五回商業会議所聯合会幹事
            博多商業会議所会頭 小河久四郎
  明治二十九年二月二十八日
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
     追申
  一是迄私立商工会ニ照会シテ賛同ヲ求メ候例有之候モ、其存廃測ラレザルニヨリ前回名古屋聯合会ニ於テハ一々照会セザル事ニ相成候ニ付、今回モ同様照会致サヽル事ニ致居候間、御承知被下度候
  一第四回商業会議所聯合会ノ評決ニヨリ当二十九年ニ限リ同会規則第五条中ノ九月ヲ四月ニ、第十条中ノ八月ヲ三月ニ変更致候条此段申添候


東京商業会議所月報 第四四号・第二八頁 明治二九年四月 【同月 ○三月二十六日…】(DK210012k-0003)
第21巻 p.49 ページ画像

東京商業会議所月報  第四四号・第二八頁 明治二九年四月
○同月 ○三月二十六日、本会議所事務所ニ於テ第五十一回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ同日開会シタル第七回定期会議ノ出席者 ○益田克徳外二十一名ト同一ナルヲ以テ玆ニ之ヲ省略ス
午後六時開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後六時十五分閉会ス
○中略
 一、第五回商業会議所聯合会ヘ参席スベキ委員二名選挙ノ件
                      (役員会議提出)
本件ハ議長ノ指名ヲ以テ委員二名ヲ選挙スルニ決シ、乃チ議長ハ左ノ二君ヲ委員ニ指名ス
                   奥三郎兵衛君
                   梅浦精一君


東京商業会議所月報 第四五号・第一五―一六頁 明治二九年五月 【四月十四日、本会議所…】(DK210012k-0004)
第21巻 p.49-50 ページ画像

東京商業会議所月報  第四五号・第一五―一六頁 明治二九年五月
○四月十四日、本会議所事務所ニ於テ第五十二回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
 益田克徳君 ○外十五名氏名略
午後七時開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ午後八時十分閉会ス
○中略
 一、営業税法調査ノ儀ニ付第五回商業会議所聯合会員ニ協議スルノ件
本件ハ全会一致ヲ以テ原案ニ可決シ、尚ホ益田克徳君ノ発議ニ依リ営業税法調査委員七名ヲ置キ議長ニ指名ヲ託スルニ決シ、議長ハ左ノ諸君ヲ同委員ニ指名ス(協議案ノ全文ハ参照ノ部第四号ニ掲載ス)
                   朝吹英二君
                   加東徳三君
 - 第21巻 p.50 -ページ画像 
                   梅浦精一君
         営業税法調査委員  松下覚之丞君
                   豊川良平君
                   吉田幸作君
                   中野武営君
又岡部広君ノ発議ニ依リ左ノ件ヲモ第五回商業会議所聯合会員ニ協議スル事ニ決ス
 一、各商業会議所ニ於テ広軌鉄道ノ得失ヲ研究シ、来八月下旬迄ニ其意見ヲ定メ、必要ノ場合ニ於テハ其筋ヘ建議若クハ請願スル事


東京商業会議所月報 第四五号・第一八頁 明治二九年五月 【参照第四号 四月十四日、…】(DK210012k-0005)
第21巻 p.50 ページ画像

東京商業会議所月報  第四五号・第一八頁 明治二九年五月
○参照第四号
 四月十四日、臨時会議ノ可決ヲ経タル本会議所ヨリ第五回商業会議所聯合会ヘ提出スヘキ協議案ハ左ノ如シ
今回博多ヘ出張スル委員ニ依託シ、左ノ件ヲ商業会議所聯合会員ニ協議スル事
    営業税法調査ノ手続
一各商業会議所ニ於テ営業税法ヲ研究シ、互ニ其意見ヲ相通知スル事
一各商業会議所中数ケ所ノ会議所ヲ委員ト定メ、前条ノ斡旋方ヲ託スル事
一各商業会議所ハ営業税法ノ得失ヲ調査シ、其結果ヲ来八月下旬迄ニ委員ニ報告スル事
一委員前条ノ報告ヲ接手シタルトキハ之ヲ一括ニ編製シ、来九月下旬迄ニ更ニ之ヲ各商業会議所ヘ廻附スル事
一委員ハ必要ト認ムル場合ニ於テ一ノ修正案ヲ起草シ、来十一月上旬迄ニ商業会議所臨時聯合会ヲ開設シ之ヲ議案トシテ提出スル事
一前条臨時聯合会ノ会場ハ委員ノ協議ヲ以テ委員タル会議所々在地ノ中ニ之ヲ定ムルモノトシ、其他聯合会開設ニ関スル手続ハ総テ委員ニ一任スル事


東京商業会議所月報 第四五号・第一六―一七頁 明治二九年五月 【同月 ○四月十三日、本会…】(DK210012k-0006)
第21巻 p.50 ページ画像

東京商業会議所月報  第四五号・第一六―一七頁 明治二九年五月
○同月 ○四月十三日、本会議所副会頭奥三郎兵衛君ハ博多ニ開ク第五回商業会議所聯合会ヘ会同ノ為メ出発ス
○中略
○同月 ○四月十八日、本会議所常議委員梅浦精一君ハ書記長萩原源太郎氏ト共ニ、博多ニ開ク第五回商業会議所聯合会ヘ会同ノ為メ出発ス


東京商業会議所月報 第四七号・第一―二頁 明治二九年七月 【六月三日、本会議所事務…】(DK210012k-0007)
第21巻 p.50-51 ページ画像

東京商業会議所月報  第四七号・第一―二頁 明治二九年七月
○六月三日、本会議所事務所ニ於テ第五十三回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
 加東徳三君 ○外二十一名氏名略
午後六時三十分開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後八時二十分閉会ス
○中略
 - 第21巻 p.51 -ページ画像 
 一、第五回商業会議所聯合会ノ結果ニ就キ委員ヨリ報告ノ件
                        (委員提出)
本件ハ全会一致ヲ以テ其報告ヲ承認ス(報告書ノ全文ハ参照ノ部第四号ニ掲載ス)
此際四番加東徳三君ノ発議ニ依リ全会一致ヲ以テ博多ニ開キシ第五回商業会議所聯合会ヘ出張サレシ奥三郎兵衛・梅浦精一ノ両君ニ向テ其労ヲ謝スルニ決シ、議長ハ全会ヲ代表シテ謝辞ヲ陳ス


明治二十九年四月開設 第五回商業会議所聯合会報告 第六―一三頁 刊(DK210012k-0008)
第21巻 p.51-52 ページ画像

明治二十九年四月開設
第五回商業会議所聯合会報告  第六―一三頁 刊
    ○来会員氏名
各商業会議所ヨリ参会セラレタル委員ノ氏名ハ左ノ如シ(通知順)
 尾道 (副会頭) 石井聿三君
 赤間関(会頭)  松尾寅三君   (会員)  瓜生寅君
 金沢 (会員)  梅田庄七君
 鹿児島(会頭)  宮里正静君   (理事)  奥常次郎君
 四日市(会頭)  井島茂作君
 大津 (会頭)  村田六之助君
 伏見 (副会頭) 江崎権兵衛君  (常議委員)築山三郎兵衛君
 神戸 (理事)  杉山利介君   (会員)  米光源之助君
 堺  (副会頭) 柴谷武次郎君
 桑名 (副会頭) 平野美純君
 名古屋(会頭)  奥田正香君
 大坂 (副会頭) 亀田徳太郎君  (会員)  小泉清左衛門君
 東京 (副会頭) 奥三郎兵衛君  (常議委員)梅浦精一君
 京都 (会頭)  浜岡光哲君   (常議委員)中野忠八君
 静岡 (会頭)  北村五郎兵衛君
 長崎 (会頭)  松田源五郎君  (常議委員)浅田重三郎君
 広島 (会頭)  桐原恒三郎君
 豊橋 (会頭)  三浦碧水君
 知多 (副会頭) 小栗平蔵君   (常議委員)天木嘉祐君
 松江 (副会頭) 山本誠兵衛君
 熊本 (会員)  下田耕造君   (会員)  高島次郎吉君
 浜松 (会頭)  鶴見信平君
 博多 (会頭)  小河久四郎君  (副会頭) 中尾卯兵衛君
各商業会議所ヨリ有志会員トシテ参会セラレタルハ左ノ諸氏ナリ
 大阪 (会員)  五百井長平君
 博多 (副会頭) 太田清蔵君   (常議委員)門司軌君
 博多 (常議委員)是松右三郎君  (特別会員)大野未来君
 博多 (特別会員)高橋光威君
各商業会議所ヨリ参会セラレタル書記長・書記ノ氏名ハ左ノ如シ
 東京 (書記長) 萩原源太郎君  京都(書記) 酒井涼雄君
 伏見 (書記)  越山元之助君  大阪(書記長)浜田健次郎君
 神戸 (書記)  依田昌言君   知多(書記) 鬼頭孫三郎君
 名古屋(書記長) 上遠野富之助君 静岡(書記長)鶴田勇次郎君
 - 第21巻 p.52 -ページ画像 
 尾ノ道(書記長) 栗田胖蔵君   広島(書記長)鹿野悠君
 鹿児島(書記)  三木原正吉君  松江(書記) 岸本玄之助君
 長崎 (書記)  一野喜三郎君  富山(書記長)北村竹四郎君
 熊本 (書記長) 曾我太郎君
○中略
    ○正副会長ノ選定
聯合会ノ正副会長ハ別ニ投票ヲ用ヒス、先例ニヨリ満場ノ要求ヲ以テ主催タル博多商業会議所委員小河久四郎君ヲ会長ニ、同中尾卯兵衛君ヲ副会長ニ推選シタリ
    ○会議ノ開閉
第五回商業会議所聯合会ハ明治二十九年四月二十五日ヲ以テ開会シ、同二十七日ニ至リ閉会セリ
    ○主務官ノ臨場
農商務次官金子堅太郎君ハ聯合会ニ臨場ノ為メ同省参事官有賀長文君ヲ随ヘ四月二十五日午後三時四十分博多ニ来着シ、同二十六日聯合会議場ニ臨席セラレ、一場ノ演説アリタリ


東京商業会議所月報 第四七号・第七―三一頁 明治二九年七月 【参照第四号 六月三日臨時…】(DK210012k-0009)
第21巻 p.52-81 ページ画像

東京商業会議所月報  第四七号・第七―三一頁 明治二九年七月
○参照第四号
 六月三日臨時会議ニ於テ承認セシ第五回商業会議所聯合会出張委員ノ報告書全文ハ左ノ如シ
過般本員等両人全会ノ附託ニ依リ博多ニ於テ開設セル第五回商業会議所聯合会ヘ参会候処、其議事ノ結果ハ概略別紙ノ通リニ有之候、尤該聯合会議事ノ筆記ハ目下博多商業会議所ニ於テ調製中ニテ不日印刷ノ上廻附ノ筈ニ付、委細ノ儀ハ右到達ノ上ニテ御了知相成度、此段及御報告候也
                   委員
                     梅浦精一
  明治二十九年五月二十六日       奥三郎兵衛
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
(別紙)
    本会決議
(継続議案第一号)
一同業組合規則調査報告ノ件(附録イ号参照)
  本件ハ第四回聯合会ニ於テ金沢商業会議所ノ提出ニ係リ、該聯合会ニ於テ宿題ト決シタルモノナリ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上猶之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(継続議案第二号)
一商業会議所条例施行規則中改正ノ件(附録ロ号参照)
  本件ハ第四回聯合会ニ於テ高知商業会議所ノ提出ニ係リ、該聯合会ニ於テ宿題ト決シタルモノナリ、即チ之ヲ会議ニ附スル筈ナリシカ提出者ノ請求ニヨリ之ヲ撤回ス
(継続議案第三号)
 - 第21巻 p.53 -ページ画像 
一万国博覧会開設ノ件(附録ハ号参照)
  本件ハ第四回聯合会ニ於テ堺・広島両会議所ノ提出ニ係リ、該聯合会ニ於テ宿題ト決シタルモノナリ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上其大体ヲ可決ス
(継続議案第四号)
一開港場増設ノ件(附録ニ号参照)
  本件ハ第四回聯合会ニ於テ博多商業会議所ノ提出ニ係リ、該聯合会ニ於テ宿題ト決シタルモノナリ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(継続議案第五号)
一同業組合規則中追加ノ件(附録ホ号参照)
  本件ハ第四回聯合会ニ於テ知多商業会議所ノ提出ニ係リ、該聯合会ニ於テ宿題トシテ決シタルモノナリ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上猶之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第一号)
一商業会議所聯合会規則中改正ノ件(附録ヘ号参照)
  本件ハ四日市商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、商業会議所聯合会規則ニ改正ヲ加ヘ其開期九月トアルヲ五月ト改ムヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第二号)
一海外貿易上金融機関拡張ノ件(附録ト号参照)
  本件ハ大阪商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、海外貿易上金融機関ヲ拡張スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第三号)
一領事官制ノ拡張改良ノ件(附録チ号参照)
  本件ハ大阪商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、領事官制ヲ拡張改良スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ、且ツ議会ニ請願スベシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上、其大体ヲ可決ス
(議案第四号)
一税関規則中改正ノ件(附録リ号及ヌ号参照)
  本件ハ赤間関商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、税関規則中改正ヲ加ヘ、帝国臣民所有ノ船舶ニシテ亜細亜洲沿岸及南洋諸島ニ来往スルモノニ限リ、外国通航船入出港手数料ヲ免除スルハ必要ニ付、之ヲ大蔵大臣ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上委員ニ調査ヲ附託スルニ決シ、其後委員ハ原案ヲ修正シテ、右外国通航船入出港手数料ハ入出港一回ニ付船舶ノ登簿噸数一噸毎ニ金一銭五厘ツヽヲ徴収スヘシト云フノ趣旨ニ改メ報告シタルニ付、更ニ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第五号)
 - 第21巻 p.54 -ページ画像 
一山陽鉄道線路中三田尻・赤間関間ノ鉄道急設ノ件(附録ル号参照)
  本件ハ赤間関商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、山陽鉄道線路中三田尻・赤間関間ニ鉄道ヲ急設スルハ必要ニ付、之ヲ逓信大臣ニ建議シ且ツ山陽鉄道会社ニ勧告スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第六号)
一中等実業教育国庫補助金下附ノ件(附録ヲ号参照)
  本件ハ赤間関商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ中等実業教育ニ対シ実業教育国庫補助金ヲ下附スルハ必要ニ付、之ヲ文部大臣ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第七号)
一職工保護ニ関スル法律制定ノ件(附録ワ号参照)
  本件ハ松江商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、職工保護ニ関スル法律ヲ制定スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ会議ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ否決ス
(議案第九号)
一聯合協定ニ依リテ民勢ヲ調査スルノ件(附録カ号参照)
  本件ハ広島商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、各商業会議所聯合シテ民勢ヲ調査スルモノトシ、定期全国一括ノ報告書ヲ編製スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ廃棄ス
(議案第十号)
一生皮輸入税廃止ノ件(附録ヨ号参照)
  本件ハ広島商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、生皮輸入税ノ廃止ハ製産奨励上必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上、之ヲ宿題トシテ更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第十一号)
一農商工会設置ノ件(附録タ号参照)
  本件ハ堺商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、実業ニ関スル法律命令及其施設ニ関スル諮問ノ府トシテ農商工会ヲ設置スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ提出者ノ請求ニ係リ之ヲ撤回ス
(議案第十二号)
一清国漢口ニ領事館ヲ設置スルノ件(附録レ号参照)
  本件ハ神戸商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、清国漢口ニ領事館ヲ設置スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上、本件ハ特ニ之ヲ審議スルヲ要セス、既ニ可決シタル議案第三号(大坂商業会議所ノ提出ニ係ル領事官制ノ拡張改良ノ件)ノ範囲内ニ於テ之ヲ審査スルニ決ス
(議案第十三号)
 - 第21巻 p.55 -ページ画像 
一統計条例制定ノ件(附録ソ号参照)
  本件ハ長崎商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、統計条例ヲ制定シテ精確ノ統計ヲ期スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第十六号)
一商業会議所条例中設立地分合ノ手続ニ関シ改正ノ件(附録ツ号参照)
  本件ハ高知商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、商業会議所条例中ニ改正ヲ加ヘ会議所設立地分合ノ手続ヲ規定スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、然ルニ本件ハ提出者ノ参会ナキヲ以テ之ヲ議題トセサルニ決ス
(議案第十八号)
一電信料軽減ノ件(附録ネ号参照)
  本件ハ博多商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、電信料ヲ軽減シ電信ノ利用ヲ増進スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ、且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ宿題トシテ更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第十九号)
一国費ヲ以テ工業試験場ヲ設置スルノ件(附録ナ号参照)
  本件ハ金沢商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、内地工業ノ発達ヲ助長シ重要輸出品ノ改善ニ資センカ為メ、国費ヲ以テ工業試験場ヲ設置スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ会議ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ否決ス
    協議会決議
(協議案第一号)
一営業税法調査ノ件(附録ラ号参照)
  本件ハ東京商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、各商業会議所ニ於テ営業税法ヲ研究シ互ニ其意見ヲ相通知スルモノトシ、各商業会議所中数ケ所ノ会議所ヲ委員ト定メ之カ斡旋方ヲ託シ、且ツ必要ノ場合ニ於テハ委員ヲシテ修正案ヲ起草セシメ臨時聯合会ヲ開設シテ之ヲ提出セシムヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ付シタルニ衆議ノ上之ヲ可決シ、猶委員ノ職務ハ東京商業会議所ニ之ヲ全任スルニ決ス
(協議案第二号)
一広軌鉄道ノ得失調査ノ件(附録ム号参照)
  本件ハ東京商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、各商業会議所ニ於テ広軌鉄道ノ得失ヲ研究シ、来八月下旬迄ニ其意見ヲ定メ、必要ノ場合ニ於テハ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(協議案第三号)
一航路拡張ニ関スルノ件(附録ウ号参照)
  本件ハ京都商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ航路拡張、航海奨励ノ為メ船舶所有者及貨主間ノ大団結ヲ形成スルノ方法ヲ講スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
 - 第21巻 p.56 -ページ画像 
(協議案号外)
一航海奨励法及造船奨励法ニ規定スル噸数ノ制限ヲ軽クスルノ件
  本件ハ協議案第三号(京都商業会議所ノ提出ニ係ル航路拡張ニ関スルノ件)審議ノ際東京商業会議所委員ノ提出ニ係リ、其要旨ハ航海奨励法及造船奨励法ニ規定スル噸数ノ制限ハヤヽ重キニ失シ充分奨励ノ目的ヲ達シ難キノ恐アルニ付、一層之ヲ軽クスベシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(協議案第四号)
一商業会議所条例中商業者及会員選被選権資格ノ基礎改正ノ件(附録ヰ号参照)
  本件ハ京都商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、商業会議所条例中商業者ト称スルハ営業税法第一条ニ掲ケタル営業ヲ為ス者トシ又会員ノ選被選権ヲ有スル財産資格ハ営業税ヲ納ムル者ト改正スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議スベシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第八号)
一生命保険業ニ関スル法律制定ノ件(附録ノ号参照)
  本件ハ松江商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、生命保険ニ関スル法律ヲ制定スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スベシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上、生命ノ二字ヲ削リ、之ヲ宿題トシテ更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第十四号)
一海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ件(附録オ号参照)
  本件ハ長崎商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、近時朝鮮及南洋「トラツク」島ノ状況ニ徴スルニ特ニ海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ必要アルニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上之ヲ可決ス
(議案第十五号)
一信用組合法制定ノ件(附録ク号参照)
  本件ハ広島商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、信用組合法ヲ制定シ中産者以下ノ金融ヲ疏通スルハ必要ニ付、之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ協議会ニ附シタルニ衆議ノ上其大体ヲ可決シ、猶本件ハ提出者ニ主査ヲ託シ宿題トシテ、更ニ次回ノ聯合会ニ於テ審議スルニ決ス
(議案第十七号)
一関門海峡ニ海底鉄道ヲ布設スルノ件(附録ヤ号参照)
  本件ハ博多商業会議所ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、馬関・門司間ニ海底鉄道ヲ布設シ、内地ト九州トノ両鉄道ヲ連絡スルハ必要ニ付之ヲ政府ニ建議シ且ツ議会ニ請願スヘシト云フニ在リ、即チ之ヲ
 - 第21巻 p.57 -ページ画像 
協議会ニ附シタルニ提出者ノ請求ニ依リ之ヲ撤回ス
右之外猶協議会ニ於テ左ノ件々ヲ議決ス
  一第六回聯合会ノ開会地ハ広島ト定メ、明治三十年五月同地ニ於テ之ヲ開設スル事
  一開会ノ期日ハ追テ広島商業会議所ニ於テ之ヲ指定シ、各商業会議所ニ通知スル事
  (附録イ号)
○継続議案第一号          金沢商業会議所調査報告
    同業組合規則案
第一条 農工商ノ業ニ従事スルモノニシテ同業ヲ営ミ其営業上ノ利害ヲ共ニスルモノ組合ヲ設ケントスルトキハ、適宜ニ地区ヲ定メ、其地区内同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ規約ヲ作リ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
第二条 同業組合ハ同盟中営業上ノ弊害ヲ矯メ其利益ヲ図ルヲ以テ目的ト為ス可シ
第三条 同業組合ノ規約ニ掲クヘキ事項ハ左ノ如シ
 第一項 組合ヲ組織スル業名及組合ノ名称
 第二項 組合ノ地区及事務所ノ位置
 第三項 目的及方法
 第四項 役員ノ選挙法及権限
 第五項 会議ニ関スル規程
 第六項 加入者及退去者ニ関スル規程
 第七項 費用ノ徴収及賦課法
 第八項 違約者処分ノ方法
 右ノ外組合ニ於テ必要トナス事項
第四条 組合ノ設アル地区内ニ於テ組合員ト同業ヲ営ミ営業上ノ利害ヲ同フスル者ハ必ス其組合ニ加盟スヘシ
  但事業ノ目的及方法ヲ異ニスルカ為メ加盟シ難キカ、或ハ加盟ヲ拒ムヘキ事情アルトキハ、管轄庁ニ申出テ其認定ヲ請フヘシ
第五条 同業組合ハ同業組合ノ資格ヲ以テ営利事業ヲ為ス事ヲ得ス
第六条 同業組合ハ総テ其事蹟及費用決算表ヲ毎年管轄庁ニ報告スヘシ
第七条 同業組合員ハ規約ヲ遵守シ、費用ヲ負担スルノ義務アルモノトス
第八条 規約ヲ改正スルトキハ更ニ認可ヲ請フヘシ
第九条 分立又ハ合併スルトキハ更ニ規約ヲ作リ認可ヲ請フヘシ
第十条 同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ其規約ヲ作ルトキハ管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
  但其聯合二府県以上ニ渉ルトキハ開会地管轄庁ヲ経由シテ農商務省ノ認可ヲ請フヘシ
第十一条 商業会議所々在地ニ於テ組合規約ノ認可ヲ請フ者アルトキハ地方長官ハ商業会議所ノ意見ヲ諮問スヘシ
第十二条 本則ハ専ラ府県内重要物産及重要商品ノ改良発達ニ関スル農商工業者ノ組合ニ限リ適用スルモノトス
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  但重要物産及重要商品ノ標準ハ別ニ附則ヲ以テ之ヲ定ム
第十三条 本則第四・第五・第七条ニ違反シタルモノハ金弐円以上弐拾五円以下ノ罰金ニ処ス
    附則案
同業組合規則第十二条重要物産及重要商品ノ標準ハ左ノ如シ
 一海外輸出品
 一内地需用ノ物品ニシテ一箇年間壱万円以上他府県ヘ輸出スルモノ

     理由
 第一条乃至第十一条ハ第二回聯合会調査委員ノ報告ト同一ナレハ今更ニ説明セズ
 第十二条ヲ加ヘタルハ本則ヲ一般ノ農工商業者ニ適用セサルカ為メナリ、元来本則ハ営業ノ自由ヲ検束スルコト少シトセズ、其制裁亦甚タ軽カラズ、之レヲ一般ノ農工商業ニ適用センカ、苟モ同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ組合ヲ組織スル以上ハ、他ノ三分ノ一ノモノハ如何ニ之レニ不同意ナルモ必ス之レニ加盟セサルヘカラス、加盟セサレハ直ニ制裁ヲ受ケサル可ラス、営業ノ自由ヲ撿束セラルヽ蓋シ之レヨリ甚シキハナカルヘシ、然レドモ海外輸出品若クハ内地向ノ物産ト雖モ一地方ノ福利ヲ増進スヘキモノニ付テハ、粗製濫造ノ弊ヲ矯メ、競争販売ノ害ヲ除キ、国家ノ利益ヲ企図センニハ勢ヒ同業者ノ団結ナカルヘカラス、則チ国家的利益ノ為メニハ己人ノ自由ハ多少之レヲ犠牲ニ供セサル可ラサルナリ、明治十八年農商務省達第三十五号ニ依レハ、現行ノ準則モ亦管下重要物産ノ改良蕃殖ニ関スル農工商業者ノ組合ニ限リ適用スルノ主意ニ外ナラス、本則ハ之レヲ条項中ニ明定シタルノミ
 重要物産及重要商品ノ標準ヲ附則ヲ以テ定ムルコトヽシタルハ、時時変更スヘキ必要アルヲ予想シタルニ外ナラス
 第十三条ノ存否ハ第二回聯合会以来議論ノ焦点ナリト雖トモ、凡ソ法律規則ニハ必ス制裁ナカルヘカラズ、制裁アリテ強制力アリ、強制力ナクンハ寧ロ法律規則ナキニ若カス、何トナレバ人ヲシテ之レニ服従セシムル能ハサレハナリ、明治二十三年勅令第二百八号ハ各省大臣ニ許スニ一定ノ範囲内ニ於テ罰金処分ヲ行フノ権ヲ以テセリ本条ハ此勅令ニ依拠セルナリ、若シ夫レ本規則ニ本条ナクンバ所謂竜ヲ画テ点青《(睛)》ヲ誤ルモノト何ゾ択バン、是レ本条ヲ存シタル所以ノ大要ナリ

 (参照)
     同業組合準則 明治十七年十一月二十九日農商務省達第三十七号
 第一条 農工商ノ業ニ従事スルモノニシテ同業者或ハ其営業上ノ利害ヲ共ニスルモノ組合ヲ設ケントスルトキハ、適宜ニ地区ヲ定メ其地区内同業者四分ノ三以上ノ同意ヲ以テ規約ヲ作リ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
 第二条 同業組合ハ同盟中営業上ノ弊害ヲ矯メ、其利益ヲ図ルヲ以テ目的ト為スヘシ
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 第三条 同業組合ノ規約ニ掲クヘキ事項ハ左ノ如シ
  第一項 組合ヲ組織スル業名及組合ノ名称
  第二項 組合ノ地区及事務所ノ位置
  第三項 目的及方法
  第四項 役員ノ選挙法及権限
  第五項 会議ニ関スル規程
  第六項 加入者及退去者ニ関スル規程
  第七項 費用ノ徴収及賦課法
  第八項 違約者処分ノ方法
  右ノ外組合ニ於テ必要ト為ス事項
 第四条 組合ノ設ケアル地区内ニ於テ組合員ト同業ヲ営ムモノハ其組合ニ加盟スヘシ
   但事業ノ規模及趣向ヲ異ニスルカ為メ加盟シ難キカ、或ハ加盟ヲ拒ムヘキ事情アルトキハ、管轄庁ニ申出テ其認定ヲ請フヘシ
 第五条 同業組合ハ同業組合ノ資格ヲ以テ営利事業ヲ為ス事ヲ得ス
 第六条 同業組合ハ総テ其事蹟及費用、決算表ヲ毎年十二月管轄庁ヘ報告スヘシ
 第七条 規約ヲ改正スルトキハ更ニ認可ヲ請フヘシ
 第八条 分立又ハ合併スルトキハ更ニ規約ヲ作リ認可ヲ請フヘシ
 第九条 同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ其規約ヲ作ルトキハ管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
   但其組合二府県以上ニ渉ルトキハ開会地管轄庁ヲ経由シテ農商務省ノ認可ヲ請フヘシ
  (附録ロ号)
○継続議案第二号            高知商業会議所提出
商業会議所条例施行規則中ヘ、既設商業会議所地区内ヘ他ノ市町村ヲ編入シ、又ハ既設商業会議所ノ地区内ヨリ市町村ヲ分離スル手続ヲ、規定セラレン事ヲ各会議所ヨリ農商務大臣ニ建議スル件
 (理由) 明治二十三年法律第八十一号商業会議所条例及同二十八年法律第二十三号同条例改正、並ニ同二十三年(九月)農商務省令第十二号ヲ以テ商業会議所設立手続及会員選挙手続等夫々規定セラレタレトモ、唯リ商業会議所ヘ他ノ市町村ヲ編入シ、又ハ既設商業会議所ヨリ其地区内ニ在ル市町村ヲ分離スル手続ハ未ダ規定セラレサルニ依リ、分合実施ノ際疑惑スル義モ有之ヲ以テ速カニ是ノ規定アラン事ヲ希望ス
  (附録ハ号)
○継続議案第三号             堺商業会議所提出
    万国博覧会開設ノ件
外国貿易ノ振張及内地商工業ノ発作ヲ幇助奨励センカ為メ、我国ニ万国博覧会ヲ開設セラルヽヲ必要ト認メ、農商務大臣ニ建議シ、貴衆両議院ニ請願スル事
 (理由) 外国貿易ノ振張ニ、内地商工業ノ発作ニ、籌画経営シ以テ国家永遠富強ノ基礎ヲ立ルノ一日モ忽カセニスヘカラサルハ玆ニ喋々ヲ要セス、殊ニ今ヤ東洋ノ平和ヲ克復セラレ、我国ハ之ガ盟主
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タルノ地歩ヲ占ムルニ至リタルヲ以テ、将来一層力ヲ玆ニ致サルヽヘカラサルナリ、而シテ之カ手段トシテ採択実行スヘキ要件ハ固ヨリ一途ニアラサルヘシト雖モ、其方法ノ一トシテ我国ニ万国博覧会ヲ開設セラルヽヲ必要ト認メタリ、果シテ之ヲ開設セラレタルトキハ、博覧会其物ノ性質トシテ内外各国ノ製産品ヲ一場ニ蒐集シ、彼此校較審案スル上ニ於テ相互ニ利益スル所勝テ数フヘカラス、其結果ハ内国製産品ノ改良、輸出販路ノ拡張等諸般ノ便益ヲ獲得シ、以テ外国貿易ノ振張、内地商工業ノ発作ヲ幇助シ、著大ナル効顕アルヘシト認信ス、果シテ然ルトキハ国家永遠富強ノ基礎此ニ於テ乎自ラ確立スルノ日ニ会スルヤ疑ヒ無シ、而シテ其開設ノ時期、会場ノ位置、出品ノ種類及諸般ノ設計、経費予算等ヲ定ムルニハ且ラク当路ノ経営ニ任スト雖モ、可及的速ニ此等ノ諸件ヲ決定シテ本会ヲ開設セラレン事ヲ切望シテ止マサルナリ
                    広島商業会議所提出
    数年ノ後ヲ期シテ万国大博覧会ヲ本邦ニ開設アラム事ヲ政府ニ開申スル事
我国輓近国力増進ノ効果大ニ海外貿易ノ気勢ヲ加ヘ、加フルニ日清事変発生以来国勢発揚ノ及フ所、今ヤ彼国肆店本邦商品ヲ排陳セサル者ハ相衒フノ資ナキヲ感スルニ至レリ、然リト雖モ東西傜俗ノ等シカラサル、毀誉褒貶尚ホ多ク其要ヲ得スシテ、未タ以テ彼等満腔ノ嗜好愛玩ヲ惹クコト能ハサル者アルカ如シ、是ノ時ニ当リテ彼等諸洲ノ人ヲシテ本邦美俗ノ真情ヲ解セシメ、工芸美術ノ精髄ヲ暁ラシメムハ其道一ニシテ足ラスト雖トモ、玆ニ数年ノ後ヲ期シテ万国大博覧会ヲ開設シ、以テ広ク彼等ノ出遊観風ヲ誘致シ、厚ク彼等ノ目撃耳触ニ訟フアラム乎、其影響ノ及フ所効果決シテ戸説家諭ノ比ニ非ラサルナリ、是レ本案ヲ提出シテ以テ本会ノ評決ヲ求メムト欲スル所以ナリ、若夫其施設方法並準備等ニ至リテハ聊其説無キニ非ラスト雖ドモ、要ハ暫ク之ヲ我政府有司ニ一任スル所アルヲ可ナリトス
  (附録ニ号)
○継続議案第四号            博多商業会議所提出
    開港場増設ノ意見ヲ其筋ニ開申請願スルノ件
明治二十七・八年ノ戦役局ヲ終ヘ国家ノ威力宇内ヲ圧シ、戦勝ノ勇名ヲ轟カシタルモ、未タ我国商戦ノ実力ハ之レヲ世界ニ誇ルニ足ラサルナリ、今ヤ国家ノ大問題タル条約改正ハ国民ノ輿望ヲ達シ、英・米・以・露ノ各国ハ既ニ改正条約批準公布セラレタレハ、従来我商人カ商業上ニ蒙リタル不利益ヲ挽回シ巨多ノ弊害ヲ一洗シ彼我貿易ノ福利ヲ享受スルノ日モ亦将サニ数年ヲ出テサルヘシ、此際内国ノ産業ヲ振起シテ外国貿易ノ進捗ヲ図ルハ時務最モ急要ニシテ、商工業者カ対外ノ経営上此好機ヲ失スヘカラサルナリ、按スルニ我国比年外国貿易ノ発達ヲ致シ、国富ヲ増大ナラシメタルハ統計ノ証スル所敢テ疑フトコロナシト雖モ、之レヲ欧洲諸国ノ貿易額ニ較照シ来レハ其数量最モ下等ニ位シ、真ニ憐ムヘキノ有様ヲ呈シタルニアラスヤ、夫レ然リ今ノ時ニ当リ此遅々タル通商貿易ノ振作ヲ図リ益々国富ヲ増大ナラシムルノ道ハ他ナシ、現今開港場ノ外ニ新タニ枢要ノ港ヲ開キテ互市場トナシ
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以テ彼我ノ便益ヲ図リ貨物ノ積卸ヲ容易ナラシムル事之ニ勝ルモノナカルヘシ
抑今日開港場ノ過少ナルカ為メ十分ノ用ヲナサス、一方ニハ貨物ノ堆積シテ之レヲ出スノ関門ナク、一方ニ迂廻シテ輸出ノ搬路ヲ得ル、何ゾ徒ラニ運賃ト時間ヲ消費スルハ経済上ノ不利笑フヘキノ至リナラスヤ、而カモ現今特別輸出港制ノ如キハ単ニ輸出ヲノミ許シテ彼ニ輸入ノ便ヲ与ヘス、其不完全ニシテ効用ノ少ナキハ実ニ現況ニ観ル所ナリ故ニ開港場増設ノ必要ナル事ハ既ニ輿論ノ公認スル所ニシテ、独リ余輩カ云フノミニアラス、曩ニ四日市商業会議所ハ之レカ増設ヲ急務トシ、其筋ニ意見ヲ開申シタルナリ、蓋シ余輩ハ今更喋々詳論ヲ須ヒス港場ヲ開ク事ノ容易ニナシ得ヘクシテ、殊ニ国庫ヲ富マスノ財源タルヘケレハ、当局者モ亦実ニ之レヲ否トセラレサルヘキヲ信スレハナリ今夫レ征清事件ノ結果ト云ヒ、条約改正ノ成行ト云ヒ、誠ニ国家経済ノ前途ヲシテ多望ナラシメ、幸ニ通商貿易ヲ振作セシムヘキ機運ニ遭遇セリ、依テ今回全国商業会議所聯合会ノ決議ヲ以テ政府ニ開申シ、貴衆両院ニ請願セン事ヲ欲ス、若シ夫レ増設ノ位置ニ至リテハ当局者ノ選択ニ一任スト雖、各商業会議所所在地方枢要ト見認ムル港場ハ之レカ調査ヲ遂ケテ参考ニ供スレハ亦至要ノ事ナリト信ス
  (附録ホ号)
○継続議案第五号            知多商業会議所提出
    組合規則中左ノ条項ヲ追加挿入スル件
第 条 組合ノ経費ハ組合員ヨリ徴収ス、其徴収方法ハ組合会ノ議決ヲ以テ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ、経費ヲ納期ニ納メサル者アルトキハ其組合員居住地ノ市町村収入役ニ嘱托スルコトヲ得
 収入役ノ督促ヲ受クルモ経費ヲ納メサル者アルトキハ、壱年以上四年以下組合会議ニ与ル権利ヲ停止シ、百円以下ノ過料ニ処ス
  (理由) 組合維持ノ難易ハ多ク経費徴収方法其手続ノ繁簡如何ニアリ、若シ此条項ノ挿入スルコトヲ得ハ一ハ以テ組合維持ノ制裁力トナリ、一ハ以テ組合事務取扱ニ簡便ヲ与ヘントス、之レ本条ヲ追加挿入セントスル所以ナリ
  (附録ヘ号)
○第一号議案             四日市商業会議所提出
    商業会議所聯合会規則中改正ノ件
第五条中「九月」トアルヲ「五月」ト改ム
 (理由) 従来定期聯合会ハ毎年九月ニ之ヲ開ケリト雖モ、同月ハ往往悪疫流行ノ時季ニ際スルノミナラス、帝国議会ノ開院ニ切迫シ居ルヲ以テ、特別ノ調査ヲ要スル問題ハ縦令聯合会ニ於テ議決スルモ之ヲ其期ノ帝国議会ニ請願ノ手続ヲ為ス能ハサル事之ナシトセス、然ルニ五月ハ右等ノ差支少ナキノミナラス、気候モ清和ニシテ且ツ長日ノ時節ニ付、議事ノ進行上ニ於テモ頗ル好都合ナラント信ス、是レ本条ノ改正ヲ希望スル所以ナリ
第十条中「八月十日」トアルヲ「四月二十日」ト改ム
 (理由) 本条ノ改正ハ前条改正ノ結果ニ依ルノミ、但シ十日ヲ廿日ト改メタルハ従来ノ事例ニ鑑ミ議案送付ノ期限ヲ緩ニセルニ外ナラ
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 (参照)
 第五条 会議ハ定期・臨時ノ二種ニ分ツ、定期会ハ毎年九月ニ之ヲ開キ、臨時会ハ聯合各会議所中五ケ所以上ノ請求ニ依リ開会スヘシ
 第十条 定期会ニ提出セントスル議案ハ理由書又ハ参考書ヲ添ヘ、八月十日マテニ幹事ニ送致スヘシ
  幹事ハ開会時日ヲ定メ三週間以前ニ之ヲ聯合各会議所ニ送附スヘシ
   但臨時会ノ場合ニ於テハ開会二週間以前ニ通知スルモ妨ゲナシ
  (附録ト号)
○第二号議案              大阪商業会議所提出
    海外貿易上金融機関拡張ニ関スル意見書並ニ請願書ヲ其ノ筋ニ提出スルノ件
我カ国力ヲ増大シ我カ民福ヲ増進スル幾多手段中、今日ニ於テ最モ必要ナルヲ直輸出入貿易ノ発達トス、而シテ直輸出入貿易ノ発達タル決シテ朞月ニシテ之ヲ能クスヘキモノニアラサルノミナラス、朝野心ヲ一ニシ経営努力以テ之ヲ援助スル所ノ諸機関ノ具備完全ヲ謀ルニアラサレハ、到底良果ヲ迅速ニ収ムルコト能ハサルナリ
直輸貿易ノ発達ヲ助成スルニ必要ナル機関ハ固ヨリ一ニシテ足ラスト雖モ、就中最モ必要ナルヲ交運業ト金融業トノ二業トス、交運・金融ノ二業ノ商工業ニ於ケルハ猶ホ双翼ノ鳥ニ於ケルカ如ク、又両輪ノ車ニ於ケルカ如キナリ、若シ其ノ一ニシテ不備不完全ナラシメンカ、商工業殊ニ直輸貿易上見ルヘキノ発達ヲ期スヘカラサルナリ、況ンヤ両者ノ共ニ不備不完全ナルヲヤ
交運業ニ関シテハ近時朝野人士ノ大ニ注意スル所トナリ、今ヤ幸ニシテ漸ク拡張ノ端緒ヲ開キ、前途多望ノ勢運ニ上ラントス、国家ノタメ真ニ慶賀スヘキノ至ナリト謂フヘシ
然ルニ翻テ我カ金融業ノ現状ヲ顧レハ国内商工業上ノ機関トシテ稍々見ルヘキノ功ヲ奏セリト雖モ、其ノ海外貿易ヲ助成スルノ機能ニ至リテハ、未タ幼弱不備ノ境涯ヲ脱スルコト能ハス、試ニ我カ国ニ存立スル百三十五ノ国立銀行(此ノ資本総額六千参百参拾余万円)及ヒ八百有余ノ私立銀行(此ノ資本総額八千余万円)中、横浜正金銀行其ノ他二・三ノ銀行ヲ除キ、支店又ハ代理店ヲ海外ニ設ケ、若クハ外国銀行ト特約ヲ結ヒテ為替取組ノ業務ヲ営ムモノ果シテ幾行カアル、憶ヒテ此ニ到レハ転タ痛嗟ニ堪ヘサルナリ、斯ノ如キ不備不完全ナル金融機関ヲ以テ直輸貿易ノ発達ヲ望ム、其ノ進歩ノ渋難ナル固ヨリ怪シムニ足ラサルナリ、我カ交運業ニシテ幸ニ拡張セラルヽニ至ルモ之ト同時ニ金融機能ニシテ適度ノ振作ヲ謀ルニアラサレハ、其ノ効果或ハ予望ニ副フコト能ハサラントス、之ヲ要スルニ、今日ニ於テ海外ニ対スル金融機関ノ完備ヲ謀リ其ノ活動ノ円満ヲ計ルハ、国家経済ノ上ヨリスルモ、将タ又個人経済ノ上ヨリスルモ、実ニ急務中ノ急務ナルモノナリ
果シテ然ラハ対外金融機能ノ完備円満ヲ期スルニハ当ニ如何スヘキ乎
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他ナシ一方ニ於テハ有力ナル金融業者ヲ勧誘シ、自ラ進ミテ海外要地ニ支店若クハ代理店ヲ開設セシムルト同時ニ、一方ニ於テハ適宜ノ方案ヲ画出シ、国庫ノ補助ヲ与ヘテ業務ノ進歩ヲ速致スルニアルノミ
或ハ説ヲ為ス者アラン、曰ク、海外貿易ハ主ナリ、金融ハ従ナリ、海外貿易ニシテ進歩セハ金融機能ノ如キハ自然ノ必要ニ迫ラレ自ラ海外ニ其ノ勢力ヲ張ルニ至ルヘキナリ、今日ニ於テ強テ之ヲ奨励シ之ヲ保護スルカ如キハ不自然ナリ、人工的ナリ、故ニ其ノ労費大ニシテ其ノ効果却テ小ナルヲ免レサルヘシト、此ノ説タル経済自然ノ発達ニ関スル原理常則ノミヲ知リテ、変通機ヲ制スルノ道ヲ弁セサル者ノ言ノミ世界現実ノ大勢ニ対シ、我カ国今日ノ時運ニ際シ、徒ラニ自然ノ発達ニ一任シテ其ノ他ヲ顧サルカ如キハ決シテ識者ノ為サヽル所ナリ、況ンヤ社会事物ノ関係ノ複雑ナル、其ノ活動作用ノ常ニ連環性ヲ有スルヤ、時ニ或ハ従ナル事業ヲ先キニシテ、以テ主タル目的事業ノ発達ヲ誘起振作スルノ却テ得策タリ捷径タルコトアリ、彼ノ鉄道ノ布設ト地方生産力ノ発達トノ関係ノ如キ即チ是ナリ、今日ニ於テ直輸貿易ノ発達ヲ期スルカタメニ、先ツ大ニ対外金融機能ノ拡張ヲ奨励保護スルノ必要ヲ説クモ亦全ク此ノ理ニ外ナラサルナリ、不自然ノ業、人工的ノ事是レ全ク自然ヲ助ケ天工ヲ補フニ外ナラサルナリ、是レ玆ニ本案ヲ提出シテ速ニ賛可セラレンコトヲ希望スル所以ナリ、然リ而シテ補助ノ範囲・方法・年限・制裁・監督等ノ諸点ニ至リテハ当局者ニ於テ十分審議セラレンコトヲ切望スルハ勿論、各商業会議所ニ於テモ夫々精査立案ノ上速ニ其ノ筋ニ建議並ニ請願シテ、其ノ目的ヲ達スルニ尽力セラレンコト冀望ノ至ニ堪ヘサルナリ
  (附録チ号)
○第三号議案              大阪商業会議所提出
    領事官制ノ拡張改良ニ関シ意見書並ニ請願書ヲ其筋ニ提出スルノ件
抑々領事ナルモノヽ職分ハ駐在国ニ於ケル一般商工業ノ景況ヲ始トシ各種商品ノ需要供給ノ関係ヲ調査シ、殊ニ自由商品ニ対スル彼ノ評判ヲ吟味シ、又彼ノ市場ニ於テ我カ商品ト競争シ若クハ競争セントスル所ノ他国産品ノ動静ヲ査究シ、能ク彼ノ嗜好ヲ討尋シテ之ヲ本国ニ通報シ、或ハ商品輸致ノ方法手続ヲ示シ、交通運搬上ノ事情ヲ告ゲ、金融市場ノ状勢ヲ報スル等百方本国人ニ注意ヲ与ヘ、以テ当業者ヲ利導スルヲ以テ主要任務ト為スヘキモノナリ、即チ国家ニ対シ領事カ負フ所ノ責任ハ極テ重キモノナルト同時ニ、其ノ本国ニ及スヘキ利恵モ亦極テ大ナルモノナリ、是ヲ以テ領事官制ノ完不完ハ実ニ国家経済ノ興廃上与リテ大ニ力アルモノナリトス
熟々我カ領事官制ノ実況ヲ察スルニ、年ヲ逐ヒテ漸次改善ノ実ヲ挙クルニ至リタリト雖モ、我カ国現当ノ情勢ニ対シテハ未タ以テ完全ナリト謂フヘカラス、是レ玆ニ当局者ニ対シ敢ヘテ数条ノ希望ヲ開陳シ、併テ其ノ速ニ採用実行セラレンコトヲ切望スル所以ナリ
第一 領事増置ノ事 領事ヲ派駐スヘキ国柄ハ種々一様ナラサルモノニシテ、其ノ国情ニ従ヒ、彼我ノ関係ニ応シテ、夫々適当ナル領事ヲ配置セサルヘカラザルノミナラス、殊ニ我カ通商ノ利益上重大ナ
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ル関係ヲ有スル邦国ニハ最モ能ク人材ヲ撰ミ、且ツ多数ノ領事ヲ派駐セシメサルヘカラス、我カ政府カ近年東洋諸国ニ多ク領事ヲ駐在セシムルニ至リタルハ大ニ慶賀スヘキ所ナリト雖トモ、而カモ未タ之ヲ以テ満足スルヲ得サルナリ、即チ彼ノ濠洲ノ如キハ将来我カ通商貿易上甚大ナル関係ヲ有スヘキモノナルカ故ニ、シドニー・メルボルンノ両港ニハ是非速ニ適任領事ヲ派駐セシメラレンコトヲ切望ス、其他独逸漢堡府ノ如キ、又白耳義アントウエルプ港ノ如キモ亦大ニ其ノ必要ヲ見ルモノナリ、勿論此等ノ諸要地ニハ名誉領事ヲ置キ、外国人士ニ嘱托シテ領事ノ職務ヲ執ラシメツヽアリト雖モ、此等諸要地ニハ必スヤ我カ邦人ヲ派シテ領事タラシメサルヘカラス、何トナレハ縦令所謂名誉領事ニシテ如何ニ誠実ニ我カ利益ヲ謀ルコトアラシムルモ、其ノ熱心ノ度、其ノ利害ヲ感スルノ度、決シテ我カ邦人カ我カ邦家ノタメニ尽ス所アルニ若カサルヘキハ、普通ノ情理ニ照シテ最モ明ナル所ナレハナリ、況ンヤ以下列挙スル諸多希望ノ点ノ幸ニシテ採用セラレタルノ暁ニ於テヲヤ、是ヲ以テ先ツシドニー・メルボルン・漢堡・アントウエルプ等ニ領事ヲ置キ、漸次更ニ他ノ諸要港ニモ亦名誉領事ニ代フルニ我カ領事ヲ以テセラレンコトヲ切望ス
第二 領事ノ撰任ヲ鄭重ニスル事 従来我カ政府ニ於テ領事ヲ撰抜任用セラルヽヤ固ヨリ十分注意ヲ施シ適任者ヲ挙ケンコトヲ力メツヽアルハ毫モ疑フヘキ所ニアラスト雖モ、今後ハ更ニ一層ノ注意ヲ此ノ点ニ加ヘラレンコトヲ希望ス、即チ領事タルヘキ者ハ学識アリ、経験アリ、徳望アル者タラサルヘカラサルハ固ヨリ論ナシト雖モ、其ノ性質ニ至リテハ彼ノ豪放ニシテ細事ニ拘ハルヲ屑シトセサル所謂英雄豪傑風ノ士ヲ採ランヨリハ、寧ロ篤実勤勉ニシテ細ニ謀リ懇ニ行ヒ、事ヲ執リテ倦マス、業ニ従ヒテ怠ラサル者ヲ撰ムヘキナリ又其ノ年齢ノ点ヨリシテ言ヘバ、血気盛ニシテ思慮未タ熟セサル少壮者ヲ採ラスシテ、四十前後ノ所謂分別盛ノ年齢者ヲ以テ之ニ充テサルヘカラス、勿論吾カ邦今日ノ如ク年齢ト学識ト経験ト適合相応セル者ヲ得ルコト難キノ事情アル場合ニ於テハ、往々将来有望ノ少壮者ヲ挙ケテ領事ニ任用スルノ実際ニ止ムヲ得サルモノアルヘシト雖モ、人材ノアル限リ事情ノ許ス限リハ、些々タル情実内規ニ拘束セラレスシテ、実験ト学識トヲ併有セル適齢者ヲ採用センコトヲ切望ス、又其ノ学識ノ点ヨリ之ヲ論スレハ、領事タル者ハ固ヨリ政治的・法律的及ヒ経済的思想ヲ具有スルヲ要スト雖モ、而カモ其ノ常務本職上法律的思想若クハ政治的思想ヨリハ、寧ロ経済的思想ノ多少ニ重キヲ置クヲ以テ当ヲ得タルモノナリト信ス、何トナレハ領事トシテ駐在国ニ於ケル産業ノ実想ヲ視察シ、商業ノ趨勢ヲ観査シ、市場ノ動静ヲ探究シテ以テ我カ殖産工業ヲ誘掖シ、我カ通商貿易ヲ増進センコトヲ謀ルニハ、十分ナル経済的知識ヲ有スル者ニアラサレハ決シテ能ハサレハナリ、是レ実ニ領事職責ノ挙否上最モ重要ナル関係ヲ有スルモノニシテ、当局者ニ於テ最モ注意セラレンコトヲ切望スル所ナリ
第三 領事ノ任期ヲ永クスル事 夫レ領事カ駐在国ノ事情ヲ究知シ、其
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ノ経済的関係ヲ考査シ、以テ彼ニ対スル通商上ノ利害ヲ明ニシ、以テ我カ商工業ノ利益ヲ増進スルヲ謀ルハ一朝一夕ニシテ能クスヘキ所ニアラサルナリ、殊ニ商業取引ノ如キハ各国各地自ラ特異ノ習俗ノ存スルアリテ、之ヲ探究シ之ヲ知悉シ、以テ彼我通商ノ発達円満ヲ期スルカ如キハ実ニ容易ノ業ニアラサルナリ、是ヲ以テ我カ領事ヲシテ能ク其ノ職責ヲ完カラシメ、我カ国民ヲシテ能ク領事ノ利恵ヲ受クルヲ得シメンニハ、必スヤ領事ノ任期ヲ永クシ、之ニ仮スニ十分ノ年月ヲ以テセサルヘカラス、凡ソ事ノ何タルヲ問ハス屡々之ニ従事スルモノヲ更移スルカ如キハ、僅ニ其ノ始ヲ成スヲ得シメ而シテ能ク其終ヲ完クスルヲ得サラシムルモノナリ、殊ニ領事ノ職務ニ於テ其ノ然ルヲ見ル、若シ領事ヲ更任スルコト屡々ナルニ於テハ是レ即チ領事ヲシテ終ニ駐在国ノ事情ヲ知リ其ノ習俗ヲ弁スルヲ得シカト思ヘハ、忽チ不知案内ナル他地方ニ転移シテ更ニ其ノ地ノ事情習俗ノ観査ニ従事セサルヲ得サラシメ、其ノ結果ヤ始終完全ナル効用利恵ヲ我カ国人ニ致スコト能ハサラシム事情ニシテ、正ニ斯ノ如クナラシメハ縦令幾多ノ領事ヲ派駐セシムルモ是レ唯其ノ名ト形トヲ存シテ、其ノ神ト実トヲ欠カシムルモノナリ、人或ハ言ハン、領事ヲシテ一処ニ永ク駐在セシムルトキハ領事ヲシテ観察ノ区域ヲ狭小ナラシメ、其ノ智識ヲシテ自ラ該地ニノミ局限セシムルノ弊アリト、夫レ或ハ然ラン、然リト雖モ元来領事ナルモノハ留学生ノ比ニアラサルナリ、各地ヨリ智識ヲ蒐メ来リテ之ヲ研究シ、依リテ以テ一般ノ原理原則ヲ抽成スルヲ任トスル講学者ト同一視スヘキモノニアラサルナリ、即チ領事ハ専ラ駐在国ノ情況ヲ熟察シ、以テ直接ニ我カ商工業上ノ利益ノ増進ヲ謀ル所ノ実務者ナリ、ソノ観察探究ヲ一地ニ専ニスルカ故ニ能ク其ノ地方ノ実相ヲ究メ、以テ之ニ応シ之ニ処シテ過ラサルノ良績ヲ顕ハスヲ得ルモノナリ、是レ領事ノ任期ヲ永クシ、実際ニ於テ領事ヲシテ能ク十全ナル功績ヲ挙クルヲ得シメンコトヲ切望スル所以ナリ
第四 領事派駐ニ関スル経費ヲ増加スル事 適任優良ナル人材ヲ挙ケテ領事トシ、此等領事ヲシテ能ク其ノ職ニ安シ十分其ノ任ヲ尽サシメンニハ、之ニ給スルニ必スヤ十分ノ報酬ヲ以テセサルヘカラス、且ツ領事配置ノ箇所ヲ増加シ大ニ其ノ事務ヲ拡張シテ以テ我カ通商貿易ノ発達ヲ促進セントスルニハ、是レ亦応分ノ増費ヲ為サヽルヘカラス、聞ク所ニ依レハ、現在領事ニシテ十分本国ノタメ尽スアラントスルモ、如何セン経費ノ少ナキカタメ往々ニシテ事ヲ果サス、不本意ナカラ自然ノ成行ニ放任スルノ止ムヲ得サラシムルコトアリト、是レ豈ニ領事ヲ派駐セシムルノ本意ナランヤ、是レ本経費ヲ増加シ、領事ヲシテ十分其ノ責務ノ在ル所ヲ尽サシメ、以テ本国民ヲシテ十分其ノ利恵ヲ享受スルヲ得シメンコトヲ切望スル所以ナリ、論者或ハ言ハン、目今我国ハ戦後経営事業ノ多々ナルカタメ到底大ニ領事費ヲ増加スルノ余有ナカルヘシト、夫レ果シテ然ルカ、此ノ種論者ハ戦後経営ノ名ノ下ニハ如何ナル事業ノミヲ含蓄セシメントスルカ、夫レ領事ニ関スル経費ヲ増加スルハ大ニ我カ通商貿易上ノ利益ヲ増進センカタメナリ、通商貿易上ノ利益ヲ増進スルハ是レ実
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ニ我カ帝国実力ノ増大ヲ期スレハナリ、帝国実力ノ増大ヲ期スル事業タル是レ豈ニ戦後経営スヘキ最大要務ノ一ニアラスシテ何ソヤ、之ヲ要スルニ、領事費増加ノ如キハ今日ニ於テ最モ速ニ之ヲ実行スルノ必要アルモノナリ、名ヲ戦後経営事業ノ多キニ仮リテ此ノ種ノ増費ヲ排避セントスル者ノ如キハ、決シテ真ニ国本国力ノ堅固ヲ力図スル者ニアラサルナリ
以上列挙シ来レル我カ領事官制ノ拡張改良ニ関スル数条ノ希望ハ、既往ニ鑑ミ将来ヲ慮リ、我カ通商貿易ノ発達上一日モ早ク実行セラレンコトヲ切望スル所ノ要点ナリ、冀ハクハ速ニ本案ヲ賛可シ、各商業会議所ヨリ至急其ノ筋ニ意見書並ニ請願書ヲ提出セラレンコトヲ
  (附録リ号)
○第四号議案             赤間関商業会議所提出
    税関規則中、外国通航船出入港手数料ノ儀ニ付帝国臣民所有ノ船舶ニシテ、亜細亜洲沿岸及南洋諸島ニ来往スルモノニ限リ免除セラレン事ヲ大蔵大臣ニ建議スルノ件
明治廿三年勅令第二百三号税関規則第一条及第三条ニ規定セラレタル外国通航船出入手数料ハ、帝国臣民所有ノ船舶ニシテ亜細亜洲沿岸及南洋諸島ニ来往スルモノニ限リ免除セラレンコトヲ、更ニ各商業会議所ヨリ大蔵大臣ヘ建議アランコトヲ欲ス
     理由
 今ヤ我戦捷国ノ任務トシテ外国貿易ノ発達ヲ図ルヘキノ急ナルハ今更喋々ヲ要セス、内地ノ殖産興業ヲ奨励スルト同時ニ、一方ニ於テハ海運ノ利便ヲ開キ、苟モ之カ障碍トナルヘキモノハ直ニ之ヲ除去シ、力メテ奨励保護ヲ加ヘスンハアル可カラス、是ヲ以テ明治廿六年八月中朝鮮貿易ニ関スル帝国臣民所有ノ西洋形船ニ限リ出入港銀低減ノ件ニ付其筋ヘ建議シ、尚ホ同年神戸ニ於テ開設セラレタル第二回商業会議所聯合会ヘ協議題トシテ提出シ、大ニ其賛成ヲ得、其後各商業会議所ヨリモ其筋ニ向テ建議セラレタルモノ少ナカラス、更ニ廿七年十月ニ至リ本会議所ハ重テ委員ヲ広島ニ派遣シ其筋ノ人ニ面陳セシト雖トモ政府ハ尚ホ未タ税関規則ノ改正若クハ附則追加ノ断行アラス、荏苒以テ今日ニ至リ、之カ為メ外国貿易上ニ於テ我邦商人ノ損スル所実ニ小少ナラサルモノアリ、蓋シ現行税関規則ハ勅令ヲ以テ発セラレタルモノナルニ依リ固ヨリ帝国議会ノ協賛ヲ須タス、苟モ政府ニ於テ之カ改正若クハ附則追加ノ必要アルヲ認メラルレハ敢テ多クノ手数日子ヲ要セスシテ直ニ為シ得ヘキノ事ナルノミナラス、戦捷後ノ今日ニ在ツテハ全力ヲ尽シテ外国貿易ノ発達ヲ助長シ、商戦場裡ニ必勝ヲ期シ、一日モ空過ス可カラサルノ時ナリ況ンヤ清国トノ条約ニ於テ我為メニ既ニ蘇杭・重慶等其沿岸ニ新貿易場ヲ開カシメ、又況ヤ開港外ニ於テ輸出入品ノ積卸ヲ許可スル法律ノ公布アリシ時ニ於テオヤ、故ニ今般更ニ前日ノ建議ヨリ一歩ヲ進メ、帝国臣民所有ノ船舶ニシテ亜細亜洲沿岸・南洋諸島ニ往来スルモノニ限リ出入港手数料ヲ全廃セラルヽノ一附則ヲ税関規則ニ追加アランコトヲ再ヒ建議セントス
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 右ノ理由ナルニ依リ、今日ノ時機ハ実ニ当路者ノ反省ヲ促スノ最モ必要ニ迫レルヲ信ス、希クハ全会一致ヲ以テ可決シ再ヒ各商業会議所ヨリ建議アランコトヲ
  (附録ヌ号)
   調査報告
○第四号議案             赤間関商業会議所提出
    税関規則中、外国通航船入出港手数料ヲ改正セラレン事ヲ建議スルノ件
明治二十三年勅令第二百三号税関第一条及第三条ニ規定セラレタル外国通航船入出港手数料ヲ改正シ、入出港一回ニ付船舶ノ登簿噸数ニ随ヒ一噸毎ニ金壱銭五厘宛ヲ徴収スル事ニ規定セラレン事ヲ、各商業会議所ヨリ大蔵大臣ヘ建議アラン事ヲ欲ス
 今ヤ我戦捷国ノ任務トシテ外国貿易ノ発達ヲ図ルヘキノ急ナルハ今更喋々ヲ要セス、内地ノ殖産興業ヲ奨励スルト同時ニ、一方ニ於テハ海運ノ利便ヲ開キ、苟モ之カ障害トナルヘキモノハ直ニ之ヲ除去シ、力メテ奨励保護ヲ加ヘスンハアラサルベカラス、是ヲ以テ明治二十六年八月中朝鮮貿易ニ関スル帝国臣民所有ノ西洋形船ニ限リ出入港銀低減ノ件ニ付其筋ヘ建議シ、尚同年神戸ニ於テ開設セラレタル第二回商業会議所聯合会ヘ協議題トシテ提出シ大ニ賛成ヲ得、其後各商業会議所ヨリモ其筋ニ向テ建議セラレタルモノァリト雖トモ政府ハ尚ホ未タ税関規則ノ改正若クハ附則追加ノ断行アラス、荏苒以テ今日ニ至リ、之カ為メ外国貿易上ニ於テ我邦商人ノ損スル所実ニ少尠ナラス、今ヤ清国トノ条約ニ於テ我為メニ既ニ蘇杭・重慶等其沿岸ニ新貿易場ヲ開カシメシノミナラス、況ヤ又開港外ニ於テ輸出入品積卸ヲ許可スル法律ノ公布アリシ時ニ於テオヤ、故ニ今般更ニ本案ノ如ク税関規則ノ政正アラン事ヲ再ヒ建議セントス
右委員会ノ決議報告候也
            委員
             赤馬関商業会議所《(マヽ)》 松尾寅二
             大阪商業会議所  亀岡徳太郎
             長崎商業会議所  松田源五郎
    会長 小河久四郎殿
  (附録ル号)
○第五号議案             赤間関商業会議所提出
    山陽鉄道線路中三田尻・赤間関間敷設ノ速成ヲ希望スルノ件
山陽鉄道線路中三田尻・赤間関間ノ敷設ヲ速成シ、全国ノ幹線ヲ貫通セシムル為メ、各商業会議所ヨリ逓信大臣ヘ建議シ、併テ山陽鉄道会社ヘ勧告アランコトヲ欲ス
     理由
 運輸機関ノ整否ハ国力ノ消長ヲ支配シ、且ツ国防上ニ至大至重ノ関係ヲ有スルハ多言ヲ要セス、今ヤ国運ノ伸張ニ連レ全国幾多ノ鉄道会社ハ千障万碍ヲ排シ孜々トシテ事業ヲ励行シ只後レサラン事ヲ是恐ルヽカ如シ、計ルニ久シカラスシテ各地ノ幹支線並ヒ起リ縦横網
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ノ如クナラン、然ルニ中央幹線タルヤ東青森ニ起リ西熊本ニ達シ、進ンデ鹿児島線亦起工ニ着手セントス、全国千三百余哩ニ亘ル縦貫ノ幹線殆ント大成ヲ告ケントシテ、一簣ノ欠九仭ノ功ヲ没スル者ハ山陽鉄道線路中三田尻ヨリ赤間関ニ至ル僅々四十余哩ノミ
 仄ニ聞ク国家ノ為メ一日モ忽ニスヘカラサル首脳線中断シテ起工遷延決セサルモノハ政府国防上ノ画策ニ於テ海岸線ヲ許サス、山陽鉄道会社ハ敷設ノ費用ニ就テ躊躇決セス、互ニ固執シテ動カサルニ基因スルカ如シ、果シテ然ラハ中央幹線ハ何レノ日カ完全スルヲ得ンヤ、之ヲ抛棄シテ看過セハ国力ノ発達ヲ阻碍スルハ論ヲ俟タス、国家一日ノ急ニ莅ンテ千載ノ遺憾ナカランヤ、然ルニ尚ホ山陽鉄道会社ハ営利ニノミ汲々トシテ眼中国家ナクンハ断シテ不可ナリ、政府モ亦国防ノ一点ニ偏シ自ラ他ヲ軽視スルカ如キモ亦国家ノ為メニ採ラサル所ナリ、況ンヤ会社タル者本線路敷設既得ノ権ヲ弄シ、跳梁ヲ極ムルカ如キ跡アルニ於テハ亦断シテ不可ナリ、思フニ其議未タ熟セサルハ別ニ事情ノ其間ニ存スルモノアルヲ信スルナリ、然リト雖国家眼前ノ一大不利ハ決シテ等閑ニ付スヘカラス、故ニ宜シク目下ノ形勢ヲ洞察シ、政府ハ国防上計画ノ許ス範囲内ニ於テ可成会社ノ請ヲ許シ、会社亦進ンテ国家的観念ヲ以テ政府ノ希望ニ従ヒ、両者相譲リテ速ニ幹線ヲ完備セン事一地方ノ利益ノミナラス、抑亦全国幹支線ノ利害痛痒ニ関ス、若シ両者利害ノ衝突ニ放任シ荏苒空過スルカ如キハ、恰モ全身ノ脈胳ヲ密布スルモ脊髄ノ一部阻断スルカ為メニ、渾体ノ痲痺不髄ヲ来スノ類ニシテ、国家ノ為メ切歯忍フ能ハサル所ナリ、故ヲ以テ本会議所ハ全国商業会議所ノ賛同ヲ求メ、政府ニ建議シ、併テ山陽鉄道会社ニ勧告シ、国家ノ為メ速ニ幹線接続起工ノ運ニ至ラン事切望ニ堪ヘサルナリ
  (附録ヲ号)
○第六号議案             赤間関商業会議所提出
    中等実業教育国庫補助金下付ノ儀ニ付文部大臣ヘ建議スル件
実業奨励ノ為メ中等実業教育ニ対シ実業教育国庫補助金下付ノ儀ニ付各商業会議所ヨリ文部大臣ヘ建議アランコトヲ欲ス
     理由
 実力養成ハ国運興隆ノ要道ニシテ天下ノ通義タリ、蓋シ生産ノ増殖通商ノ発達ハ必ス先ツ実業教育ノ進捗ニ須タサルヘカラサルハ火ヲ見ルヨリモ明カナリ、政府ハ此ニ見ルアリ、近来実業上ニ於ケル施政ノ方針農工商何レヲ問ハス、事苟モ国家ノ富源ヲ増進シ実力養成ニ必要ト思惟スルトキハ、或ハ補助金ヲ与ヘ、或ハ課税ヲ免シ、或ハ特権ヲ付与スル等、其奨励勧誘ノ点ニ於テ注意周到聊カ間然スル所ナキカ如シ、然レトモ専ラ実業機関ノ完備ヲ求ムニアリテ、其本源タル事業家ヲ養成スル実業教育事業ニ至リテハ、只僅ニ高等実業教育ヲ国庫事業トシ、兼テ実業補習教育ニ補助金ヲ付与スルノミ、若シ夫レ中等実業教育ノ如キハ全ク之ヲ地方事業ニ放任シ、毫モ之ヲ助成スル所ナキハ吾人ノ此ニ大ニ慊焉タラサルモノアリ、抑モ政府ハ中等実業教育ヲ以テ不急ノ事トナスカ、将タ之ヲ以テ全然地方
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事務ニ放任シテ聊カ憂フル所ナシトスルカ、然ルニ今試ニ実業教育ノ形勢ヲ見ルニ、国庫支弁ニ係ルモノ明治二十七年十二月末農工両科大学以下二校ニシテ、学生生徒ノ数九百四十九人、地方税支弁ニ係ルモノ明治廿六年末府県市立中等実業学校生徒二千三百六十人ニ過キス、以テ中等実業教育ノ萎靡シテ振ハサルヲ察スヘシ、然リ而シテ不振ノ原因タル固ヨリ一ニシテ足ラスト雖、蓋シ経費ノ不足実ニ此カ一大主因タリ、況ンヤ実業教育国庫補助金ハ之ヲ既往ノ実跡ニ徴スルニ尚ホ中等教育ニ付与スルノ余裕アルニ於テヲヤ、是レ斯業奨励ノ為メ切ニ補助金ノ下付ヲ仰カント欲スル所以ナリ@
  (附録ワ号)
○第七号議案              松江商業会議所提出
職工保護ニ係ル法律ノ制定ヲ希望スル意見書並ニ請願書其筋ヘ提出スル件
 (説明要領) 現今本邦ニ於ケル資本家ト労働者ノ関係ハ恰モ主従ノ関係ニ似タルモノアルヲ以テ、法律ヲ以テ両者ノ関係ヲ羈束スルハ却テ固有ノ美風ヲ失墜スルノ感アルカ如シト雖モ、倩ラ現在ノ趨勢ニ鑑ミ将来ヲ推考スルニ、社会経済ノ発達ト共ニ労働問題ノ起ルヤ必然ナルヲ以テ、予メ雇者被雇者相互間ノ権義ヲ保護セン為メ制栽《(裁)》ヲ加ヘ弊竇ヲ未発ニ防クノ要アルヲ認ム、何ゾヤ現今職工ノ状態ヲ見ルニ、其労働ノ時間ハ一般ニ比シ甚ダ過長ニシテ彼等ノ多数ハ悉ク教育ナキモノトス、而シテ工業ノ発達ハ常ニ年少殊ニ学齢児童ヲシテ労役ヲ執ラシムルノ傾キヲ生シタリ、元来身体発育ノ充分ナラサルモノヲシテ長時間ノ労働ニ服セシムルハ、国家ノ元気ヲ阻喪スルモノニシテ、教育ナキ労働者ノ使役ハ将来技術ノ進歩ヲ遅鈍ナラシムルノ虞アリ、斯ノ如キハ国家ノ発達上ニ大害ヲ及ホスベシ、故ニ縦シ欧洲ノ如ク資本家ト労力者ノ軋轢過甚ナルニ至ラズトスルモ、戦後工業ノ発達ヲ計ルニ於テ豈ニ其必要ナカラン、矧ンヤ同盟罷工ノ手段ハ漸ク其兆ヲ見ントスルオヤ、若シ今日ニ於テ之ヲ顧ミズ、其弊害ノ蔓延スルノ時ニ当リ倉惶其保護律ヲ制定スルモ已ニ晩矣、宜シク今ニ於テ之ヲ保護シ、資本家ノ圧抑ヲ制シ、労働者ノ幸福ヲ増サヽル可カラズ、是レ本按提出ノ要旨ナリ
  (附録カ号)
○第九号議案              広島商業会議所提出
    聯合協定ニ依リテ民勢調査ヲ為シ定期全国一括ノ報告書編製ノ件
民勢調査ノ業ハ独商業会議所任務ノ一タルノミナラズ、戦後経営ノ一張一弛ハ実ニ正確ナル統計上ノ事実ヲ以テ之ガ根基ト為サヾル可カラズ、然ルニ従来憑拠シ来リシ所ハ内閣編製ノ統計年鑑ト、各省庁纂輯ノ年表等ニシテ、多クハ市町村役場ヲ経タル申告ニ由リタルモノナレバ、真仮錯綜中ニハ実数ノ二分ノ一若クハ三分ノ一ニ達セザル数量サヘアルハ常々当局者ノ熟知スル所ナリ、然リ而シテ該業ノ事タル事端頗ル多ク、業体頗ル難ク、要スルニ全国一体ノ事実ヲ得ムト欲セバ必ズ協心合力ノ道ニ拠ラザル可カラズ、是レ玆ニ本案ヲ提出シテ以テ本会ノ賛襄ヲ求ムル所以ナリ
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  (附録ヨ号)
○第十号議案              広島商業会議所提出
    生皮輸入税廃止ノ儀ヲ政府並貴衆両院ニ意見開申請願スルノ件
戦後経営ノ事々端頗ル繁シト雖トモ、国防工業ノ両端ニ渉リテ最モ闕ク可カラサルノ一ハ製革ノ業ト為ス、而シテ現時使用ノ革類ハ本邦製造ノ額モ亦タ少ナカラズト雖トモ、海外ニ仰ク所ノ額、熟皮並靴底皮ヲ合セハ毎年殆ント壱百万円ノ多キニ達セリ、而シテ本邦産ノ生皮ハ牛皮年額僅々拾万余枚ニ過キス、是ヲ以テ其原料多クハ之ヲ朝鮮・支那・印度・米国等ニ仰カサルヲ得ス、故ニ其額毎年弐百万斤以上(四拾万円)ノ多キヲ見ルニ至ル、而ルニ常ニ百斤参拾八銭五厘八毛強ト従価百分ノ五トノ輸入税ヲ徴セラレツヽアレハ、為メニ入ル可クシテ而シテ入ラス、来ル可クシテ而シテ来ラサルモノモ亦タ鮮カラス、仍テ生乾皮ハ一切其輸入税ヲ廃止シ以テ本業ノ隆盛ヲ促サンニハ、国庫収入ノ上ニ於テ僅カ壱万円内外ヲ減スルニ過ギズシテ国防工業其裨益ヲ受クル事、実ニ鮮少ニ非ラザル可シ、玆ニ本案ヲ提出シテ以テ本会ノ賛成ヲ須ツ
  (附録タ号)
○第十一号議案              堺商業会議所提出
    農商工会設置ノ件
一政府ハ実業ニ関スル法律命令ノ制定及其施設ニ関スル諮問ノ府トシテ農商工会ヲ設置セラレ、且其組織・権限等ノ規定ハ主務省ニ於テ起案ノ上之ヲ各商業会議所ニ諮問セラレン事ヲ其筋ヘ建議スル事
    理由
 高等商業会議ヲ設立シテ実業機関ヲ完成セントノ冀望ハ第一回商業会議所聯合会ノ決議ニ依テ産レ出テタル問題ナリトス、而シテ各商業会議所ハ業ニ既ニ其筋ニ向テ建議請願セラレタルアリ、又時機尚早シトシテ此運ヒニ至ラサルアリテ、未タ其効果ヲ収ムルノ期ニ達セサリシモ、今ヤ戦後ノ余勢ト国運ノ進張ニ乗シ、大ニ実業全般ノ改発ヲ促シツヽアル時機ニ会シ、益々之カ切要ヲ感スルト同時ニ、単リ商業ニノミ高等議会ヲ設置スルモ時勢ニ鑑ルトキハ未タ完全ナル機関トシテ満足スル能ハサルモノアリ、是ヲ以テ此際普ク実業全般ニ渉リ改良進歩ヲ画策スヘキ高等議会ヲ設置セラレ、政府ハ斯業ニ関スル法律・命令及諸般ノ施設ハ必ス之ニ諮ラルルノ府タランコトヲ不肖等ハ予テ冀望シツヽアリシ
 然ルニ玆ニ農商工会ナルモノヲ設置セントスルノ議ハ、前田正名君外三十余名ノ提案トシテ第九議会ニ顕ハレ一ノ異議者ダモアラズ、大多数ヲ以テ上院ノ容ルヽ所トナリ、而シテ該建議案ヲ閲読スルニ其趣旨ハ不肖等ノ予望ニ符合スルノミナラズ、第一回聯合会ニ於ル議決モ又此会ノ設立ニ拠テ其冀望ヲ達シ得ルモノト信ス
 是故ニ商業会議所聯合会及各商業会議所ハ大ニ此農商工会設置ノ建議ヲ賛ケ、速ニ完成実施ノ暁ニ底ラシメンコトヲ欲シ、且其組織・権限等ニ関シテハ各々意見アルヘキヲ以テ、成案ノ上ハ之ヲ各商業会議所ニ諮問セラレン事ヲ望ムモノナリ
 - 第21巻 p.71 -ページ画像 
  (附録レ号)
○第十二号議案             神戸商業会議所提出
    清国漢口ニ我領事館ノ設置ヲ要望スルノ件
     理由
 抑我邦ノ清国ニ於ケル交通ノ関係縁故固ヨリ他邦ノ比ニ非ス、殊ニ馬関条約ハ彼ニ対スル一大生面ヲ開キ、今後ノ通商貿易ハ惟フニ将サニ旧時ニ倍蓰セントス、故ニ此時ニ方リ我政府ハ宜シク清国条約ノ要港ニ領事館ヲ設置セラレ、以テ貿易上ニ於ケル機関ヲ敏活ナラシメ、交通ノ前路ヲ啓発スルノ必要ナルハ敢テ多弁ヲ要セサルヘシ就中彼ノ漢口市場ニ在ツテハ殊ニ其必要ナルヲ感セリ、我政府ハ固ヨリ此ニ遺策ナカルヘシト雖トモ、其設置ハ須臾モ忽カセニスヘカラサルヲ信スルナリ
 夫レ漢口ノ地タル、湖北省漢陽府ニ属スル一大要鎮ニシテ、物産ニ富ミ、舟楫ノ便運輸ノ利四通八達シ、世呼テ九省ノ会ト云ヘリ、以テ其盛況ヲ想フヘシ、曩年我政府カ同地ノ領事館ヲ廃セラレタリシモノハ蓋シ当時彼我貿易思想猶未タ乏シク、存置ノ必要ヲ見サルニ依ルナルヘシト雖トモ、今日ニ於ケル現象ハ復タ前日ノ旧観ニ非サルナリ、最近得タル所ノ統計ニ依レハ、同地輸出入ノ総額ハ九千六百六拾弐万五千余円ノ多キニ達シ、今ニシテ既ニ清国第二ノ要港ニ位シ、則上海ニ亜ク所ナリトス、聞ク英・米・仏・露・蘭ノ諸国ハ夙ニ領事館ヲ此市場ニ設ケ、居留商人ノ如キモ常ニ一百五、六十名ヲ下ラスト云ヘリ、右ノ如クナルヲ以テ我ニ於テ早ク領事館ヲ此地ニ設置シ、之レカ計コトヲ為スニ非サレハ其商略ハ彼レ外人ノ手ニ落チ、進退操縦一ニ其恣マヽニスル所トナリ、我商業社界ハ僅カニ其糟粕ヲ嘗ムルニ過キサラントス、豈ニ察セサルヘケンヤ、是レ本案ヲ提出シ当会ノ賛同ヲ求メ、先ツ其要望ヲ主務大臣ニ開申シ、第十議会ノ開クヲ待、又直チニ両院ヘ請願セン事ヲ望ム所以ナリ
  (附録ソ号)
○第十三号議案             長崎商業会議所提出
    統計条例制定ニ付各商業会議所ヨリ其筋ヘ建議スルノ件
     理由
 軍備ノ拡張ト云ヒ、租税ノ増率ト云ヒ、将タ航海ノ奨励、実業ノ発達ヲ図ルト云フ凡ソ百般ノ施政ハ、渾テ之ヲ民力ノ程度ニ鑑ミサルヘカラス、而シテ民力ノ如何ヲ知ラント欲セハ一ニ統計ノ事実ニ憑拠スルノ外ナシ、然ルニ現今我邦ニ於テ散見スル諸統計ハ其淵源ノ精ナラサルヨリシテ、到底杜撰タルヲ免カレサルモノ殆ント罕ナリ豈之ヲ以テ各般施設ノ根拠トスルニ足ランヤ、是統計条例ヲ制定シ以テ精確ナル統計ヲ得ンコトヲ期スル所以ナリ
  (附録ツ号)
○第十六号議案             高知商業会議所提出
    商業会議所条例中追加改正要項
第二条ノ二項ヲ削除ス
第三条ノ次ヘ更ニ第四条・第五条ヲ置ク
第四条 土地商業ノ惰況ニ由リ数市町村ヲ聯合シタル既設会議所地区
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域ヨリ市町村ヲ分離シ、又ハ既設会議所設立地区域ニ接近若クハ商業上常ニ交通運輸ノ便利ヲ有スル市町村ヲ其区域ニ編入スル事ヲ得前項ノ場合ニ於テハ、分離又ハ編入セントスル部分ノ商業者中会員選挙権ヲ有スル者又ハ会員タルヲ得ヘキ者半数以上発起人トナリ、会議所ノ議決ヲ以テ地方長官ヲ経由シ農商務大臣ノ認可ヲ請フ可シ
第五条 地方長官ハ第二条及第四条ノ申請ヲ受ケタルトキハ、郡若クハ市参事会ニ諮問シ其意見ヲ徴シ、尚ホ自己ノ意見ヲ添ヘ農商務大臣ニ進達スヘシ
第四条ヲ第六条トシ、以下順次繰下ク
 (理由) 明治二十三年法律第八十一号商業会議所条例及同二十八年法律第二十三号同条例改正、並ニ同二十三年九月農商務省令第十二号ヲ以テ、商業会議所設立手続及会員選挙手続等夫々規定セラレタレトモ、唯リ既設商業会議所ヘ他ノ市町村ヲ編入シ又ハ既設商業会議所ヨリ其地区内ニ在ル市町村ヲ分離スル手続ハ未タ規定セラレサルニ依リ、分合申請ニ付疑惑スル義モ有之、且本所ハ実際過般吾川郡伊野町ヲ本所設立地区域内ヘ編入スル場合ノ如キ、此ノ規定無キカ為メ頗フル手数ヲ要シ不便尠ナカラサリシヲ以テ、速カニ是ノ規定ヲ設ケラレン事ヲ希望ス、尤モ本所ハ曩キニ此規定ヲ条例施行規則中ヘ設ケラレン事ヲ其筋ニ建議スルノ議案ヲ提出シ今回継続案トナリタルモ、爾後本所ハ審議ノ上右ハ商業者ノ権利義務ニ関スル重大ナル事項ナルニ依リ、会議所条例中ニ之ヲ追加セラルヽ事ヲ建議スルヲ以テ穏当ナリト信認シ、乃チ前提出案ヲ撤回シ更ニ本案ヲ提出セリ
  (附録ネ号)
○第十八号議案             博多商業会議所提出
    電信料軽減ノ儀ニ付キ政府ニ建議シ並ニ貴衆両院ニ請願スル件
     理由
 近時商工業ノ発達寔ニ著シキモノアリト雖、通信機関ノ利便之ニ伴ハサルハ遺憾ト云フベシ、蓋シ電信事業ノ発達固ヨリ見ルベキモノナキニアラス、然レトモ一層之カ利用ヲ便ニスルニアラサレバ将来益々商工業ノ発達ヲ助長スルヲ難ンズ
 社会ノ進歩スルニ従テ最敏最速ナル通信機関ノ利用日ニ月ニ増加スルハ必至ノ勢固然ノ理ナリ、郵便ヨリモ電信、電信ヨリモ電話、而シテ電話ハ政府今ヤ大ニ之ガ発達ヲ期スルト雖、未タ容易ニ広ク全国ニ及ホス能ハス、好シ全国ニ普及スルモ電信亦タ自カラ電信特種ノ利用アリテ互ニ相犯スコト鮮シ、故ニ今ノ時ニ方リ電信ノ利用ヲ便ニスルハ商工業ノ発達ニ伴フテ通信機関ヲ発達セシムル所以、而シテ亦以テ益々商工業ヲ発達セシムル所以ナリ
 電信ノ利用ヲ便ニセント欲セハ電信料ヲ軽減セザルベカラス、而シテ其軽減ノ方法及程度ハ種々ナリト雖、先ツ現行ノ市内電信ヲ標準トシテ之ヲ全国ニ及ホシ、一音信ノ料金ヲ五銭トナサント欲ス
  (附録ナ号)
○第十九号議案             金沢商業会議所提出
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    内地工業ノ発達ヲ助長シ重要輸出品ノ改善ニ資センカ為メ、国費ヲ以テ工業試験場ヲ設置セラレンコトヲ農商務大臣ニ建議ノ件
     理由
 最近数年間ニ於ケル内地諸工業ノ発達ハ大ニ見ルヘキモノアリ、或ハ生糸ノ如キ、絹織物ノ如キ、将タ燐寸ノ如キ、海外市場ニ於テ能ク欧米ノ製品ト相拮抗シ敢テ遜色ナキハ吾々ガ世人ト共ニ大ニ喜フトコロナリト雖トモ、東洋ノ工業国ヲ以テ自ラ任シ、以テ国富ノ尨大ヲ計リ、以テ軍備ノ完成ニ資セント欲セハ、未タ之ヲ以テ俄カニ満足ス可ラサルノミナラス、爾今ハ方ニ既往ニ於ル進歩ノ度合ニ比シ須ラク幾数倍ノ速力ヲ以テ進行セサルヘカラサルモノアリ、而シテ世運ノ進捗ハ決シテ旧套ノ因襲ヲ容サス、流行ト嗜好ハ昨是ニシテ今ハ非ニ、品質ノ改良、意匠ノ工風ハ幾ント工業者ヲ忙殺セントス、夫レ然リ、然リト雖トモ、凡ソ何ノ工業タルヲ問ハス其製造方法ヲ改良シ、其製作器械ヲ工風シ、斬新ノ意匠ヲ応用シテ以テ新奇ノ物品ヲ製出センハ由来工業者ノ最モ難スルトコロトス、何トナレハ其製造方法ヲ改メ其製作器械ヲ新ニスルニ当リテハ、必ス先ツ試製シテ以テ其結果ノ良否ヲ徴セサル可ラス、而シテ之ヲ已往ノ事実ニ徴スルニ、試作一再其好果ヲ得ルハ幾ント稀ニシテ、必スヤ幾多ノ日子ト幾多ノ費用ヲ投スルニアラサレハ能ク当初ノ目的ヲ達スルモノアルヲ見ス、甚シキニ至テハ為メニ自家ノ資産ヲ傾尽シテ終ルモノアルニ至ル、洵ニ痛歎スヘキナリ、故ニ曰ク、工業品ノ試製ハ之ヲ個人ノ力ニ任スヘカラス、須ク国家事業トシテ政府自ラ之ニ当リ以テ模範ヲ工業者ニ示スヘシ、今ヤ内地ノ工業改良ヲ試ミサル可ラサルモノ枚挙ニ遑マアラス、絹織物・毛織物等ノ機具ニ於ルカ如キ、陶磁器ノ築窯法・製抷法ニ於ルカ如キ、漆器ノ地質ト塗法ニ於ルカ如キ、金属器ノ彫刻ト付色ニ於ルカ如ク、其試作ノ結果ヲ徴スヘキモノ実ニ一ニシテ足ラスト雖トモ、当業者ガ奮進一番敢テ其衝ニ当ルモノナキハ力足ラサルガ為メナリ、前者ノ失敗ニ鑑ミルカ為メナリ、是レ吾々ガ本議ヲ提出シテ本会ノ賛同ヲ得ント欲スル理由ノ大要ナリトス、若シ夫レ試験場ヲ設置スヘキ府県ノ数若クハ経費等ノ細目ニ至テハ固ヨリ当路ノ参画ニ任スト雖トモ、凡ソ試験場ノ数ハ二拾箇所トシ、経費ハ凡テ弐拾万円ヲ要スレハ稍其目的ヲ達スルニ庶幾カラン歟
  (附録ラ号)
○協議案第一号             東京商業会議所提出
    営業税法調査ノ手続
一各商業会議所ニ於テ営業税法ヲ研究シ、互ニ其意見ヲ相通知スル事
一各商業会議所中東京ノ会議所ヲ委員ト定メ、前条ノ斡旋方ヲ託スル事
一各商業会議所ハ営業税法ノ得失ヲ調査シ、其結果ヲ来八月下旬迄ニ委員ニ報告スル事
一委員前条ノ報告ヲ接手シタルトキハ之ヲ一括ニ編製シ、来九月下旬迄ニ更ニ之ヲ各商業会議所ヘ廻附スル事
 - 第21巻 p.74 -ページ画像 
一委員ハ必要ト認ムル場合ニ於テ一ノ修正案ヲ起草シ、来十一月上旬迄ニ商業会議所臨時聯合会ヲ開設シ之ヲ議案トシテ提出スル事
一前条臨時聯合会ノ会場ハ委員ノ協議ヲ以テ委員タル会議所々在地ノ中ニ之ヲ定ムルモノトシ、其他聯合会開設ニ関スル手続ハ総テ委員ニ一任スル事
  (附録ム号)
○協議案第二号             東京商業会議所提出
一各商業会議所ニ於テ広軌鉄道ノ得失ヲ研究シ、来八月下旬迄ニ其意見ヲ定メ、必要ノ場合ニ於テハ其筋ヘ建議若クハ請願スル事
  (附録ウ号)
○協議案第三号             京都商業会議所提出
    航路拡張ニ関スル件
一航路拡張、航海奨励ノ為メ船舶所有者及貨主間ノ大団結ヲ形成セントス
     理由
 戦後ノ経営ハ我邦刻下ノ急務ナリ、国家百端ノ事一ニ時勢必適ノ改鋳ヲ竢タサル可カラス、就中外国貿易ノ経営、金融機関ノ完整ト共ニ相伴フテ、玆ニ一大改鋳ヲ加ヘサル可ラサル者ハ海運事業ノ拡張ニ在リ、是ニ於テカ日本郵船会社ノ如キ率先シテ曩キニ欧洲航路ヲ開始シ、自余ノ会社亦自ラ奮テ航路拡張ニ熱中セサルナク、今ヤ我邦海運事業ハ頗ル有望ノ域ニ進メリ、然レトモ眼ヲ放ツテ世界列国ノ状況ヲ達観スルトキハ、強固不動ノ会社ハ前ニ塞カリ後ヲ擁シ、我カ発奮ノ度一段ヲ進メテ、彼レカ競争ノ熱亦一度ヲ昂ム、想フニ彼等ハ組織整然、秩序完備、多年ノ経験ト幾多ノ熟練ヲ重ネタル優勢ノ強敵ナリ、我ニ在テハ守備未タ完カラス、訓練未タ足ラス、加フルニ兵甲ノ以テ戦勢ヲ幇助スルナキ劣等ノ孤軍ナリ、之ヲ以テ懸軍長駆以テ衝ヲ中原ニ争ハントス、抑モ亦容易ノ業ニ非ラス、即チ之レカ経営ニ任スルノ会社ハ勿論、一国国民挙テ外大敵ニ当ルノ覚悟ナクンハ折角ノ希望モ画餅ニ属シ、折角ノ計画モ水泡ニ帰シ去ランノミ
 航路ノ拡張、船舶ノ増加、航海ノ奨励、之ヲ謂フハ易ク之ヲ行フ難シ、而モ幾多ノ困難ト幾何ノ苦辛ヲ凌キ、仮令之等ノ設備ヲ完整シタレハトテ、若シ夫レ之ニ積載スル処ノ貨物ナクンハ乃チ如何、縦横蛛網ヲ欺クノ航路モ貨物ナクンハ亦如何トモスヘカラサルナリ、貨物ノ積載ヲ問ハスシテ航路ノ拡張ヲ呶々ス、恰モ木ニ縁テ魚ヲ求ムルカ如キノミ、故ニ一時会社ノ義侠心ヲ以テ開始スルノ航路モ、航海亦航海、際限ナク貨物ノ積載ヲ得サレハ久シカラスシテ折角開始セシ航路ヲ廃止スルハ当然ノ事ニシテ、誰レカ亦空荷船ヲ遣ルノ愚ヲ学ハンヤ、故ニ曰ク、海運事業ノ発達ハ航海ノ奨励ニ基キ、航海ノ奨励ハ貨物ノ運輸積載ニ在リト
 之レカ策ヲ廻ラスコトナクシテ、漫ニ海運ノ発達、航海権ノ掌握ヲ欲スル、豈得ル所ナランヤ、今ヤ我邦海運ノ奨励、航路ノ拡張ヲ図リ漸ク其緒ニ就クノ今日ニ当リ、正ニ大ニ対外膨脹ノ気運ニ乗セサルヘカラスシテ、而テ或ハ半途挫折ノ不幸ヲ見ルアランカ、只ニ国
 - 第21巻 p.75 -ページ画像 
家経済上不尠不利不益ヲ招クノミナラス、抑モ亦国家光誉ノ一大汚点ト謂ハサルヲ得ス、国民タル者豈夫レ堪ユル所ナランヤ、仮令貿易ノ経営、金融ノ機関、将タ航海ノ事業幼稚無経験ヲ免レスト雖モ国家ヲ傾テ鞠躬尽瘁ス、何ソ貫徹セサル所ナランヤ、試ニ英国海運業発達ノ素因ヲ探討セヨ、必ス思半ハニ過ルモノアラン
 然リト雖モ、星移物変、時勢一変ノ今日ニ当リ亦英国当年ノ航海条例ヲ発布スヘクモアラス、則チ其精神ニ則リテ其実行ヲ期ス、区々タル条文ノ如キ却テ事ニ煩ヒアルモノ、寧ロ国民ヲ挙テ精神的大団結ヲ作為スルノ勝レルニ如カサルナリ、果シテ然ラハ精神的大団結トハ何ソヤ、曰ク内、対外貿易、対外航海ノ思想ヲ発揮シ、協力一致海運同盟精神ヲ体シ、以テ外、前塞後擁ノ諸会社ニ当ルニ在リ、国内幾多ノ貿易商ヲ挙テ商品ノ運輸必ス自国ノ船舶ニ依リ、力ノ及フ限リハ航海業者ノ後援ヲ為スアランカ、則チ縦横蛛網ヲ張ルノ航海船ハ必ス満載ノ貨物ヲ得、以テ懸軍長駆ノ難境ヲ脱シ、糧仗豊富ノ楽境ニ進ミ、優ニ当初ノ希望ヲ果シテ而テ国家永遠ノ福利モ亦其レ之レヨリ生センナリ
 近時我邦外国貿易ノ年ヲ逐フテ発達隆盛ニ趨クハ疑フヘカラサルノ事実ニシテ、而テ之レカ商品ノ積載ニ任スル所ノ船舶ノ状況ハ如何今試ニ別表ニ就キ既往ノ有様ヲ一観セヨ、虎視耽々ノ英・独商船ハ遠ク東洋ニ来テ我カ藩域ヲ侵凌シ、内地各港出入ノ貨物サヘ尚外船ヲ藉ルニアラサレハ運搬ノ便ヲ得サルニアラスヤ、嗚呼四面環海ノ島国民豈臥榻ノ下他人ノ酣睡ヲ容スヘケン、胥共ニ卓励発奮、一ニハ全国貨主同盟団体ヲ作リ、一ニハ幾多汽船会社ノ連合ヲ謀リ、合従連衡相竢テ彼ノ英国当年ノ航海条例ノ精神ヲ不文不規ノ間ニ着々実際的ニ行ハン事之レ刻下ノ急務ニアラスヤ、若シ夫レ幸ニ本所ノ希望ヲシテ満足セシムルニ至ランカ、之レソ先ニ所謂外国貿易ノ経営、金融機関ノ完整ト共ニ海運事業ハ並ニ其緒ニ就キ、未来永遠ノ福利ハ期セスシテ大ニ増進スルモノニシテ、而テ戦後ノ大経営亦以テ実効ヲ奏スヘキナリ、責ヲ全国実業枢府ニ任スルモノ宜シク貨主有船者ノ間ニ立チ、進ンテ聯合同盟ノ方法ヲ講セサル可ラス、之レ本所カ玆ニ本案ヲ提出スル所以ナリ、希クハ各地共ニ本所ノ希望ヲ容レ、所謂戦後ノ大経綸ヲシテ好ク終始スル所アラシメン事ヲ
   外国往来有貨汽船出港表

  国名     船数噸数    廿五年       廿六年       廿七年
          艘       三九〇       二八〇       三〇四
 日本船
          噸   三四〇、〇六三   二三九、三六〇   二五七、六七一
          艘        ――        一〇        二三
 墺地利船
          噸        ――    二三、九九〇    五八、四六六
          艘       三六九       三三九       六一八
 英吉利船
          噸   六六五、〇六六   六五九、一二四 一、一四二、四六九
          艘         一        二一         二
 支那船
          噸     一、二一一     三、〇二四     一、九七二
          艘         一         一         七
 朝鮮船
          噸       二三〇       四四四     二、〇九九
 - 第21巻 p.76 -ページ画像 
          艘        ――        ――         一
 丁抹船
          噸        ――        ――       五九二
          艘         一         二         三
 和蘭船
          噸       六七二     一、三四三     二、八四七
          艘        二五        二六        二七
 仏蘭西《(船脱)》
          噸    五九、一九二    五八、五二八    五六、八一七
          艘       二九三       一六六       三〇六
 独逸船
          噸   二四二、三八五   一六四、八九九   二七六、九九八
          艘        四五        二二        八四
 諾威船
          噸    四九、四〇〇    一四、三一六    七六、三五五
          艘        三八        二九        六〇
 露西亜船
          噸    四二、五六七    二六、五八九    三七、三五五
          艘        ――        ――         一
 西班牙船
          噸        ――        ――       六八八
          艘        二一        三五        三二
 北米合衆国船
          噸    五六、四九九    八四、二五九    八二、三五〇
          艘        ――         一        ――
 布哇船
          噸        ――       二九四        ――
          艘     一、一八四       九一四     一、四六八
  合計
          噸 一、四五七、二八五 一、二七六、一七九 二、〇四六、七六一

  (備考)本表ハ我国開港場及特別輸出港ヨリ外国航行ノ船舶ニ付其各年ノ総船数ト総噸数トヲ挙ケタルモノナリ、但無貨帆船ハ之ヲ除ク
   外国往来有貨帆船出港表

  国名     船数艘噸    廿五年       廿六年       廿七年
          艘       八三四       六四〇       五四三
 日本船
          噸    二九、三四六    二四、一四七    一九、五三六
          艘        四五        四〇        五六
 英吉利船
          噸    四五、五五六    三一、五〇三    四八、二六七
          艘         一         一        ――
 仏蘭西船
          噸     一、〇六〇     一、三二〇        ――
          艘         三         九         四
 独逸船
          噸     二、四九八    一一、三一〇     五、四二五
          艘        一七        二九        三六
 北米合衆国船
          噸    二〇、一八五    二五、六四九    四〇、九六九
          艘        ――        ――        ――
 丁抹船
          噸        ――        ――        ――
          艘        ――         一        ――
 エクワドル船
          噸        ――       七七八        ――
          艘        ――        ――        ――
 瑞典船
          噸        ――        ――        ――
          艘        ――        ――         三
 朝鮮《(船脱)》
          噸        ――        ――       一五五
          艘        ――        ――         二
 露西亜《(船脱)》
          噸        ――        ――       一二〇
 - 第21巻 p.77 -ページ画像 
          艘        ――        ――         一
 支那《(船脱)》
          噸        ――        ――        三二
          艘       九〇〇       七二〇       六四五
  合計
          噸    九八、六四五    九四、七〇七   一一四、五〇四

  (備考)本表ハ我国開港場及特別輸出港ヨリ外国航行ノ船舶ニ付其各年ノ総船数ト総噸数ヲ挙ケタルモノ也
       但無貨帆船ハ之ヲ除ク

   外国出入内外船舶出港表

            内国船             外国船              合計
          船数     噸数     船数        噸数      船数         噸数
 廿七年 有貨   八四七 二七七、二〇七  一、二六六  一、八八四、〇五八  二、一一三  二、一六一、二六五
     無貨    二一   五、八四一    一三八     七〇、二九一    一五九     七六、一三二
     合計   八六八 二八三、〇四八  一、四〇四  一、九五四、三四九  二、二七二  二、二三七、三九七
 廿六年 有  一、〇一五 三四四、三八五  一、〇二五  一、四五八、五二三  二、〇四〇  一、八〇二、九〇八
     無     三五   七、六九七    一七三    一八一、九七六    二〇八    一八九、六七三
     合  一、〇五〇 三五二、〇八二  一、一九八  一、六四〇、四九九  二、二四八  一、九九二、五八一
 廿五年 有    四六三 三五四、五一四  一、六二一  一、二〇一、四一六  二、〇八四  一、五五五、九三〇
     無     三四   六、一八五    一一九    一七六、〇五六    一五三    一八二、二四一
     合    四九七 三六〇、六九九  一、七四〇  一、三七七、四七二  二、二三七  一、七三八、一七一
 廿四年 有  一、三一九 三五八、二五〇    八〇〇  一、一二〇、三〇七  二、一一九  一、四七八、五五七
     無     二六   一、一六三     九六    一三五、〇七九    一二二    一三六、二四二
     合  一、三四五 三五九、四一三    八九六  一、二五五、三八六  二、二四一  一、六一四、七九九

 (備考)本表ハ我国開港場及特別輸出港ヨリ外国航行ノ船舶ニ対シ内外ヲ区別シテ汽船帆船合計ノ出港船舶数及其噸数ヲ挙ゲタルモノナリ
  土佐丸日本輸出各地行荷物噸数一覧表

図表を画像で表示土佐丸日本輸出各地行荷物噸数一覧表

    輸出地   横浜         神戸          下之関          合計          噸数   重要物産  噸数    重要物産  噸数    重要物産   噸数 陸掦地 神戸         二 チヱムルポ      六 香港        四三  綿糸 コロムボ   一、〇七八  茶箱      三七  マツチ 孟買       一四四  生姜     五七七  マツチ   二、〇〇〇  石炭               絹布類         硫酸銅                           硝子器 竜動       二九一  生姜   一、一四〇  米煙草               麦藁紐         麦藁紐 アントワープ     六  雑貨      四五  竹器                           雑貨 ハンブルグ                二〇三  竹器                           寒天 ロツテルダム                五〇  魚油 アムステルダム                二  雑貨 チユウチユリン               一八  マツチ ポートセツド                 四  雑貨 アントワープ又ハ竜動又ハ香港上ケ      九〇  羽毛                           生姜 ハンブルグ又ハ竜動上ケ           二四  寒天 合計                 二、一九〇        二、〇〇〇        五、七六〇噸 



右日本郵船会社報告

 - 第21巻 p.78 -ページ画像 
  (附録ヰ号)
○協議案第四号           京都商業会議所委員提出
    商業会議所条例中商業者及会員選被選権資格基礎改正ノ件
一商業会議所条例中商業者ト称スルハ本年法律第三十三号営業税法第一条ニ掲ケタル営業ヲ為ス者トシ、又会員ノ選被選権ヲ有スル財産資格ハ営業税ヲ納ムル者ト改正ノ意見ヲ主管ノ大臣ヘ開申スル事
  但条例中訂正スヘキ各条項ハ各会議所ニ於テ案ヲ定メテ開申スルモ、或ハ本会ニ於テ委員ヲ置キ調査セシムルモ可ナリ
 (理由) 現行会議所条例ハ会員ノ選被選権財産資格及経費負担ヲ所得税ヲ納ムル商業者ト定メアルモ、蓋シ当時全国ニ通スル営業税ノナキカ為ナリ、然ルニ明年一月一日ヨリ営業税法ノ実施ナル事トナリタレハ、営業税ヲ納ムル商業者ヲ以テスルハ事理ノ最モ当然ニシテ実際ニ適当ナルモノト信ス、営業税法ニ依レハ現行法ノ如ク其設立地域内ノ豪商ニシテ所得税ヲ本籍地ニテ納ムルカ為メ、若クハ所得税ハ戸主之ヲ納メ営業者ハ非戸主ナルカタメ会員ノ選被選権及経費負担ヲ脱スルカ如キ、又ハ所得ノ多額ハ公債・株式・地所・家屋ノ収益ニシテ商業ノ所得ハ僅少ナルモ、会社役員タルカ為メ、若クハ些ノ商業ヲ営ムカ為メ、一般経費ノ負担ヲ受ルカ如キ法律ノ不備不公平不都合ヲ除キ得ヘシ、又商事会社ニ於テモ役員其人ヲ商業者ト認ルヲ要セス、一会社毎ニ予メ法律上代理権ヲ有スル者ヲ以テ代表人トシ、選被選権ヲ有セシムル事ヲ得ヘシ(会社モ営業税ヲ納ムル故一己営業者ト異ナル事ナシ)要スルニ条例ヲシテ事理実際ニ適応ナラシムルモノナリ
  (附録ノ号)
○第八号議案              松江商業会議所提出
    生命保険業ニ関スル法律ノ制定ヲ希望スルノ意見書並ニ請願書ヲ其筋ヘ提出スルノ件
 (説明要領) 保険ハ不測又ハ不確定ノ事故ニヨリ生スルコトアルヘキ損失ノ補償ヲ目的トスル業務ニシテ、其運用ノ範囲最モ広大ナル者ヲ生命保険トス、惟フニ生命保険ノ本邦ニ開始セラレテヨリ爰ニ十有余年、歳ヲ閲スル未ダ多カラズト雖トモ、国民智識ノ進歩ト社会経済ノ発達ハ之レガ普及ヲ促カシ、現今斯業ノ経営ニ従フモノ株式・合資ノ両種会社ニ在テ其数既ニ三十有余、之ニ加フルニ名ヲ生命保険ニ藉リ投機的ノ業ヲ営ムモノヲ以テスレバ、蓋シ数百ノ上ニ出ツルモノアラン、然ルニ生命保険業ハ或ル点ニ於テ貯蓄銀行ニ類似ノ性質ヲ包有シ、其危険ハ寧ロ貯蓄銀行ヨリモ遥カニ大ナルモノアリ、故ニ経営一歩ヲ失シ監督宜シキヲ得サレバ、独リ会社ノ倒産ヲ見ルノミナラズ、多数ノ被保人ヲシテ各自ノ膏血ヨリ成レル巨多ノ財産ヲ抛棄セシメ、延テ社会ノ秩序ヲ破壊シ、人民ノ経済ヲ攪乱シ、恐ルベキ惨禍ヲ流布スベキヲ以テ、国家ハ之ヲ保全シ之ヲ保護セン為メ、緻密ナル法律ノ規定ト厳重ナル行政ノ権力ヲ用ヰテ、適当ノ処置ヲ生命保険事業ニ加ヘ、以テ其組織及ヒ営業ヲ監視シ、且ツ之レガ助長ニ力メサル可カラズ、況ンヤ目下本邦保険事業発達ノ未ダ幼穉ニシテ、動モスレバ混乱ヲ来サントスルノ情態アルオヤ
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今本邦生命保険業ノ現状ヲ査察スルニ、実際社会ニ信用ト勢力ヲ保チ、多数ノ被保人ヲ有スル者幾何カアル、蓋シ屈指ニ過キサルナリ而シテ彼ノ投機的泡沫会社ニ至テハ、無謀ノ甚シキ、保険事業ノ根本ガ一定ノ学理ノ上ニ存在スルヲモ顧ズ、徒ラニ法律ヲ曲解シテ機運ヲ利用シ、巧ニ法網ヲ潜テ私利ヲ営マントシ、其営業行為ノ如キ全然富籤博奕ト撰ブ所ナク、愚民ヲ蠱惑シ公安ヲ害スル大ニ憂フベキモノアリ、然ルニ之ヲ撿束救済スルノ道ナシ、其他貯蓄銀行ノ如キ営業者ハ預金ニ対スル担保金寄托ノ責ヲ負ヒ、又其預金ノ運用ヲ制限セラレ、預金者ハ随時必要ニヨリ引出スヲ得ル等、極メテ厳重ナル取締ト自由ノ便宜アリト雖トモ、生命保険ハ其実質ニ於テ如何ナル事故アルモ自己ノ払込ミタル権利ヲ抛棄スルノ外道ナク、危険ハ却テ大ナルモノアルニ拘ハラズ、会社ノ取締ニ付テハ単ニ一般商事会社ニ関スル規定アルノミ、又同シク保険業ヲ経営スルニモ株式組織ヲ以テスルモノト、合名若クハ合資組織ヲ以テスルモノトノ間ニ甚シキ懸隔アリ、為メニ玉石混淆セントス、蓋シ因ヲ法律ノ不備ニ帰セザル可カラズ、斯業ノ現況如斯ニシテ、併カモ尚前途ノ維持疑フベキ会社ノ設立セラレントスルモノ少ナカラズ、今ニ於テ之レカ取締ヲナサヾレバ、世ヲ挙ゲテ如何ナル惨禍ノ中ニ投セラレンモ知ル可カラズ、然ルニ現行ノ法制ナク、又将来実施セラレントスル商法中保険会社ニ関スル規定ノ如キ欠欠ノ点多ク、以テ充分ノ頼ミトスルニ足ラズ、故ニ一個ノ独立ナル取締法ヲ制定スルハ寔ニ焦眉ノ急ニ迫レリト謂ハサルヘカラザルナリ
 之ヲ要スルニ、生命保険業ハ文化ノ開進ト共ニ将来益々発達スルノ勢アルノミナラズ、大ニ之レガ普及ヲ計ルノ要アリ、而シテ法律ノ不備ハ徒ラニ不義奸黠ノ徒ヲシテ己レノ狼心ヲ逞スルノ機ヲ与フルモノトセバ、未ダ弊害ノ過甚ナラザル今日ニ於テ矯正スルノ要アラズヤ、聞説、農商務省既ニ成案アリト、然レトモ其発布疾クニ聞クヘクシテ未ダ聞カザルノ久シキヲ憾ム、宜シク当局ニ於テ此弊害ト将来ノ発達ヲ計較シ、国民ヲシテ安ンジテ保険業務ニ加盟スルヲ得セシメラレンコトヲ望ム、是レ本按提出ノ要旨ナリ
  (附録オ号)
○第十四号議案             長崎商業会議所提出
    海外ニ於ル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ儀ニ付、各商業会議所ヨリ其筋ヘ建議スルノ件
     理由
 今ヤ国力ノ充実ヲ期セント欲セハ海外貿易ノ発達ヲ図ルヨリ急ナルハ莫シ、而シテ海外貿易ヲ発達セシメンニハ須ラク海外ニ於ル商工業者等ノ生命・財産ヲ安全ニシ、当事者ヲシテ遠ク故国ヲ離レ、安ンシテ其業ニ従事セシムルノ途ヲ与ヘサルヘカラス、然ルニ何ソヤ目下朝鮮ニ於ル我商工業者及漁業者ノ状況ノ如キ、将タ又南洋「トラック」島ニ於ル日本人殺害事件ノ如キ、吾人実ニ酸鼻戦慄未タ曾テ我政府ノ商工業者等ニ対スル保護誘掖ノ洽カラサルヲ悲シマスンハアラス、聞ク、我政府ニテハ現時加害者ノ政府ニ向ツテ損害要償ノ談判中ナリト、或ハ談判ニ着手セントスルノ半ハナリト、然レト
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モ此方法タル好シ加害者ノ政府ニシテ我要求ヲ容レ損害ヲ賠償シタリトスルモ、是唯有形的ニ生シタル損害ヲ賠償スルニ足ルノミ、其仍テ生シタル無形的ノ損害ニ至リテハ則チ未タシ、那ンソ商工業者等ノ保護ヲ完フシ得タルモノト云ヘケンヤ、是本案ヲ提出シ、斯ル損害ヲ未然ニ防キ、我商工業者等ヲシテ安堵シテ其業ニ従事スルヲ得セシメント欲スル所以ナリ
  (附録ク号)
○十五号議案              広島商業会議所提出
    信用組合法ノ制定アランコトヲ政府ニ意見開申シ、貴衆両院ニ請願スルノ件
金融機関近年大ニ発達ノ徴蹟ヲ顕ハシ、国立銀行処分案ノ決定ト同時ニ農工銀行創立ノ運歩ヲ見ルニ至レルハ、実ニ本邦近時ノ一大盛事ト謂ハサルヲ得ズ、然リト雖トモ、是等各種ノ銀行ハ概ネ主物的信用ノ組織ニシテ、必竟中産者以上ノ機関タルニ過キズ、然リ而シテ世運進漸ノ至ルトコロ富貧漸ク相懸隔シ、遂ニ社会問題ノ喧シキヲ聞クノ期無シト謂フ可カラズ、然レハ今ニ及ヒテ予メ之ヲ防歇セント欲セバ、主人的信用組織タル共同庶民銀行ヲ創立シテ、以テ中産者以下ノ金融ヲ疏通スルヨリ善キハ無シ、政府モ亦タ玆ニ見ル所アリテ、明治廿四年第二回帝国議会ニ提出スルニ信用組合法案ヲ以テセラレタルモ、委員附托中解散ノ厄アリテ通過ノ運ニ至ラズ、而シテ爾来未ダ之レガ再提出ノ挙アルヲ見ズ、本所等ガ恒ニ遺憾ニ堪ヘサル所ナリ、今ヤ戦後経営大小祇ニ怠ル可カラザルニ方リ、本案ノ如キモ亦タ決シテ忽諸ニ附ス可カラサルノ一タリト信ス、仍テ本題ヲ提出シテ以テ本会ノ評決ヲ須ツ、若シ夫レ其組織ノ性質・業域等ノ意見ニ至リテハ更ニ端ヲ改メテ陳フル所アラント欲スルナリ
  (附録ヤ号)
○第十七号議案             博多商業会議所提出
    関門海峡ニ海底鉄道ヲ布設スル儀ニ付政府ニ建議シ並ニ貴衆両院ニ請願スル件
     理由
 山陽鉄道期年ニシテ馬関ニ出テ、九州鉄道現ニ門司ニ起リテ九州ノ大部分ヲ貫通ス、此間一葦帯水所謂関門海峡ノ阻ム所トナリテ、内地ト九州トノ鉄路ノ連絡断ツ、之カ為ニ交通運輸ノ便ヲ失フコト極メテ大ナリ、若シ夫レ関門ノ間ハ汽船ノ往来アリト雖、海上ヲ交通スル為メ人及物ヲ鉄道ヨリ汽船ニ、汽船ヨリ又鉄道ニ移ス、既ニ煩ナリ、況ンヤ風雨一度起リ波浪少カ激スルトキハ、関門ノ短距離且ツ渡航スルヲ得サルヲヤ
 今此間ニ海底鉄道ヲ布設セハ蓋シ九州ト内地トノ交通運輸ニ大ナル利便ヲ感セン、而シテ其橋梁鉄道ヲ採ラスシテ特ニ海底鉄道ヲ布設セント欲スルモノハ、他日有事ノ時ニ方リ軍事上及ヒ商事上ノ安全ヲ保護センカ為ナリ
 然レトモ海底鉄道布設ノ事タル頗ル巨額ノ費用ヲ要スルヲ以テ、之ヲ私設会社ニ望ム能ハス、而カモ政府ハ国家事業ノ一トシテ進ンテ之ガ布設ニ任シ、以テ九州ト内地トノ交通上ノ安全ヲ保護シ、敏速
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ヲ助成スルヲ要スト信スルナリ

   ○同業組合準則ノ改正ニ就イテハ、本資料第二十巻所収「東京商業会議所」明治二十六年三月二十八日、同二十六年九月二十二日、同二十七年六月二十七日ノ条、並ニ本巻明治三十年五月七日ノ条、及ビ第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十五日ノ条参照。
   ○商業会議所条例施行規則中改正ノ件ニ就イテハ、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十五日ノ条、並ニ本巻明治二十九年四月十四日ノ条参照。
   ○万国博覧会開設ニ就イテハ、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十六日ノ条参照。
   ○開港場ノ増設ニ就イテハ、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十五日ノ条参照。
   ○同業組合規則中追加ノ件ニ就イテハ、本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十五日ノ条並ニ本巻明治三十年五月七日ノ条参照。
   ○海外貿易上金融機関拡張ノ件ニ就イテハ、本巻明治二十九年三月十二日、同三十二年一月十九日、同三十四年九月十五日、同三十四年十一月八日、同三十五年十二月九日ノ各条、及ビ本資料第二十三巻所収「農商工高等会議」明治二十九年十月二十一日ノ条参照。
   ○領事官制ノ拡張改良ノ件ニ就イテハ、本巻明治二十九年三月十二日、同年十二月十六日ノ条参照。
   ○中等実業教育国庫補助金下附ノ件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日ノ条参照。
   ○生皮輸入税廃止ノ件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日ノ条参照。
   ○統計条例ニ就イテハ、本巻明治三十一年十二月二十三日ノ条参照。
   ○電信条例軽減ノ件ニ就イテハ、本巻明治二十九年六月十三日、同三十年五月七日、同三十二年二月八日ノ各条参照。
   ○営業税法改正ニ就イテハ、本巻明治二十九年十一月六日、同二十九年十二月十七日、同三十年五月七日、同三十年十月八日、同三十年十二月二十七日ノ各条、並ニ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十九年十一月十九日、同三十年十一月五日、同三十年十二月四日ノ各条参照。
   ○広軌鉄道問題ニ就イテハ、本巻明治二十九年十一月十日ノ条参照。
   ○航路拡張ニ関スル件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日、同三十一年五月二十日ノ条参照。
   ○商業会議所条例中商業者及会員選被選権資格ノ改正ノ件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日、同三十一年五月二十日ノ各条参照。
   ○生命保険業ニ関スル法律制定ノ件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日ノ条参照。
   ○海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スル儀ニ就イテハ、本巻明治三十一年十二月二十三日ノ条参照。
   ○信用組合法制定ノ件ニ就イテハ、本巻明治三十年五月七日、同三十一年五月二十日ノ各条参照。