デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治28年9月25日（1895年）


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是日第四回定期会第一日ノ会議ニ於テ、第二回定期会ヨリノ継続議案タル同業組合規則案上程サル。栄一該案ヲ一先ヅ否決シ他日ニ譲ランコトヲ主張セシガ、討議ノ末採決ヲ後日ニ延期スルニ決ス。同案ハ二十九日第四日ノ会議ニ再ビ上程サレ、栄一会長トシテ議事ヲ司宰セシガ、衆議ノ末之ヲ宿題トナシ、次回ノ定期会ニ於テ討議スルニ決ス。

明治二十八年九月開設
第四回商業会議所聯合会報告　　第一二―一七頁　刊
　　　　○議案
各会議所ヨリ提出シタル議案並ニ報告書類ハ左ノ如シ
○調査報告
第三回商業会議所聯合会ニ於テ附托相成候同業組合規則案ハ別紙ノ通リ調査致候間、可然御取計相成度、此段及報告候也
　　　　　　　　　　　　　　　　　金沢商業会議所
　　明治廿八年八月二十七日　　　　　　会頭　亀田伊右衛門
　　第四回商業会議所聯合会幹事
　　　　鈴木善六殿
（別紙）
　　　　同業組合規則案
第一条　農工商ノ業ニ従事スルモノニシテ同業ヲ営ミ其営業上ノ利害ヲ共ニスルモノ組合ヲ設ケントスルトキハ、適宜ニ地区ヲ定メ、其地区内同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ規約ヲ作リ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
第二条　同業組合ハ同盟中営業上ノ弊害ヲ矯メ、其利益ヲ図ルヲ以テ目的ト為ス可シ
第三条　同業組合ノ規約ニ掲クヘキ事項ハ左ノ如シ
　第一項　組合ヲ組織スル業名及組合ノ名称
　第二項　組合ノ地区及事務所ノ位置
　第三項　目的及方法
　第四項　役員ノ選挙及権限
　第五項　会議ニ関スル規程
　第六項　加入者及退去者ニ関スル規程
　第七項　費用ノ徴収及賦課法
　第八項　違約者処分ノ方法
　右ノ外組合ニ於テ必要トナス事項
第四条　組合ノ設アル地区内ニ於テ組合員ト同業ヲ営ミ営業上ノ利害ヲ同フスル者ハ必ス其組合ニ加盟スヘシ
　　但事業ノ目的及方法ヲ異ニスルカ為メ加盟シ難キカ、或ハ加盟ヲ拒ムヘキ事情アルトキハ、管轄庁ニ申出テ其認定ヲ請フヘシ
第五条　同業組合ハ同業組合ノ資格ヲ以テ営利事業ヲ為ス事ヲ得ス
第六条　同業組合ハ総テ其事蹟及費用決算表ヲ毎年管轄庁ニ報告スヘシ
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第七条　同業組合員ハ規約ヲ遵守シ、費用ヲ負担スルノ義務アルモノトス
第八条　規約ヲ改正スルトキハ更ニ認可ヲ請フヘシ
第九条　分立又ハ合併スルトキハ更ニ規約ヲ作リ認可ヲ請フヘシ
第十条　同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ其規約ヲ作ルトキハ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ、但其聯合二府県以上ニ渉ルトキハ、開会地管轄庁ヲ経由シテ農商務省ノ認可ヲ請フヘシ
第十一条　商業会議所々在地ニ於テ組合規約ノ認可ヲ請フ者アルトキハ、地方長官ハ商業会議所ノ意見ヲ諮問スヘシ
第十二条　本則ハ専ラ府県内重要物産及重要商品ノ改良発達ニ関スル農商工業者ノ組合ニ限リ適用スルモノトス
　　但重要物産及重要商品ノ標準ハ別ニ附則ヲ以テ之ヲ定ム
第十三条　本則第四・第五・第七条ニ違反シタルモノハ金弐円以上弐拾五円以下ノ罰金ニ処ス
　　　　附則案
同業組合規則第十二条、重要物産及重要商品ノ標準ハ左ノ如シ
　一海外輸出品
　一内地需用ノ物品ニシテ一ケ年間壱万円以上他府県ヘ輸出スルモノ
　（理由）　第一条乃至第十一条ハ第二回聯合会調査委員ノ報告ト同一ナレバ今更ニ説明セズ
　第十二条ヲ加ヘタルハ本則ヲ一般ノ農工商業者ニ適用セサルガ為メナリ、元来本則ハ営業ノ自由ヲ検束スルコト少シトセズ、其制裁亦甚タ軽カラズ、之レヲ一般ノ農工商業者ニ適用センカ、苟モ同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ組合ヲ組織スル以上ハ、他ノ三分ノ一ノモノハ如何ニ之レニ不同意ナルモ必ス之レニ加盟セサルヘカラズ、加盟セサレハ直ニ制裁ヲ受ケザル可ラズ、営業ノ自由ヲ撿束セラルル蓋シ之レヨリ甚シキハナカルヘシ、然レドモ海外輸出品、若クハ内地向ノ物産ト雖トモ一地方ノ福利ヲ増進スヘキモノニ付テハ、粗製濫造ノ弊ヲ矯メ競争販売ノ害ヲ除キ国家ノ利益ヲ企図センニハ、勢ヒ同業者ノ団結ナカルヘカラス、則チ国家的利益ノ為メニハ己人ノ自由ハ多少之レヲ犠牲ニ供セサル可ラサルナリ、明治十八年農商務省達第三十五号ニ依レハ、現行ノ準則モ亦管下重要物産ノ改良蕃殖ニ関スル農工商業者ノ組合ニ限リ適用スルノ主意ニ外ナラズ、本則ハ之レヲ条項中ニ明定シタルノミ
　重要物産及重要商品ノ標準ヲ附則ヲ以テ定ムルコトヽシタルハ、時時変更スヘキ必要アルヲ予想シタルニ外ナラズ
　第十三条ノ存否ハ第二回聯合会以来議論ノ集点ナリト雖トモ、凡ソ法律規則ニハ必ス制裁ナカルヘカラズ、制裁アリテ強制力アリ、強制力ナクンハ寧ロ法律規則ナキニ若カス、何トナレバ人ヲシテ之レニ服従セシムル能ハサレハナリ、明治二十三年勅令第二百八号ハ各省大臣ニ許スニ一定ノ範囲内ニ於テ罰金処分ヲ行フノ権ヲ以テセリ本条ハ此勅令ニ依拠セルナリ、若シ夫レ本規則ニ本条ナクンバ、所謂竜ヲ画テ点睛ヲ誤ルモノト何ソ択バン、是レ本条ヲ存シタル所以ノ大要ナリ
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　（参照）
　　　　同業組合準則（明治十七年十一月二十九日農商務省達第三十七号）
　第一条　農工商ノ業ニ従事スルモノニシテ同業者或ハ其営業上ノ利害ヲ共ニスルモノ組合ヲ設ケントスルトキハ、適宜ニ地域区ヲ定メ其地区内同業者四分ノ三以上ノ同意ヲ以テ規約ヲ作リ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
　第二条　同業組合ハ同盟中営業上ノ弊害ヲ矯メ、其利益ヲ図ルヲ以テ目的ト為スヘシ
　第三条　同業組合ノ規約ニ掲クヘキ事項ハ左ノ如シ
　　第一項組合ヲ組織スル業名及組合ノ名称
　　第二項組合ノ地区及事務所ノ位置
　　第三項目的及方法
　　第四項役員ノ撰挙法及権限
　　第五項会議ニ関スル規程
　　第六項加入者及退去者ニ関スル規程
　　第七項費用ノ徴収及賦課法
　　第八項違約者処分ノ方法
　　右ノ外組合ニ於テ必要ト為ス事項
　第四条　組合ノ設ケアル地区内ニ於テ組合員ト同業ヲ営ムモノハ其組合ニ加盟スヘシ
　　但事業ノ規模及趣向ヲ異ニスルカ為メ加盟シ難キカ、或ハ加盟ヲ拒ムヘキ事情アルトキハ、管轄庁ニ申出テ其認定ヲ請フヘシ
　第五条　同業組合ハ同業組合ノ資格ヲ以テ営利事業ヲ為ス事ヲ得ス
　第六条　同業組合ハ総テ其事蹟及費用決算表ヲ毎年十二月管轄庁ヘ報告スヘシ
　第七条　規約ヲ改正スルトキハ更ニ認可ヲ請フヘシ
　第八条　分立又ハ合併スルトキハ更ニ規約ヲ作リ認可ヲ請フヘシ
　第九条　同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ其規約ヲ作ルトキハ、管轄庁ノ認可ヲ請フヘシ
　　但其組合二府県以上ニ渉ルトキハ、開会地管轄庁ヲ経由シテ農商務省ノ認可ヲ請フヘシ

明治二十八年九月開設
第四回商業会議所聯合会議事概録　　第一―一〇頁　刊
　　　　○第一日
明治廿八年九月廿五日午前九時三十分開議
　　出席、委員　○渋沢栄一外三十七名氏名略
　　出席、員外員　四名　○氏名略
　　出席、書記長・書記　十名　○氏名略
○上略
会長（奥田正香君）　○中略　是ヨリ予テ宿題トナリ居タル同業組合規則案ニ対スル議事ニ掛ラン
　書記長朗読
　　継続議案　　（金沢調査）
　　　　同業組合規則案
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第二十三番（榊原由一君）　本案ニ就キ質問セン、本案罰則中罰金ノ高ハ何ニカ拠ル処アルヤ、或ハ唯タ此位ニテ適当ナラントノ見込ニ過ギザルモノナルヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　其事ノ説明ノ為メニ少シク述ブル所アラントス、本則ハ第二回聯合会以来継続シタル重大問題ニシテ、第二回第三回トモ議論百出殆ント底止スル処ナカリキ、而シテ其焦点トスル所ハ只今御尋ネノ罰金ノ項ナリ、此制裁法ヲ設ルコトハ勅令若クハ省令ノ権限内ニナシ、強テ制定セハ憲法違犯ナリトノ議論ガ多カリシモ併シ金沢委員ノ意見トシテハ、第一条ヨリ已下更ニ修正ヲ加ヘズ、則チ第十二条モ是認シタルカ上ニ、之ヲ第十三条トシ、更ニ第十二条ヲ加ヘタルモノナリ、其罰金ノ条項ヲ一般ニ用ユルトセハ自由ヲ束縛スルトカ、或ハ権利ヲ殺グトカ等ノ議論モアランガ、其地方ノ輸出品トナルヘキ重要ノ産物ニ対シテハ国家的ニ保護スルヲ目的トシテ多少ノ制裁ヲ加ヘサルヘカラス、各府県ニ於テ産出スル重要物産ノ中ニテモ国家的物産トシテ大ナルモノハ、国家ノ命脈ヲ左右スルモノナレバナリ、故ニ是非共之レガ制裁ヲ要ス、又第十三条ノ罰金ハ何ヲ標準トセシヤトノ御問ナルガ、之レハ明治二十三年ノ勅令第二百廿八号ニテ罰金弐拾五円以下拘留十日以内ノ罰ヲ付スル事ヲ得ルトノコトアリ、之レニ依リ弐拾五円以内トナセリ、此範囲内ニ於テセハ幾干ニテモ科シ得ルナリ、而シテ違刑罪ニ於ケル科料ハ、一円九拾五銭以内ナルガ故ニ、其最低ヲ弐円以上トシテ罰金ニ為シタルモノニシテ、決シテ違憲ト云フカ如キコトハナカルヘシ、同業組合ハ単ニ実業社会ニ必要ト云フノミナラス、戦捷ノ結果トシテ我邦ガ宇内貿易ノ潮流ニ突出シタル以上ハ益々至緊至急トナリ、之レニ依ツテ濫造濫売ノ弊習ヲ洗滌シ、以テ商工業ノ発達ヲ啓導センコトハ官民一致ノ輿論ニシテ、之ヲ達セシムルニハ勢ヒ組合規則ノ制定ヲ必要トスルト共ニ、之レガ制裁法ノ必要ヲ感ゼズンバアラス、是レ金沢会議所ガ一昨年来聯合会場ニ喧々囂々ノ議論アリシニモ拘ハラズ、此条項ヲ是認シテ尚ホ第十二条ヲ設ケシ所以ナリ、尚ホ申置クガ、重要物産ト限リタルハ前陳ノ如ク国家的物産トシテ奨励ヲ要スルモノニ就テ之ヲ適用センガ為メナリ、第十三条ノ如キ或ハ又憲法違犯トノ議論モアランカナレトモ、重要ノ業体ニ対シテハ今日ノ時勢トシテ自ラ必要ノ場合ナリ、又タ重要物産ノ標準ヲ附則ニ加ヘタルハ海外輸出品ノ如キハ金額ニ拘ハラズ奨励スルガ目的ナルヲ以テ、其金額ヲ挙グルノ要ナキモ、内地需用ノ物品ハ其重要ト云フニ就テノ標準ヲ挙ゲサルヘカラズ、故ニ壱万円以上ト為セリ時勢ノ変遷ニ依リ或ハ五万円以上、拾万円以上、若クハ五拾万円以上トシテ至当ナルヘキ時代ノ来ランヤモ知ルヘカラズト雖トモ、先ヅ今日ノ時勢ニ応シテ斯ノ如ク標準ヲ立テタルモノナリ、第三回聯合会ノ委任ニヨリ調査シタル結果ハ斯ノ如シ、勿論之ヲ以テ最早動カスヘカラズト云フニアラザルガ、今日実際ノ現状ニ依ツテ見ルモ本則ノ制定ヲ必要ト認メタルニ外ナラズ、宜シク大体ノ主意ヲ了知セラレタシ、併セテ廿三番ニモ御承知ヲ乞フ
第二十三番（榊原由一君）　只今金沢委員ノ説明ニテ委細了解セリ、本員ハ其第十三条ノ制裁力ハ尚ホ微弱ニアラザルカノ感ナキ能ハス、然
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レトモ之レヲ処分スル実際ノ場合ニ於テハ亦人情トシテ至難ナルモノナリ
会長（奥田正香君）　只今ハ一読会中ナリ、意見ノ詳細ハ第二読会ニ於テスヘシ
第二十三番（榊原由一君）　然ラバ止メン
第一番（渋沢栄一君）　此規則ハ農商務大臣ニ申請シ、同業組合準則ヲ斯様ニ修正シ、省令トシテ発布シテ貰イタキ意ヲ以テ調査ニナリシヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　御問ノ如ク現行ノ準則ニテハ其効力ノ少ナキニ依リ、規則トシテ発布ヲ希望スルノ意ナリ、幸ニ通過スルヲ得バ、各会議所ニ於テ其手続キヲ尽スコトヽナルヘシ
第四十二番（徳永安兵衛君）　本員ハ初メテ聯合会ニ列シタルガ故ニ前回ノ模様ヲ詳ニセサルガ、之レハ罰金ノミニ止メ、別ニ除名等ノ制裁ヲ要セズトノ意ナルヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　其点ハ明カナラサレトモ、此規則ニ拠レバ同業者ハ是非トモ加盟ヲ要スルカ故ニ、罰金ヲ課セラルヽモ依然営業スル以上ハ組合ニ加盟シ居ラサルベカラズ、故ニ除名セズ罰金ニ止メルコトニナルナリ
第四十二番（徳永安兵衛君）　然ラバ罰金ヲ課セラレタルモノハ営業ガ出来サルコトニナルヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　否ラズ、営業ヲ停止スル如キコトナシ
第四十二番（徳永安兵衛君）　依然営業ヲ為シテ組合員タルヲ得ルカ
第三十七番（水登勇太郎君）　然リ
第二十七番（三浦碧水君）　他府県ヘ輸入スルモノトアルガ、大ナル府県内ニ在リテハ其府県内ニテ又タ壱万円位ヲ輸出スルハ容易ノコトナルガ、是等ハ如何ニスルヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　斯ル府県ナキニアラサルモ、他府県ニ輸出スルモノナキ以上ハ此中ニ加ハラズ
第三十一番（村田六之助君）　第十三条ノ罰則中第五条及第七条違反ノ場合ニハ其罰金ハ組合員ヨリ課スルヤ、或ハ組合ノ重役ヨリ課スルコトニナルヤ
第三十七番（水登勇太郎君）　殆ント答弁ニ苦シムコトナルガ、要スルニ組合ハ組合ノ資格ヲ利用スルヲ得ス、若シ之ヲ利用セハ其主幹タル組長ヨリ組員ガ罰則タル所ノ処分ヲ受クルコトニナルヘシ
第四十五番（下田耕造君）　此案ハ廃棄シタシ、一昨年来ノ宿題ナレトモ、準則ト規則トハ大ニ其性質ヲ異ニスルヲ以テ、商業ノ発達シタル地方ニ於テハ宜シケレトモ、発達セサル地方ハ行ヒ難シ、寧ロ明治十七年農商務省達第三十七号ノ糢糊タル意味ニテ却テ充分ナラン、熊本ハ一昨年来不同意ニシテ、則チ堂々タル全国商業会議所ノ聯合会ニ於テ議決スルノ価値ナキモノト信スルナリ
第十四番（須永信夫君）　四十五番ニ同意ナリ、前回ノ事ヲ知ラズシテ斯ク言ハヽ或ハ無鉄砲トノ譏アランガ、斯ノ如キ制裁ヲ加フルハ今日ノ時勢トシテ尚ホ早シト謂ハサルベカラズ、況ヤ一万円以上云々ノ如キハ却ツテ之レガ為メニ非常ノ錯雑ヲ来スヘキニ於テオヤ、四十五番ニ賛成ス
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第二十七番　三浦碧水君）　十四番ト同感ナリ、此ノ如キ規則ヲ設ケントスル其主意ハ妙ナリト雖トモ、実際一般ニ適用シ難キヲ奈何セン、殊ニ一万円以上等ノ制裁ハ大掴ミノ嫌ヒナキ能ハス、依テ廃棄説ヲ賛成ス
第三十七番（水登勇太郎君）　廃棄説ノ理由トシテ之ヲ一般ニ適用スルハ酷ナリト言フカ如キ語気アルガ、然シ其第一条ノ明文ノ如ク同業者三分ノ二以上ノ同意ニヨリ組合ヲ設ケントスルモノニ対シテ適用スルノ主意ナルヲ以テ、別ニ苛酷ナルコトナシ、又一万円以上云々ノ説アルモ、大体本則ハ国家的物産ノ保護ヲ目的トスルモノナレバ、個人的自由ハ多少検束スル所アラン、若シ之ヲ一万円以上トシテ不当ナリトセハ宜シク修正スヘシ、斯ル一部分ノ当ヲ得サルカ為メニ全体ヲ廃棄スルノ説ハ本員ノ敬服スル能ハサル所ナリ
第一番（渋沢栄一君）此案ノ宿題ニシテ且ツ重大ノ問題ナルコトハ自分等モ能ク承知シ居レリ、金沢会議所ガ委員トナリ綿密ニ調査セラレタルコトハ厚ク其労ヲ謝スルナリ、然レトモ此案ニ就テハ不本意ナガラ玆ニ否決ヲ望マザルベカラズ、凡ソ事ハ自由ニセントシテ之レヲ処スレバ自然放縦トナリ、保護セントシテ規律ヲ立ツレバ自然束縛ヲ受クルニ至ル、其権衡ヲ平ニスルハ必要ナル事ナリ、自分モ丁度明治十三・四年ノ交ナリキ、東京ニテ未タ商法会議所ト言ヒシ頃此ノ如キ規則ノ必要ヲ感シ是非組合項目ヲ設ケント熱心ニ主張シ会議所ニ向テ建議セリ、独リ商法会議所ニ於テ之ヲ唱ヘタルノミナラズ、個人トシテモ亦之ヲ唱ヘテ頻リニ説キ廻リタリ、其故ハ幕府ノ時代ヨリシテ仲間株ト云ヘル株ヲ作リアリシガ、維新後之ヲ廃除シタルガ為メニ同業者間ニ種々ノ弊害ヲ生シ来リシガ故ニ、此組合法位デモ設ケタレバ可ナラントノ思想ガ起リタル訳ナルガ、其時ニモ反対者アリテ大ニ之ヲ非難シ、自由ヲ束縛スルカ為メニ却ツテ其発達ヲ沮害スルニ至ラントテ非常ノ攻撃ヲ受ケタレトモ、討議ノ末会議所ノ多数ハ自分ノ説ヲ採用スルコトヽナレリ、爾後逐々時勢ハ変遷シ今日トナリテ実際ノ現況ヲ見レハ、其当時自身ノ先見ナキヲ悔ユルノ外ナシ、勿論或ル場合ニハ有益ナル事ニ相違ナキモ、総ジテ事業ノ進歩ヲ妨グルコトニナルヘシ抑モ粗製濫造ナルモノヽ限界ハ如何、例セハ繻子ノ如キ、之レヲ綿繻子トシテ縦モ絹、横モ絹ノ如ク表面ヲ綺麗ニ織出シテ、其実木綿ヲ加ヘタルモノハ之ヲ粗製トスヘキ乎、濫造トスヘキ乎、若シモ粗製濫造トシテ排斥セハ工業上ノ巧妙ハ何ヲ以テ進歩シタリトセン歟、木綿ノ如キモ印度綿ヲ買フテ製造セハ品質不良ナリ、不良ナルヲ以テ濫造トセン乎、蓋シ使途ニ依ツテハ其価ノ安キガ為メニ益スルコト尠ナカラサルベシ、玆ニ適例アリ、上州ノ伊勢崎町ハ御承知ノ如ク銘仙ヲ多分ニ産出スル所ナルガ、此地ニ組合ノ設ケアリテ其製造ニ用ユル藍ハ必ズ本邦製トナスコトニ定メタリ、然ルニ一人印度藍ヲ用ヒタルコトアリ、而シテ其他ノ人ガ用フル藍ハ如何ト云フニ、印度藍ノ粉ヲ少シツツ混ジテ用ユルコトアルモ悉ク印度藍ヲ用ユルコトハ日本ノ化学上ニ於テ出来ヌコトヽナリ居レリ、然レトモ其一人ハ全ク印度藍ノミヲ用ヒテ製造セリ、玆ニ於テ組合ハ其人ヲ違約者トシテ除名シタトノコトナルガ、焉ゾ知ラン、其人ハ彼ノ綿繻子ノ製造者ノ如ク新発明者ニシ
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テ却テ実業社会ノ功労者ナルコトヲ、其他製糸ノ如キ、織物ノ如キ、一々粗製濫造ヲ鑑別センニハ何ヲ以テ限界ヲ立ツヘキヤ、唯其反物ノ二丈八尺ヲ二丈七尺トシ、或ハ茶ニ他物ヲ混合シタル如キハ容易ニ知ルヲ得ベキモ、其他ニ至テハ頗ル鑑別ニ苦シマサルヘカラズ、然レハ容易ニシテ知リ得ヘキ粗製濫造ノ弊害ヲ防カンカ為メニ組合ヲ設クルコトハ宜シキモ、若シ其鑑別ヲ誤リタランニハ却テ大ナル発明ヲ妨ケ巧妙ノ進歩ヲ害スルコトニナランモ知ルヘカラズ、是レ豈ニ恐レサルベケンヤ、甚ダ金沢ノ御方ニ対シテハ申悪クキコトナガラ、早ク玆ニ之ヲ決センヨリハ、先ヅ否決トナシ、他日ニ譲ラン事ヲ望ム、仮令一年位後レタリトテ早速ニシテ事ヲ誤ランヨリハ一歩退イテ再考スルノ安全ナルニ若カサルナリ、従来ノ経験ニ依リ、且ツ自分カ所見ヲ誤リタル懺悔ヲ兼ネテ、玆ニ之ヲ述べ不本意ナガラ自分ノ意見トナス
第二十二番（鈴木善六君）　此案ニ対スル議論ハ年々起ルコトニシテ敢テ珍シトセサレバ、玆ニ廃棄説ヲ唱ヘンモ余リ大人気ナシ、依テ大体ヲ可トス、其二読会ハ後ニ廻サレタシ
第十三番（杉山利介君）　一読会ニ於テハ原案ヲ賛成ス
員外第三番（小山䤡吉君）　只今一番ガ注意ヲ促ガサレタレバ諸君ハ其大要ヲ了セラレタルナランガ、尚ホ一言ヲ添ヘタキハ、万一玆ニ本案ヲ可決シタル結果トシテ法律ノ如ク政府ヨリ発布セラレタルトキハ、随ツテ之ニ就テノ弊害アラン、何トナレバ三分ノ二以上云々トアルガ故ニ、三分ノ二以上ノ同意者アレバ実行スルニ差支ナキモ、其罰則ニ至リテ三分ノ一ノ不同意者アルニモ拘ハラズ之ヲ以テ束縛スルト云フ如キコトハ、或ハ今日ノ時勢トシテ已ニ後レタルコトニハアラサル歟或ハ又僻陬ノ地ニ於テハ尚ホ早キニハアラサル歟、殊ニ一万円以上ノ物産ヲ出ス地方ハ随分尠シトセズ、然ルニ片田舎ニ於テ斯ル規則ノ為メニ束縛ヲ受ケシムルトセハ、恐ラク事業ノ発達ヲ阻害スルニ至ラン英吉利ニテモ「アソシエーシヨン」ト云ツテ必要ニ迫リテ同盟組合ヲ設クルモノナレバ、此ノ如キ事ハ宜シク事ノ必要ニ迫リ実際已ヲ得ザル時ニ至ル場合ニ之ヲ設ケテ始メテ其効用アルモノナリ、爰ソ今遽ニ之ヲ議スルノ要アランヤ、敢テ廃棄説ヲ容レラレン事ヲ希望ス
第九番（亀岡徳太郎君）　本案ハ種々至難ノ点アルガ為メニ宿題トナリテ長年間継続シ来リタルモノナレバ、尚ホ充分ニ調査スルコトヽシテ暫ク決議ヲ延バスカ宜シ、本年ハ最早何トカ決議ヲ要スヘキモ、昨年ト今年トハ余程商業ノ情況ヲ異ニスルガ為メニ再考ヲ要スルコトモアラン、此儘ニテ他ノ議案ニ移ラレン事ヲ望ム
第十八番（貝塚卯兵衛君）　九番ニ賛成ス、種々調査ヲ要スルガ故ニ他日ニ譲ラレタシ
会長（奥田正香君）　本案ニ対シテハ已ニ可否両説アリ、而シテ今延期ノ動議アリ、要スルニ多年諸君ガ脳漿ヲ費ヤサレタル至難ノ問題ト認ムルニ、之ヲ今日ノ劈頭第一ニ決スルハ不得策ナルヲ以テ、先ヅ決議ヲ后ニ廻ハサントス、異議ナキヤ
　　　（満場異議ナシ）

明治二十八年九月開設
第四回商業会議所聯合会議事概録　　第六九―七三頁　刊
 - 第22巻 p.18 -ページ画像 
　　　　○第四日　〇九月二九日
○上略
　　午後零時四十分開議
会長（奥田正香君）　午前ニ引続キ会議ヲ開カン、同業組合規則案ヲ議スル積リナルガ、之レニ就キ意見アリ、御苦労ナガラ第一番ニ於テ暫時会長ヲ代任セラレタシ
　　　（此時交替シ第一番会長席ニ着ク）
会長　渋沢栄一君）　奥田会長ハ本案ニ対シ意見アル趣ナルヲ以テ暫ク代テ会長席ヲ涜シ、玆ニ同業組合規則案ニ対スル第一読会ノ議事ヲ継続ス
第二十一番（奥田正香君）　本員ハ本案ニ就キ宿題説ヲ持スルモノナリ尤モ自分等ノ考ヘニテハ原案ノ如ク之ヲ通過セシメテ直チニ其手続ヲ尽シタキガ、種々調査スベキ事項モアリ、旁々已ムヲ得ス宿題説ヲ主張ス、其理由ヲ陳ベン、本案ハ最初神戸ヨリ提出ニナリ、夫レヨリ金沢其他ノ会議所ニ於テ調査ノ上提出サレタルモノナルガ、尚ホ彼ノ制裁ヲ加ルト否トニ就キ種々議論アリ、既ニ名古屋商業会議所ノ意見ニテハ此等ノ問題ハ鄭重ニ鄭重ヲ加ルヲ要スルモノナレハ、特ニ参考ノ為メ各実業者ヲ会シテ諮問セシニ、各自ノ意見ニテハ、之ニ制裁ヲ加ヘザレバ内国ニテハ左程ノ必要ナキモ海外輸出等ニ於テ不便多カル可ク、一時ニ多額ノ注文ヲ受クルトキハ精品ニテハ品揃ノ出来難キ為メ自然粗製濫造ニ流ルヽノ恐レアルヲ以テ組合ヲ必要トシ、孰レモ相当ノ制裁ヲ設ケテ粗製濫造ノ弊習ヲ防グノ手段ニ充ン事ヲ希望セリ、我会議所ノ意見モ亦此ニ在リ、然ルニ若シ之ヲ自由ニ放任セントスル如キ説ニシテ行ハルヽアラバ、夫コソ大変ナリ、現ニ之ヲ国法トスルハ不可ナリトカ、或ハ従来ノ準則ヲ修正セバ可ナラン等ノ説アルガ如シト雖トモ、此ノ如キハ破壊的、思ハサルノ説ト謂ハサル可カラス、厳正ナル制裁力ヲ以テスルニアラスンハ常ニ弊習ヲ矯正スルヲ得サルノミナラス、折角ニ組成シタル組合モ漸々破滅スルハ必然ノ事ナレバナリ、組合ニ於テ制裁ヲ加フルハ不可ナリトノ説ヲ以テセバ、最初ヨリ之ヲ聯合会ニ提出セザルニ若クハナシ、故ニ今一応調査ノ上如何ニセハ宜カラント云フコトヲ討究スルコトニ致シタシ、幸ヒニ第五回聯合会ハ会期早マリテ今ヨリ僅カニ六ケ月ヲ隔ツノミ、是迄宿題トナリシ以来調査スベキ筈ニハナリ居タルモ、其実各会議所ガ挙テ之レガ調査ニ従事シタルモノトモ言ヒ難ク、兎角自家業務ノ繁忙ナルガ為メニ自然之ヲ等閑ニ附シ、漸ク開会前其必要ニ迫リテ俄カニ調査シ始ムル如キ有様ナレバ、以後充分注意シテ調査スルコトニシタシ、想フニ前日第一読会ニ於ケル粗製濫造ノ議論ノ如キ随分極端ニ走リタル様ナリシガ、宜シク其程度ヲ量リテ商議アリタシ、固ヨリ角ヲ矯メテ牛ヲ殺ス如キコトニナリテモ宜クナシ、願クハ我会議所ニテモ尚ホ充分調査スル見込ミナルヲ以テ、今一期之ヲ宿題トシテ次回ニ延サレン事ヲ
第十五番（石塚新吾君）　本案ニ同意ヲ表ス
第四十五番（下田耕造君）　本員ハ最初ヨリ廃棄説ヲ持セリ、抑モ此規則案タル一昨年来ノ宿題ナルニモ拘ハラス、尚ホ之ヲ宿題トスル如キハ其責務ヲ尽サヾルモノト言ハサルベカラズ、仮令何回之ヲ議スルト
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モ、一致ヲ以テ通過スル事ハ到底行ハレ難シ、或地方ニ於テハ準則スラ必要ナシト云ヒ、又或地方ニ於テハ随分制裁ヲ必要トスルアレバナリ、要スルニ明治十七年発布ノ準則ト何程ノ差アルヤ、組合規約ヲ設定スルニ当リテハ、或地方ニ在テハ其管庁ヨリ商業会議所ニ現在諮詢シツヽアルヲ以テ、漸次之ヲ進ムルアラハ準則モ規則モ其要ナキニ至ラン、豈ニ敢テ厳酷ナル制裁ヲ設ルニ及ハンヤ、又第二十一番ノ説ニ輸出業者云々ノ一段アリタルガ、此ノ如キハ其土地ニテ有力ナル人々ガ組立テタル以上ハ、少数ノ者ガ彼此異議ヲ唱フルモ規約ヲ以テ制縛セハ何ノ差閊カ之レアラン、四分ノ三トスルモ、三分ノ二トスルモ規約ニ於テセハ宜シ、即チ今之ヲ改正スルヨリハ寧ロ十七年ノ準則ニテ足レルナリ、然ラサレハ却ツテ弊害ガ起ラン、是レ本員ガ飽クマテ廃案説ヲ主張スル所以ナリ
第六番（中村栄助君）ハ宿題説ヲ翼賛ス
第十四番（須永信夫君）ハ四十五番ニ賛成ス
第十一番（柴田武次郎君）ハ二十一番ニ賛成ス
会長（渋沢栄一君）　第二十一番ノ宿題説ト第四十五番ノ廃案説トアリ最早他ニ異議ナクハ採決セン
第二十七番（三浦碧水君）・第四十番（松本九郎右衛門君）ハ二十一番ニ賛成ス
第二十一番（奥田正香君）　名古屋ノ事ハ既ニ述ベタリ、東京ハ一番ノ説ノ如クナラン、然レトモ全然組合ヲ不可トスベキニ非ズ、兎ニ角規則トシテ之ヲ改メルモ、準則トシテ其儘ニスルモ、未タ充分ノ意見ヲ述ベズシテ採決セラレ、万一否決トナリモセバ甚ダ遺憾ナリ、故ニ若シ之レガ可否ヲ決セントナラバ、仮令今晩何時ニナルトモ充分討議シタル上ニテ決シタシ、然レトモ本日ハ閉場ノ当日ニテ、殊ニ御繁用ノ方々ナルガ故ニ、私ハ今喋々議論ヲ闘ハサンヨリハ宿題トシテ第五回ノ劈頭第一ニ議セン事ヲ望ム訳ナリ
第九番（亀岡徳太郎君　本員ハ最早本年コソ何トカ決着ヲ付ケタキ考ヘナリシカ、併シ尚ホ他ニ意見ノアルノニ之ヲ直チニ廃棄スルモ残念ナリ、然レバトテ準則ニ代ルニ規則ヲ以テスルハ容易ニ賛スベキコトニアラス、故ニ已ヲ得ス涙ヲ呑ンテ意思ヲ翻シ二十一番ノ説ニ従ハン
第二十三番（榊原由一君）　原案ヲ賛成ス
第三十七番（水登勇太郎君　縷々本案ノ必要ヲ弁シ、抂ケテ二十一番ニ同意ヲ表ス
第十四番＠須永信夫君　廃棄説ヲ固持シ居ルモ、時間切迫ノ場合ナルヲ以テ、不得已前説ヲ取消シ抂ケテ二十一番ニ同意ス、次回ニ於テハ飽クマテ廃棄説ヲ貫カサレハ止マサルベシ
第四十五番　下田耕造君）　本員ハ輸出業者ニシテ既ニ組合ヲ設ケアリ今更此規則ノ必要ヲ認メサルガ故ニ、飽クマデ主張スル覚悟ナルモ、一番ナル旗頭ヲ会長トシテ取ラレテ居テハ甚タ困ルナリ、早ク転席アランコトヲ希望ス
会長（渋沢栄一君）　前説ヲ取消シ十四番ニ同意スル積リナルヤ
第四十五番（下田耕造君）　否ラス、決シテ前説ヲ翻スガ如キコトハナシ
 - 第22巻 p.20 -ページ画像 
第二十一番（奥田正香君）　最早喋々ノ要ナキモ、反対者ニ向テハ尚ホ抗弁セサルヘカラス、然ルトキハ時間モ移リテ甚御迷惑ナルガ故ニ、願クハ宿題説ニ就キ採決シ、不幸ニシテ之レガ成立タサレハ其場合ニ於テ可否ヲ決スルコトニ致シタシ
第二十四番　稲生治右衛門君）　原案ヲ賛成ス
第三十一番（村田六之助君）　宿題説多シ、先ツ之レニ対シ採決スベシ
会長（渋沢栄一君）　然ラハ採決ス、宿題説ヲ先キニセン、同意者ハ起立
　　起立　　多数
会長（渋沢栄一君）　多数ナリ、即チ宿題トスルニ決ス、二十一番ハ会長席ニ復サレタシ
　　　（此時交替シ第二十一番会長席ニ復ス）
　　　○同業組合準則改正案ハ其後第五回定期聯合会ニ上程サレシガ、討議ノ末再ビ宿題トナリ、第六回定期聯合会ニ於テ更ニ審議ノ結果遂ニ廃棄スルニ決シタリ。本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」明治二十九年四月二十五日及ビ同三十年五月七日ノ両条参照。