公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第28巻 p.89-91(DK280010k) ページ画像
明治22年1月19日(1889年)
是日栄一、当委員会ニ出席シ、神田錦町一丁目焼失跡道路取拡ノ件・二十二年度事業設計再議案ニ関スル議事ニ与ル。
東京市区改正委員会議事録 第二巻・第一六四丁(DK280010k-0001)
第28巻 p.89-91 ページ画像
東京市区改正委員会議事録 第二巻・第一六四丁
(東京府文庫所蔵)
東京市区改正委員会議事録第二十五号
明治二十二年一月十九日午後第一時三十分開議
闕席 福地源一郎 田口卯吉 武藤直中
和田維四郎 長与専斎 村上楯朝
古市公威 山本謙介 益田孝
出席十八員(鉄道ニ関スル臨時委員ノ出席ヲ要セス、又本日ヨリ林三介ノ補闕トシテ前田利充十四番ノ席ヲ充タス)
○委員長曰 内務大臣ノ訓令ヲ朗読セシメ直ニ其議事ヲ開クトセン
書記左ノ訓令等ヲ朗読ス
東京市区改正委員会
焼失跡道路取拡ノ件、別紙ノ通リ東京府知事ヨリ稟請候ニ付テハ特ニ其会ノ審議ニ附シ候条意見申出ラルヘシ
右訓令ス
明治二十二年一月十九日
内務大臣 伯爵 松方正義
(別紙)
道路取拡ノ儀ニ付伺
当府神田区錦町一丁目ノ内、昨十七日夜焼失ニ罹リ候場所ハ市区改正審査会ニ於テ第三等道路ニ決定ノ路線ニ係リ候ニ付、該方案ニ依リ別紙図面淡紅色ノ通リ取拡候積ヲ以テ、費用概算候処、金四千弐百六拾弐円九銭ヲ要スルノ見込ニ有之候間、二十一年度内市区改正費中焼失跡改正予備費ヲ以支弁致度候条、市区改正委員会ニ於テ決議相成候上施行致度、別紙調書相添此段相伺候也(別紙調書ハ略ス)
明治二十二年一月十八日
東京府知事 男爵 高崎五六
内務大臣 伯爵 松方正義殿
○神田区錦町一丁目焼失跡道路取拡之図(附図第一)。
○以下図ハスベテ「東京市区改正委員会」ノ終ニ一括シテ附載ス。(第二五四頁以下)
○六番角田曰 府知事ヨリ上申ノ金額ト、本会ヨリ提出サレタル図面ニ記載シアル金額ト、相違シアルハ何故ナルヤ
○十八番伊藤曰 東京府知事ヨリ上申ノ調査ハ審査会議定ノ設計ニ拠
- 第28巻 p.90 -ページ画像
リシモノニシテ、本会ノ議定通リ幅員拾間ニ為ストキハ、図面ニ記載ノ金額ヲ要セリ
○六番角田曰 是ハ双方ニ拡ケラルヽヤ
○十八番伊藤曰 這回ハ先ツ焼失地ニ止ムル見込ナリ
○六番角田・二十五番芳野並曰 異存ナシ
○委員長曰 説ナクハ可決ノ旨答申スルトシ、築港ニ関スル訓令アレハ之ヲ朗読セシメン
書記左ノ訓令ヲ朗読ス
東京市区改正委員会
本年十一月二十七日付第二十一号具申、東京港湾改良ノ方案ハ其会ノ審議ニ付ス、右訓令ス
明治二十一年十二月二十七日
内務大臣 伯爵 松方正義
○委員長曰 右ノ通リ訓令ニナリタルニ依リ議案ハ追テ取調ヘ、更ニ其議事ヲ開クトセン、而シテ嚮ニ議定ニナリシ二十二年度ニ於テ挙行スヘキ東京市区改正事業設計ノ金額ヲ詳ク調ヘシ別表ノ如ク総額五拾万円以上ニ及ヘリ、依テ再議アランコトヲ望ム
(参考ノ為メ別表ヲ左ニ掲ク)
二十二年度東京市区改正事業設計再調比較表
- 第28巻 p.91 -ページ画像
備考
地所買上代並建物移転料ニ増減ヲ生シタルハ、近傍実地売買等ヲ照準トシ、番地毎ニ地価ヲ算出シ、又移転料ハ家屋税取調ノ台帳ニ依リ調査セシニ由ル
○十九番銀林曰 区部会ヘ議案ヲ発スル為メ、地所買上代及ヒ建物移転料等詳細調査ヲ遂ケシニ、別表ノ如ク増減ヲ生シタリ、之ヲ五拾万円ノ議案ト為スニハ神田五軒町道路取拡費ニ於テ、神田旅籠町一丁目角即チ(太々餅)ノ所ヨリ昌平橋迄ノ一部ヲ見合スコトニ為ササルヘカラス
○十八番伊藤曰 十九番ノ言フ如ク為ストキハ、神田五軒町道路取拡費ノ金額拾壱万七千六百八拾四円トナリ、予備費ノ金額壱万弐千六百六拾四円四拾九銭壱厘トナルヘシ
○六番角田曰 十八番ヨリ報道ノ通リ修正為スヘシ
○十九番銀林曰 参考迄ニ一言ス、此内河岸地ニ係ル分即チ親慈橋際ト西河岸ノ所ハ地所買上代ヲ要セス建物移転料ノミ見積リ置キタリ
○二番須藤曰 是ハ十八番ヨリ報道ノ如ク修正スルノ外ナシ
○委員長曰 異論者ナクハ、神田五軒町道路取拡費及ヒ予備費ノ金額ヲ十八番ヨリ報道ノ如ク修正スルコトニ決シ、右ニテ散会トセン
于時午後第二時
○是日ノ議事ニ於テハ栄一ノ発言ナキモ、欠席者中ニ栄一ノ名ナキタメ出席セルモノト認ム。