デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

6章 政治・自治行政
2節 自治行政
6款 深川区関係 1. ポンプ献納
■綱文

第28巻 p.404-405(DK280047k) ページ画像

明治20年(1887年)

是年栄一、深川・本所両区有志ト議シ、ポンプ一台ヲ購入シテ警視庁ニ献納ス。


■資料

青淵先生六十年史 竜門社編 第二巻・第六八三―六八四頁 明治三三年二月刊(DK280047k-0001)
第28巻 p.404 ページ画像

青淵先生六十年史 竜門社編  第二巻・第六八三―六八四頁 明治三三年二月刊
 ○第五十八章 公益及公共事業
    第二十四節 深川区公共事業
○上略
火事ハ江戸ノ花ト称シ、東京市古来火災多シ、警視庁頻リニ火防ノ方法ヲ講シ消防隊ヲ組織シ消防器械ヲ改良シタリ、就中蒸汽「ポンプ」ノ効用最モ顕著ナリ、然シナカラ経費ニ制限アリ、之ヲ各区ニ備ヘ置クコト能ハス、深川ハ河流多ク最モ蒸汽「ポンプ」ヲ使用スルニ便ナリ、而シテ之レカ備付ナシ、明治二十年先生深川・本所両区ノ有志者ト協議シ、率先シテ金四百余円ヲ投シ、七千余円ヲ醵金シテ蒸汽「ポンプ」一台ヲ購入シ、之ヲ警視庁ニ献シ便宜ノ地ニ備置ケリ、爾来烈風ノ夜モ区民依テ安眠スルヲ得、区ノ災害ヲ減シ経済ニ裨益アル蓋シ尠少ニアラサルナリ、明治二十一年五月官先生ノ志ヲ賞シ、木杯一組ヲ賜フ


青淵先生公私履歴台帳(DK280047k-0002)
第28巻 p.404 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳         (渋沢子爵家所蔵)
    賞典
同 ○明治二一年 同 ○五月三一日 警視庁蒸気喞筒設備費トシテ金四百四円余寄附候段、奇特ニ付為其賞木杯壱組下賜候事    同 ○内閣


(芝崎確次郎) 日記 明治二〇年(DK280047k-0003)
第28巻 p.404-405 ページ画像

(芝崎確次郎) 日記  明治二〇年   (芝崎猪根吉氏所蔵)
三十一日 ○七月 晴
休日
今朝名子新七殿来訪、書類持参ニ付受取置、午前十一時ヨリ宅ヲ出、蠣殻町ヘ立寄、名子ヨリ受取之書類差上方頼置 ○下略
   ○中略。
九日 ○九月 雲
 君公ヨリ左之用向被申付、夫々参上引合致し候
区内蒸気ポンプ買備付方之義ニ付、比田源吉・名子新七殿両人ニ明十日午後五時頃ヨリ宅ヘ参リ呉候様、両人ヘ引合可申旨被仰付帰宅、両人宅ヘ参上伝達致し候事
○下略
十日 ○九月 雲
○上略
 - 第28巻 p.405 -ページ画像 
名子新七・比田源吉両人御邸ヘ参リ候事
   ○中略。
廿日 ○十月 晴
○上略
○又ポンプ備付ノ事ニ付、集金方周旋御命相成候比田源吉殿ヘ参リ、取調相付候ハヽ、書類廻し方催促可致旨、主人ヨリ下命相伝候事
   ○中略。
廿二日 ○十一月 晴
○上略
 今夕主人より比田氏ヘ伝言承リ、同人宅ヘ罷出、留守ニ付悴ヘ申置帰宅
廿三日 晴
新嘗祭休日
 今朝比田氏引合可申用事被命、同人ヘ罷、不在ニテ帰邸、夫より御使ひニ諸方ヘ参リ、夕刻王子別荘ヘ参リ、御招客取込之中ヘ罷出御返事申上
 尚直ニ帰途比田ヘ立寄面談方被申付、其通リ運ひ相付、夜ニ入十時帰宅候
   ○中略。
十二月一日 晴
○上略 頭取公より被命候件ニ付、名子新七殿ヘ立寄伝言之事共陳述致し廻答之旨帰宅之上、尾高氏ヘ君公今夜御帰リ相成候ハヽ上申方相頼申置候事
○下略