デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

2章 労資協調及ビ融和事業
1節 労資協調
2款 財団法人協調会
■綱文

第31巻 p.507-511(DK310080k) ページ画像

大正9年4月12日(1920年)

是日当会主催社会政策講習所開所式行ハル。栄一之ニ出席シテ告辞ヲ述ブ。次イデ同年十二月ノ第二回講習会ニハ、科外講義トシテ「社会道徳ニ就テ」ト題スル講演ヲナス。


■資料

集会日時通知表 大正九年(DK310080k-0001)
第31巻 p.507 ページ画像

集会日時通知表  大正九年      (渋沢子爵家所蔵)
四月十二日(月) 午前九時 協調会催社会政策講習会開会式(神田錦町三ノ一〇工科学校)


竜門雑誌 第三八四号・第五七頁 大正九年五月 ○社会政策講習所発会式(DK310080k-0002)
第31巻 p.507 ページ画像

竜門雑誌  第三八四号・第五七頁 大正九年五月
○社会政策講習所発会式 財団法人協調会にては、同会事業の一として今後社会政策を研究し、又社会的施設の実務に当らんとする者の教養に遺憾なからしめんが為め、今般社会政策講習所を設立して其目的に資する事とし、四月十二日午前神田錦町三丁目東京工科学校内に於て其発会式を挙行し、副会長たる青淵先生も臨席の上一場の挨拶を述べられたるが、右講習期間は五ケ月とし、毎年三月より七月迄、及び九月より翌年一月に至る二回開講の筈にて、其課目は
 社会政策総論   工場法及鉱業法   労働保険
 労働組合     労働争議      労働紹介
 災害予防     工場衛生      労働統計
 住宅問題     利益分配      社会事業
 工場管理法    産業組合      社会学大意
 経済概論     憲法大意      法制大意
 工業通論     近世産業史
等にして尚科外講義としては
 最近思想問題   中産階級問題    婦人労働問題
 簡易保険     国際労働会議    独逸最近の社会事情
 倫理講話     其他
等なる由、因に其各課の担任講師は、桑田・森・西垣・建部・山崎・野村・上田諸博士以下十余名の諸氏にして、第一回講習期間は四月十二日より七月三十一日迄とし、毎日午後一時より五時迄同所に於て開講しつゝあるが、講習生は二百余名に達したりと云ふ。


社会政策時報 創刊号・第一七四―一七五頁 大正九年九月 社会政策講習所第一回講習経過の概要(川崎万蔵)(DK310080k-0003)
第31巻 p.507-508 ページ画像

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集会日時通知表 大正九年(DK310080k-0004)
第31巻 p.508 ページ画像

集会日時通知表  大正九年       (渋沢子爵家所蔵)
十二月十五日(水) 午後二時 社会政策講習所ヘ御出向ノ約
   ○中略。
十二月廿四日(金) 午前十時 協調会社会政策講習所
               第二回講習修了式(大日本私立衛生会)


社会政策時報 第六号・第二〇八頁 大正一〇年二月 社会政策講習所講習概要(橋本夏男)(DK310080k-0005)
第31巻 p.508-509 ページ画像

社会政策時報  第六号・第二〇八頁 大正一〇年二月
    社会政策講習所講習概要 (橋本夏男)
 前回報告後十余日の十二月二十三日に第二回講習を終つた。 ○中略
 科外講義は講習の終末に近づき、俄に時間を増加したが、其講師と題目を挙げれば、高橋慶応大学教授の「社会主義の学説と其批判」、
 - 第31巻 p.509 -ページ画像 
留岡東京家庭学校長の「制度と人」、渋沢協調会副会長の「社会道徳に就て」 ○下略
   ○講演筆記ヲ欠ク。


集会日時通知表 大正一一年(DK310080k-0006)
第31巻 p.509 ページ画像

集会日時通知表  大正一一年      (渋沢子爵家所蔵)
 七月十四日(金) 午後一時半  社会政策講習修了式ノ件(商工奨励館)多少遅刻スル筈
   ○中略。
十一月二十日(月) 午前八、九時 社会政策講習生約六十名来約(飛鳥山邸)
   ○中略。
十二月十六日(土) 午後二時半  社会政策講習所卒業式(商工奨励館)


集会日時通知表 大正一二年(DK310080k-0007)
第31巻 p.509 ページ画像

集会日時通知表  大正一二年      (渋沢子爵家所蔵)
 六月十九日(火) 午前八時   社会政策講習所生四十余名来約(飛鳥山邸)



〔参考〕協調会事業一斑 協調会編 第七八―八二頁 大正一二年六月刊(DK310080k-0008)
第31巻 p.509-511 ページ画像

協調会事業一斑 協調会編  第七八―八二頁 大正一二年六月刊
    七、施設経営
○上略
(二)講習及講演
 (1)講習
  (イ)社会政策学院
 社会の各方面から社会政策に関する特殊の智能を有する有用の材を要求すること益々急なるを見て、本会は時代の趨勢に察し、大正九年四月現在の社会政策学院の前身たる社会政策講習所を設立することゝした。
 科目及講師は時に変化ありたるも現在に於ては左の通りである。

図表を画像で表示--

 社会政策総論   河津暹 社会学大意    高田保馬 経済概論     気賀勘重 憲法大意     中村進午 近世産業史    本位田祥男 倫理学説一班   荻原拡 労働問題一班   塩沢昌貞 労働法制     吉野信次 産業福利施設   永井亨 労働委員会制度 労働組合     塩沢昌貞 労働争議 労働保険     森荘三郎 工場衛生     鈴木孔三 工場管理     神田孝一  以下p.510 ページ画像  純益分配     松村光三 産業組合     西垣恒矩 産業能率     上野陽一 社会事業大意   田子一民 救貧及防貧    生江孝之 教化事業     鈴木誠治 児童保護     小沢一 職業紹介     遊佐敏彦 



 又時々演習を実施し、又折々実地見学を行つて研究に資して居る。位置は最初神田区錦町東京工科学校内に之を設置したるも、十年七月芝公園第廿四号地に移し、十二年四月本会々館の新築成るに及び館内に移した。
 講習は最初年二回各三ケ月に亘りて開催し来りたるも、昼間職務を有するものゝ希望に鑑み、十二年一月夜間講習を開講したるに、多数の希望ありて良好の成績を収めたから、今後は昼間講習二回、夜間講習一回づゝ開講の方針である。
 名称は従来社会政策講習所と称したるも、十二年四月一日より社会政策学院と改称するに至つた。今後益々内容の充実、形式の整備に意を用ふる積りであるが、前述社会政策講義録の発刊も院外講習生制度の目的に出でたものである。
 卒業生は前後七回合計五百四十三名に達し、現在在院者百五十六名を算する。之等卒業生は全国各地官公署・工場・鉱山若は民間に在りて活動し、何れも社会政策実現の為に努力して居る。
○中略
     社会政策学院規程
 第一条 本学院ハ社会政策学院ト称シ、財団法人協調会之ヲ経営ス
 第二条 本学院ハ社会政策ヲ研究セントシ又ハ社会的施設ノ実務ニ当ラントスル者ヲ養成スルヲ目的トス
 第三条 本学院ハ東京市芝区芝公園第六号地協調会ニ之ヲ設置ス
 第四条 学習期間ハ四箇月以内トシ、毎年四月ヨリ七月ニ至ル、九月ヨリ十二月ニ至ル、二回之ヲ開ク、但以上ノ期間外ト雖モ、機宜ニヨリ之ヲ開クコトアルヘシ
 第五条 学習課目ハ左ノ如ク之ヲ定ム、但夜間開設ノ場合ハ変更スル事アルヘシ
  社会政策総論   社会思想一班   社会学大意
  経済概論     近世産業史    倫理学説一班
  労働問題一班   農村問題一班   労働法制
  産業福利施設   労働委員会制度  労働組合
  労働争議     労働保険     工場衛生
  工場管理     賃銀制度     純益分配
  産業組合     産業能率     社会事業大意
  救貧及防貧    教化事業     児童保護
  失業問題     職業紹介     釈放者保護
  矯風事業     移民及植民
 - 第31巻 p.511 -ページ画像 
  前項課目ノ外科外講義・演習ヲ開キ、又必要ニ応シ研究科ヲ設クルコトアルヘシ
 第六条 本学院ハ、学生ヲシテ期間中工場及各種ノ社会施設ニ就キ実地見学ヲ為サシムルコトアルヘシ
 第七条 本学院ハ、左ノ二項ニ該当スル者ニ対シ銓衡ノ上入学ヲ許可ス
  一、中学校・高等女学校ノ卒業者、又ハ之ト同等以上ノ学力アリト認ムル者
  二、官公署・公益団体又ハ事業主ノ差遣ニ由ル者、若クハ相当ノ推薦者アル者
 第八条 本学院ニ入ラントスル者ハ、所定ノ願書ニ履歴書ヲ添ヘ学院長ニ差出シ、其ノ許可ヲ受クヘシ
 第九条 本学院ニ於テ所定ノ学習ヲ終リタル者ニハ、修了証書ヲ授与ス
 第十条 学生ニシテ性行不良ナル者、又ハ成業ノ見込無キ者ハ、退学ヲ命スルコトアルヘシ
 第十一条 学生ハ入学ノ際入学金トシテ金拾五円ヲ納ムヘシ、但シ夜間開設ノ場合ハ別ニ之ヲ定ム
      協調会会長 副会長
   会長      公爵 徳川家達
   副会長     子爵 渋沢栄一
   同          床次竹二郎