デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.398-400(DK360158k) ページ画像

大正9年8月10日(1920年)

是日栄一、当協会会長トシテイギリス国際聯盟協会執行委員長ロバート・セシル及ビフランス国際聯盟協会会長レオン・ヴィ・ア・ブールジョアニ対シ当協会ノ成立並ニ現状ヲ報ズ。


■資料

国際聯盟 第一巻第一号・国際聯盟協会々報第二四―二六頁大正九年一一月 国際聯盟協会成立後の経過(七)聯盟協会成立の通知(DK360158k-0001)
第36巻 p.398-400 ページ画像

国際聯盟 第一巻第一号・国際聯盟協会々報第二四―二六頁大正九年一一月
 ○国際聯盟協会成立後の経過
    (七)聯盟協会成立の通知
 大正九年八月十日、渋沢会長より英国々際聯盟協会執行委員長セシ
 - 第36巻 p.399 -ページ画像 
ル卿、並に仏国国際聯盟協会々長「レオン・ブルジョア」氏に宛て、各本邦国際聯盟協会の成立及現状を報ず。同書面訳文左の通り。
拝啓 陳者、本邦に於て最近貴族院議長徳川公爵を総裁とせる、日本国際聯盟協会の組織せられたることを玆に通報するは、余の最も欣幸とする処に有之候、従来本邦に於て国際正義の達成と、国際聯盟の理想とせる大主義の実現を、主たる目的として活動せる幾多の協会有之候ひしも、去る一月十日『ヴェルサイユ』条約の実施と共に、此等協会の主脳者間に国際聯盟の精神を実現する目的を以て、一層大規模にして、且つ国民的の性質を帯びたる運動を、直ちに開始せざるべからずとの議纏まり申候。依て此等有力者は右の目的を以て、当時に既に現存せる此等各方面の勢力糾合の為め極力努むる処ありたるが、幸にして遂に前記協会成立を完うすることを得るに至りたる次第に有之候又拙者に於て本邦協会発起人諸氏一同の希望に応じ、会長たることを承諾致したる旨御報知申上候ことは、余の二重の光栄とする処に有之候。拙者に於て同会々長たる事、全く其任に非ざる事は充分承知致居候へども、特に各位より拙者に与へられたる名誉に鑑し、全力を竭して新協会の発達及其の標榜せる崇高なる主義促進の為め努力したき所存に有之候。
 尚本邦協会は過般、国際聯盟協会聯合会幹事より送附有之候同聯合会規約承認の上、既に聯合会加入の手続を了し候。本邦協会役員及会員を代表して、貴下の代表せらるゝ協会と協力し、力の及ぶ限り誠意相互の抱持し居る主義達成の為め、何等貢献する事を得るに至らんことを衷心希望致し居る旨、玆に表明致し度く存じ候。
  八月十日     日本国際聯盟協会々長 渋沢栄一
    英国々際聯盟協会執行委員長
      ロバート・セシル卿 閣下
 拝啓 陳者、日本国際聯盟協会の組織確定、及び各国際聯盟協会聯合に対する其の無留保加入に付き、玆に御通牒の光栄を有し候。日本国際聯盟協会の会則及び其の主たる会員名簿は別紙の通りに候。
 日本国際聯盟協会は、日本に於ける国際聯盟思想の主なる主唱者、及び本会と類似の目的を有する団体を悉く糾合し、今や有力なる識者にして協会の趣旨を賛助するもの多く、協会内部の組織の強固なると相俟つて、其の至高の目的の為めに有効に貢献し得べしと期待せられ候。而して日本聯盟協会の会長として、かくの如き高尚にして而も平生仰望せる事業に協力し得るは、真に大なる名誉と信じ喜悦の情に堪へざる所に有之、此の指命を遂行するが為めには、貴下の御好意と仏国聯盟協会の御協力とを期待する次第に有之候。
 貴協会が聯盟の大精神宣伝の為め、組織ある活動を開始せられたるは、吾人の知悉する処に有之、玆に日本協会員全部に代り、国際聯盟の最初の提唱者たる仏国協会の会長に対し、感謝且つ推敬の情を陳ぶる次第に有之候。
  八月十日     日本国際聯盟協会々長 渋沢栄一
    仏国々際聯盟協会々長
      レオン・ブルジオア殿
 - 第36巻 p.400 -ページ画像 
   ○右ノ訳文ハ失ハレタリ。
   ○Léon Bourgeois ハ大正十四年九月逝去セルニヨリ、当協会総裁徳川家達ヨリ弔電ヲ発セリ。(「社団法人国際聯盟協会会務報告」大正一四年度第三九―四〇頁)


国際聯盟 第一巻第二号大正一〇年二月 【拝啓 陳者、国際聯盟協…】(DK360158k-0002)
第36巻 p.400 ページ画像

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