デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正5年9月5日（1916年）

是日栄一、アメリカ合衆国鋼鉄会社取締役会長エルバート・エッチ・ゲーリー夫妻ヲ、飛鳥山邸ニ招キテ午餐会ヲ催ス。

招客書類（一）　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　大正五年九月五日午前十一時、於飛鳥山邸
　　ゲーリー氏歓迎会
　　　　　　　　ジヤツジ・エルバート・エツチ・ゲーリー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイツ

　　　　　　　　　　　　　　　　　男　穂積陳重
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　穂積重遠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　堀越善重郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ペイン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　男　大倉喜八郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　添田寿一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　頭本元貞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中野武営
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フレーザー
　　　　　　　　　　　　　　　　　男　古河虎之助
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　浅野総一郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佐々木勇之助
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　阪谷男爵夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　子　三島弥太郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　男　三井八郎右衛門
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宮岡恒次郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢武之助
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢正雄
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同夫人

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主夫人

 - 第39巻 p.136 -ページ画像 

集会日時通知表　大正五年　（渋沢子爵家所蔵）
九月一日　金　午前十時　ゲーリー氏歓迎会ノ件ニ付相談会（兜町）
　　　○中略。
九月五日　火　午前十一時　ヂャツジ・エルバート・エッチ・ゲーリー氏招待会（飛鳥山邸）
　　　○本資料第三十三巻所収「日米関係委員会」同日ノ条参照。

竜門雑誌　第三四〇号・第九七頁大正五年九月
　　　　○米国鋼鉄王ゲーリー氏歓迎会彙報
△歓迎日程　支那朝鮮を経て八月二十八日下関着、夫より途中京都・箱根等に滞在、九月四日午後八時半東京駅に到着したる北米合衆国鋼鉄会社取締役会長ジヤツヂ・エルバート・エツチ・ゲーリー氏及同令夫人の歓迎日程は左の如し
　△五日　正午渋沢男爵邸午餐会、△同夜日米関係委員会、紐育日本協会協賛会両会主催歓迎晩餐会、場所帝国ホテル（同夜ゲーリー夫人は帝劇へ案内のこと）
　△六日　三井男爵邸午餐会、△同夜東京市民有志者主催歓迎会、場所上野精養軒
　△七日より十日夜まで　日光見物
　△十一日正午　大隈首相邸午餐会、△同夜浅野総一郎氏邸晩餐会
　△十二日正午　東京商業会議所主催午餐会（夫人は三越呉服店見物）
　△同夜石井外相主催送別会
　△十三日は横浜滞在　十四日ヱンプレス・オプ・ルシア号にて帰米
△青淵先生の歓迎午餐会　青淵先生には本月五日曖依村荘に於てゲーリー氏及同夫人を主賓として午餐会を催されたり。
午前十一時ゲーリー氏来邸せらるゝや、先生之を案内して愛蓮堂に上り、約二時間に亘り清風裡に悠々意思の交換をせられて、次で日本広間に移り食卓に就き、青淵先生の簡単なる挨拶あり、之に対しゲーリー氏謝辞を述べ宴に移り宴中、三曲・手踊の余興あり、午後四時過主客歓を尽して散会せる由なるが、当日参会せられたるは左の如しと
　　　　　　主賓
　　ゲーリー氏　　　同令夫人　　　　サイツ氏
　　　　　　陪賓（イロハ順）
　男穂積陳重氏　　　同令夫人　　　　穂積重遠氏
　　堀越善重郎氏　　同令夫人　　　　ペイン氏
　　同令夫人　　　男大倉喜八郎氏　　添田寿一氏
　　頭本元貞氏　　　中野武営氏　　　フレーザー氏
　男古河虎之助氏　　浅野総一郎氏　　佐々木勇之助氏
　　阪谷男爵夫人　子三島弥太郎氏　男三井八郎右衛門氏
　　宮岡恒次郎氏　　同令夫人　　　　渋沢武之助氏
　　同令夫人　　　　渋沢正雄氏　　　同令夫人
因にゲーリー氏との会談未だ尽ざるものあるを以て、先生には九月十一日帝国ホテルに特に氏を訪問し、更に懇談せらるゝ由なり（九月七
 - 第39巻 p.137 -ページ画像 
日稿）