デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
3節 美術
1款 財団法人大倉集古館
■綱文

第47巻 p.447-453(DK470116k) ページ画像

大正5年11月(1916年)

是ヨリ先、大倉喜八郎、授爵ヲ機ニソノ所有ニ係ル大倉美術館ヲ社会ニ提供セントノ意アリ。是月、財団法人大倉美術館ヲ設立スベキ旨ヲ発表シ、栄一並ニ末松謙澄・穂積陳重・阪谷芳郎・石黒忠悳ニソノ処置ヲ委任ス。

大正六年八月十五日、当館寄付行為作製セラレ、栄一立会証人トシテ署名捺印ス。爾後評議員トシテ歿年ニ及ブ。


■資料

中外商業新報 第一一〇〇四号大正五年一一月二七日 ○大倉美術館を公共物に 帝劇の授爵祝宴会席上で石黒男其顛末を語る(DK470116k-0001)
第47巻 p.447-448 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
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竜門雑誌 第三四三号・第六八頁大正五年一二月 ○大倉男の美挙(DK470116k-0002)
第47巻 p.448 ページ画像

竜門雑誌 第三四三号・第六八頁大正五年一二月
○大倉男の美挙 男爵大倉喜八郎氏は、十一月廿六日より廿八日まで三日間帝国劇場を買切り、朝野の縉紳数百名を招待して、昨年授爵の恩命に浴せし披露会を催されたる由なるが、其際大倉男爵は
 不肖昨年辱くも授爵の恩命に浴したるは老後の光栄之に過ぎず、就ては、不肖が明治維新以来心を尽して蒐集せる大倉美術館を、此機に於て大倉家の財産より全然切離し、国家社会の為めに提供すべし
と述べられ、該美術館を其後財団法人組織として保存する其処置方に就ては、青淵先生・末松子・穂積男・阪谷男に委托せられたる由。


鶴彦翁回顧録 大倉高等商業学校編 第四五四―四六〇頁昭和一五年一〇月刊(DK470116k-0003)
第47巻 p.448-451 ページ画像

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大倉集古館書類(一)(DK470116k-0004)
第47巻 p.451-453 ページ画像

大倉集古館書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
    財団法人大倉集古館寄附行為
喜八郎生テ昌代ニ遭遇シテ、叨リニ叙爵ノ恩命ヲ辱ウシ、感泣已ムナク、報効ノ念倍マス切ナリ、窃カニ謂フ、多年蒐収陳列スル所ノ古器物件ヲ以テ世ノ鑑賞ニ供セハ、則チ規模小ナリト雖モ帝都ニ一ノ博物場ヲ増シ、人ヲシテ考拠游娯以テ聖化ノ余沢ト為サシムルコトヲ得ンカ、果シテ然ラハ、庶幾クハ喜八郎感泣ノ万一ヲ表スルニ足ランナリ因テ右陳列館及ヒ其土地ヲ挙ケ、保存基金若干ヲ加ヘ、左ノ条項ニ依リ玆ニ此財団法人ヲ設立ス
    第一 目的
第一条本財団法人ハ大倉喜八郎蒐蔵ノ美術若クハ工芸ニ関スル物件ヲ其陳列場ト共ニ維持保存シ、之ヲ公衆ノ観覧ニ供スルヲ以テ目的トス
    第二 名称
第二条本財団法人ハ大倉集古館ト称ス
    第三 事務所
第三条本財団法人ノ事務所ハ東京市赤坂区葵町参番地ニ之ヲ置ク
    第四 資産
第四条大倉喜八郎ハ本財団法人ヲ設立スル為、其所有ニ属スル左記ノ土地・建物・陳列物並ニ基本金ヲ寄附ス
   一土地ノ表示添付目録及図面之通リ
   一建物ノ表示同上
   一陳列品ノ表示添付目録ノ通リ
   一基本金五拾万円也
第五条資産ハ評議員会ノ決議ニ基ツキ理事之ヲ管理ス
第六条大倉喜八郎ハ大正六年拾弐月弐拾五日限リ基本金五拾万円ヲ払込ムモノトス
 - 第47巻 p.452 -ページ画像 
第七条基本金ハ国債証書其他ノ確実ナル有価証券ト為シ、其保管ヲ日本銀行ニ委託スヘキモノトス
第八条本財団法人ノ経費ハ前条ノ国債証書其他ノ確実ナル有価証券ノ利殖金ヲ以テ支弁シ、剰余アルトキハ之ヲ積立金ト為シ、臨時必要アル支途ニ充ツルモノトス
第九条本財団法人ノ会計年度ハ毎年一月一日ヲ以テ始リ十二月卅一日ヲ以テ終ル、但初年度ハ設立許可ノ日ヲ以テ始ル
第十条本財団法人ノ目的ヲ賛襄シ其ノ事業ノ拡張又ハ維持ノ為金品ヲ寄贈セントスル者アルトキハ、理事ハ評議員会ノ決議ニ依リ其寄贈ヲ受クルコトヲ得
第十一条本財団法人ニ属スル土地・建物・陳列品其他ノ資産ハ之ヲ台帳ニ記載スヘシ
   台帳ハ評議員会ノ決議アルニアラサレハ之ヲ変更スルコトヲ得ス
   資産台帳ハ謄本ヲ作リ監事之ヲ保管スヘシ
第十二条本財団法人ニ属スル陳列館及資産ニ関スル管理規定ハ別ニ之ヲ定ム
    第五 役員
第十三条本財団法人ノ理事ハ参名トス
第十四条本財団法人ニ監事弐名ヲ置ク
第十五条理事及監事ノ任期ハ五年トス
第十六条理事及監事ノ任免ハ評議員会ノ決議ニ依ル、但理事ハ評議員中ヨリ之ヲ選任スルモノトス
第十七条本財団法人ニ評議員拾名ヲ置ク
第十八条評議員ノ選任ハ評議員会ノ決議ニ依ル、但大倉男爵家ノ戸主及其推定家督相続人ハ当然本財団法人ノ評議員ト為ル
第十九条評議員会ハ毎年度ノ終ニ於テ理事之ヲ招集ス、臨時招集ノ必要アルトキ亦同シ
第二十条大倉男爵家ノ戸主又ハ評議員五名以上ノ請求アルトキハ理事ハ評議員会ヲ招集スルコトヲ要ス
第廿一条評議員会ノ決議ハ評議員ノ過半数ニ依ル
第廿二条評議員会ハ予算・決算、其他重要ノ事項ヲ議決ス
第廿三条評議員ハ各自本財団法人ノ財産及ヒ業務ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
      附則
第廿四条本寄附行為ハ評議員五分ノ四以上ノ決議アル場合ニ限リ主務官庁ノ認可ヲ経テ之ヲ変更スルコトヲ得
第廿五条本財団法人カ目的遂行ノ不能其他ノ事由ニ因リ解散スル場合ニ於テハ、理事ハ評議員会ノ決議ニ基ツキ主務官庁ノ認可ヲ得テ、本財団法人ノ目的ニ類似セル目的ノ為ニ其残余財産ヲ処分スヘシ
第廿六条大倉喜八郎ノ指名ニ依リ本財団法人最初ノ評議員ハ子爵末松謙澄・男爵石黒忠悳・男爵渋沢栄一・男爵阪谷芳郎・男爵穂積陳重・股野琢・馬越恭平・大倉粂馬・男爵大倉喜八郎及大倉喜
 - 第47巻 p.453 -ページ画像 
七郎、最初ノ理事ハ男爵阪谷芳郎・男爵大倉喜八郎及大倉喜七郎、最初ノ監事ハ村井吉兵衛及高島小金治トス、但爾後欠員ヲ生シタルトキハ其選任ハ第十六条ノ規定ニ依ル
第廿七条本寄附行為弐通ノ中壱通ハ最初大倉喜八郎ニ於テ、其後ハ代代大倉男爵家ノ戸主ニ於テ之ヲ保管シ、他ノ壱通ハ評議員ノ決議ニ依リ評議員中ノ壱名ニ於テ之ヲ保管スルモノトス
大倉喜八郎ハ前各項ニ掲ケタル趣旨ニ基ツキ直ニ財団法人ヲ設立スル為、玆ニ親族及親友ヲ立会証人トシ、其面前ニ於テ此寄附行為弐通ヲ作製シ、且下記関係者各自署名捺印スルモノナリ
  大正六年八月十五日   東京市赤坂区葵町参番地
                  男爵 大倉喜八郎(印)
                  立会証人
                  推定家督相続人
                     大倉喜七郎(印)
                  親属 高島小金治(印)
                  親属 大倉粂馬(印)
                友人男爵 石黒忠悳(印)
                同 男爵 渋沢栄一



〔参考〕集会日時通知表 大正六年(DK470116k-0005)
第47巻 p.453 ページ画像

集会日時通知表 大正六年         (渋沢子爵家所蔵)
九月十四日 金 午後六時 大倉美術館ノ件(葵町大倉邸)


〔参考〕青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第一九頁 昭和六年一二月刊(DK470116k-0006)
第47巻 p.453 ページ画像

青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編
              竜門雑誌第五一九号別刷・第一九頁昭和六年一二月刊
    大正年代
  年 月
 六 四 ―財団法人大倉集古館評議員―昭和六、一一。