デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

8章 軍事関係諸事業
1節 第一次世界大戦関係
5款 聯合国軍隊慰問協賛会
■綱文

第48巻 p.578-584(DK480159k) ページ画像

大正7年11月1日(1918年)

是ヨリ先、アメリカ合衆国大統領ウィルソン主唱ノ、聯合国軍隊慰問共同募金ノ計画アルヤ、東京基督教青年会之ヲ東京商業会議所ニ諮ル。是日、同所ニ於テ、当会発起人会開カレ、栄一其副総裁ニ選バル。次イデ同六日、外務大臣官邸ニ於テ当会ノ実業家招待会アリ、栄一、金二千円ノ寄付申込ヲナス。同十三日栄一、宮内省ニ出頭シテ御下賜金ヲ拝受ス。


■資料

社会と救済 第二巻第八号・第六一七―六一八頁 大正七年一一月 聯合国軍隊慰問協賛会の創立(DK480159k-0001)
第48巻 p.578 ページ画像

社会と救済  第二巻第八号・第六一七―六一八頁 大正七年一一月
    ▽聯合国軍隊慰問協賛会の創立
 米国大統領ウヰルソン氏の主唱に係る一億七千万弗の聯合国軍隊慰問金大募集援助の目的を以て、徳川家達公・大隈侯・渋沢男等発起となり、聯合国軍隊慰問協賛会を設立し、本月一日午後九時東京商業会議所に主なる実業家三十余名を招待したり。当日以上諸氏協議の結果徳川公を総裁に、渋沢男・大岡育造両氏を副総裁に選任し、尚ほ常務十一名、其他役員二十余名を挙げ、来十六日迄に四十万円の寄附金を募集し、且つ左記の趣意書を発表する事とせり。
○下略


竜門雑誌 第三六六号・第五二―五四頁 大正七年一一月 ○聯合国軍隊慰問協賛会設立(DK480159k-0002)
第48巻 p.578-580 ページ画像

竜門雑誌  第三六六号・第五二―五四頁 大正七年一一月
○聯合国軍隊慰問協賛会設立 米国基督教青年会外六公共団体は、ウヰルソン大統領の声明に基き、去十一月十一日より十八日迄に聯合国軍隊慰問米国共同大募集金をなすの計画を発表すると同時に、同青年会代表者モツト氏より日本基督教青年会同盟会に其募集金の分担と援助の申込ありたるに依り、同盟会は之れを快諾し、一方同盟代表者たる東京基督教青年会にては之を東京商業会議所に諮りたる結果、去十一月一日東京商業会議所に徳川公・青淵先生・大隈侯(代理)・吉井伯・阪谷男・中島男・早川千吉郎・串田万歳・江原素六諸氏会合の上、発起人会を開き、米国よりの申込趣旨に賛助することに決し、続いて規約を可決し、迅速に其目的を達することを申合せたる由なるが、尚ほ二日常務委員会を開き、募集方法等に付具体的方針を決する由。
 因に本会趣旨書及規約並に重なる役員は左の如し
    趣意書
 欧洲ノ大戦勃発シテ以来既ニ五星霜、而モ未タ終熄ノ期ヲ逆睹スヘカラス、戦場ニ在リテ硝煙ニ櫛リ、弾雨ニ浴シ、辛楚備サニ嘗メツツアル軍隊ノ労苦亦察知スルニ余リアリ、是ニ於テ列国ハ軍隊慰問事業ノ必要ナルヲ認メ、軍隊ニ対シテ其精神ヲ慰安シ、其健康ヲ保
 - 第48巻 p.579 -ページ画像 
全シ、以テ士気ヲ鼓舞シ激励スルノ計画陸続トシテ起ルニ至レリ
 蓋シ軍隊慰問ノ事タル世界的企画ニシテ、人種国籍及ヒ宗教等ノ異同ニヨリテ差等ヲ為スヘキモノニアラス、苟モ人道ヲ重ムスル者ノ一大要務ト謂ハサルヘカラス
 米国大統領ウイルソン氏ハ此際大規模ナル軍隊慰問事業ヲ計画セラレ、其親書ヲ発シテ七個ノ公共団体ニ依嘱スルニ聯合国軍隊慰問事業資金募集ノ事ヲ以テセラル、是ニ於テ是等各団体ハ相協力シテ本年十一月十一日以後一週日間ヲ期シテ壱億七千万弗ノ資金ヲ募集スルノ議ヲ決シ、我国ニモ其共同募集団体総裁ヨリ帝国基督教青年会ニ電報ヲ寄セ、其賛同ヲ求メ来レリ
 帝国亦聯合国ノ一員トシテ曩ニ青島征略ノ事アリ、爾来艨艟地中海ニ出動シ、貔貅西伯利ニ進征シ、而シテ軍隊慰問ノコトニ関シテモ各種ノ施設之ナキニアラスト雖モ 戦禍ノ中心ヲ距ルコト遠キヲ以テ、欧洲各国ノ如ク全力ヲ尽シテ活動スル能ハサルヲ遺憾トス、是ヲ以テ、吾人ハ玆ニ此米国ノ来電ニ賛同シテ、聯合国軍隊慰問協賛会ナルモノヲ組織シ、一般ノ義捐金ヲ募集シテ米国ニ於ケル軍隊慰問ノ大挙ニ賛加セムト欲ス、冀クハ江湖ノ仁人志士吾人ノ微衷ヲ諒セラレ、人道的奉仕ト愛国的対外交誼トノ為メニ本会ノ目的ヲ賛シ之カ遂行ヲ援助セラレムコトヲ
  大正七年十一月
             聯合国軍隊慰問協賛会
                総裁  公爵 徳川家達
                副総裁    大岡育造
                副総裁 男爵 渋沢栄一

  規約
第一条  本会ハ聯合国軍隊慰問協賛会ト称ス
第二条  本会ハウイルソン大統領ノ依嘱ニ係ル聯合国軍隊慰問事業資金募集ヲ援助スルヲ以テ目的トス
第三条  本会ノ事務所ヲ衆議院図書館内ニ置ク
第四条  本会ハ第二条ノ目的ヲ達スル為メ広ク有志ノ寄附金ヲ募リ之ヲ米国慰問資金募集団体総裁ニ寄贈ス
      但シ寄附金ハ金拾円以上トス
第五条  寄附金ノ申込期限ハ大正七年十一月十六日トス
第六条  本会ニ左ノ役員ヲ置ク
     総裁        一名
     副総裁       二名
     常務委員      若干名
     評議員       若干名
第七条  本会ノ役員ハ発起人ニ於テ之ヲ推挙ス
第八条  総裁ハ本会一切ノ事業ヲ統轄シ常務委員会ノ議長トナリ本会ヲ代表ス
     副総裁ハ総裁ヲ補佐ス
     常務委員ハ本会ノ常務ヲ処理ス
 - 第48巻 p.580 -ページ画像 
     評議員ハ総裁ノ諮問ニ応シ重要事項ノ協議ニ参与ス
第九条  本会ノ経費ハ寄附金及雑収入ヲ以テ之ニ充ツ
第十条  会務ノ経過及収支決算ハ新聞紙上ヲ以テ報告ス
第十一条 本会ハ所期ノ目的ヲ達シ前条ノ事務終了スルト同時ニ解散ス

     常務委員(イロハ順)
   早川千吉郎   大橋新太郎
   和田豊治    柿沼谷雄
 男爵中島久万吉   串田万蔵
   安田善三郎   柳田国男
   藤山雷太    寺田栄
 男爵阪谷芳郎
     会計監督
 男爵大倉喜八郎 男爵近藤廉平


青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二〇頁 昭和六年一二月(DK480159k-0003)
第48巻 p.580 ページ画像

青淵先生職任年表(未定稿)昭和六年十二月調 竜門社編
             竜門雑誌第五一九号別刷・第二〇頁
             昭和六年一二月
    大正年代
  年 月
 七 一一 ―聯合国軍隊慰問協賛会発起人―大、七、一一、―〃副総裁―


東京日日新聞 第一五一一〇号 大正七年一一月八日 ○聯合軍慰問に三万円下賜 一昨日の寄附十六万円(DK480159k-0004)
第48巻 p.580 ページ画像

東京日日新聞  第一五一一〇号 大正七年一一月八日
    ○聯合軍慰問に三万円下賜
      一昨日の寄附十六万円
徳川公が会長たる聯合軍慰問協賛会にては一昨日外相官邸に実業家等を招待せしが、列席者四十五名、席上直に寄附申込ありたるは三井・三菱の一万円宛、大倉・近藤・古河各男の一万円宛、山下亀三郎・井上正金頭取・原富太郎・茂木惣兵衛・原六郎・村井吉兵衛氏等の五千円宛、森村男・山本悌次郎氏の三千円宛、野沢源次郎氏の二千五百円渋沢男・末延・増田氏の二千円宛、其他一千円宛の寄附は十数名あり総計十六万一千五百円を計上したり、猶漏聞すれば皇室より三万円下賜の御内示ありたりと


中外商業新報 第一一七一四号 大正七年一一月七日 ○慰問金=日本で米国へ応援 十一日から一週間の間に 聯合各国一斉に募集する(DK480159k-0005)
第48巻 p.580-581 ページ画像

中外商業新報  第一一七一四号 大正七年一一月七日
    ○慰問金=日本で米国へ応援
      十一日から一週間の間に
        聯合各国一斉に募集する
米国大統領ウヰルソン氏の主唱に係る一億七千万弗の聯合国軍隊慰問金米国共同大募集計画あるに付き
 ◇我国有志 に於ても此挙を賛し、今回聯合国軍隊慰問協賛会なるを組織して総裁に貴族院議長徳川家達公を、副総裁に衆議院議長大岡育造氏及び渋沢男を挙げ、常務委員に早川千吉郎・大橋新太郎・和田
 - 第48巻 p.581 -ページ画像 
豊治・柿沼谷雄・中島久万吉男・串田万蔵・安田善三郎・柳田国男・藤山雷太・寺内栄・阪谷芳郎男の諸氏を、会計監督に大倉喜八郎・近藤廉平の両男を推し、事務所を衆議院
 ◇図書館内 に置くことゝなつた、而して同会はウヰルソン氏の親書の趣意に依つて前記の慰問金の募集会となつたが、その期間は聯合国一斉に来る十一日から十七日までの一週間と決定してゐる、日本で募集する金額は四十万円で、既に決定したのは三井・岩崎の各二万円と大倉・近藤・古河各男の各一万円、其他
 △金五千円山下亀三郎△同井上準之助△同原富太郎△同茂木惣兵衛△同村井吉兵衛△同原六郎△三千円森村男△同山本悌次郎△二千五百円野沢源次郎△二千円渋沢男△同末延道成△同増田増蔵△一千円白石元治郎△同井上公一△同大谷嘉兵衛△同中村房次郎△同内藤久寛△同田中平八△同根津嘉一郎△同飯田新七△同小池国三△同堀越善重郎△同相馬半治△同大橋新太郎△同和田豊治△同早川千吉郎△同中島男△同星野錫△同米井源治郎・磯野長蔵
の諸氏にて既に十三万一千五百円に達し、猶ほ畏くも
 ◇金三万円 御下賜の御内旨があつた、又地方には内・外務大臣及同会総裁から依頼状を各府県知事に送つてその斡旋を乞ふことになつてゐる、而して一億七千万弗の募集金は米国陸軍省が左記の七団体を割当てゝ、聯合国軍隊の慰問方を依嘱すると云ふ
 一億弗基督教青年会△一千五百万弗基督教女子青年会△三千万弗全国天主教慰問部△三百五十万弗猶太教公益団△一千五百万弗兵営保護団△三百五十万弗図書館組合△三百五十万弗救世軍


竜門雑誌 第三六七号・第八五頁 大正七年一二月 ○聯合軍隊慰問会へ御下賜金(DK480159k-0006)
第48巻 p.581 ページ画像

竜門雑誌  第三六七号・第八五頁 大正七年一二月
○聯合軍隊慰問会へ御下賜金 天皇皇后両陛下には今般聯合国軍隊慰問協賛会に於て資金募集の趣聴召され、十一月十三日金三万円御下賜の御沙汰あり、依りて同会副総裁たる青淵先生には、午前十一時宮内省に出頭の上忝く拝受して退出せられたる由。


渋沢栄一書翰 野口弥三宛 (大正七年)一一月一二日(DK480159k-0007)
第48巻 p.581-582 ページ画像

渋沢栄一書翰  野口弥三宛 (大正七年)一一月一二日 (野口弥三氏所蔵)
○上略
米国ニ於て聯合軍慰問大会之計画有之其募集金も莫大ニて、紐育宗教家側より本邦へも電報有之応諾致度とて基督教青年会側より申出ニ付本月一日一会を組織し、東京ニ於てハ目下別紙之如く相運募金も相応ニ出来いたし候、就而貴地にも応援相願候筈ニて、過日正副総裁(徳川公及大岡議長と老生との三名ニ御坐候)之名を以て府知事へ書状差出し、大坂市之有力者勧誘方相願候得共、遠隔之土地特ニ派出員ニても無之而ハ充分之募集も如何と懸念仕候、就而ハ賢台ニ於て知事・市長其他此般之事ニ心配致候有志家と御相談被下、有力なる方々より寄附金出来候様御尽力被下度候、但右御心配被下候ニハ当方よりも知事へ書通候方可然候ハヽ早々一書相発可申候得共何分至急御高配可被下候、時日も切迫ニて本月十六日限り之事ニ付、別而御取急被下候様切ニ拝願仕候、実ハ疾く出状と存候も日夜種々之雑事ニて乍思延引仕候
 - 第48巻 p.582 -ページ画像 
御海恕可被下候、右募集之件ニ付而ハ別紙も相添候間御一覧可被下候又神戸杉田君へも同様申上候ニ付御申合御骨折被下度候、尚種々申上度事共有之候も取込中当用可得貴意如此御坐候 敬具
  十一月十二日             渋沢栄一
    野口弥三様
        梧下
野口弥三様 親展 渋沢栄一
  ○別紙ヲ欠ク。


渋沢栄一書翰 杉田富宛 (大正七年)一一月一二日(DK480159k-0008)
第48巻 p.582 ページ画像

渋沢栄一書翰  杉田富宛 (大正七年)一一月一二日   (杉田富氏所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然者過日当地ニ於て組織いたし候聯合軍慰問協賛会之義者、米国ニ於て大会成立し其賛同を本邦なる基督教青年会へ被申越、同会ニ於ても何とか同情を表し度と種々評議之上、終ニ内田外務大臣之心添ニて実業界之人々へ援助を慫慂せられ、玆ニ協賛会之名ニて臨時之一会出来候義ニ御坐候、而して其募集すへき金額も格別之高要求いたし候義ニハ無之候得共、出来得るなれハ阪神両地之有力者ニて金額拾万円も集合相成候ハヽ重畳之事と存候、東京ニ於てハ発会当日ニ拾六万円余之申込有之、今日之処別紙之通ニ候間何卒清野知事及市長とも御相談被下至急ニ御取運被下候様仕度候、実ハ当方委員中誰か罷出事情をも陳上し且募集事務も御手伝申上度候も、申込時日も極而短縮ニ有之殊ニ流行感冒等之際ニ而其都合も出来不申、単ニ書面ニて知事公へ御依頼申上候迄ニ付、貴方之御手配充分ニ行届兼候哉と懸念仕候、何卒前段之事共御諒恕被下知事・市長各位へ貴兄より呉々宜敷御申上被下、米国ニ対する国際関係も有之候義ニ付相応之取扱致遣し度ものと奉存候、清野知事へハ別ニ呈書不致候得共、前段之趣旨篤と御申上相成、毎々御迷惑之事相願恐悚之至ニ候得共御力入被成下候様願上候
○中略
  十一月十二日
                      渋沢栄一
    杉田賢契
        坐下
杉田富様 親展 渋沢栄一
  ○別紙ヲ欠ク。


渋沢栄一書翰 野口弥三宛 (大正七年)一一月二一日(DK480159k-0009)
第48巻 p.582-583 ページ画像

渋沢栄一書翰  野口弥三宛 (大正七年)一一月二一日   (野口弥三氏所蔵)
本月十四日附及十八・十九両日之貴翰前後三回ニ順着来示之趣ハ一々敬承仕候、聯合軍慰問協賛会貴地ニ於る寄附金之事ハ知事・市長両君
 - 第48巻 p.583 -ページ画像 
ニも種々御心配被下、貴台ニ於ても御助力ニて夫々勧募之御手配相成候趣毎々御迷惑之事と深く恐悚仕候、締切期日も本月末日まて延期いたし候ニ付、何卒尚知事・市長へも御依頼被下、せめて四・五万円ニても出来候様御尽力願上候、且又知事と市長とにハ更ニ総裁其外連名を以て再応御依頼差出置候ニ付、是又御含被下、此上とも御心添之程奉祈候
○中略
  十一月廿一日               渋沢栄一
    野口賢契 坐下
「大阪市高麗橋通」 第一銀行 野口弥三様 拝復親展 「東京日本橋区兜町」 渋沢栄一
十一月廿一日発


渋沢栄一書翰 杉田富宛 (大正七年)一一月二一日(DK480159k-0010)
第48巻 p.583 ページ画像

渋沢栄一書翰  杉田富宛 (大正七年)一一月二一日   (杉田富氏所蔵)
十五日貴翰拝読、毎々御高配被下感謝此事ニ候、今回之寄附金勧募ハ別而突然之事ニテ御迷惑とハ万々御察申上候へとも、可相成ハ大阪と貴地とにて拾万円位も出来候ハヽ、米国なる発信者ニ対し候て面目ある事と相考へ強而申上候次第ニ候、大阪ハ野口君之来報ニてハ少々相運可申模様ニ候、就而ハ貴方も同地と御打合被下、幾分ニても出来候様此上とも御尽力可被下候、期日ハ本月中ニ延引候ニ付、尚々知事・市長両氏へ御依頼被下度候、当方総裁其外之連名ニて再応之依頼状ハ既ニ発送仕候
右拝願旁来示奉復まて匆々如此御坐候 不宣
  十一月廿一日             渋沢栄一
    杉田盟兄 坐下
         研北


渋沢栄一書翰 杉田富宛 (大正七年)一月二三日(DK480159k-0011)
第48巻 p.583-584 ページ画像

渋沢栄一書翰  杉田富宛 (大正七年)一月二三日   (杉田富氏所蔵)
一昨日附之貴翰拝読、爾来益御清適奉賀候、然者過般拝願いたし候聯合軍慰問協賛会寄附金之件ニ付而ハ、御繁忙中殊ニ知事・市長各位之御差支有之候際ニも拘はらす、賢台ニ於て百事御高配被下多数之有力者応募いたし候様相成候ハ、如何にも御骨折之義と感謝之至ニ候、最前之模様ニてハ大阪之方ハ林知事も尽力之由ニ候得共、今以有力者之応募何程と申事も通知無之ニ付、従是尚一段之手配相願候積ニ候、可相成ハ御接近之義ニ付、賢台より野口氏へ神戸之実況御示し被下、大阪も同様相運申度と存候、而して貴地の分も尚相残り候向々をも何とか御勧誘被下、小高ニても相洩れ不申様致度ものニ御坐候
右不取敢拝答旁特別之御高配を感謝仕候 匆々敬具
  十一月廿三日
                      渋沢栄一
 - 第48巻 p.584 -ページ画像 
    杉田賢台
       拝答


渋沢栄一書翰 杉田富宛 (大正七年)一二月三〇日(DK480159k-0012)
第48巻 p.584 ページ画像

渋沢栄一書翰  杉田富宛 (大正七年)一二月三〇日   (杉田富氏所蔵)
○上略
聯合軍慰問協賛会ニ対する貴地方之寄附金ハ御丹精ニよりて意外ニ相進ミ、大阪も相応ニ相纏り、遂ニ総計金四拾五万円と相成、既ニ米国モツト氏へハ外務大臣を通して電報致し、先方も満足之回答ニ接し候畢竟右様予想以上之成績を見候も、各地之同情多きよりと相考候も、帰する処ハ貴地も大阪も第一銀行支店長之御尽力ニ出候事と、別而拝謝仕候
○中略
  十二月三十日              渋沢栄一
    杉田賢契 坐下
神戸市栄町第一銀行支店 杉田富様 東京市日本橋区兜町 渋沢栄一
十二月三十日


社会と救済 第二巻第一〇号・第七七三頁 大正八年一月 基督教青年会へ五十万円寄附(DK480159k-0013)
第48巻 p.584 ページ画像

社会と救済  第二巻第一〇号・第七七三頁 大正八年一月
    ▽基督教青年会へ五十万円寄附
 本誌第二巻第八号に記載の如く、米国基督教青年会其他七個の公共団体は聯合国軍隊に対し、体育・智育・社交及道徳の福利を供給し並に戦時罹災民の救護等の費途に充てん為に三億四千万円を募集することに決し、大統領ウイルソン氏の多大なる同情と援助の下に基督教青年会総主事モツト博士を総委員長となし、昨年十一月十一日より同十七日に至る一週間を期し右金額を募集しつゝ、我国にも其中十五万円の募集を依頼し来り、我国にては之に対し徳川公・大隈侯・吉井伯・渋沢男其他発起人となりて募集中、皇室より金三万円の御下賜あり、旁総計五十五万円余の募額を得、これに聯合国傷病兵罹災者慰問会の資金四十余万円を加へモツト氏に送金せるが、募金の総額四億八千万円に達し予定より一億四千万円を超過したる由にて、去七日米国委員より我基督教青年会同盟主催軍隊慰問部に五十万円を寄贈し、西伯利出征軍隊慰問及び戦時露国罹災民救護等の資金に充てられたき旨電報を以て通知し来りたりといふ。