デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
7節 関係団体諸資料
11款 婦人奉仕会婦人会館
■綱文

第49巻 p.638-643(DK490205k) ページ画像

昭和2年11月21日(1927年)

是日栄一、婦人奉仕会ノ婦人会館ニ金五百円ヲ寄付ス。


■資料

(嘉悦孝子)書翰 渋沢栄一宛(大正一五年)六月一二日(DK490205k-0001)
第49巻 p.638 ページ画像

(嘉悦孝子)書翰  渋沢栄一宛(大正一五年)六月一二日
                     (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 愈々御健勝大賀此事に存じ上ます
扨佐藤貞子経営の婦人会館創立当時は種々御厄介相かけましたそうでござりますが、事業が事業でござりますのでなかなか困難ではござりますが、今一歩の所で目鼻がつくと申場合までは参りましたので、誠に恐入ますが今少々御便宜をお与へいたゞきますやう願ひくれとの申出に、こゝに折入つて私より右の段御願ひ申上ます
  六月十二日              嘉悦孝
    渋沢子爵閣下


(増田明六)日誌 昭和二年(DK490205k-0002)
第49巻 p.638 ページ画像

(増田明六)日誌  昭和二年      (増田正純氏所蔵)
五月七日 土 曇                出勤
○上略
本日の来訪者
○中略
2、塘茂太郎君・佐藤  《(原本欠字)》君 佐藤君ハ婦人会館の設立者で、婦信通信社《(女)》を経営して居る人である、過日同君の夫人が喜悦孝子氏《(嘉悦孝子)》と共ニ子爵を訪問して、顧問ニ為つて賛助して頂たきたいと依頼した際、夫君の職業を聞かれ新聞記者だと答へたのを子爵は不安心の様子を示されたとかにて、今日は新聞ニ通信の事業を営むものなるが、決して無責任の記者々流ニあらさる次第を塘君同道で申陳べ、同君の証明を受けて此旨子爵ニ取次を請度との事であつた、詳細の談話を聴取し子爵ニ克く御伝すべしと約した


諸会発起趣意書(五) 【(名刺表) (増田書入レ) 青松寺内婦人会館(昨年五月頃子爵モ演説セラル) 佐藤氏夫人ハ…】(DK490205k-0003)
第49巻 p.638-639 ページ画像

諸会発起趣意書(五)          (渋沢子爵家所蔵)
(名刺表)

(増田書入レ)
青松寺内婦人会館(昨年五月頃子爵モ演説セラル)
佐藤氏夫人ハ屡々子爵ニ面会、
青松寺住職ノ親戚ナリ
佐藤貞子氏(飛騨出身)
日刊日本婦女通信発行、毎日新聞社、婦人会、女学校等ニ頒布セリ

              日本婦女通信社主
                  佐藤順造

                   牛込区市ケ谷田町三ノ八
                     電話牛込 三二三〇

 - 第49巻 p.639 -ページ画像 
(名刺裏)

  (増田書入レ)
  一、婦人奉仕会ノ件 喜悦氏《(嘉悦)》ト佐藤貞子氏同伴
  一、婦人ノ社界事業ニ老後仕事トシテ面倒ヲ見テモヨイト云ハレタリ
  一、

(名刺表)

  (書入レ)
  御紹介申上度人同道御目に懸り度候
         日本女子大学校幹事
                  塘茂太郎
    増田様


(増田明六)日誌 昭和二年(DK490205k-0004)
第49巻 p.639-640 ページ画像

(増田明六)日誌  昭和二年      (増田正純氏所蔵)
五月十九日 木 晴               出勤
○上略
本日の来訪者と要件
1、佐藤貞子君 婦人会館維持資金醵集の件
○下略
  ○中略。
五月三十一日 火 晴              出勤
本日の来訪者と其要件
○中略
2、佐藤順造氏 婦女通信社主、日本女子大学幹事塘茂太郎氏の紹介ニて来訪、婦人会館之顧問として子爵ニ御加入を請度件
○下略
  ○中略。
十一月十二日 土 晴              出勤
○上略
本日の来訪者
2、佐藤貞子氏 婦人会館建設ニ付き、子爵より寄附金を請ふとの懇談であつた
○下略
  ○中略。
十一月廿一日 月 曇              出勤
○上略
今日の来訪者は
1、佐藤貞子 婦人会館建設ニ付、子爵より寄附金を請ふので金五百
 - 第49巻 p.640 -ページ画像 
円を寄贈せられた
○下略
  ○中略。
十二月二日 金 晴               出勤
○上略
本日の来訪者と用件
2、佐藤貞子氏 婦人会館設置の件
○下略


諸会発起趣意書(一) 【(謄写版) (表紙) 御慶事紀念婦人会館設立趣旨 附同後援会お約束】(DK490205k-0005)
第49巻 p.640-642 ページ画像

諸会発起趣意書(一)         (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
(表紙)

  御慶事紀念婦人会館設立趣旨
         附同後援会お約束   婦人会館建築事務所
                     芝区愛宕町青松寺境内
       (別筆)
        嘉悦孝子佐藤貞子氏ヨリ廻送
                    婦人会館設立事務所
                     牛込区市ケ谷田町三ノ八
                         電話牛込二五五

    婦人会館設立趣意
 慈善と宗教を標榜した集りと、思想と経済とを主張とした集りと、これ等二種の新旧婦人会を数へると大小五十を超るでせうか。前者は其の創立年代が古くて関係諸姉が上流社会の人たちだからいづれも相応の建物を有つてゐますが、後者は寧ろ中産階級若しくは夫れ以下の新婦人によつて経営されてゐるため会其のものゝ基礎は鞏固とは申されません。建物なども固よりありません、自然いろいろな事情から解散の止むなきに立ちいたつたものはこれまで可なり沢山あります。前者は旧慣に囚はれて新空気を忌み嫌ふの憾みがあります。後者は欧米の新思想に強いて迎合するの傾きがあります。大体を通じて是等二つの思潮は絶えず反対の方向に流れつゝあるのではありますまいか。
 永い間の習俗はおそろしいものです。貴族の奥方は華族会館に、篤志看護婦人会員は「芝公園」に、愛国婦人会員は「九段牛ケ淵」に、将校婦人会員は「牛込若松町」といつた風に、夫れ夫れ御自分たちの建物にお集りになるは人情の当然で、別に不審ではありませんが、是等のいろいろの婦人会に関係なすつてる婦人方が――顔振れの古るい新しいに関はらず――一緒になつて何事か相談の場合になると「牛ケ淵」はイヤダ、「芝公園」もイケない、華族会館は吾れ吾れ平民のゆくところでない、などといろいろの議論が出ました結果、婦人会とは何も関係のない、洋食店の類を強いて会場に充てゝ、余計な費用を使ふばかりでなく、其の都度「会場の選択」なるものが少くとも議案の一大難件として討議さるゝやうな現状が、マザマザと窺はれるやうな
 - 第49巻 p.641 -ページ画像 
気がいたします。
 此の意味からしても、既に婦人会館の必要なことは申すまでもありません。而も今の如く旺んな此の婦人界に、将た女学界に一個の婦人会館のないことは、寧ろ婦人界夫れ自身の恥辱とも云へます。これ軈て婦人会館設立の必要に迫られた一つの理由であります。
    婦人会館の事業部
 徒らに『集る』ばかりが会館の主義本能ではありません。時代に順応して可能性のあることは、何んでも試練と体験を重ねます。随つて今のところは、大体つぎの項目によつて社会的に働き、やがてはお互様の日常生活の補助機関として有効に此の会館を使用し、兼ねて会館の事業を発達させたいと思ひます。
 ◎事業として会館の庶務係は会員諸氏の為に次のことを致します。
  ○宣伝部=各種の展覧会並びにバザー、各種の講習会、各種の紹介並びに披露
  ○娯楽部=各種の演芸会、活動写真
  ○家庭部=婦人職業紹介、婦人内職紹介、婦人身の上相談、小間使・女中・児守女・割烹婦・家政婦・家庭教師・保姆派出看護婦・派出婦等の紹介、結婚身元調査、男女雇人の身元調査、修学男女の操行調査。
  ○産業部=ミシン課、タツチング課、裁縫課
  ○講演部=
    講演部特設の趣旨
 近ごろ日本の婦人界が時代の思潮に刺戟せられて、各方面に旺んに躍動しつゝあるの傾向は、素より慶ばしい社会現象の一であります。然し其の孰れもが、徒らに声のみ高くして実の伴はざるは、一体どうした訳なのでせう。それにはいろいろの理由もありませうが、概して宗教的基礎観念を欠いて居ることが、都べての事業を失敗に終らしむる重なる原因だらうと思ひます。そこで思想の涵養と信仰の確立とを計り、やがて完全なる人格の所有者たらしむることが、当面の根本問題ではありますまいか。
 外国婦人が、海外異郷の空まで高翔し、そして目まぐるしいほどの活動振りは、寧ろ模範とせねばなりません。而も彼等の完全なる成功は、専ら神の信仰に基礎づき、教会に集つて浄い照明の世界に生きてるからの賚ではありますまいか。
 然るに世界の五大強国と矜る吾国に、進んだ青年婦人を迎へ得るに相応はしい一の婦人会館のないのは、蓋し文化国の一大恥辱ではあるまいか。婦人会館の事業の一部として、特に『講演部』なるを設けた次第です。
    婦人会館設立後援会
第一条 本会は婦人会館設立の趣旨を賛し、其の竣成を期するを以て目的とす。
第二条 本会の会員を普通会員、賛助会員、名誉会員の三種とす。
 一、普通会員は本会の趣旨を賛し金五拾円以上を寄附したるもの。
 二、賛助会員は本会の趣旨を賛し金百円以上を寄附したるもの。
 - 第49巻 p.642 -ページ画像 
 三、名誉会員は本会の趣旨を賛し金五百円以上を寄附したるもの。
第三条 金銭の寄附なきも、本会の趣旨を賛して家具調度を寄附したるものは、寄贈品の価格に準じて、第二条三種会員中の何れかに該当するものとす。
第四条 本会は婦人会館落成と同時に解散するものとす。
第五条 解散後の本会員は、更めて組織さるる『婦人会館桜会』なる名の下に、婦人会館の発展及び維持に力むるものとす。桜会の『約束』は会館の落成を待ち、協議の上決定す。
      本会役員
会長
        理事
鳩山春子  小笠原貞子  大築仏郎  嘉悦孝子
吉岡弥生  塘茂太郎   村井薫子  山脇房子
跡見李子  佐藤貞子   島津愛子
        会計監督
岡田徳子  宮田修
        評議員○略ス


諸会発起趣意書(五) 【(印刷物) 婦人奉仕会(会則)】(DK490205k-0006)
第49巻 p.642-643 ページ画像

諸会発起趣意書(五)         (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    婦人奉仕会(会則)
      第一章 名称及び事務所
第一条 本会を婦人奉仕会と称す
第二条 本会は事務所を東京市芝区愛宕町一丁目二十五番地に置く
      第二章 目的
第三条 自活の為め奮闘する婦人の保護、及び思想の善導、並に婦人の向上発展に必要なる施設を為すを以て目的とす
      第三章 事業
第四条 前条の目的を遂行する為め、左の事業を行ふ
     一、婦人の職業紹介
     二、婦人の身の上相談
     三、結婚の紹介
     四、婦人の無料宿泊所の経営
     五、婦人の簡易宿泊所の経営
     六、母子収容所の経営
     七、婦人の修養講話
       其の他理事会に於て必要と認むる社会的施設
      第四章 会館の設立
第五条 本会は前条の事業を執行する為めに、東京市芝区愛宕町一丁目二十五番地に婦人会館を設立す
      第五章 役員及び職員
第六条 本会に左の役員を置く
     一、顧問      三名
     二、会長      一名
 - 第49巻 p.643 -ページ画像 
     三、理事      七名
     四、監事      一名
     五、評議員     三十名
第七条 顧問及び会長は理事会に於て推薦し、理事及び監事は評議員会に於て推薦するものとす、理事中より理事長を互選し、本会に関する事務を統轄し本会を代表せしむ、而して監事は理事長を輔佐す
      第六章 法人組織
第八条 本会は近く財団法人の組織に変更す可し、随つて前条の役員の権限其の他は総て定款の定むるところに拠るものとす
      第七章 会員及び経費
第九条 本会の趣旨を翼賛する婦人をもつて本会々員とす、但し会員の規定は別に是れを定む
第十条 本会の経費は会員より醵出さるる会費、及び特志寄附金を以て是れに充つ
        東京市芝区愛宕町一丁目二十五番地
                    婦人奉仕会
                     電話銀座一〇二四
  (別筆)
  昭和二年四月十五日 嘉悦孝子、佐藤貞子来訪


青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二四頁 昭和六年一二月刊(DK490205k-0007)
第49巻 p.643 ページ画像

青淵先生職任年表(未定稿)  昭和六年十二月調 竜門社編
               竜門雑誌第五一九号別刷・第二四頁昭和六年一二月刊
    昭和年代
  年 月
 二 四 ―婦人奉仕会婦人会館賛助員―昭、六、一一。