デジタル版「実験論語処世談」凡例

最終更新日:2018年3月28日  公開日:2017年3月8日

1. デジタル版「実験論語処世談」について

  • デジタル版「実験論語処世談」は、『渋沢栄一伝記資料』(以下『伝記資料』)別巻第6「談話二」(渋沢青淵記念財団竜門社, 1968.11)、第7「談話三」(渋沢青淵記念財団竜門社, 1969.05)のうち、「新聞・雑誌に掲載せられたる談話」に収載された「実験論語処世談」69編を底本とした。
  • 『伝記資料』別巻第6、第7に収載された「実験論語処世談」の親本は、『竜門雑誌』第325号(竜門社, 1915.06)から第434号(竜門社, 1924.11)まで69回にわたり掲載された同名(初回のみ「実験論語処世訓」)の連載記事である。「版について」に述べるように、これは『実業之世界』に掲載された談話筆記をほぼ転載したものである。
  • 『伝記資料』別巻第6の前付p.3に掲載されている「解題」には、「実験論語処世談」の出典について「但、資料は「実業之世界」に依らず、「竜門雑誌」転載に依つた」とあるが、調査の結果、『竜門雑誌』の記事そのままではなく、初出や書籍版、あるいは書籍版の正誤表の内容も繰り入れられた独自の版であることが判明した。「版について」に記したように「実験論語処世談」には複数の版(エディション)が存在し、本コンテンツもウェブ掲載にあたり若干の編集作業を行ったため「デジタル版「実験論語処世談」」という名称を付けた。
  • 回次は69回までの通し番号をアラビア数字で記載したため、底本の表記とは異なる。底本の表記は記事タイトル、著者名とともにページ末尾の出典情報欄に記載した。
  • 底本における『伝記資料』本編への参照指示には、デジタル版『渋沢栄一伝記資料』(以下、デジタル版『伝記資料』)該当箇所へのリンクを付けた。ただし、『伝記資料』の掲載内容は親本の引用範囲とは異なる場合がある。
  • 今日では不適切と思われる表現も見られるが、歴史資料としての性格に鑑み、原文のまま掲載した。
【2018.03.28追記】
  • 『伝記資料』の不足を補い、また「実験論語処世談」における渋沢栄一の論語章句への言及を集約する目的で、『竜門雑誌』に転載されず、従って『伝記資料』に収載されなかった『実業之世界』連載記事(初出)8編(第49[48]回、第62[61]回、第90[89]回、第92-94[91-93]回、第98[97]回、第263[133]回)を追加した。追加にあたっては、『竜門雑誌』から派生した「系統B」の源流となる初出記事を底本とした。
  • 上記追加記事において、底本に付されているルビ、傍点、訓点等は全て省略した。
  • 追加記事は、話の前後関係が損なわれない位置に挿入した。デジタル版「実験論語処世談」における回次は、伝記資料版との区別が付くよう、数字の後に「a」等を付け[ ]で囲み、「補遺」と明記した(例:[26a](補遺))。
  • 著者名は、底本の表記(青淵先生、男爵渋沢栄一、子爵渋沢栄一)にかかわらず、全て「渋沢栄一」に統一した。

2. デジタル版「実験論語処世談」のテキストについて

1) 全般

  • 文字コードはUnicode(エンコードはUTF-8)とし、底本の表記をできるだけ再現するよう努めた。ただし、漢字の字体は、デジタル版『伝記資料』の「新旧文字置換対照表」により旧字体を新字体に置き換えた。
  • 本文は漢字ひらがな交り文であり、旧かなづかいとなっている。踊り字(々、ゝ、ゞ、ヽ、ヾ、〳〵、〴〵、〻など)はそのまま表示した。
  • ルビはデジタル版『伝記資料』の表記法に倣い《 》で記載した。
  • 丸囲み文字は( )で表現した。
  • 表示不能な字は〓とし、その後に一般的な表記の字を[ ]で囲み補記した。
  • 底本における誤記・誤植は、当該箇所またはその後に正しい語句を[ ]で囲み補記した。
  • 底本で回ごとの末尾に「(実業之世界掲載)」などの出典情報がある場合、一律、改行・右寄せで表示した。

2) 小見出し

  • 底本において小見出しが掲載されていない箇所には、親本もしくは初出の小見出しを[ ]で囲み補記した。
  • 底本において小見出しに付されていた「△」は削除し、新たに連載1回ごとに通し番号を振り、小見出しの前に追加した。これにより、「実験論語処世談」の回次表記(「(1)」など)と組み合わせ、小見出し番号を「(1)-1」のように表現した。なお、小見出しの数は版により異なるので、この小見出し番号を他の版にそのまま当てはめることはできない。
  • 小見出しにはどの版においても読みがなは振られていないが、初出および書籍版のルビ、書籍版の正誤表などを参照し、新たに現代かなづかいで読みがなを付けた。
【2018.03.28追記】
  • 追加記事8編について、初版の小見出しに付されていた「◎」は削除し、新たに上記に準じた小見出し番号を付与した。

3) 本文中の論語章句とその読み下し文

  • 栄一がテーマとして論述しようとする論語章句は紅色・太字とし、「学而第一」などの篇名を原文の後に【 】で加え、「論語章句一覧」ページの当該章句にリンクした。
  • 同じく( )で囲まれている論語章句の読み下し文は黒色・太字とした。底本において章句と読み下し文を1行で記載している箇所は、改行して並列表示とすることで他との統一を図った。
  • テーマとなる論語章句とその読み下し文は、底本の記載方法にかかわらず「1字下げ」で統一した。
【2018.03.28追記】
  • 栄一の談話中に出現する論語章句および読み下し文に対し、新たに「論語章句一覧」ページの当該章句へのリンクを追加した。
  • 追加にあたって、リンクを張るのは原則として「 」や『 』で明示された箇所とし、同一小見出し内で同じ章番号へのリンクが複数出現することになった場合、2回目以降のリンクは省略した。

3. 「キーワード」について

  • 「キーワード」は、共通の語句によるグルーピングを目的として小見出しより抽出したものである。
  • 抽出するキーワードは名詞を優先し、共通する表記が他にある場合には適宜採用した。また、動詞・形容詞は終止形を基本としたが、共通する活用形が他にある場合には適宜採用した。
  • 慣用句は原則として複数のキーワードに分解した。
  • 固有名は原則としてコントロールした名称を掲載した。人名は一般的な読み方を優先し、小見出しで採用した読みは( )で付記した(例:とくがわよしのぶ(けいき))。
  • 「バブルチャート」におけるキーワードは、本文を含む全体から機械的に抽出したものである。

4. 「論語章句一覧」について

  • 「論語章句一覧」は、論語章句からデジタル版「実験論語処世談」の本文を参照できるよう索引化したもので、デジタル版「実験論語処世談」に掲載された章句の分布も見ることができる。本文において「論語章句一覧」へリンクを張った箇所については「2-3). 本文中の論語章句とその読み下し文」参照。
  • 論語章句の底本には、『論語』の各章にIDとすることが可能な番号を付与している斯文会編『論語 : 斯文会訓点』初版(竜門社, 1928.05)を用いた。これは、渋沢栄一の米寿記念として斯文会により編纂され、竜門社が全国の学校等に寄贈したものである。なお、テキスト化にあたってはデジタル版『伝記資料』の「新旧文字置換対照表」により漢字の旧字体を新字体に置き換え、訓点、送りがな、「 」は省略した。
  • 篇名の数字と『論語 : 斯文会訓点』に付されている同篇中の章数(底本「例言」における「其の篇の章数」。〔一〕など)を「01-01」のように組み合わせ、「章番号」として使用した。なお、『論語 : 斯文会訓点』の区切り方は、現在普及している他の『論語』諸本とは一部異なる箇所がある。
  • 「論語章句一覧」における論語章句の文言は、デジタル版「実験論語処世談」本文中にあらわれる文言と一致しない箇所がある。
【2018.03.28追記】
  • 渋沢栄一がテーマとして論述した箇所を含む小見出しは太字とし、それ以外のものと区別した。なお、この一覧は論語章句および読み下し文の掲載箇所を示すものであり、当該章句を論じている箇所の一覧ではない。
  • トップページの「論語章句から読む」に掲載したヒートマップ(「論語マップ」)は、「論語章句一覧」の内容を基に、デジタル版「実験論語処世談」における論語章句の掲載頻度を可視化したものである。「「実験論語」小見出し」欄のリンク数が多い章句ほど濃い色で表される。